快適な空間が手に入る高級空気清浄機は?
一年中、快適なお部屋の空気を保つために稼働させたい空気清浄機。
そこで雑誌『家電批評』編集部が、適応畳数40畳以上の高級な空気清浄機4製品を集めて比較。
今回は、空気の吸い方や範囲を可視化する線香の煙を使った“吸引射程テスト”を新たに実施。テスト項目や配点もアップデートして徹底検証しました!
高級空気清浄機の選び方は?
全9項目でテストしました!
テスト1:吸引力
日本電機工業会規格の「適用畳数」の広さで評価。参考として擬似花粉の吸引状況と線香の煙で吸引射程距離を確認しました。
テスト2:脱臭力
日本電機工業会の基準を参考に、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の臭気ガスを一定の密閉空間内に発生させ、空気清浄機を最大風量で一定時間運転。運転前後のガス濃度を測定し除去率を算出、評価しました。
テスト3:センサー感度
自動モードで運転させ、一定距離から赤土、芳香スプレー、疑似
テスト4:消費電力
自動モードで1日(24時間)のうちに実働する時間を仮定し、年間消費電力を算出。電気使用量が少ない製品ほど高評価としました。
なお、電気代は1kwhあたり31円で計算しています。
テスト5:機能性
風量や花粉・飛沫粒子などの専用モードの豊富さで評価。加湿やイオン発生など空気清浄以外の機能を搭載する製品は加点しました。
テスト6:静音性
本体の正面・上・左右1mにおける最大&最小風量時の騒音値を測定。4カ所の騒音値を平均し、値が小さい製品ほど高評価になりました。
テスト7:操作性
操作パネルにあるボタンの押しやすさ、反応・表示のわかりやすさで評価。スマホ操作が可能ならアプリの使い勝手も考慮しました。
テスト8:メンテナンス
取扱説明書に記載の「お手入れ方法」から作業の難易度を確認。1カ月の清掃の手間と交換パーツのコストが少ない製品ほど高評価としました。
テスト9:設置性
設置時に本体が占有する体積を算出し、少ない製品ほど高評価としました。また、外観のデザインや移動のしやすさも考慮しました。
高級空気清浄機のおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、高級空気清浄機のおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | おすすめポイント | ||||||||||||||||||
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シャープ加湿空気清浄機 KI-TX100
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|
センサー感度が優秀/AIモニターで空気を見える化/運転モードや付加機能も充実 |
427mm |
305mm |
700mm |
14.0kg(約) |
46畳(空気清浄)、31畳(加湿※洋室での加湿適用床面積) |
10年(集塵、脱臭、加湿) |
加湿、イオン発生 |
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ダイキンMCK905A
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|
多彩な運転モード/センサー性能、脱臭力は優秀/加湿やイオン放出など付加機能も充実 |
352mm |
315mm |
777mm |
14.5kg(約) |
41畳(空気清浄)、29畳(加湿※洋室での加湿適用床面積) |
10年(集塵、加湿) |
加湿、イオン発生、除菌、サーキュレーター |
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パナソニックF-VXW90
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|
タバコのニオイ物質除去率100%/ボタンの視認性が高く操作しやすい/メンテ時の交換パーツが安い |
398mm |
287mm |
640mm |
11.4kg(約) |
40畳(空気清浄)、24畳(加湿※洋室での加湿適用床面積) |
10年(集塵、脱臭、加湿) |
加湿、ナノイー X |
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ブルーエアClassic Pro CP7i
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広いリビングに対応の吸引力/メンテナンスがラク/設置マージンは小さめ |
500mm |
250mm |
600mm |
15㎏(約) |
56畳 |
9ヵ月~1年 |
自動フィルター除菌 |
【1位】シャープ「加湿空気清浄機 KI-TX100」
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- センサー感度が優秀
- AIモニターで空気を見える化
- 運転モードや付加機能も充実
- がっかりポイント
-
- 年間の電気代が5000円以上
- 交換部品が多く維持費はやや高め
- 幅
- 427mm
- 奥行
- 305mm
- 高さ
- 700mm
- 重量
- 14.0kg(約)
- 適用床面積
- 46畳(空気清浄)、31畳(加湿※洋室での加湿適用床面積)
- フィルター交換目安
- 10年(集塵、脱臭、加湿)
- 付加機能
- 加湿、イオン発生
- 型番
- KI-TX100
【センサー】今回のテストで唯一3mの距離から疑似花粉を検知!
センサーは本体側面に搭載
センサーの感度はかなり優秀。特に検知が苦手な製品が多い疑似花粉のテストでは、4製品中で唯一3mの距離で擬似花粉を検知しました。
室内に侵入する微粒子にすばやく反応します。
【操作性】「COCORO AIR」のAIが天気などの情報を分析
天気や環境で運転を最適化
スマホアプリ「COCORO AIR」を使えば、屋内だけでなく、天気や季節など屋外の情報をAIが分析して最適な運転を実施。
さらに情報を分析・学習してAIが進化します。
【脱臭力】タバコから出たガス成分はアセトアルデヒドがやや残った
アンモニアはしっかり除去
タバコから出たガス成分の除去率は80%以上とまずまずの結果。
アンモニアは15分の運転で100%除去できましたが、アセトアルデヒドと酢酸がやや残ってしまう結果となりました。
【吸引力】本体背面の大型吸引口でパワフルに吸引
背面の右側に大型の吸引口
吸引射程距離
線香を使った吸引射程の新テストでは、前方は480cmまで吸引とまずまず。
一方、製品の横側は他製品と比べて遠くから吸引。吸引口が右寄せされており、片側の吸引距離が長めです。
【機能性】空気環境をモニター表示する「AIモニター」を搭載
空気中に漂う粒子数を表示
「花粉」「飛沫粒子」などの多彩な運転モードや、加湿やプラズマクラスターNEXTによるイオン発生といった空気清浄以外の機能も充実しています。
また、室内の粒子数を色と数値で表示する「AIモニター」で、常に室内の空気環境を「見える化」。24時間あたりの電気代や温湿度なども表示できます。
「AI AUTOモード」や「音声ガイド」が便利
\午後から花粉が飛びますで〜/
検知した粒子数によって細かく風量を制御する「AI AUTOモード」を搭載しています。
さらに、外国語や方言などにカスタムも可能な「音声ガイド」が空気状況やお手入れ時期などを知らせます。
▼購入はこちら
【2位】ダイキン「MCK905A」
- ダイキンMCK905A
- 実勢価格: ¥81,599〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- 多彩な運転モード
- センサー性能、脱臭力は優秀
- 加湿やイオン放出など付加機能も充実
- がっかりポイント
-
- 設置マージンが他製品より大きい
- ややメンテに手間がかかる
- 幅
- 352mm
- 奥行
- 315mm
- 高さ
- 777mm
- 重量
- 14.5kg(約)
- 適用床面積
- 41畳(空気清浄)、29畳(加湿※洋室での加湿適用床面積)
- フィルター交換目安
- 10年(集塵、加湿)
- 付加機能
- 加湿、イオン発生、除菌、サーキュレーター
- 型番
- MCK905A-T
タワー型で省スペースですが、左右と後方に30cmのマージンが必要です。
【吸引力】3つの吸引口から広い範囲で汚れを吸引
吸引口は3か所に分散
吸引射程距離
吸引口は床に近い正面下部と左右の3カ所。ただし、3カ所に分散しているため、それぞれの瞬間吸引力は弱く擬似花粉を使った参考テストでの除去率は55%ほど。
吸引射程距離は正面は5m以上ですが横は140〜190cmとまずまずの結果でした。
【機能性】多彩な風量モードと運転コースを選べる
加湿やイオン発生、除菌機能も搭載!
「おまかせ運転」や「節電」「パワフル花粉」「浮遊飛沫」「のど・はだ」コースなど運転コースは多彩で風量も自動を含め5段階と充実。
サーキュレーター機能もあります。
【脱臭力】タバコの嫌なニオイを完全に除去
タバコを使った脱臭力のテストでは除去率100%でした。有害なガス成分を15分の運転でキレイに除去しました。
【センサー】ホコリ・ニオイは3mの距離で検知!
擬似花粉は2m、ホコリとニオイは3mで検知と、センサー性能は優秀です。
【3位】パナソニック「F-VXW90」
- パナソニックF-VXW90
- 実勢価格: ¥90,000〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- タバコのニオイ物質除去率100%
- ボタンの視認性が高く操作しやすい
- メンテ時の交換パーツが安い
- がっかりポイント
-
- メンテの手間はややかかる
- 小さめサイズで吸引力は物足りない
- 幅
- 398mm
- 奥行
- 287mm
- 高さ
- 640mm
- 重量
- 11.4kg(約)
- 適用床面積
- 40畳(空気清浄)、24畳(加湿※洋室での加湿適用床面積)
- フィルター交換目安
- 10年(集塵、脱臭、加湿)
- 付加機能
- 加湿、ナノイー X
- 型番
- F-VXW90-TM
【吸引力】コンパクトながら4カ所から吸引
正面と向かって左側が強力です
吸引射程距離
吸引口は前面の中央と下部、左右の全4カ所あり広範囲から吸引可能ですが、それぞれの瞬間吸引力は場所により違いがあります。
吸引射程距離は正面は5m以上でも吸引しましたが、横側や斜め方向では左右でバラつきが出ました。
【脱臭力】タバコの成分を100%除去した
紙タバコから出る3種類の有害物質を15分の運転で完全除去。小型ですが脱臭力は優秀です。
【操作性】ボタンが日本語でわかりやすい
ボタンが大きく押しやすい
操作ボタンは本体天面に集約されています。
ボタンも大きめで押しやすく、表示も日本語で、アイコン表記だけのブルーエア「Classic Pro CP7i」よりもわかりやすいです。
専用アプリを使えば外出先や別の部屋からの操作も可能です。
【メンテナンス】交換パーツは年平均で1780円 コストは4製品中で最安
フィルター交換は約10年に一度でOK
交換が必要なのは集じん・脱臭・加湿の3つのフィルターのみ。約10年ごとなので年平均コストは1780円(検証時)と4製品中では最安です。
ただし、交換サイクルが長い反面、こまめな掃除が必要。また、多機能なのでメンテが必要な箇所も多いです。
【4位】ブルーエア「Classic Pro CP7i」
- ブルーエアClassic Pro CP7i
- 実勢価格: ¥91,873〜
- 吸引力
- 脱臭力
- センサー
- 消費電力
- 機能性
- 静音性
- 操作性
- メンテナンス
- 設置性
- おすすめポイント
-
- 広いリビングに対応の吸引力
- メンテナンスがラク
- 設置マージンは小さめ
- がっかりポイント
-
- 花粉のセンサー検知は苦手
- 交換フィルターが2万円以上と高額
- 空気清浄のみで付加機能はほぼない
- 幅
- 500mm
- 奥行
- 250mm
- 高さ
- 600mm
- 重量
- 15㎏(約)
- 適用床面積
- 56畳
- フィルター交換目安
- 9ヵ月~1年
- 付加機能
- 自動フィルター除菌
- 型番
- 111757
広いリビングでシンプルに使うならアリです。
【吸引力】広いリビングにも対応できるパワフルな吸引性能
背面全体が吸引口
吸引射程距離
本体背面の大部分が吸引口となっており、吸引性能は4製品中トップとなりました。
吸引射程距離の参考テストは前方は5m超えとパワフル。ただし、両側面には吹き出し口が配置されているため、側面の吸引射程距離は振るいませんでした。
【センサー】ホコリ・ニオイはしっかり検知。疑似花粉の検知は苦手
センサーは前面上部に配置
ホコリとニオイは3mで検知しましたが、擬似花粉はセンサーに直接噴射してようやく反応。
微粒子の検知には課題が残る結果となりました。
【メンテナンス】交換フィルターは高額 ただしお手入れはカンタン
背面カバーを外して交換するだけ
交換用フィルターは2万円以上(検証時)と高額。しかも9カ月〜1年ごとに交換が必要とランニングコストはかかります。
ただし、お手入れはセンサーやプレフィルターを掃除機で吸えばOKとカンタンです。
【設置性】設置マージンは10cmと小さめ
壁際にも設置できる!
製品のサイズは大きめですが、上方・前後・左右に10cmのマージンで設置可能。
後方マージンが30cm以上のダイキン「MCK905A」などより設置場所の自由度が高く、壁際や家具の隙間などにも置けます。
まとめ:便利な機能満載のシャープがベスト!
以上、高級空気清浄機のおすすめランキングでした。
テスト項目を刷新してハイエンドクラスの空気清浄機4製品を比較した今回の検証。4製品すべてA評価という優秀な成績を修めました。
そのなかでベストバイに輝いたのは、シャープ「加湿空気清浄機 KI-TX100」。シャープはなんと5年連続でベストバイ獲得です。
記事を参考にお気に入りの空気清浄機を見つけてください。
空気清浄機のおすすめ
シャープ
加湿空気清浄機
KI-TX100
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センサー性能は優秀。疑似花粉を3mの距離で検知したのはシャープ「加湿空気清浄機 KI-TX100」だけです。