一年中快適なリビングが手に入る理想の空気清浄機は?
一年のうち最も憂鬱な季節のひとつが、花粉シーズン。個人差はあれど目のかゆみや鼻水などの症状に日々、悩まされる人も多いのでは。そんなシーズンは少しでもラクに乗り越えたいですよね。
そこで今回は、雑誌『家電批評』編集部が、リビングに通年で設置しやすいミドルクラスの空気清浄機、人気の7製品を集めて比較テスト! 脱臭力やメンテナンス性など全方面からチェックし、おすすめランキングを決定しました!
空気清浄機の選び方は? リビング用ってどんな製品が理想?
選び方1:花粉対策ができて通年使える!
空気清浄機を購入する理由は?
雑誌『家電批評』の読者アンケートでは、多くの人が空気清浄機に花粉対策を求めていました。
しかし、花粉のシーズンに合わせて空気清浄機を設置したり片付けたりは面倒です。また、花粉対策の次点で多かったウイルス対策とニオイ対策は常に気になるもの。
なので、リビングに置きっぱなしで通年で使えるものが理想なんです。
センサーが実は重要なんです
通年で使用するには、自動運転機能が必須。そのため、有害な物質を検知してくれるかはかなり重要です。
しかし、花粉検知は苦手な製品が多い傾向にあります。
加湿機能はあまり求められていない
加湿機能についは、最近は非搭載のモデルが人気です。
加湿機能付きの加湿空気清浄機は乾燥対策にもなるのですが、お手入れの手間がかかるので、敬遠される傾向です。
選び方2:リビング用の適用床面積は18〜30畳!
空気清浄機の適用床面積は、日本電機工業会規格(JEM1467)で定められた基準で、30分間で空気を浄化できる部屋の広さを表した統一規格のことです。
メーカーが違っても基準が変わらないので、空気清浄機選びの最もわかりやすい指標となります。
適用床面積は、実際に使用する部屋の畳数の2倍程度が快適に使用する目安です。つまり、9畳の部屋で使用するなら「適用床面積18畳以上」の製品を、15畳の部屋で使うのであれば「適用床面積30畳以上」の製品を選ぶのがコツです。
<小型>18畳未満
個室や寝室、玄関などで使用したい場合は小型タイプで十分です。
ただしサイズが小型化するほどセンサーや自動運転などの機能性や付加価値は最小限になります。
<ミドルクラス>18〜30畳
リビングで使用する想定ならミドルクラスの製品がおすすめ。製品にもよりますが、機能性と価格のバランスがよい製品が多いです。
今回テストしたのはこのクラスです。
<ハイエンド>30畳以上
空気清浄能力が高く、フィルターの自動清掃やアプリ連携など機能も充実しています。
しかし大型故に設置場所が限られ、価格も8万〜10万円と高価になります。
選び方3:リビングで目立たない!
設置時のスペース
空気清浄機の設置の際には、吸引口をふさがないようにするために、周囲にある程度の空きスペースが必要です。
この必要スペースが小さければ、家具と家具の間などに設置できます。
稼働音
常に運転させておくときになるのが稼働音です。
風量が最小のときにはもちろん最大の時でもうるさくない製品だと、リビングに設置していても気になりません。
選び方4:ランニングコストがかからない!
メンテの手間と頻度
通年で使うからこそ、お手入れは簡単かつ頻度が少なくてすむのが理想です。
機能性の高い製品ほど手間も頻度も増える傾向にあります。
メンテナンスの手間だけでなく、交換するフィルターの購入価格も重要です。
年間の電気代
空気清浄機に限らず、昨今は家電は省エネであればあるほどうれしいもの。多機能なほど、その分消費する電力も増加します。
空気清浄機の比較方法は?
全10項目でテストしました!
検証1:吸引力
適用畳数が広い製品ほど吸引力が強い
日本電機工業会規格の「適用畳数」の広さで評価。参考として最大風量運転時の擬似花粉の吸引状況も確認しました。
検証2:脱臭力
1m3の空間内に煙を充満させてテスト!
日本電機工業会の基準を参考に、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の臭気ガスを一定の密閉空間内に発生させ、空気清浄機を最大風量で一定時間運転。運転前後のガス濃度を測定し除去率を算出、評価しました。
検証3:センサー感度
高感度なセンサーほど高評価に!
自動モードで運転させ、一定距離から赤土、芳香スプレー、疑似
検証4:消費電力
自動モード時の1年の電気料金も試算して評価!
弱・中・強それぞれの風量での出力を測定し、自動モードで1日運転した際に風量が切り替わって実働する時間を仮定して年間の消費電力量を算出しました。電気使用量が少ない製品ほど高評価としています。
検証5:機能性
運転モードの豊富さなどで評価!
風量や花粉といった専用モードの数で評価。オフタイマー、チャイルドロックといった空気清浄関連の付加機能がある製品は加点しました。
検証6:付加価値
空気清浄以外のプラス「α」の機能数を加点!
加湿やイオン発生、除菌といった空気清浄以外の機能を搭載している製品は、その数によって加点しています。
検証7:静音性
常時運転だからこそ重要な動作時の音
日本電機工業会の基準を参考に、所定の位置に複数の騒音計を設
検証8:操作性
各種操作がスムーズにできるかもポイント!
本体操作パネルにあるボタンの押しやすさ・反応・印字のわかりやすさで評価。スマホ操作対応製品はアプリの使い勝手も考慮しています。
検証9:メンテナンス
作業の難易度や実施頻度からお手入れを評価!
取扱説明書に記載の「お手入れ手順」から作業の難易度を決定。これをもとに1カ月の清掃の手間が少ない製品ほど高評価としています。
検証10:設置性
室内をどれだけ占有するかもかなり重要
設置時に本体が占有する体積を算出、体積が小さい製品ほど高評価としました。また、外観のデザイン性や移動のしやすさも考慮しています。
空気清浄機(ミドルクラス)のおすすめは?
専門家とともにテストした、空気清浄機(ミドルクラス)のおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | |||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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パナソニックF-PXY60
![]() |
|
340mm |
208mm |
550mm |
5.9kg |
27畳(45㎡) |
ナノイー |
10年(集塵)、10年(脱臭) |
|||||||||||
![]()
ダイソンDyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機
![]() |
|
434mm |
415mm |
830mm |
11.8kg |
27畳 |
なし |
15年(集塵)、8年(脱臭) |
|||||||||||
![]()
シャープKI-TS50
![]() |
|
384mm |
230mm |
619mm |
7.9kg(約) |
23畳(空気清浄)、16畳(加湿) |
加湿/イオン放出 |
10年(集塵)、10年(脱臭) |
|||||||||||
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ダイキンMCK555A
![]() |
|
270mm |
270mm |
700mm |
9.5kg |
25畳(空気清浄)、14畳(加湿) |
加湿/イオン放出/除菌 |
10年(集塵)、10年(脱臭) |
|||||||||||
![]()
ブルーエアComfortPure 3-in-1 T10i 空気清浄機
![]() |
|
262mm(約) |
262mm(約) |
502mm(約) |
6.3kg(約) |
18畳 |
送風/ヒーター |
6カ月~9カ月(約) |
|||||||||||
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スイッチボットSwitchBot 空気清浄機 Table
![]() |
|
290mm |
420mm |
497.5mm |
4.8kg(テーブル装着時) |
25畳 |
ワイヤレス充電/イオン発生 |
2年(集塵)、1年(脱臭) |
|||||||||||
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アイリスオーヤマAAP-AH50A-W
![]() |
|
390mm |
260mm |
648mm |
10.7kg(約) |
23畳(空気清浄)、14畳(加湿) |
加湿 |
3年(集塵)、10年(脱臭) |
【1位】パナソニック「F-PXV60」・「F-PXY60」
- パナソニックF-PXY60
- 実勢価格: ¥30,200〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー感度
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- センサー感度は7製品中1位
- タバコのニオイ物質除去率100%
- 空気清浄のみでお手入れが簡単
- がっかりポイント
-
- 付加価値となる機能が少ない
- 運転モードが5つと最も少ない
- 幅
- 340mm
- 奥行
- 208mm
- 高さ
- 550mm
- 重量
- 5.9kg
- 適用床面積
- 27畳(45㎡)
- 付加機能
- ナノイー
- フィルター交換目安
- 10年(集塵)、10年(脱臭)
- 型番
- F-PXY60-W
5.9kgと軽いので、移動させたいときもラクに運べます。
リビングに合うシンプルで落ち着いた外観!
【吸引力】ミドルクラスでは強力な27畳の吸引力!
本体は小ぶりながら吸引性能は高い!
適用畳数27畳とミドルクラスながら高い吸引性能を誇るパナソニック。
今回検証した7製品中では2位のダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」と並んで適用畳数が最も大きいです。
なお、吸引口は本体前面の下部にあり、その面積もダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」やシャープ「KI-TS50」より小さいので瞬間吸引力はやや弱めです。
瞬間吸引力の結果
運転前
運転後
吸引口に疑似花粉を落とした瞬間吸引力の参考テストでは除去率76.5%とまずまずの結果です。
【センサー感度】今回のテストで唯一離れた位置ですべてを検知!
センサーは本体の横に搭載しています。
今回、3種のうちいずれかの検知ができない製品が多かったのですが、本機だけはホコリ、ニオイ、疑似花粉のすべてを離れた位置で検知しました。
空気が汚れても素早い清浄が可能です。
【脱臭力】タバコが出す3種の有害物質を15分ですべて取り除いた!
パナソニックは脱臭性能も優秀で、紙タバコの燃焼中に発生した3種類の有害物質を15分の運転ですべて除去しました。
運転前の濃度(ppm)
稼働15分後の濃度(ppm)
脱臭テストで除去率100%の製品はほかにもありましたが、空気清浄機の機能を見るうえで重要な「吸引力」「センサー感度」「脱臭力」のすべてで「優秀」の評価を獲得したのは、パナソニック「F-PXV60/F-PXY60」だけです。
【メンテナンス】本体構造がシンプルなうえ掃除する箇所も少ない!
本製品は加湿機能なしの純粋な空気清浄機のため、本体構造がとてもシンプルです。掃除箇所は本体の表面、本体横のセンサー、前面パネルを開いて取り出す2種類のフィルターのみ。
お手入れは2週間〜1カ月間隔で拭き掃除&掃除機がけするだけと簡単です。他の製品と比べると、とてもラクです。
フィルターの取り出しは前面パネルを開けるだけで取り出せます。
フィルターは集塵と脱臭の2枚。本体のフィルターが入る部分も簡素なつくりで掃除が簡単です。
【機能性】チャイルドロックなどの機能や運転モード数は必要最低限!
運転モードが少なく操作ボタンもシンプル!
運転以外の製品機能は「チャイルドロック」と「センサーモニター表示」ぐらいで、空気清浄機としての付加機能が少ないです。
また、運転モードも「おやすみ運転」のほか、4段階の風量設定しか用意されておらず、機能面は必要最低限と言わざるを得ません。空気清浄機をシンプルに使いたい人向けともいえます。
【付加価値】空気清浄以外の機能はイオン発生のナノイーのみ
空気清浄機能が優秀な反面で、付加価値はイオン発生の「ナノイー」のみと乏しいです。
しかし、お手入れがラクなどシンプル故のメリットこそ本機の特徴でしょう。
その分、価格が抑えられているとも考えられます。
【総評】
吸引力、脱臭力、センサー感度の3項目で7製品中1位を獲得し、今回の比較製品では最も空気清浄能力が高いです。お手入れもカンタンで満点です。
7製品中1位を獲得したテスト項目
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー感度
- メンテナンス
【2位】ダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」
- ダイソンDyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機
- 実勢価格: ¥73,311〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー感度
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- 風量は10段階と細かく設定できる
- 最大風量の運転でも動作音が静か
- シンプルなつくりでお手入れがしやすい
- がっかりポイント
-
- 本体が大きいので置き場所を選ぶ
- 空気清浄以外の機能がない
- 本体に電源以外の操作ボタンがない
- 幅
- 434mm
- 奥行
- 415mm
- 高さ
- 830mm
- 重量
- 11.8kg
- 適用床面積
- 27畳
- フィルター交換目安
- 15年(集塵)、8年(脱臭)
- 付加機能
- なし
- 型番
- BP02 WS
キャスター付きなので、持ち上げる必要がないのは◎。
インテリアとして生かせるならこのデザインもアリ!
【吸引力】本体の円筒全体が吸引口。全方向からパワフルに吸引します
ダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」の吸引口は半球を支える円筒部分にあり、直径約40cmの円筒の全方向から室内の汚れた空気をパワフルに吸引します。
運転前
運転後
瞬間吸引力を測定した参考テストでは、疑似花粉の除去率81.2%となかなか高い吸引力を持っていることがうかがえます。
【センサー感度】感度は比較的良好も花粉はややニガテ
センサー感度の評価は7製品中同率2位の成績!
ホコリ想定の赤土を3mの距離で検出できたのは、ダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」だけです。
また、ニオイも3mの距離で検知していて、センサー感度は悪くありません。
一方で疑似花粉にはまったく反応しませんでした。評価が「良好」止まりだったのは、これが理由です。
検知した際に表示される情報もわかりやすい。
【脱臭力】タバコのニオイは完全に除去!脱臭性能はバッチリ!!
運転前の濃度(ppm)
稼働15分後の濃度(ppm)
紙タバコを使った脱臭力テストでは、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の3種類の有害物質を15分の運転で完全除去した製品が4つありましたが、ダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」もその一台です。
高い脱臭性能で嫌なニオイも短時間で取り除いてくれます。吸引力も高めなので、やや広めのリビングでも効果的な脱臭機能を期待できます。
【静音性】最大風量で運転していても動作音がほとんど気にならない
最大風量で運転すると、動作音は大きくなるのが普通です。
ところが、ダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」は他製品が60dBに近い騒音値を記録するなか、最大風量でも50dB以下と運転時の音が小さめです。
寝室で使用しても気になりません。
【メンテナンス】本体まわりにフィルターとお手入れがとてもカンタン!
空気清浄機能のみということもあり、日々のお手入れは本体の拭き掃除にフィルターの掃除機がけ、半球体部分にあるセンサーのホコリ取りだけと、とても簡単です。
交換パーツのHEPAフィルターや活性炭フィルターは1万円オーバーと高価ですが、交換目安が8〜15年と長く、交換自体も簡単なので手間は少なめです。
本体上部の半球体をねじって外し、円筒部のカバーを引き抜けばフィルターが外せます。大きいので場所を取りますが、時間はかかりません。
ホコリがたまるプレフィルターは交換式です。
【機能性】風量は10段階で調節可能! アプリ操作などの機能も豊富
運転モード
自動運転モードに加えて10段階の風量調節が可能と、今回検証した7製品のなかでは最も細やかな運転が可能です。
アプリ操作
リモコンやアプリを使った操作のほか、スマートスピーカーを介した音声操作もできます。
【設置性】存在感がありすぎる大きさで設置場所はかなり選ぶ
ダイソンの最大の弱点といえるのが本体の大きさです。今回検証した7製品のなかでも小ぶりなスイッチボット「SwitchBot 空気清浄機 Table」と比べると、ひと回り大きいのがわかります。
さらに壁から1m以上離して置く必要もあります。
普通の部屋より広いリビングに置くとしても、テレビやテーブル、ソファといったほかの家具のことも考えると、置き場所はかなり選びます。
購入する際は、設置場所を確保できるか事前の確認が必須です。
【総評】
空気清浄能力は7製品中1位と遜色ない高さです。動作音が小さく、細かな風量調節ができるのも魅力です。
ただし、本体がデカすぎるのが、最大の難点です。
7製品中1位を獲得したテスト項目
- 吸引力
- 脱臭力
- 機能性
- 静音性
- メンテナンス
【3位】シャープ「KI-TS50」
- シャープKI-TS50
- 実勢価格: ¥40,254〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー感度
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- 除去率100%と脱臭性能は高い
- 年間電気代が2000円台(検証時)と安め
- 加湿付きでもお手入れしやすい
- がっかりポイント
-
- ホコリや疑似花粉の検知がイマイチ
- 最大風量モードの音が大きい
- 交換パーツが多く維持費が高め
- 幅
- 384mm
- 奥行
- 230mm
- 高さ
- 619mm
- 重量
- 7.9kg(約)
- 適用床面積
- 23畳(空気清浄)、16畳(加湿)
- フィルター交換目安
- 10年(集塵)、10年(脱臭)
- 付加機能
- 加湿/イオン放出
- 型番
- KI-TS50-H
高いレベルで性能バランスがいい
【脱臭力】嫌なニオイは100%除去!!
本体背面の大きなフィルターで脱臭!
「パワフル吸じん」モードで臨んだ脱臭力テストでは、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の3種類の有害物質をすべて除去しました。
昨年の上位製品と同様、ミドルクラスの製品でも非常に高い脱臭性能があることがわかりました。
【機能性】運転モードや機能も豊富
本体の操作ボタンもわかりやすい
花粉モードなど目的別の運転モードが5種類、風量2種類と運転メニューに不足はありません。
また、ランプの色で空気の汚れ具合がわかるモニターのほか、停電後に自動復帰する機能も搭載しています。
【吸引力】吸引口近くは逃さずに吸う!
本体背面にある大きめ吸引口
本体背面の7割を占める大きな吸引口と「パワフル吸じん」モードの強力な吸い込みで、吸引口周辺のホコリやニオイは逃さずキャッチします。
吸引力評価は適用畳数が基準なので「良好」ですが、吸引口の瞬間吸引力は高めです。
ただし、その反面、空気清浄時の運転音は大きくなります。
吸引前
吸引後
瞬間吸引力の参考テストでは、吸引口が大きいこともあって吸引後の擬似花粉が大幅に減りました。
【センサー感度】検知力は今ひとつ……
前回テストした同社の上位モデル「KI-SX100」と比べて明らかに違いを感じたのがセンサー感度です。
3種類の検出物質をすべて離れた位置で検出した上位製品に対し、シャープ「KI-TS50」が搭載しているのはニオイセンサーのみ。
自動運転でのホコリや花粉への対応力は低いです。
【メンテナンス】交換部品がちょっと多い
加湿機能付きですが、本体の構造が考え抜かれていて、お手入れ自体は意外とラクです。
ただ、交換パーツが多く、年間コストは少し割高になります。
<交換部品>Ag+イオンカートリッジ/加湿フィルター/集じんフィルター/脱臭フィルター/プラズマクラスターユニット/使い捨てプレフィルター(任意使用)/使い捨て加湿プレフィルター(任意使用)
【総評】
センサー感度の性能がやや低いものの、脱臭力はあり、吸収力もまずまず。設置の自由度も高めです。
使いやすい加湿・空気清浄機が欲しいならシャープ「KI-TS50」です。
7製品中1位を獲得したテスト項目
- 脱臭力
【4位】ダイキン「MCK555A」
- ダイキンMCK555A
- 実勢価格: ¥50,900〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー感度
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- 吸引力と脱臭力が高い
- 加湿や内部除菌機能を搭載
- 操作ボタンがわかりやすい
- がっかりポイント
-
- 3方向吸引で置き場所を選ぶ
- 年間の電気代が高め
- 疑似花粉に対する反応は弱い
- 幅
- 270mm
- 奥行
- 270mm
- 高さ
- 700mm
- 重量
- 9.5kg
- 適用床面積
- 25畳(空気清浄)、14畳(加湿)
- フィルター交換目安
- 10年(集塵)、10年(脱臭)
- 付加機能
- 加湿/イオン放出/除菌
- 型番
- MCK555A-C
性能面の安定性はバツグン!
【吸引力】3つの吸引口で汚れを吸い取る
適用畳数は25畳と今回検証した7製品のなかではトップクラスです。
吸引口は正面下部と左右の3カ所にあり、広い範囲の汚れた空気を吸い取ってくれます。
本体上面の高い位置から排気するため、効率のいい空気循環も期待できます。
歩行等での発塵を効果的に吸い込む!
歩行などで舞い上がる粉塵を吸引できるように、吸引口を3カ所に分散しています。
そのデメリットとして瞬間吸引力は弱く、擬似花粉を用いた参考テストでの除去率は70.2%でした。
吸引前
吸引後
【付加価値】加湿付きでもメンテ費用は少なめ
加湿機能に加え、イオン発生の「アクティブプラズマイオン」、除菌の「ストリーマ」と機能が豊富です。加湿付きでお手入れは手間ですが、交換部品が少なく経済的なのが魅力です。
構造がシンプルでお手入れしやすい
給水タンクを外すだけで加湿トレーが引き出せます。
シャープ「KI-TS50」も同様の作りですが、ダイキン「MCK555A」はトレーの位置が高いので、立ったまま取り外せてラクちんです。
交換パーツの交換目安と費用
交換パーツは基本的に3つで、シャープ「KI-TS50」よりも格段に少なめ。全パーツの交換目安が10年なので、しばらくは費用がかかりません。
【操作性】操作ボタンが押しやすい!
使用中のモードや空気質が一目瞭然!
本体上部の前面にある操作パネルは、バー状の印刷とランプ、日本語の印字でわかりやすいです。
ボタンの押しやすさも良好でした。
【消費電力】年間電気代は3000円超!
大きな弱点のひとつが消費電力です。最も小さいブルーエア「ComfortPure 3-in-1 T10i 空気清浄機」と比べると、1日の電気代は約2倍。1位のパナソニック「F-PXV60/F-PXY60」と比べても1日2円、年間で約730円(検証時)の差がついてしまいます。
【総評】
吸引力も脱臭力も上位製品と遜色ありません。操作もしやすく、加湿、イオン放出、除菌と付加機能も豊富です。
消費電力が大きめなのが弱点です。
7製品中1位を獲得したテスト項目
- 脱臭力
- 付加価値
- 操作性
【5位】ブルーエア「ComfortPure 3-in-1 T10i 空気清浄機」
- ブルーエアComfortPure 3-in-1 T10i 空気清浄機
- 実勢価格: ¥54,782〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー感度
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- 約1600円(検証時)と1年間電気代が最も安い
- 周囲10cmと狭い場所にも置ける
- 送風&ヒーター機能付きの3in1製品
- がっかりポイント
-
- 脱臭力がかなり低い
- ホコリ、ニオイ、花粉の検知力が弱い
- リビング用としては吸引力が物足りない
- 幅
- 262mm(約)
- 奥行
- 262mm(約)
- 高さ
- 502mm(約)
- 重量
- 6.3kg(約)
- 適用床面積
- 18畳
- フィルター交換目安
- 6カ月~9カ月(約)
- 付加機能
- 送風/ヒーター
- 型番
- 112186
【設置性】設置マージンが小さく狭い場所にも置ける!!
ブルーエア「ComfortPure 3-in-1 T10i 空気清浄機」は、設置時に必要な空きスペースが背面と左右10cmと非常に小さいのが特徴です。
本体の高さも約50cmのため、ちょっとした場所に設置できるのが魅力です。
置き場所の選択肢が多い!
壁際や家具と家具の間といった、狭い場所にも設置OK!
ただし、ヒーター使用時は本体左右に1mの空きスペースが必要となります。
【付加機能】送風にヒーターと多様に使える!
ブルーエア「ComfortPure 3-in-1 T10i 空気清浄機」の最大の特徴が、送風&ヒーター機能です。
空気清浄機は一年中稼働する家電ですが、ブルーエア「ComfortPure 3-in-1 T10i 空気清浄機」なら、過ごしやすい春・秋は空気清浄、暑い夏は送風、寒い冬は温風といったように季節に合わせての使い分けが可能です。
もちろん、フィルターを通した空気清浄後の排出となるため、送風も温風も空気はキレイです。
本体は左右350度まで回転させることもでき、広範囲に風を送れるのも魅力です。
本体は扇風機のように左右のスイングが可能!
空気清浄
送風
ヒーター
「空気清浄」「送風」「ヒーター」のどのモードで運転しているかは、前面のランプの色で判別できます。
【センサー感度】疑似花粉は検知できず!有効範囲も2mほど
センサーは本体背面に設置
ホコリとニオイは反応するまでの時間がやや長めなものの、本体から2mの位置で検知しており、まずまずの結果でした。
一方で、疑似花粉にはまったく反応せず、花粉対策用としては不向きといえそうです。
【脱臭力】全7製品中でワースト!ニオイは取りきれない
脱臭力テストの結果は酢酸の数値こそ下がっているものの他が取りきれておらず、全体の除去率は31.9%と極端に低い結果になりました。脱臭性能は期待できません。
【総評】
空気清浄・ヒーター・送風の3機能を備えた製品です。空気清浄機能は他製品より劣りますが、付加機能に魅力を感じるなら選ぶ手も!
7製品中1位を獲得したテスト項目
- 消費電力
- 付加価値
- 設置性
【6位】スイッチボット「SwitchBot 空気清浄機 Table」
- スイッチボットSwitchBot 空気清浄機 Table
- 実勢価格: ¥23,980〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー感度
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- 2週間~1カ月ごとのお手入れでラク
- 適用畳数25畳で吸引力は強め
- 約90%の除去率で脱臭力は高め
- がっかりポイント
-
- ニオイ以外の検知力が弱い
- 年3000円超(検証時)と消費電力量が大きい
- テーブルに隠れてボタンが見にくい
- 幅
- 290mm
- 奥行
- 420mm
- 高さ
- 497.5mm
- 重量
- 4.8kg(テーブル装着時)
- 適用床面積
- 25畳
- フィルター交換目安
- 2年(集塵)、1年(脱臭)
- 付加機能
- ワイヤレス充電/イオン発生
- 型番
- W5302310
【付加機能】ワイヤレス充電もできるテーブル付き!
本体の上部がテーブルになっていて、小物置きとしても使えます。
さらにスマホのワイヤレス充電機能も搭載していて、対応スマホなら置くだけで充電が可能です。
【センサー感度】ニオイのみ何とか反応。ホコリや花粉は期待薄
検知性能はかなり低め!
センサー感度のテストでは、ニオイのみ本体に直接噴霧して反応しました。ほこりや疑似花粉は検知できませんでした。
【総評】
吸引力・脱臭力は上位製品と同等の性能です。本体上部にテーブルが付いていて、小物置きとして使えるのは◎。お手入れも簡単です。
7製品中1位を獲得したテスト項目
- メンテナンス
【7位】アイリスオーヤマ「AAP-AH50A-W」
- アイリスオーヤマAAP-AH50A-W
- 実勢価格: ¥17,499〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー感度
- 消費電力
- 機能性
- 付加価値
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- 2物質100%除去で脱臭力は高い
- センサーは3種類の物質すべてに反応
- がっかりポイント
-
- 加湿トレーが奥にあり毎日洗浄が面倒
- 設置マージンが広めで置き場所を選ぶ
- 幅
- 390mm
- 奥行
- 260mm
- 高さ
- 648mm
- 重量
- 10.7kg(約)
- 適用床面積
- 23畳(空気清浄)、14畳(加湿)
- フィルター交換目安
- 3年(集塵)、10年(脱臭)
- 付加機能
- 加湿
- 型番
- AAP-AH50A-W
【脱臭力】ガス除去率は95%!性能的には問題なし!!
3種類のガスのうちアセトアルデヒドのみ若干残ったものの、それでも除去率は95%。脱臭性能は優秀です。
※ガス除去率は『家電批評』編集部調べの除去率です。
【メンテナンス】加湿トレーの取り出しが面倒……
外すまでがとにかく手間……
毎日のお手入れが必要な加湿トレーは給水口、給水タンクを外したあと、ようやく取り外せます。
慣れてしまえば……ですが、さすがに毎日は面倒です。
【総評】
空気清浄機能は高いものの、加湿部分のお手入れの手間が影響してこの順位に。
お手入れ面に目をつぶれば、コスパの高い製品です。
まとめ:実力が拮抗! 重視するポイントで選ぼう
以上、空気清浄機のおすすめランキングでした。
ミドルクラスの空気清浄機7製品を比較した今回の検証。全製品中で空気清浄能力(吸引力・脱臭力・センサー性能)が最も高かった、パナソニック「F-PXV60」・「F-PXY60」が1位になりました。
本製品は、加湿機能がない純粋な空気清浄機ということもあってお手入れがしやすく、メンテナンスで満点となったのも首位になった大きな要因といえます。
続く2位はダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」。こちらも空気清浄性能が高く、空気清浄のみの単機能のため、メンテナンスのしやすさでも高評価でした。
今回、リビングに配置&常時運転&通年利用という想定で設置性の配点を上げているのですが、ダイソン「Dyson Purifier Big+Quiet 空気清浄機」はその本体の大きさから設置性が最下位という不利にもかかわらず、2位に食い込みました。
全体的に機能・性能が高い10万円超えの最上位製品と比べ、ミドルクラスの製品は価格とトレードオフされている部分が製品ごとで異なります。故に自身のニーズに合わせた選択が必要そうです。
加湿機能の有無、設置のしやすさ、静音性、お手入れのしやすさなど、重視する項目をきちんと決めておくのが重要です。
記事を参考にお気に入りの空気清浄機を見つけてください。
空気清浄機のおすすめ
パナソニック
F-PXV60
パナソニック
F-PXY60
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目安よりも大きい製品を選べば、より短時間で浄化できますが、それに応じて製品は大型化します。