ロボット掃除機は価格が上がるほど賢さがアップ!
日本で圧倒的なシェアと知名度を誇るロボット掃除機といえば、iRobot(アイロボット)の「ルンバ」です。
しかし近年では、中国メーカーが続々と新製品を投入。4万円以下で吸引と水拭きの両方に対応し、集じんドックまで備えたエントリーモデルから、15万円を超える最先端機能を搭載したハイエンド機まで、幅広いラインナップを展開し、徐々に存在感を高めています。
今回は、雑誌『家電批評』編集部が、ハイエンドロボット掃除機8製品を徹底比較しました。
ロボット掃除機の価格が高い理由・安いワケ
まずは、ロボット掃除機の価格差の理由を予習しておきましょう。
現在のロボット掃除機市場では、中国メーカーの製品が急増しており、価格帯も幅広く展開されています。
ざっくり分類すると、5万円前後までがエントリーモデル、10万円前後までがミドルクラス、それ以上がハイエンド機という構成になります(※アイロボットはアメリカメーカーのため、この価格帯とは異なる場合があります)。
まず掃除機本体の性能面では、吸引力に違いがあります。エントリー機では2000~4000Pa程度が一般的ですが、ハイエンド機では8000Pa以上と非常に強力です。
また、ブラシの構造にも価格帯によって差があり、価格が高くなるほど絡まり防止機能が充実しています。
さらに注目したいのが、部屋全体を効率よく回るためのナビゲーション性能の違いです。エントリー機はジャイロセンサーなどによる簡易的なナビが主流ですが、ミドルクラス以上になるとレーザーで部屋の形状を正確にマッピングできるようになります。
そしてハイエンドモデルに近づくと、AIカメラを搭載した製品も登場。価格が上がるほど、掃除機の“賢さ”が増していきます。
ロボット掃除機の選び方は?
テスト1:吸引性能
フローリング、カーペット、クッションフロアの床で吸引力テストを実施。一定量の各種ゴミを指定の範囲に散布し、吸引率から評価しました。
テスト2:水拭き性能
モップの取り付けなどの水拭き前の準備、水拭き指定したエリアを正確に隅々までムラなく拭けているか、また固着汚れが拭き取れるかをチェックしました。
テスト3:立ち回り性能
段差の乗り越えや、障害物の回避性能を評価しました。
テスト4:静音性
清掃中の稼働音やドックの集塵音を測定し、評価しました。
テスト5:アプリ性能
マップの精度や掃除モードの種類など、機能の数を評価しました。
テスト6:メンテナンス
掃除後に必要なお手入れの工程の少なさや簡便さで評価しました
テスト7:設置性
ドックの設置時に占有する体積をチェックし、
ロボット掃除機が充電する場所は製品により名称が異なりますが、本記事では「ドック」と呼称します。
テスト8:使用感
ロボットを動かした際に無駄な動きがないかはど、アプリの使いやすさも含めた使用感を確認しました。
ハイエンドのロボット掃除機のおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ロボット掃除機のおすすめランキングです。格安機も含めたランキングも下に続くので参考にしてみてください。
商品 | |||||||||||||
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ドリーミーX50 Ultra
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350mm(本体・VersaLiftセンサー格納時)、340mm(ドック) |
350mm(本体・VersaLiftセンサー格納時)、457mm(ドック) |
89mm(本体・VersaLiftセンサー格納時)、590mm(ドック) |
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エコバックスDEEBOT X8 PRO OMNI
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353mm(本体)、350mm(ドック) |
351.5mm(本体)、477mm(ドック) |
98mm(本体)、533mm(ドック) |
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ロボロックQrevo Curv
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352mm(本体)、450mm(ドック) |
347mm(本体)、450mm(ドック) |
103mm(本体)、450mm(ドック) |
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ロボロックS8 MaxV Ultra
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350mm(本体)、409mm(5way全自動ドック) |
353mm(本体)、419mm(5way全自動ドック) |
103mm(本体)、470mm(5way全自動ドック) |
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ナーワルNarwal Freo Z Ultra
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|
355mm(本体)、430.8mm(ドック) |
350mm(本体)、388.3mm(ドック) |
109.6mm(本体)、462mm(ドック) |
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アンカーEufy Robot Vacuum Omni S1 Pro
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|
325mm(約、本体)、383mm(約、ステーション) |
347mm(約、本体)、467mm(約、ステーション) |
96mm(約、本体)、670mm(約、ステーション) |
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エコバックスDEEBOT X5 PRO OMNI
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|
313mm(本体)、394mm(ステーション) |
346mm(本体)、443mm(ステーション) |
95mm(本体)、527.5mm(ステーション) |
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アイロボットRoomba Combo 10 Max ロボット + AutoWash充電ステーション
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|
339mm(本体)、401mm(ステーション) |
339mm(本体)、510mm(ステーション) |
87mm(本体)、446mm(ステーション) |
【1位】ドリーミー「X50 Ultra」
- ドリーミーX50 Ultra
- 実勢価格: ¥189,800〜
- 吸引性能
- 水拭き性能
- 立ち回り性能
- 静音性
- アプリ性能
- メンテナンス
- 設置性
- 使用感
- 幅
- 350mm(本体・VersaLiftセンサー格納時)、340mm(ドック)
- 奥行
- 350mm(本体・VersaLiftセンサー格納時)、457mm(ドック)
- 高さ
- 89mm(本体・VersaLiftセンサー格納時)、590mm(ドック)
- 重量
- 4.53kg(本体・VersaLiftセンサー格納時)、9.09kg(ドック)
- 型番
- X50 ULTRA
【段差】5cmの段差を一気に上がり、合計で6cmの段差を乗り越えられます
段差を検知すると、本体底面から脚が飛び出し、本体前面を持ち上げながら進むことで、最大6cmの敷居などを乗り越えます。
ただし、6cmを一気に上がれるわけではなく、“高さの合計が6cm以内の2段の段差”を上がれるという点には注意が必要です。
なお、テストでは、1段目の段差5cm+2段目の段差2cm(※公称値は4.2cm+1.8cm)をクリアしました。
段差の合計が6cmを超えると、降りられなくなることにも要注意! テストでは上れた合計7cmの段差からも降りられず……。
【吸引性能】砂は標準的な性能でしたが髪の毛や紙片は完璧に吸い取りました!
フローリング:吸引率99.0%
コーヒー粉と紙片、髪の毛を掃除するテスト
タイルカーペット:吸引率100.0%
紙片と髪の毛を掃除するテスト
クッションフロア:吸引率95.8%
細かい砂を掃除するテスト
吸引性能を測る3つのテストでは、髪の毛や紙片などを掃除する「フローリング」「タイルカーペット」で、過去最高レベルの性能を発揮しました。
一方、砂を掃除させた「クッションフロア」では、吸引率がやや低く見えますが、どの製品にも共通する傾向であり、標準的な成績といえます。
フローリングはコーヒー粉の取り残しもわずかでした。
【水拭き性能】隅々までしっかり濡らし汚れの拭き取り力もまずまずの性能
水拭き後の床の気化熱をサーモカメラで撮影し、水拭き範囲を可
ビチョビチョじゃないちょうどいい濡れ具合
水拭き範囲は、壁際ギリギリまでしっかり濡らせ、
Before:赤い足跡の汚れが……
After:目視でほぼわからず!
3カ所に塗布した固着汚れが3回の走行で落とせるかの水拭き力テ
自動給水で水拭きの準備にかかる工程が少ないのが◎です。
【立ち回り性能】ソファ下には入れずも難関のコードはしっかり回避!
コード:コードの手前でピタリと止まりました
ソファ:ソファの下には入る様子なしでした
ぬいぐるみ:大きなものは完全に認識
おもちゃ:小さなおもちゃに少し触れました
洗濯物の山や2種類のぬいぐるみなど、高さや大きさのある物体はしっかり認識して回避してくれました。さらに、ロボット掃除機が全般的に苦手とするコード類もきちんと避けた点は、特筆すべきポイントです。
一方で、ソファ下には入り込むことができませんでした。
無理に“攻めすぎない”ところが賢いと感じました。
【メンテナンス】集じんやモップ洗浄&乾燥に加えモップの台座まで洗う
ドックに収集されたゴミは、約100日分もためておくことができます。さらに、たまったゴミはUVライトで除菌されるため、衛生面でも安心です。
モップは4段階の温度で温水洗浄が可能で、乾燥も温風でスピーディに行えます。
さらに、「AceCleanDryBoard」という新システムにより、汚れがたまりやすいドック内のモップ台座を自動で洗浄できる点も秀逸です。
【テスト結果】立ち回りと静音性、吸引、水拭きが高評価
2位のエコバックス「DEEBOT X8 PRO OMNI」との比較では、吸引力や水拭き性能にはほとんど差がなく、立ち回り性能と静音性でわずかに上回りました。
さらに、設定や操作のしやすさ、お手入れの手間といった“使用感”の部分で差がついたことが、勝因となりました。
格納式センサーにも注目!
格納式センサーのおかげでワゴン下には入れましたが、より高さのないソファ下には入れませんでした。
なお、テストでは未使用でしたが、「限界を攻める」モード(β版)も搭載しています。
【2位】エコバックス「DEEBOT X8 PRO OMNI」
- エコバックスDEEBOT X8 PRO OMNI
- 実勢価格: ¥174,980〜
- 吸引性能
- 水拭き性能
- 立ち回り性能
- 静音性
- アプリ性能
- メンテナンス
- 設置性
- 使用感
- おすすめポイント
-
- 床をしっかり水拭きできる
- 障害物をきちんと回避
- お手入れがラクチン
- がっかりポイント
-
- 最小運転の吸引力は控えめ
- ロボットの稼働音は大きめ
- 電源コードは回避しない
- 幅
- 353mm(本体)、350mm(ドック)
- 奥行
- 351.5mm(本体)、477mm(ドック)
- 高さ
- 98mm(本体)、533mm(ドック)
- 重量
- 5.3kg(本体)、7.6kg(ステーション)
- 型番
- DEEBOT X8 PRO OMNI
「メーカーの推しポイント」を実際に検証します!
エコバックス初のロールモップ採用
初となるロールモップは、高速回転して汚れを落としつつ、常時モップを洗浄します。なお、ロールモップはアンカーなどが先んじて採用していました。
→【水拭き】テストでチェックします。
改良されたOMNIのドック
モップは自動での洗浄・乾燥機能に対応。洗浄は3段階の温度調整機能を搭載し、洗剤も自動投入です。集塵パックのゴミもドックが自動吸引します。
→【メンテナンス】テストでチェックします。
前機種から約5000Paも上昇したパワフルな吸引力
1万8000Paの高い吸引力でゴミをしっかり集塵。また、サイドブラシが伸び縮みして、部屋の壁際や四隅のゴミをかき出し掃除すると謳っています。
→【吸引性能】テストでチェックします。
高度なAIテクノロジーを搭載
AIと高度なセンサーを組み合わせて、室内を効率的にナビゲート。障害物の形状や輪郭まで認識して、エッジまで近づいて掃除できるそう。
→【立ち回り】テストでチェックします。
【水拭き】床全面をしっかり濡らして汚れはバッチリ落とした!
ローラーモップでまず外周を拭いてから内側を規則的に走行します。2回目の走行時点で疑似的な汚れはほとんど消えていて、水拭き力は優秀です。
それなのに床の濡れ量はそこまで多くなく、掃除後に床が速く乾きベチャベチャと濡れていないのも高評価です。
Before:汚れを塗布した床を走行
疑似汚れを3カ所に塗布して、3回走行させました。それぞれの走行ごとに汚れ落ちの状態を目視でチェックしています。
After:足跡はほとんど見えなくなりました
1回目の走行でうっすらピンク色が残るくらいまで汚れを落としました。2回目で疑似汚れの色はほとんど見えません。
エコバックス「DEEBOT X8 PRO OMNI」の水拭き範囲
床の濡れ具合はそこまでですが、壁際のぎりぎりまで拭いていました。
ロボロック「Qrevo Curv」の水拭き範囲
水拭き範囲はエコバックス「DEEBOT X8 PRO OMNI」と同様ですが、床がより湿っていました。
【メンテナンス】ドックは全自動でお手入れが超ラクチン
アプリひとつで全部キレイに
ロボットが集めたゴミをドックが自動で収集するほか、モップの洗浄や乾燥など、さまざまなお手入れを“ハンズフリー”で行ってくれるのが特徴です。
とくに汚れが気になるモップは自動投入される洗剤できちんと洗浄してくれるので、ニオイやカビなどに対する安心感が高いです。
5つのハンズフリー機能
- モップ洗浄・乾燥
- 洗剤液自動補充
- ゴミ集塵
- 本体給水
モップの洗浄と乾燥は自動で、洗浄は3つの温度調整に対応。ロボットが集めたゴミも自動で収集してくれるほか、ロボットタンクへの給水、モップ洗浄用の洗剤も自動化されています。
幅広の給水口で洗いやすいです
清水と汚水のタンクは広々とした給水口なので、手に持ったスポンジを動かしやすく、隅々まで洗えます。タンクの取っ手も指をラクに入れられました。
洗浄液も自動で追加されるのが便利です。
【吸引性能】コーヒー粉はやや残したけどそれ以外はよく吸引できました
タイルカーペット:吸引率100%
細かな砂もかなり吸引
フローリングのコーヒー粉はやや苦手で、最小モードは取り残しが多めです。
しかし、タイルカーペットは100%の吸引率で、クッションフロアの砂も十分な吸引力。掃除時間はやや長めでした。
同一地点を何度も走行しないため、散ったコーヒー粉の取り残しがありました。
【アプリ】自分好みに掃除できる
シナリオ清掃
マップ
モードやマップ機能は細かく設定できます。トップ画面からカスタムモードを選んで掃除できるのが便利。また、デバイス共有も可能です。
【立ち回り】難関の〝おもちゃ〟を回避!障害物の認識精度は高い
ワゴン下
狭い隙間でも奥まで入りました。
ぬいぐるみ
ほんのわずか触れる程度です。
おもちゃ
しっかり検知してほぼ動かしません。
電源コード以外はきちんと認識しました。軽く触れることはありましたが、押したり乗り上げたりしません。
また、ワゴンやソファなどの家具の隙間もスイスイと動き、くまなく掃除しました。
障害物のギリギリまで近づきますが、当たらず掃除していました。
電源コードは苦手です
認識したような挙動をしましたが、避けずにコードへ乗りあげ、しばらく引きずったのち、抜け出しました。
【静音性】最強運転はうるさめ
最小運転でも音は大きめ
ドックの集塵音はトップの静音。しかし、ロボットは最弱モードで60dBを超えました。
【3位】ロボロック「Qrevo Curv」
- ロボロックQrevo Curv
- 実勢価格: ¥83,103〜
- 吸引性能
- 水拭き性能
- 立ち回り性能
- 静音性
- アプリ性能
- メンテナンス
- 設置性
- 使用感
- おすすめポイント
-
- 吸引力はトップの高スコア
- 水拭き力も平均以上の実力
- どのモードの運転も静か
- がっかりポイント
-
- 小さな障害物は動かした
- 水拭きエリアは指定できるが禁止エリアは設定不可
- 幅
- 352mm(本体)、450mm(ドック)
- 奥行
- 347mm(本体)、450mm(ドック)
- 高さ
- 103mm(本体)、450mm(ドック)
「メーカーの推しポイント」を実際に検証します!
同社の「S8 MaxV Ultra」よりも吸引力が8500Pa上昇
ロボロックでは最高の18500Paの吸引力が特徴。カーペットの奥やフローリングの隙間などに入り込んだ微細なハウスダストも吸い込むと謳っています。
→【吸引力性能】テストでチェックします。
伸縮するモップで隅まで拭けます
水拭き用の2つのモップは回転式で、最大毎秒200回転。伸縮して壁との隙間をなくし、正確な水拭きを目指しています。
→【水拭き】テストでチェックします。
リフトアップで段差もラクに越えます
段差では、本体の前輪を自動でリフトアップして乗り越えます。一層の敷居は最大3cm、二層の敷居は最大4cmの高さに対応すると謳っています。
→【段差攻略】テストでチェックします。
最大62種類の障害物を認識・回避
3Dスキャン方式のストラクチャードライトとRGBカメラを採用。家具や小物など最大62種類の障害物をAIが分析し、回避したり効率的な掃除を行います。
→【立ち回り】テストでチェックします。
【吸引性能】どの場所のゴミもしっかり吸引しました
フローリング(最強モード):吸引率99.8%
壁際や隅もきちんと吸引しているほか、ブラシで掃いたゴミも散らしすぎないのが優秀です。
フローリングは最大・最小運転どちらもトップの吸引率を記録。タイルカーペット、クッションフロアも十分にゴミを吸引して、床材やゴミを問わずに掃除できそうです。
短めの掃除時間でもしっかり集塵
壁際や隅まで丁寧に走行して掃除を実行。フローリングに撒いたコーヒー粉をわずかに残しただけで、紙片や髪の毛は全て吸引しています。
吸いにくい細かなコーヒー粉や砂もきちんと掃除できました。
【水拭き】3回の走行後には汚れをほぼ落としました
水拭き範囲
伸縮式モップで床をしっかり濡らして水拭きしています。回転式のツインモップはモップの間に汚れが残ってしまうのが弱点ですが、ロボロック「Qrevo Curv」はその隙間にもモップが当たるように本体をずらしながら直線的に走行します。
実際に疑似汚れを、ほぼキレイに落としました。
Before
After
1回目の走行では、壁際の足跡がわずかに残りましたが、それ以外の2つの足跡はほとんど消えていました。
その後、2回の走行を行いましたが、壁際の足跡を完全には拭きとれず。とはいえ、十分な性能です。
【静音性】本体もドックも静音で在宅時も夜も快適!
最小運転の騒音値は58.8dBと洗濯機の音程度です。標準モード、最大運転も満点ではありませんが、高スコアを記録しました。
ドックの吸引音も静かで、在宅時や夜に掃除させたいときも快適性は高いです。
高い吸引力なのに音は超静か
実際に検証で走行させたときも、吸引・モーター音は静かで耳障りに聞こえませんでした。
ドックのゴミ収集音は本体の稼働音よりも大きいですが、それでも70dB以下で高評価を獲得しています。
ドック吸引音も含め、吸引・走行時の騒音値は小さめでした。
【段差攻略】苦戦したが4cmの段差もクリア!
4cmは少しもたついて時間はかかりました
段差検証では、少しもたついて越えられず後ろに戻ることもありましたが、本体の前輪を持ち上げて車高を上昇させ、「3cm」と「4cm(※二層)」の段差を、見事に乗り越えました。
なお、長毛カーペットもスムーズに走行できます。
3cmや二層の4cm段差は越えないときもありました。
【立ち回り】小さなおもちゃとトレイは回避できずに引きずりました
おもちゃ
電源コード
おもちゃ、電源コード、イカのぬいぐるみの足など、認識したような挙動はするものの、乗り上がって動かしました。
カメラに映りにくい薄めの障害物は苦手そう。
前機種とは別シリーズです!
Qrevo Curv
S7 MaxV Ultra
MaxVシリーズとの違いのひとつは水拭きモップ。ロボロック「Qrevo Curv」は伸縮式になって、より壁際を拭きやすくなりました。
また、その名の通りドックは曲線を取り入れたデザインです。
【4位】ロボロック「S8 MaxV Ultra」
- ロボロックS8 MaxV Ultra
- 実勢価格: ¥106,280〜
- 吸引性能
- 水拭き性能
- 立ち回り性能
- 静音性
- アプリ性能
- メンテナンス
- 設置性
- 使用感
- おすすめポイント
-
- ゴミ回収率99.8%という高い吸引性能
- アプリが多機能で細やかな清掃指示が可能
- ドックがコンパクトで狭い場所にも設置できる
- がっかりポイント
-
- 障害物の回避性能はいまひとつ
- 幅
- 350mm(本体)、409mm(5way全自動ドック)
- 奥行
- 353mm(本体)、419mm(5way全自動ドック)
- 高さ
- 103mm(本体)、470mm(5way全自動ドック)
- 重量
- 4.2kg(約、本体)、10kg(約、5way全自動ドック)
- 型番
- S82USV
吸引テストはほぼパーフェクトの成績で取り残しはわずかでした。
ゴミの回収率は99.8%!床材を問わない高い吸引性能
高い吸引性能を誇ったのが、ロボロック「S8 MaxV Ultra」です。
フローリング、タイルカーペット、クッションフロアのいずれの床材でも回収率が高く、清掃1回で床の上のほとんどのゴミを吸い取ってくれます。
ちなみにフローリングでは静音モード(最も吸引力を抑えたモード)でも吸引性能のテストを実施しましたが、こちらのゴミ回収率も優秀。
毛髪を1本取り残したものの、コーヒー粉の回収率は吸引力最大モードとほぼ変わらず(99.7%)、在室中に静音モードで掃除させても吸引力が落ちません。
フローリング
コーヒー粉がわずかに部屋の隅に残っただけで満点評価です。
タイルカーペット
タイルカーペットの紙片や髪の毛もひとつ残らず吸い取 りました。
クッションフロア
クッションフロアは、端のほうに数粒の砂が残るなどやや回収率が落ちていますが、他の3製品(次点は91.3%)と比べると抜群に優秀です。
本体側面のミニ円形モップで壁際の床面もしっかりと水拭き!
壁際までしっかりと水で濡れている!
本体側面に搭載した小さな円形モップにより、壁際までしっかりと水拭きできるのがロボロック「S8 MaxV Ultra」の特徴です。
従来の本体底面に装着する半月形のモップの弱点を見事に克服しています。
独立した円形のモップが追加!
新採用の「壁キワ用モップクロス」。底面モップと壁の隙間を拭いてくれます。
モードや設定の項目数が多く細やかな清掃指示ができます
吸引・水拭きとも4つの清掃モードを用意!
吸引・水拭き同時清掃はもちろん、個別の掃除も可能。各清掃モードは4つから選択できるため柔軟な指示ができます。
また、AIにまかせる「スマートプラン」モードも用意されています。
カーペットや家具もマップに設定可能!
マッピング精度は高く、掃除中に検出した家具やカーペットも自動で表示してくれるのが便利! あとから手動で追加・調整も可能です。
給水・排水がしやすく水拭き後のお手入れがラク!
給水
排水
給水タンクや汚水タンクはドック上面にあり、手間なく取っ手付きでスッと取り外せます。
また両タンクとも、取っ手とフタが別々なうえ、持ちやすい形状をしているので、給水と排水がしやすい点も特徴です。
左右に必要なマージンは1cm!家具の隙間にも設置できます
ちょっとした隙間にもドックが設置できる!
通常、ロボット掃除機の基地であるドックの左右は一定以上の“空きスペース”を作る必要があります。
しかし、ロボロック「S8 MaxV Ultra」は左右マージンが各1cmとなっていて、設置性が抜群。高さもそれほどないため、設置場所の選択肢が広いです。
【5位】ナーワル「Narwal Freo Z Ultra」
- ナーワルNarwal Freo Z Ultra
- 実勢価格: ¥139,181〜
- 吸引性能
- 水拭き性能
- 立ち回り性能
- 静音性
- アプリ性能
- メンテナンス
- 設置性
- 使用感
- おすすめポイント
-
- 標準モードでも60dB以下
- 電源コードに当たらず回避
- カーペットでの吸引が得意
- がっかりポイント
-
- 広い設置スペースが必要
- おもちゃは回避できない
- ゴミをブラシで弾いた
- 幅
- 355mm(本体)、430.8mm(ドック)
- 奥行
- 350mm(本体)、388.3mm(ドック)
- 高さ
- 109.6mm(本体)、462mm(ドック)
- 重量
- 4.5kg(約、本体)、12.3kg(約、ドック)
- 型番
- YJCC017
「メーカーの推しポイント」を実際に検証します!
かつてない賢さで障害物を回避
世界初のデュアルRGBカメラとデュアルAIチップを搭載したロボット掃除機。リアルタイムで障害物やゴミを識別し、回避・清掃を行うそうです。
→【立ち回り】テストでチェックします。
前機種から4000Pa上昇した吸引力
業界トップクラスの吸引力で、硬い床なら99%の粒子を捕らえ髪の毛やゴミ、ホコリを隙間やカーペットから取り除くと謳っています。
→【吸引性能】テストでチェックします。
回転加圧式モップが汚れを除去
デュアルモップが手で拭くように動き、1.2kgの下向きの圧力で72時間経過したケチャップなどの頑固な汚れもキレイに清掃できるらしい。
→【水拭き】テストでチェックします。
【立ち回り】電源コードは認識したけど小さいおもちゃは認識しませんでした
ロボット掃除機が苦手な電源コードは回避したものの、鬼門であるおもちゃはデュアルカメラに映らなかったのか、回避できずに散らかしました。そのほかの障害物はしっかり回避しました。
おもちゃ
カメラより背が低いおもちゃに近づくと、認識できずトレイに衝突。その後、小さなおもちゃを引きずりながら走行して、ぐちゃぐちゃにしました。
再度近づいた際は、1回目に認識したのかおもちゃを認識して回避できました。
ぬいぐるみ
ぬいぐるみの耳と足に少し触れる程度。足は少し押したものの、位置をしっかり検知して動かさず、ギリギリを通過しました。
電源コード
電源コードはしっかりと認識。少し手前で停止し、当たらない方向を見極めて、余裕を持って回避成功!
ワゴン下は本体の天面中央にあるセンサーが引っかかり、奥まで入れず点数を落としました。
【吸引性能】超強力!ではないもののゴミは十分吸い取れました
クッションフロア:吸引率93.7%
フローリング:吸引率99.1%
タイルカーペット:吸引率100%
タイルカーペットに撒いた紙片と髪の毛は取り残さず100%の吸引力を記録しました。
また、フローリングでは紙片や髪の毛は全て吸引しましたが、コーヒー粉は取りきれずクッションフロアに撒いた砂も少し残しました。
とはいえ、清掃回数を増やせばキレイにできそうです。
【水拭き】廊下の端は残したが中央の汚れは落としました
水拭き範囲
水拭きでは壁際ギリギリまでしっかり濡らしました。靴下が少し湿るほどの濡れ具合です。
before:足形の赤い汚れを走行して
after:中央は拭き取り右の壁際は少し残しました
1回目の走行で中央の汚れを完璧に拭き取りましたが、壁際はやや離れて見てもわかるほど汚れを残してしまいました。
円盤型のモップですが、中心から外に向かって圧力が弱くなっていることが、壁際の汚れを残した要因と思われます。
【静音性】本体の稼働音は静かです
標準モードでは一60dBを切る結果に。ドックの音は他製品より3dBほど大きめですが、静音性の評価は優秀です。
【メンテナンス】ゴミも汚水も自動吸引してモップはドックで洗浄!
ゴミはドックが自動集塵するため、ゴミ捨ての手間はありません。ダストバッグの取り外しはやや硬いものの、ラクちんです!
汚れたモップはドックで自動洗浄しつつ、ドック本体も洗浄。洗浄が終わったモップは40℃の温風で乾燥し、清潔さを保ちます。
【設置性】ドックはやや大きめなうえ設置スペースも広い……
本体サイズが大きいがゆえに、設置スペースも左右30cm、正面100cmの空間が必要です。
設置性の自由度は低く、一人暮らしなど部屋が狭い人には不向きです。
【6位】アンカー・ジャパン「Eufy Robot Vacuum Omni S1 Pro」
- アンカーEufy Robot Vacuum Omni S1 Pro
- 実勢価格: ¥146,140〜
- 吸引性能
- 水拭き性能
- 立ち回り性能
- 静音性
- アプリ性能
- メンテナンス
- 設置性
- 使用感
- おすすめポイント
-
- 障害物に対する回避性能が高く散らかり気味の部屋でも使える
- ローラー型のモップで均一かつキレイに水拭きできる
- 標準モードでも動作音が小さく静音モードでも吸引力が落ちない
- がっかりポイント
-
- ソファ下は掃除せずクッションフロア上の砂の吸引もイマイチ
- 幅
- 325mm(約、本体)、383mm(約、ステーション)
- 奥行
- 347mm(約、本体)、467mm(約、ステーション)
- 高さ
- 96mm(約、本体)、670mm(約、ステーション)
- 重量
- 4.8kg(約、本体)、11.6kg(約、ステーション)
- 型番
- EUFY ROBOT VACUUM OMNI S1 PRO
吸引も水拭きも次点の好成績でした。
標準モードでも動作音が静か!
在室時でもあまり気にならない
静音性の評価は1位より低いですが、これはステーションの影響です。本体動作音は標準モードでも静かなので、在室中に掃除させていても気になりません。
存在感が強いステーション
家具によっては異質感が強く出るかも
自動帰還・自動充電を行える、サイバー感のあるステーション。外観は存在感が強めです。モノトーン系の家具が多い部屋ならなじみますが、明るめの家具が多いと目立ってしまいます。
【7位】エコバックス「DEEBOT X5 PRO OMNI」
- エコバックスDEEBOT X5 PRO OMNI
- 実勢価格: ¥209,800〜
- 吸引性能
- 水拭き性能
- 立ち回り性能
- 静音性
- アプリ性能
- メンテナンス
- 設置性
- 使用感
- おすすめポイント
-
- 1回で足あと汚れを落とすほどの高い水拭き性能
- 設置時の左右幅が小さく置き場所の自由度が高め
- がっかりポイント
-
- ソファやテーブル下に潜らず回避性能もやや低め
- 紙片や砂の取り残しが多めで吸引力が物足りない
- 幅
- 313mm(本体)、394mm(ステーション)
- 奥行
- 346mm(本体)、443mm(ステーション)
- 高さ
- 95mm(本体)、527.5mm(ステーション)
- 重量
- 非公開
- 型番
- DEEBOT X5 PRO OMNI(ブラック)
強めの汚れも落とせる水拭き
1回の走行で汚れががっつり落ちました!
水拭きの汚れ落とし性能は優秀。1回の拭き取りでかなり落とし、3回目の拭き取りでは3カ所につけた足あとがほぼ見えないレベルに!
洗面所の砂はだいぶ苦手
フロア全体に砂が残っていました
重い粒が苦手なのか、クッションフロアにまいた砂は、端だけではなく全体的にまばらに残っていました。
回収率は82.8%と最下位の成績でした。
【8位】アイロボット「Roomba Combo 10 Max ロボット + AutoWash 充電ステーション」
- アイロボットRoomba Combo 10 Max ロボット + AutoWash充電ステーション
- 実勢価格: ¥199,614〜
- 吸引性能
- 水拭き性能
- 立ち回り性能
- 静音性
- アプリ性能
- メンテナンス
- 設置性
- 使用感
- おすすめポイント
-
- 本体上に上がるリフト機構で環境を気にせず水拭き可能
- 回避性能が高いうえソファの下もしっかり潜って掃除する
- がっかりポイント
-
- 他製品と比べて吸引性能が全体的に物足りない
- 本体もステーションも動作音が大きく在室時は気になる
- 幅
- 339mm(本体)、401mm(ステーション)
- 奥行
- 339mm(本体)、510mm(ステーション)
- 高さ
- 87mm(本体)、446mm(ステーション)
- 重量
- 5kg(約、本体)、10.45kg(約、ステーション)
- 型番
- ルンバ コンボ 10 MAX ロボット + AUTOW
アプリがシンプルで操作に迷いません!
カーペットの先も水拭きできます
モップをきっちり持ち上げるので濡れない!
他製品のモップリフトは高くても1cm程度。毛足の長いじゅうたんは横断すらできません。
ルンバなら床環境に関係なく水拭きの指示ができます。
動作音が大きく在室時使用は難
どの清掃モードでも騒音値はほぼ同じです
ルンバの吸引モードの強弱はバッテリー持ちを重視しており、静音性は考慮されていません。
動作音はわりと大きいので在室時はかなり気になります。
ロボット掃除機のよくある質問
Q. ロボット掃除機の価格帯別の水拭き機能の違いは?
A. 以前は水拭き専用のロボット掃除機も存在していましたが、現在ではエントリー機でも吸引と水拭きの両機能を搭載するのが一般的になり、ハイエンド機との機能差は徐々に縮まりつつあります。
とはいえ、エントリー機では着脱式のモップパッドによる簡易的な水拭きが主流です。一方、ミドルクラス以上になると、電子制御の水タンクや加圧式のデュアル回転モップなどを搭載する製品が登場します。
さらにハイエンド機では、カーペットを検知してモップを自動で持ち上げる機能や、アームをサイドに伸ばして壁際までしっかり拭き取る「エッジ拭き」機能など、より高度な水拭き性能が加わります。
新機能がどんどん入ってハイエンドは価格が高騰していますが、掃除機能だけなら5万円程度のエントリー機でも十分。本当に必要な機能を考えて購入を!
Q. ロボット掃除機の価格帯別の水拭き機能の違いは?
A. ドックとは、充電だけでなく、さまざまなメンテナンス機能を備えた“基地”のような存在です。このドックの進化こそが、近年のロボット掃除機が大型化・高額化している要因ともいえます。
エントリー機に付属するドックは充電機能のみの場合もありますが、ミドルクラスになると自動ゴミ収集機能付きが標準装備に。40~70日分程度のゴミをためられる紙パック式の集じんボックスを備えており、ゴミ捨ての手間を軽減できます。
ハイエンド機では、自動ゴミ収集に加え、モップの自動給水・洗浄・乾燥までをフルオートでこなすようになります。洗剤を使用する製品では、洗剤の自動投入にも対応するなど、ドックはますます多機能化しています。
一方で、掃除機本来の「清掃する」能力は、下位モデルにもしっかり搭載されています。価格が高くなるほど“賢さ”やドックの機能は向上しますが、事前の片付けや隅の追加清掃といったある程度の手間を許容できるなら、エントリー機でも十分といえるでしょう。
ハイエンドはドックの機能が充実する一方、以前に比べ大型化しています。意外と設置スペースをとるので、場所を確保できるか事前にしっかり確認しましょう。
まとめ:点差ほどの極端な性能差はない!
以上、ハイエンドのロボット掃除機のおすすめランキングの紹介でした。
テストした8製品すべてがA評価以上の評価を獲得という結果に。中国系メーカーの参入により、ここ数年で目覚ましい進化を遂げてきたロボット掃除機ですが、その進化も成熟の域に達してきた感があります。
ロボット掃除機は常に部屋に設置する家電だけに、部屋になじむ外観から選ぶのも悪くありません。
また、いかに優秀なロボット掃除機でも、使用環境に合わなければ宝の持ち腐れです。機能面も考慮し、自分に合う一台を見つけてみましょう。
記事を参考にお気に入りのロボット掃除機を見つけてください。
ハイエンドのロボット掃除機のおすすめ
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ドリーミー
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