ゴルフ用レーザー距離計とは?

ゴルフ用レーザー距離計とは、ピンやバンカーといった目標物までの距離をレーザーを使って正確に測定するデバイスのこと。プレーヤーが望遠鏡のような形状の距離計を覗き、ボタンを押すとレーザーが照射され、対象物までの距離が画面に表示されます。
また、多くのモデルでヤード単位/メートル単位の表示切り替えが可能。狙った場所との距離を一目で確認できます。また、高低差や障害物が多いコースでも正確に距離を計ってくれます。
ゴルフのスコアアップを目指すプレーヤーにとって、戦術の精度を高めるための必須アイテムのひとつといえるでしょう。
特徴①:レーザー光の照射

レーザー距離計の計測方法は、レーザー光線を利用した「タイムオブフライト」方式が一般的です。これは、光が物体に到達し、反射して戻ってくるまでの「飛行時間」を計測することにより、その物体までの距離を算出する技術のこと。幅広い分野で活用されています。
特徴②:高精度な距離測定
光速は非常に速く、短い飛行時間でも高精度に測定することで、正確な距離を算出できます。
特徴③:リアルタイム性
ほんの数秒で瞬時に距離の測定が可能。プレーのテンポや一緒にコースを回る同伴者を邪魔することなく測定できます
特徴④:高低差補正機能

打ち上げや打ち下ろしの傾斜を考慮し、実際に打つべき「目安距離」を表示する機能のこと。例えば上記の写真なら、実際の直線距離は「33.4ヤード」ですが、高低差があるので、「打ち下ろしで35ヤードを飛ばす」ことが推奨されています。
ただし、大会などによっては使用が制限されることも。今回検証した製品はどれも、高低差補正機能をオフにできるので安心です。
ゴルフ用レーザー距離計の選び方
ゴルフ用レーザー距離計は、距離の正確さに加え、ロックオン機能や高低差補正といった付加機能や使い勝手のよさももチェックして選びたいところ。ここでは初心者でもわかる、特にチェックすべき選び方を紹介します。
選び方1:測定精度と測定範囲

検証したところ、レーザー距離計は基本的に精度が高く、一般的に誤差±1ヤード以内のモデルがほとんどでした。プロが競技でも使用可能なレベルの精度を備えています。
測定範囲については、最低でも600ヤード以上あれば安心。なかには最大1000ヤード以上の計測にも対応しているモデルもあります。自分がよく使用するゴルフコースの長さを考慮して選びましょう。
選び方2:画面表示と覗きやすさ

ゴルフ場は暗い曇りの日や早朝・薄暮の時間帯によって視認性が大きく変化するもの。そのため、画面表示の見やすさは重要な選定基準のひとつです。明るい文字表示に対応し、かつ明るさ調節が可能なモデルがおすすめ。
ただし、HPで掲載されている写真やレビューサイトの写真と実際に目で見る感覚は異なってくるので、できれば実際に触って確かめて欲しいです。
選び方3:ロックオン機能の有無

ロックオン機能とは、背景の木や建物ではなく、フラッグを優先的に認識して測定する機能。上の写真でもしっかりフラッグを認識しています。遠距離でも正しくターゲットを認識できるため、森林の前などまぎらわしい場所でも安心。
さらに、手のわずかな動きで狙いがズレると測定ミスにもつながるので、手ぶれ補正機能があると便利でしょう。
選び方4:高低差補正機能の搭載

傾斜のあるコースでの距離感をつかみたいなら、高低差補正機能が有効となります。実際の高低差を考慮した打つべき距離を表示してくれるため、どのクラブを使用するか戦略が立てやすくなるはず。
ちなみに、今回検証した4台とも、機能を搭載していました。
選び方5:コンパクトさも重要! 軽量性・携帯性などの使用感

ラウンド中に常に持ち歩くことを考えると、サイズと重さも無視できない要素のひとつとなります。ベルト紐に付けたままスイングをするので、邪魔にならないコンパクトで軽量なモデルが望ましいでしょう。
選び方6:その他の便利な付加機能

ゴルフ用レーザー距離計は主に距離の計測を行いますが、なかには録画機能を搭載しているモデルも。
スマートフォンを取り出さずにフォームの確認をするための動画を撮影できて便利です!
ゴルフ用レーザー距離計の検証方法は?
今回は雑誌『家電批評』編集部が、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといったECサイトで購入できる、ゴルフ用レーザー距離計の人気商品をピックアップ。
(社)日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロの安藤 秀さんと一緒に実際に手に取って、編集部で以下の項目を検証しました。
テスト1:距離計測の正確性は?
ターゲットから3地点(60ヤード、90ヤード、120ヤード)から3回計測。
その平均値が実際の距離とズレがないかをチェックしました。
テスト2:画面の視認性は?
ファインダーを覗いた際、画面に表示された計測値が見やすいかをチェック。表示の色が明るく数が多い、また表示の明るさを調節できるほど高評価としました。
テスト3:覗きやすさは?
ファインダーの直径のサイズや丸型か角型かで覗きやすさが異なりました。モニター数名によるスコアを平均して算出しました。
テスト4:測定のしやすさは?
ロックオン機能や高低差補正機能、手ぶれ機能を標準で搭載しているのかについて確認。
また、ズームで表示を切り替えられるのかを前提に、モニター数名によるスコアを平均して算出しました。
テスト5:携帯性は?
専用ケースに収納した際のサイズと重量、またゴルフ用レーザー距離計を出し入れしやすさをモニター数名によるスコアを平均して算出しました。また、カートにマグネットを装着できるのかを加点要素に入れています。
それでは、評価が高かった順にゴルフ用レーザー距離計のおすすめ商品をランキングで紹介します!
それでは、評価が高かったゴルフ用レーザー距離計をおすすめ順に発表していきます。
ゴルフ用レーザー距離計のおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ゴルフ用レーザー距離計のおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | 距離計測の正確性 | 画面の視認性 | 覗きやすさ | 測定のしやすさ | 携帯性 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]()
ニコンCOOLSHOT PROIII STABILIZED
![]() |
|
42mm |
74mm |
約205g(電池を除く) |
8〜1200yd |
6倍 |
3.5mm |
|||||||
![]()
キヤノンPowerShot GOLF
![]() |
|
91.2mm |
58.9mm |
31mm |
151g(メモリーカード含む) |
約7.0〜800yd |
約6倍/12倍 |
非公開 |
||||||
![]()
ニコンCOOLSHOT 50i GII
![]() |
|
41mm |
80mm |
約205g(電池を除く) |
6〜1200yd |
6倍 |
3.7mm |
|||||||
![]()
ガーミンApproach Z30
![]() |
|
112mm |
80mm |
39mm |
210g |
7〜1300yd |
6倍 |
非公開 |
【1位】ニコン「COOLSHOT PROIII STABILIZED」
- ニコンCOOLSHOT PROIII STABILIZED
- 最安価格: ¥56,873〜
- 距離計測の正確性
- 画面の視認性
- 覗きやすさ
- 測定のしやすさ
- 携帯性
- おすすめポイント
-
- 計測結果が誤差1ヤード以内と正確
- 計測の反応速度がスピーディー
- 計測値の明るさを5段階調整可能
- 比較的軽量コンパクト
- がっかりポイント
-
- スマホアプリ非対応
- 幅
- 102mm
- 幅
- 42mm
- 高さ
- 74mm
- 重量
- 約205g(電池を除く)
- 測定距離
- 8〜1200yd
- 倍率
- 6倍
- ひとみ径
- 3.5mm
- 型番
- COOLSHOT PROIII STABILIZED
覗きやすく画面も見やすい。また計測も即座にできるのでコースに出るとより使いやすさを実感できるはず。個人的にもお気に入りです!
芝の色と見分けがつきやすい数字表記

距離や傾斜などの情報を過不足なく表示。赤字なので、グリーンを見ていてもチェックしやすいです
公称値0.1秒の高速測定結果表示

ニコン独自の測距システムを搭載。目標物までの距離を瞬時に計測してくれます。
ボタンを押してから数値が出るまでの反応が速く、スムーズに計測できました!
適度なサイズで出し入れもしやすい

「COOLSHOT PROⅢ STABILIZED」のサイズは、手のひらに収まるほどの大きさです。
ケースに収納してもコンパクトで、スイングの邪魔になりません。レーザー距離計の出し入れもしやすく、取り出して計測。計測後にしまうまでの流れがスムーズにできます。
【1位】キヤノン「PowerShot GOLF」
- キヤノンPowerShot GOLF
- 最安価格: ¥45,900〜
- 距離計測の正確性
- 画面の視認性
- 覗きやすさ
- 測定のしやすさ
- 携帯性
- おすすめポイント
-
- 計測結果が誤差1ヤード以内と正確
- カラー画面で情報確認が便利
- 軽量コンパクトで携帯に便利
- 静止画・動画撮影できる
- がっかりポイント
-
- 従来のタイプのファインダーに慣れている人は若干覗きにくい
- 幅
- 91.2mm
- 奥行
- 58.9mm
- 高さ
- 31mm
- 重量
- 151g(メモリーカード含む)
- 測定距離
- 約7.0〜800yd
- 倍率
- 約6倍/12倍
- ひとみ径
- 非公開
- 型番
- POWERSHOT GOLF
丸型ファインダーに慣れているため違和感がありましたが、初めてレーザー距離計を使う人には視界が広く、いいかもしれません。
ズーム機能があるのは本機のみ


デジタルズームで拡大できるのは、今回検証した中では本製品だけ。標準だと倍率6倍ですが、12倍にまで拡大してチェックできます。
ワンタップですぐ倍率を切り替えられて使いやすい。距離を測るだけでなく、フラッグ周りのグリーンの状況を観察するのにも役立ちます
軽量・コンパクトで、初心者や女性にも最適

ほかのレーザー距離計と比べても約50g以上軽量で、サイズもひと回り小さいのが魅力。
今回初めてレーザー距離計を使ったのですが、本製品は小さい分各ボタンに手が届きやすくて非常に使いやすかったです!
【3位】ニコン「COOLSHOT 50i GⅡ」
- ニコンCOOLSHOT 50i GII
- 最安価格: ¥34,650〜
- 距離計測の正確性
- 画面の視認性
- 覗きやすさ
- 測定のしやすさ
- 携帯性
- おすすめポイント
-
- 計測結果が誤差1ヤード以内と正確
- 求めやすい価格
- 計測値の明るさを5段階調整可能
- カートにマグネットで接着できる
- がっかりポイント
-
- サイズが大きい
- 幅
- 115mm
- 幅
- 41mm
- 高さ
- 80mm
- 重量
- 約205g(電池を除く)
- 測定距離
- 6〜1200yd
- 倍率
- 6倍
- ひとみ径
- 3.7mm
- 型番
- COOLSHOT 50I GII
ケースの出し入れにやや手間取りますが、機能や視認性に全く問題がないので、出費を抑えたい人に向いています。
ヒモで閉じるケースは出し入れが大変

専用ケースはハードタイプで紐で閉じるタイプですが、レッスンプロの安藤秀さんによると「指に紐が引っかかってしまい、開け閉めが面倒」とのことでした。シンプルなマグネットタイプで閉じるほうが使い勝手は良かったです。
ボディー側面にマグネットを内蔵

本体にはマグネットが内蔵されているので、ゴルフカートやゴルフクラブなどに磁力で装着可能。ラウンド中でも、置き場を心配することなくサッと使用できます。
【4位】ガーミン「Approach Z30」
- ガーミンApproach Z30
- 最安価格: ¥50,800〜
- 距離計測の正確性
- 画面の視認性
- 覗きやすさ
- 測定のしやすさ
- 携帯性
- おすすめポイント
-
- 計測結果が誤差1ヤード以内と正確
- ウォッチと連携可能
- 防水機能が充実
- カートにマグネットで接着できる
- がっかりポイント
-
- 本体サイズが大きい
- 幅
- 112mm
- 奥行
- 80mm
- 高さ
- 39mm
- 重量
- 210g
- 測定距離
- 7〜1300yd
- 倍率
- 6倍
- ひとみ径
- 非公開
- 型番
- APPROACH Z30
シンプル表示で使いやすいですが、サイズの大きさが気になります
表示情報はかなり充実

写真引用:ガーミン公式サイト
対象までのヤード数を赤字で表示。さらに、ピンを捕捉すると、ピンからフロント・バックエッジまでの距離を表示してくれます。高低差も別モードで表示してくれるので安心。
アプリ連携でデバイスの位置情報を取得できる

「Garmin Golf」アプリとペアリングすると、「Find My Garmin」機能により、万が一距離計をコースに置き忘れた場合でも追跡可能。 最後にBluetoothで通信していたときのデバイスの位置情報を表示し、発見に役立ちます。
今回の検証でも、ティーチングプロの安藤さんからラウンド中にレーザー距離計の忘れ物を拾ったというお話を伺いました。ゴルフクラブと違って小型なので忘れやすい上に、高価なのがレーザー距離計です。その位置情報をしっかり表示してくれるのは安心!
IPX7の防水性能で、池に落としても平気

今回検証したレーザー距離計の多くは防水性能がIPX4で、生活防水レベル。しかし「Approach Z30」はIPX7相当と高水準で、水深1mに最長30分間浸水しても壊れません。激しい雨はもちろん、万が一池に落としてしまっても問題なく使用を続けられます。
せっかくの新しいボールが池ポチャした経験を持っている方は少なくないかと思います。ボールよりもはるかに高いレーザー距離計に万が一の時を考えれば、防水性能はしっかりしていて損はありません!
まとめ:ゴルフ用レーザー距離計は使い勝手中心で選ぶべし
以上、ゴルフ用レーザー距離計のランキングでした。
結果、全4製品すべてにおいて「距離計測の正確性」と「覗きやすさ」は満点評価を獲得。60ヤード、90ヤード、120ヤードの3地点からターゲットへ計測したところ、1ヤード以内の誤差にとどまり、ほぼ正確な数値でした。また、ファインダーの口径や形はさまざまですが、いずれの機種も覗きやすく、すぐに距離を判別することが可能です。
とりわけ、ベストバイになったニコン「COOLSHOT PROⅢ STABILIZED」は、公称値0.1秒と、特に計測時間が短い1台。計測する度に集中力を欠くことなく、すぐにプレーに戻れるでしょう。
そして、同じく1位だったのはキヤノン「PowerShot GOLF」。電子ビューファインダーを搭載したゴルフ用レーザー距離計で、計測時6倍から12倍デジタルズームの切り替えに対応しています。遠くのピンやフラッグも捉えやすくなりました。
また、画面はカラー表示となっており、視認性が抜群です。さらに、約151gの軽量コンパクト仕様で持ち運びにも便利。ポケットに入るほどの大きさで、プレーの妨げになりません。
結論としては、どの製品も距離計測の信頼性は高いレベルで担保されていると考えられます。製品のHPなどを見て「独自機能」と「使い勝手」の2点を主眼にして選ぶのが賢い選び方と言えるでしょう。
ぜひゴルフ用レーザー距離計をチェックしてみてくださいね。
レーザー距離計の売れ筋ランキングもチェック!
レーザー距離計の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
距離によってある程度打ち分けができるようになった中級者程度のプレーヤーには特におすすめできる製品です!