【家電批評公式】空気清浄機のおすすめランキング10選。最強を求めて人気商品を徹底比較【2024年】
一年のうち最も憂鬱な季節のひとつが、花粉シーズン。
個人差はあれど目のかゆみや鼻水などの症状に日々、悩まされる人も多いのでは。
そんな花粉シーズンを少しでもラクに乗り越えるために、雑誌『家電批評』は空気清浄機の人気10製品を比較テスト!
脱臭力やメンテナンス性など全方面からチェックし、おすすめランキングを決定しました!
※ 情報は『家電批評』2024年3月号掲載時のものです。
脱臭力やセンサー性能、消費電力といったハードウェア面はLAB.360 室長の松下が、操作性やメンテナンスのしやすさなどの使い勝手は編集部・山内とライター・下田が実際に試して評価しました。
日本電機工業会規格の「適用畳数」の広さで評価。参考として定量の擬似花粉を自由落下させたときの吸引状況も確認しました。
日本電機工業会の基準を参考に、発生した「アンモニア」「アセトアルデヒド」「酢酸」の除去率で評価しました。
自動モードで運転し、一定距離から赤土・芳香スプレー・疑似花粉を噴霧。
より遠くの粒子を素早く感知し、運転モードを替えた製品ほど高評価に!
自動モードで1日(24時間)のうちに実働する時間を仮定し、年間の消費電力量を算出。
電気使用量が少ない製品ほど高評価としました。
風量や花粉といった専用モードの種類数で評価。
オフタイマー、チャイルドロックといった空気清浄関連の付加機能がある製品は加点しました。
加湿やイオン発生、除菌といった空気清浄以外の機能を搭載している製品は、その数によって加点しています。
本体正面・上・左右1mにおける最大・最小風量時の騒音値を測定。
4ヵ所の騒音値を各風量ごとで平均し、値が小さい製品ほど高評価に!
本体操作パネルにあるボタンの押しやすさ・反応・印字のわかりやすさで評価。
スマホ操作対応製品はアプリの使い勝手も考慮しています。
取扱説明書に記載の「お手入れ手順」から作業の難易度を決定。これをもとに1カ月の清掃の手間が少ない製品ほど高評価としています。
設置時に本体が占有する体積を算出、体積が小さい製品ほど高評価としました。
また、外観のデザイン性や移動のしやすさも考慮しています。
吸引口は本体の下部、床面近くの位置の正面と左右に3カ所にあります。いずれも疑似花粉による瞬間吸引力の参考テストでは除去率が約50%と低めですが、
適用畳数は31畳とまずまずのパワーがあり、床に近い3カ所の吸引口と高い位置からの風の吹き出しにより、効率のよい気流循環が期待できそうです。
センサーは本体の左側面に設置!
センサー感度は満点評価を獲得した適用畳数40畳未満のシャープに次ぐ、2位の実力。
疑似花粉こそ本体に直接噴霧しないと検知しなかったものの、ホコリやニオイはシャープより数秒早く検知するほど優秀で、リビングに置く空気清浄機としてはまったく問題のない性能といえます。
ダイキンの大きな特徴のひとつが、運転モードの豊富さです。空気清浄・加湿を自動コントロールしてもらう「おまかせ」を筆頭に、「風量自動」「節電」「花粉」「のど・はだ」「サーキュレーター」といった用途別に5つの運転モードを用意。さらに手動での風量設定も「しずか」「弱」「標準」「ターボ」の4段階があり、部屋の状況に合わせて細やかな運転を選べるのが大きな魅力です。
国内メーカー製ということもあり、操作パネルの印字はすべて日本語。ボタンも本体天面にあり、触れたときの反応もよいため押しやすいのが魅力です。また、専用アプリに登録すれば、外出先から操作することもできます。ただ、現在の運転モードでこそバックライトで確認できますが、ボタン自体には明かりはないため、暗がりでは操作しにくいです。
40畳未満の6製品はいずれも脱臭力評価がすべて満点。
もちろん、ダイキンもタバコ5本による脱臭力のテストは除去率100%でした。タバコが発した空気中の有害なガス成分をわずか15分の運転で、キレイに取り除いてくれます。
ターボ運転でもそれほど
うるさくない
多数の運転モードがあるダイキンですが、最大の風量モードである「ターボ」でも50dB台の後半と騒音としては控えめです。運転音による存在感をあまり感じることがないため、リビングはもちろん、寝室での運用にも向いているといえます。
加湿フィルターも
こまめな掃除で10年持つ!
加湿機能はあると便利ですが、メンテナンスの作業が増えるのが難点。とくにダイキンは交換パーツが少なく低コストでエコな反面、清掃対象パーツが多く、加湿機能を使うとお手入れの手間が格段に増えます。掃除が苦手な人には不向きかもしれません。
タバコのガスに含まれる3つのニオイのガス成分の濃度によって判定する試験では、すべての数値がゼロという完全な除去率でした。
ニオイ対策はこれで万全といえるでしょう。
吸気口が底面にあり、4方向から吸い込める仕組み。空気中を舞って落ちてくる花粉やホコリを効率よく吸引できる配置といえます。適用床面積38畳と広い部屋で使うにも十分な性能です。
各フィルターは最も汚れやすいプレフィルターを含め、すべて交換式。背面から引き出すだけなので、少ない手間で清潔さを保てます。
年間の電気代が2000円台と適用畳数が広い割に少ないのもうれしい。
1年を通して、常時運転しても問題ありません。
運転モード数は7つと平均以上。なかでも、オートモードに標準と花粉の2種類があるのが特徴。
サーキュレーターほどのパワーはないものの、3Dフロールーバーが気流を送り出す気流生成モードを複数搭載。汚れに合わせて自動で気流生成モードを調節し、吸引力を補助します。
本来、空気清浄機と背面と壁の間隔は10cmほど離さなければなりません。
しかし、本製品は1cmの間隔で設置可能です。
今回の検証では反応までに時間がかかったものの、ホコリ・ニオイ・花粉のすべてにしっかりセンサーが反応しました。
風量が10段階+オートモードで切り替えられるうえ、空気状況を自動で検知、分析。その結果をディスプレイやアプリにリアルタイムで表示してくれます。
15分の運転で、タバコのニオイの元になる成分をしっかり除去しました。
静音性に優れ、風量1(最弱)の状態で運転していると、ほとんど稼働音が聞こえません。タイミングによっては環境音よりも静かなこともありました。
エイサーAcerpure Pro Classic
AP552-10W実勢価格: ¥29,800
SPEC:サイズ/約W253×D253×H576mm・4.22kg
●フィルター/4 in 1 HEPA フィルター
(プリフィルター・抗ウィルス&抗菌コーティング・
HEPA 13 メインフィルター・活性炭フィルター)
主なメンテナンスはフィルター交換のみ。交換作業も本体の横から引き出すだけなので、サッと入れ替えられて手間がほとんどかかりません。
あとは、汚れが気になったときに吸気口や排気口を濡れた布で拭き取ったり、掃除機をかけたりして、より長くキレイに使えば完璧です。
消費電力は全製品中トップの成績。
電力消費量の多い製品と比べると3分の1~4分の1も差がつきました。
風量のモード数は6つと平均的ですが、その他に特筆すべき付加機能はなし。
空気清浄のみの割り切り仕様です。
エレクトロラックスUltimateHome 700
EP72-46実勢価格: ¥99,000
SPEC:サイズ/W410×D310×H646mm・12.1kg
●フィルター/メッシュフィルター、ケア・アルティメイト・プロテクトフィルター、活性炭フィルター
付加機能が豊富で定番の加湿はもちろん、送風ファンによって部屋の空気を循環させて、空気清浄の効率アップが期待できます。
なお、ファンフードは6°~90°の間を手動で、ルーバーの向きは本体のスイングボタンで左右に調節可能。
届けたい場所に向けて送風できます。
多機能なため、メンテナンス箇所は多めです。
しかし、それぞれの作業はあまり手間がかからず簡単です。
今回の検証では、ホコリには反応するものの、花粉やニオイにはあまり反応せず。惜しい結果となりました。
シャープKI-SX100実勢価格: ¥126,720
SPEC:サイズ/W427×D345×H700mm・約16kg
●フィルター/静電HEPAフィルター、ガスもと~る脱臭フィルター、抗菌・防カビホコリブロックプレフィルター
センサー感度のテストでは、今回の検証機中で唯一、ホコリ・ニオイ・花粉のすべてに対し、敏感に反応。
特に花粉は、離れた位置で反応する製品がない中、2mの距離で検知する優秀さでした。
汚れを素早く検知して風量強めの運転に替えるため、ホコリや花粉に敏感な人でも安心して空気清浄を任せられます。
運転モードは、強い風量で10分間運転する「飛沫粒子モード」とセンサー自動運転の「おまかせ」「効果実感モード」を搭載。さらに「静音」「中」「強」「自動」「花粉」「おやすみ」と手動で風量を選ぶことも可能。
帰宅直後は「飛沫粒子モード」、留守中は「静音」、寝るときは「おやすみ」など、利用シーンに合わせて細かく使い分けができます。また、本体前面のモニター表示を見れば、現在の室内の空気状況(キレイ、汚れているなど)が直感的にわかります。
空気清浄以外の付加機能としては、空気が乾燥する冬場に欲しい「加湿」、シャープ製品ではおなじみのイオン放出機能「プラズマクラスター」、音声ガイドの「ココロエンジン」を搭載。このうち、とくに良機能と感じたのは「ココロエンジン」です。本機能は室内の空気の状況を音声で伝えてくれるほか、KI-SX100から伝えたいことがあると「聞いて」ランプが点滅し、ボタンを押すことでお手入れ時期や加湿用の水不足などを知らせてくれます。機器側が能動的にお知らせしてくれる点はとても便利に感じました。
吸引口は縦45.7×横21.5cm(実測値)と本体背面の3/4を占める大きさ。擬似花粉を使った参考テストでは花粉除去率99.7%と高い瞬間吸引力を見せました。衣服に花粉が付きやすい春は、本製品の背面を玄関に向けて設置し、吸引口の前で衣服をはたいて花粉を取る、という使い方もおすすめ。
操作ボタンは本体天面にあるためユーザーが立ったままでも押しやすく、印字も日本語表記でわかりやすいのが特徴。
バックランプ付きで部屋が暗い状態でも確実に操作できます。シャープ独自のクラウドサービス「COCOROAIR」を使えば、AIが運転モードを自動切り替えしてくれたり、スマホで外出先から遠隔操作が可能です。
プレフィルターはホコリを最初に捕えるパーツですが、自動掃除機能によって掃除の手間はほぼなし。
6カ月に一度、ダストボックスにたまったゴミを捨てるだけです。
本製品の唯一の弱点といえるのが消費電力。
電力消費量の少ない他社製品と比べると、風量・弱でも1.5倍、風量・強では2倍の差がつくことも。
AcerAcerpure Pro
AP972-50B実勢価格: ¥169,800
SPEC:サイズ/約W339×D337×H780mm・約10.5kg
●フィルター/4 in1 HEPA フィルター(プリフィルター、
抗ウィルス&抗菌コーティング、HEPA 13 メインフィルター、
活性炭フィルター一体型)
57.4畳と適用畳数が広いだけあり、吸引口は前後左右の4面、しかも縦幅は本体の2/3を占める大きさになっています。
部屋の中央に設置すれば、4方向からパワフルに空気の汚れを吸引してくれます。
5本のタバコを使用した脱臭テストでは3種のガス成分を15分の運転で100%除去。
高い脱臭性能を誇るため、強運転にしておけば壁や家具にニオイ物質が付着する前に吸引できる可能性が高いです。
フィルターは1個しかなく、取り外しも取り付けも簡単。UVC-LEDの殺菌効果によって交換サイクルは長めになっています。
他のお手入れは本体に付いたホコリを取るくらいで手間がかかりません。
昨年は「静音性No.1」を獲得したブルーエア。
今回の製品もどのモードでも静かで、最大風量でも音があまり気になりません。
空気清浄機は仕様どおりの吸引性能を発揮するため、本体の前後左右に空きスペースを取るよう説明書に書かれています。しかし、ブルーエアなら10cmの空きスペースで済むので、壁と家具の隙間にも設置可能です。
花粉こそ本体に直接噴霧しないと反応しませんでしたが、ホコリは2m、ニオイは3mの位置でしっかり検知。センサーの感度は良好です。
ロボット掃除機の「ルンバ」と連携して動作する機能も搭載。ルンバ清掃時はファンスピードを自動的にアップするため、床と空間を同時にキレイにできます。
シャープKI-SX100実勢価格: ¥126,720
SPEC:サイズ/W427×D345×H700mm・約16kg
●フィルター/静電HEPAフィルター、ガスもと~る脱臭フィルター、抗菌・防カビホコリブロックプレフィルター
空気清浄機選びの次に悩むのは設置場所ですが、最もおすすめなのが玄関です。
出入りする際に外の空気とともに入り込んできた花粉を玄関で減らしてくれます。
また、帰宅時には空気清浄機の前で衣服に付着した花粉を払っておくのも効果的。
「玄関にもリビングにもは置いておけない……」という人は、花粉の通り道になりやすい窓の下が次点でおすすめです。
空気清浄機は花粉対策に有効ですが、単独では限界があります。
そこで有効なのが、空気循環や加湿の機能です。
空気循環機能は吸引力だけでは吸い込めない花粉を気流に乗せて集めやすくします。
また、加湿機能は水分で花粉を床に落とし、漂わせない・舞い上がるのを防ぐ効果を期待できます。
花粉対策にはこの2つの機能を優先して選びましょう。