家電【選び方】加湿器はメンテナンス性や使いやすさも重要!

加湿器にとって、加湿性能はもちろん重要です。しかし、それがすべてというわけではありません。日常的に利用するものだからこそ、使いやすさもしっかりチェックする必要があります。

雑菌の繁殖を防ぐため、日常的なお手入れが欠かせない加湿器。メンテナンス性の良し悪しやフィルターの交換頻度も考慮しなければなりません。また、1日に何度も行う給水のしやすさなども製品によって変わってきます。それ以外にも、実はストレスの種が結構ひそんでいるのです…。

そこでまずは、購入前に見るべきポイントを7つご紹介します。

❶ 加湿性能

まずは加湿器周辺および部屋全体をしっかり加湿できるかどうかが大事です。今回の検証は外部試験機関の恒温恒湿室で行いました。

❷ 利用できる機能

急速加湿や湿度を指定しての運転、加湿を自動停止するタイマー機能の有無など、あると便利な機能も要チェック。

❸ お手入れしやすさとランニングコスト

定期的なメンテナンスが必要なため、分解や掃除方法が手軽に済ませられるかどうかもチェックしましょう。

フィルター代も要確認。交換が必要な製品は、交換期間が長いほどランニングコストを抑えられます。

❹ 給水のしやすさ

大量の水を使うだけに、給水のしやすさは超重要。タンクは自立し、かつ上部から給水できるバケツ型が便利です。

❺ 操作のしやすさ

操作パネルの位置や、表示されている項目によって、操作や設定のしやすさが大きく変わります。

❻ 動作音

リビングや寝室では、動作音は小さいほど◎。一定の距離から騒音値を計測しました。

❼ 消費電力

連続稼働するものだけに、気になるのは消費電力。一定時間の消費電力をを測定しています。

家電加湿器の種類

加湿器には、「ハイブリッド式」「気化式」「加熱式」「超音波式」という4つの加湿方式があります。加湿方式によって性能やメンテナンス性なども異なるので、それぞれの特徴を確認しておきましょう。

ハイブリッド式

フィルターに浸透した水を温風で気化させる、気化式と加熱式の合わせ技。加湿が速く、雑菌も抑えられますが、消費電力は高めです。

気化式

水を含ませたフィルターに風を当てて気化させます。熱を使わないため消費電力を抑えられ、静音性も高いですが、加湿性能は控えめになります。

加熱式

タンクの水を沸騰させてスチームを噴出。水が多いと沸騰までに時間がかかります。水を沸騰させるため、雑菌の繁殖を抑える効果も期待できます。フィルターが不要で、衛生面ではもっとも有利なタイプです。

超音波式

タンク内の水を、超音波の振動によってミスト化します。熱を使わないため、フィルターレスの製品だと雑菌が繁殖して放出される恐れもあります。こまめなメンテナンスを心がけましょう。

家電今回の検証方法

テストに使用したのは、温度と湿度を制御できる「恒温恒湿室」です。室内を「温度20℃、湿度30%」に設定した状態から、モードを「強」相当に設定し、ハイブリッド式・気化式・超音波式は30分間、水を温めるのに時間がかかる加熱式は45分間稼働。部屋の4ヵ所に設置したセンサーで、湿度と温度の変化と、場所によるムラを測定しました。

加湿器の背面および正面と、加湿器からもっとも遠い部屋の角の、湿度の変化をチェック。各場所の湿度の差が少ないほど、ムラなく部屋を加湿できていることになります。

それではおすすめ加湿器ランキングの発表です!

第1位ダブル給水&最強加湿!|シャープ「HV-P75」

 
王冠アイコン

シャープ
HV-P75

実勢価格 2万9800円
ハイブリッド式
●サイズ・重量/W272×D220×H455mm(突起部除く)・約5.2㎏ ●加湿能力/750ml/h ●タンク容量/約4.0L ●加湿時間/約5.3〜約19時間
洋室 21畳/和室 12.5畳

総合評価:S

▼評価

合計 加湿性能 機能 お手入れ 給水 操作性 静音性 消費電力
76/100 21/25 6/10 12/15 15/15 13/15 5/10 4/10

▼機能(加湿結果)

背面 正面 角1 角2
67% 66% 65% 68%

加湿器9製品の加湿性能や使いやすさなどを多角的に評価した結果、2020年に引き続き、ベストバイに輝いたのはシャープでした。

広い部屋でもムラなく加湿する性能の高さはもちろん、操作性やメンテナンス性、扱いやすさなど、ユーザー目線に立った使い勝手のよさが光ります。どれを買おうか迷ったら、シャープを選んでおけば間違いありません。

松下和矢
LAB.360(ラボドットサンロクマル)室長
松下和矢 のコメント

加湿性能に加えて使い勝手のよさが抜群です

操作パネル

操作ボタンにはアイコンが表示されていて、機能がわかりやすくなっています。選択中のメニューはライトが光るので、室内が暗くても見やすいです。

給水タンク

給水タンクは本体下部に配置されています。取り外すとバケツのようになり、上から水を直接入れられて扱いやすいです。

フィルター

タンク内に配置された加湿フィルターは、約48ヵ月に1回の交換が推奨されています。また菌の繁殖を抑えるAg+イオンカートリッジは、年1回の交換が推奨されています。

ベストな理由1:「タンク」と「上から」2つの給水方法があるのがめっちゃラク!

9つの加湿器を繰り返し運転していて、意外と手間だったのが給水です。1日中稼働するには2〜3回は必要になりますが、シャープは自立するタンクがある点と、上から給水ができる点で、煩わしさがありませんでした。

フタ付きのヤカンを使えば、移動時に水をこぼす心配が少ないです。なお、本体左上に加湿された空気の吹出口があるため、そちらから給水しないように注意しましょう。

ベストな理由2:日常的な操作ポイントもストレスゼロ!

上部の操作パネルには、すべてのメニューが表示されているため、操作に迷うことがありません。

また、定期メンテナンスは水洗いでOK。各パーツの取り外し・組み立ても容易なので、手間は最小限で済みます。

ベストな理由3:肝心の加湿性能も最強です!

恒温恒湿室を使った加湿試験では、室温20℃・湿度30%に設定した部屋で「強」モードの加湿器を30分間稼働。シャープは加湿器周辺と部屋の隅の湿度変化がほぼ変わらず、均一に加湿できました。広い部屋でも安定した加湿を期待できます。

松下和矢
LAB.360(ラボドットサンロクマル)室長
松下和矢 のコメント

部屋の隅まで湿度が変わりません。

【ワンランク上のメンテ術】すべてのパーツを取り外して定期的に汚れを除去

本製品は各パーツを取り外すことで、空気の通り道まですべて掃除できます。菌の繁殖を抑えるため、定期的に分解・掃除し、余分な水分をしっかり拭き取りましょう。

また、プラズマクラスターによって菌の抑制効果も期待できます。

第2位静かな動作で寝室にも最適|ダイニチ「HD-RXT721」

ダイニチ
HD-RXT721

実勢価格 2万6950円
ハイブリッド式
●サイズ・重量/W375×D210×H375mm・約5.1kg ●加湿能力/700mL ●タンク容量/6.3L ●加湿時間/9〜13.7時間
洋室 19畳/和室 12畳

総合評価:A

▼評価

合計 加湿性能 機能 お手入れ 給水 操作性 静音性 消費電力
74.5/100 19.5/25 9/10 10/15 10/15 11/15 9/10 6/10

▼機能(加湿結果)

背面 正面 角1 角2
66% 67% 63% 67%

加湿性能に加えて、静音性と消費電力が高評価だったのがダイニチです。「おやすみ快適」は、暖房で乾燥しがちな寝室を加湿して、のどと肌をやさしく守ります。

【ここに違いあり】快適な睡眠をサポートする

開始後1時間は眠りのジャマをしないように静音優先、以降は指定した湿度で作動し、約10時間後に自動停止します。

第3位三菱のエアコンと連動!|三菱重工冷熱「SHK70VR」

三菱重工冷熱
SHK70VR

実勢価格 2万700円
ハイブリッド式
洋室 19畳/和室 12畳

総合評価:A

▼評価

合計 加湿性能 機能 お手入れ 給水 操作性 静音性 消費電力
72/100 18/25 8/10 11/15 10/15 11/15 8/10 6/10

▼機能(加湿結果)

背面 正面 角1 角2
59% 58% 56% 58%

暖房を使うと部屋が乾燥する問題を、エアコン連動機能で解決しています。三菱のエアコンユーザーなら選びたい製品です。

三菱はビーバーエアコンと連動して加湿実行可能

同社のビーバーエアコンと連動する事で、「温度」と「湿度」をよりコントロールしやすくなります。

4位: 象印マホービン「EE-DC50」

象印マホービン
EE-DC50

実勢価格 1万9800円
加熱式
●サイズ・重 量 /W240×D275×H365mm・約2.9kg ●加湿能力/480mL ●タンク容量/4.0L ●加湿時間/8~32時間
洋室 13畳/和室 8畳

総合評価:A

▼評価

合計 加湿性能 機能 お手入れ 給水 操作性 静音性 消費電力
71.5/100 19.5/25 7/10 15/15 9/15 9/15 8/10 4/10

▼機能(加湿結果)

背面 正面 角1 角2
54% 54% 59% 54%

加熱式の象印マホービンは、トレイの掃除や加湿フィルター交換の手間がなく、とにかくラク。水を少なめにすると沸騰が速く、加湿時間の短縮になります。

【ここに違いあり】日常的なお手入れは拭くだけでOK

フィルターがないため、日常的なお手入れはタンクとフタを拭くだけ。1〜2ヵ月に1回の頻度でクエン酸で洗浄します。水を沸騰する加熱式なので、恒常的に菌の繁殖が抑えられます。

5位: パナソニック「FE-KXU07」

パナソニック
FE-KXU07

実勢価格 3万1680円
気化式
洋室 19畳/和室 12畳

総合評価:A

▼評価

合計 加湿性能 機能 お手入れ 給水 操作性 静音性 消費電力
70.5/100 16.5/25 8/10 12/15 10/15 13/15 6/10 5/10

▼機能(加湿結果)

背面 正面 角1 角2
65% 62% 61% 63%

菌やウイルスの抑制効果があるとされる、ナノイーテクノロジーを採用。花粉やアレル物質対策にもなります。

操作性・メンテナンスで選ぶなら◎

すべての操作に対応するボタンが並び、動作中の機能がわかる、操作パネルの使い勝手のよさはさすがです。また、本製品のフィルター交換は10年に一度で、ライバルよりランニングコストを大幅に抑えられます。

6位: ドウシシャ「KHW-652BK」

ドウシシャ
KHW-652BK

実勢価格 1万7380円
ハイブリッド式
●サイズ・重量/W265×D160×H615mm・3.7kg ●加湿能力/約 650mL ●タンク容量/5.0L ●加湿時間/7.5時間(急速運転時)
洋室 18畳/和室 11畳

総合評価:B

▼評価

合計 加湿性能 機能 お手入れ 給水 操作性 静音性 消費電力
68.5/100 19.5/25 6/10 11/15 13/15 7/15 7/10 5/10

▼機能(加湿結果)

背面 正面 角1 角2
91% 74% 74% 76%

吹出口から勢いよく出るミストは、加湿器周辺をしっかり加湿してくれます。しかし、操作パネルが左下の使いづらい位置にあるのはやや残念です。

【ここに違いあり】加湿器周辺をがっつり加湿!

加湿器に近い背面のセンサーが、湿度90%以上を記録。部屋全体をまんべんなく加湿できませんでしたが、90%を超えた製品はこれだけでした。

7位: アイリスオーヤマ「KUHK-500-B」

アイリスオーヤマ
KUHK-500-B

実勢価格 1万8480円
ハイブリッド式
洋室 14畳/和室 8.5畳

総合評価:B

▼評価

合計 加湿性能 機能 お手入れ 給水 操作性 静音性 消費電力
68/100 15/25 6/10 8/15 13/15 8/15 10/10 8/10

▼機能(加湿結果)

背面 正面 角1 角2
59% 54% 52% 56%

加熱式と超音波式のハイブリッド。電源を入れると、すぐにミストが吹き出します。静音性の高さと消費電力の小ささが優秀です。

アイリスなら2方向にミストを噴出できる

2つのミスト口がバラバラに動くため、前後や左右など異なる方向でも、同じように加湿することができます。

8位: ラドンナ「Toffy HF09」

ラドンナ
Toffy HF09

実勢価格 1万4300円
ハイブリッド式
●サイズ・重量/W210×D150×H580mm・ 約1.6kg ●加湿能力/最大480mL/h±50mL ● タンク容量/約4.0L ●加湿時間/約26時間
洋室 13畳/和室 8畳

総合評価:B

▼評価

合計 加湿性能 機能 お手入れ 給水 操作性 静音性 消費電力
67.5/100 16.5/25 4/10 12/15 12/15 5/15 10/10 8/10

▼機能(加湿結果)

背面 正面 角1 角2
61% 57% 56% 60%

今回のテストで最大のサプライズがラドンナです。ほかの8製品に比べてコンパクトな分、リーズナブルですが加湿範囲は狭い……と思いきや、恒温恒湿室を驚くほど均一に加湿してくれました。

湿度は56〜61%と適湿で、機能がシンプルな分総合点は低めですが、実用性は高く、文句なしにコスパNo.1です。

【ここに違いあり】コンパクトなのに部屋全体を均一に潤す

比較的スマートなシャープと比べても圧倒的にコンパクト。にもかかわらず、加湿性能に大きな差はありませんでした。

30分間作動させたテストでは、部屋の4ヵ所とも約60%まで湿度がしっかり上昇。倍以上大きなバルミューダに迫る性能です。

本体内をいつでも除菌できるUVライトを装備

本体内にUVライトを搭載しており、紫外線で雑菌の繁殖を抑えてくれます。本体にも抗菌素材が使用されています。

リモコン付きだから離れても操作できる

付属のリモコンを使えば、離れた場所から電源やUV設定、タイマーを操作可能。夜間はLEDライトを点けておけますが、本体側の操作性はやや残念でした。

アロマを入れれば部屋中に香りが広がる

アロマオイルやアロマウォーターに対応しており、部屋に好みの香りを広げられます。タンクに直接投入できるのも◎です。

9位: バルミューダ「Rain スタンダードモデル」

バルミューダ
Rain スタンダードモデル

実勢価格 4万9500円
気化式
●サイズ・重量/約W350×D350×H374mm・約5.7kg ●加湿能力/600ml/h ●タンク容量/4.2L ●加湿時間/6〜25時間
洋室 17畳/和室 非公表

総合評価:C

▼評価

合計 加湿性能 機能 お手入れ 給水 操作性 静音性 消費電力
63/100 18/25 9/10 6/15 12/15 8/15 4/10 6/10

▼機能(加湿結果)

背面 正面 角1 角2
55% 52% 51% 53%

いかにも“加湿器”という感じではない、ユニークなデザインはそれだけで◎。24時間、自動運転ができるというバルミューダだけだの強みもあります。また、本体中央に注ぎ入れる給水方法も意外と使い勝手がいいです。

【ここに違いあり】1時間単位でオン・オフを設定!

「24hタイマー」を有効にすると、1時間単位で加湿のオン・オフ設定が可能。電源の操作をする必要がありません。

家電ウイルス対策には適度な湿度が効果的

空気が乾燥すると気道の防御力が下がり、ウイルスに感染しやすくなるといわれてます。また、飛沫が飛散しやすくなるため、ひとりが感染するといわゆる「家庭内クラスタ」が発生する確率も高まってしまうのです。

新型コロナの感染再拡大だけでなく、インフルエンザの流行も懸念される今年の冬。加湿器で湿度を上げることで、ウイルスから自分と家族を守るバリアを構築しましょう。

理化学研究所が咳で発生した飛沫の動きをシミュレーションした結果、湿度30%では湿度90%と比べて、1.8m先にいる人に飛沫が到達する割合が3倍以上になるという結果が出ました。

2020年東京の湿度変化を見てみると、7月がもっとも高く、1〜2月と11〜12月は低め。例年同じような変化となるため、11月には乾燥対策を行っておきましょう。

家電おわりに

以上、加湿器のおすすめランキングをお届けしました。

加湿器とひとくちにいっても、さまざまな種類があり、それぞれ加湿性能やメンテナンスのしやすさがまったく違います。まだまだ寒さが厳しい季節が続きますが、自分に合った適切な加湿器を選び、乾燥やウイルスに備えましょう!