空気清浄機は書斎や玄関に置けるサブ機も人気
新型コロナウイルスの影響やテレワークの増加で需要が伸びている空気清浄機。書斎や子ども部屋などそれぞれの自室で過ごす時間も増えていることから、ミニサイズの小型空気清浄機が人気です。
そこで、テストするモノ批評誌『MONOQLO』が、自室のデスク周り用途や玄関などに設置するサブ機として使いやすい小型空気清浄機5製品を集めて比較。コンパクトで性能も優秀な最強の一台を探しました。
換気が当たり前の時代!花粉対策は必須
そこで活用したいのが、空気清浄機です。窓を開けて換気すると新鮮な空気とともに花粉も襲来してしまいますが、空気清浄機があれば換気しながら花粉対策できます。
花粉だけでなく、ウイルスやホコリ、タバコのニオイが気になる人は、大きな空気清浄機はもちろん、自室や玄関周りなどあちこちにフィットする小型の空気清浄機があると便利です。
▼大型空気清浄機のおすすめランキングはこちら
ミニでも高性能はある? 小型空気清浄機の選び方
小型空気清浄機をデスク周りなどで使うことを考えると、邪魔になるときはサッとどけられる小ささと軽さが重要です。もちろん、その空間をきちんと快適にしてくれるフィルター機能を両立していることも理想。
ここでは、小型空気清浄機を選ぶときにチェックしたい項目を見ておきましょう。
選び方1:基本性能をチェック
小型空気清浄機は各製品によって得意とする性能が異なります。目的で選び方が変わってくるので、搭載されている機能も確認しておきましょう。例えば、集塵力を重視する人はHEPAフィルター搭載のモデルを、乾燥対策をしたいという人は、加湿機能が備わった加湿空気清浄機をチェックしてみてください。
選び方2:稼働音は静かな方がいい
空気清浄機は、部屋の空気を吸い込み、清浄されてキレイになった空気を吐き出すため、稼働中は運転音がします。音が大きすぎると仕事中や睡眠時に気になり使いにくくなる可能性も。静音設計のあるモデルなど、運転音は小さめのものがおすすめです。
選び方3:取り回しは重要
玄関先やデスク周り、トイレなどさまざまな場所で使うことを考えると持ち運びのしやすさも大切なポイント。サッと持ち運べる軽さはもちろん、コンパクトなものだと場所を選ばず設置しやすいので便利です。
選び方4:フィルター交換頻度やコスパは?
小型空気清浄機は、定期的に手入れする必要があります。搭載されているフィルターの交換時期や、交換用フィルターの価格もチェックしておきましょう。
選び方5:ニオイ除去力が必要かどうか
タバコやペットなど、部屋のニオイが気になるという人は、消臭機能や脱臭用フィルターが搭載されている製品を選びましょう。また、ニオイセンサーが搭載されているモデルだと、ニオイを自動的に検知して自動で部屋の空気をキレイにしてくれます。
選び方6:適用床面積で選ぶ
小型空気清浄機を広すぎる部屋で使用すると、部屋の空気をしっかり清浄することができません。小型空気清浄機にはそれぞれ対応する適用床面積があるので、購入前に確認しておきましょう。
「適用床面積」の目安とは
日本電機工業会規格で基準が定められていて、その試験によって算出されています。例えば10畳のリビングで使用するなら、適用床面積が30畳以上の製品を選ぶと快適に使用できます。つまり、使用する部屋の床面積の2~3倍が目安です。
「ニオイ除去率」「フィルター交換頻度」など5項目で比較
今回は、人気の小型空気清浄機5製品を集め「ニオイ除去」「基本性能」「取り回し」「稼働音」「フィルター交換頻度」を比較しました。
ニオイ除去テスト
1立方メートルの箱内にてタバコを発煙させ「アンモニア」「酢酸」「アセトアルデヒド」の3臭気の除去率を算出。
基本性能テスト
適用床面積やセンサー機能などを比較。センサー性能は粉塵やヘアスプレーを散布し、反応距離を検証した上で総合的に評価。
取り回し比較
サブ空気清浄機なので、さまざまな場所で使うことを想定し、取り回しを比較。
稼働音比較
JEM1467の基準に則り、各空気清浄機から1mの距離をとり、真上、正面、右側、左側の4箇所の騒音値を平均。
フィルター交換頻度
メーカー推奨のフィルター交換頻度とその価格から維持費を比較。
それでは、テスト結果をおすすめ順に紹介します。
小型清浄機のおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、小型空気清浄機のおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | おすすめポイント | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]()
シャープ空気清浄機
![]() |
|
ニオイをしっかり除去&使いやすい/静音性も高い/軽くて持ち運びがカンタン |
19cm |
19cm |
33cm |
2kg(約) |
6畳(約) |
||||||
![]()
Taglabel by amadana空気清浄機
![]() |
|
1万円以下でも超優秀!/小さめの書斎などに最適/軽くて移動しやすい |
21cm |
21cm |
31cm |
11畳(約) |
|||||||
![]()
cado空気清浄機
![]() |
|
24cm |
24cm |
31.5cm |
4.4kg |
15畳(約) |
|||||||
![]()
ブルーエア空気清浄機
![]() |
|
20cm |
20cm |
42.5cm |
1.7kg(約) |
15畳(約) |
|||||||
![]()
TruSens空気清浄機
![]() |
|
20.1cm |
20.1cm |
45.5cm |
3.4kg |
14畳(約) |
シャープ「FU-NC01」
- シャープ空気清浄機
- 実勢価格: ¥14,900〜
- 基本性能
- ニオイ除去率
- 取り回し
- 稼働音
- フィルター交換頻度
今回、小型空気清浄機5製品を比較した中でベストバイに輝いたのはシャープ「FU-NC01」でした。
- おすすめポイント
-
- ニオイをしっかり除去&使いやすい
- 静音性も高い
- 軽くて持ち運びがカンタン
- 幅
- 19cm
- 奥行
- 19cm
- 高さ
- 33cm
- 重量
- 2kg(約)
- 適用床面積
- 6畳(約)
- 型番
- FU-NC01-W
タバコの煙を使用したニオイ除去テストではバツグンの除去率を発揮。また静音性も高いので自室での作業中や睡眠中に使うには最適です。
重量も軽く持ち運びがカンタンなので、棚の上などの狭いスペースに設置できるのもうれしいポイント。すでに空気清浄機を持っている場合のサブ機としても使いやすい、優れた一台です。
ポイント1:弱・中・強の3段階のみでシンプル
オートモードなどはないですが、身の周りで使う分には急に激しく稼働したりしないので、逆に使いやすいです。
本体の上部がやさしく光ります。
ポイント2:小さなフィルターだけど実力はホンモノ
集じん・脱臭一体型のフィルターの前にホコリを受け止めるプレフィルターがあり、お手入れもラク。しかもその実力はホンモノです。
ここからは、その結果を詳しく見てみましょう。
基本性能:適用床面積約6畳(約10平方メートル)
適用床面性は6畳と狭いですが、製品サイズを考えると適切な範囲といえます。
ニオイ除去率:83.3%
▼ニオイ成分1【アンモニア】
- 運転開始時濃度:40ppm
- 30分後の濃度 :0ppm
▼ニオイ成分2【アセトアルデヒド】
- 運転開始時濃度:12ppm
- 30分後の濃度 :4ppm
▼ニオイ成分3【酢酸】
- 運転開始時濃度:4ppm
- 30分後の濃度 :0ppm
風量「強」にて測定。アンモニアと酢酸は30分後には0ppmまで減少しました。アセトアルデヒドは少し残りましたが、このサイズの空気清浄機としては文句なしの結果です。
取り回し:小さくて軽い
小さく軽いので移動もラク。ACアダプターが取り外せるのも嬉しいポイントです。
稼働音:静かで気にならないレベル
▼真上、正面、右、左4箇所の平均
- 最大風量モード:53.7db
- 静音モード :43.7db
風量「弱」なら真横にあっても非常に静かでほとんど気にならないレベルです。
フィルター交換頻度:約1年に1回程度
- 交換用フィルター価格:3520円
Taglabel by amadana「AT-PA11-WH」
- Taglabel by amadana空気清浄機
- 検証時価格: ¥9,980〜
- 基本性能
- ニオイ除去率
- 取り回し
- 稼働音
- フィルター交換頻度
A評価のTaglabel by amadana「AT-PA11-WH」は、ニオイ除去率83.3%とシャープと同等。シャープよりひと周り大きいですが、コスパは神レベルです。
- おすすめポイント
-
- 1万円以下でも超優秀!
- 小さめの書斎などに最適
- 軽くて移動しやすい
- 幅
- 21cm
- 奥行
- 21cm
- 高さ
- 31cm
- 適用床面積
- 11畳(約)
基本性能:適用床面積約11畳(約18平方メートル)
小さめの書斎などに最適。ホコリセンサーを内蔵していますが、反応は鈍めです。
ニオイ除去率:83.3%
▼ニオイ成分1【アンモニア】
- 運転開始時濃度:40ppm
- 30分後の濃度 :0ppm
▼ニオイ成分2【アセトアルデヒド】
- 運転開始時濃度:12ppm
- 30分後の濃度 :4ppm
▼ニオイ成分3【酢酸】
- 運転開始時濃度:4ppm
- 30分後の濃度 :0ppm
風量「HARD」にて測定。シャープ同様の結果を記録しました。製造はドウシシャが行っており、フィルターもドウシシャ製。1万円以下の製品としてはかなり優秀です。
取り回し:軽くて移動しやすい
シャープよりひと回りほど大きくなりますが、軽くて移動しやすいので掃除もラクです。
稼働音:ベッドサイドに置いても気にならない
▼真上、正面、右、左4箇所の平均
- 最大風量モード:54.2db
- 静音モード :43.5db
「SLEEP」モード時はほとんど無音。ベッドサイドに置いてもOKです。
フィルター交換頻度:約1年に1回程度
- 交換用フィルター価格:2750円
cado「LEAF 120」
- cado空気清浄機
- 実勢価格: ¥17,980〜検証時価格: ¥38,000〜
- 基本性能
- ニオイ除去率
- 取り回し
- 稼働音
- フィルター交換頻度
cado「LEAF 120」はB評価でした。今回検証した5製品の中では、サイズに対しても適用床面積が最も広く、広めの部屋でも使える性能です。
- 幅
- 24cm
- 奥行
- 24cm
- 高さ
- 31.5cm
- 重量
- 4.4kg
- 適用床面積
- 15畳(約)
- 型番
- AP-C120-CG
基本性能:適用床面積約15畳(約25平方メートル)
サイズに対する適用床面積が最も広く、50cmの距離でニオイセンサーが反応します。
ニオイ除去率:80.2%
▼ニオイ成分1【アンモニア】
- 運転開始時濃度:40ppm
- 30分後の濃度 :5ppm
▼ニオイ成分2【アセトアルデヒド】
- 運転開始時濃度:12ppm
- 30分後の濃度 :4ppm
▼ニオイ成分3【酢酸】
- 運転開始時濃度:6ppm
- 30分後の濃度 :0ppm
「急速」モードにて測定。80%を超える除去率を記録しました。アセトアルデヒドの減少率は上の2製品と同等ですが、アンモニアが少し残ってしまっていました。
取り回し:重量は重ため
フィルターを含めた重量は4.4kgと重ためなので、サッと持ち運びとはいきません。
稼働音:「弱」モードは静か
▼真上、正面、右、左4箇所の平均
- 最大風量モード:63.8db
- 静音モード :43.7db
一番強力な「ターボ」モードの稼働音は大きめですが、「弱」は静かです。
フィルター交換頻度:6カ月〜1年に1回程度
- 交換用フィルター価格:6875円
Blueair「Blue 3210」
- ブルーエア空気清浄機
- 実勢価格: ¥13,800〜検証時価格: ¥24,200〜
- 基本性能
- ニオイ除去率
- 取り回し
- 稼働音
- フィルター交換頻度
C評価のBlueair(ブルーエア)「Blue 3210」は、微粒子センサー搭載のモデル。基本性能や稼働音のテストでは高評価を得ましたが、ニオイ除去率があと一歩という結果でした。
- 幅
- 20cm
- 奥行
- 20cm
- 高さ
- 42.5cm
- 重量
- 1.7kg(約)
- 適用床面積
- 15畳(約)
- 型番
- 105534
基本性能:適用床面積約15畳(約25平方メートル)
微粒子センサー内臓で、1mの距離から赤土を散布するとしっかりと感知。適用畳数も広く使いやすいです。
ニオイ除去率:45.8%
▼ニオイ成分1【アンモニア】
- 運転開始時濃度:40ppm
- 30分後の濃度 :20ppm
▼ニオイ成分2【アセトアルデヒド】
- 運転開始時濃度:12ppm
- 30分後の濃度 :10ppm
▼ニオイ成分3【酢酸】
- 運転開始時濃度:7ppm
- 30分後の濃度 :0ppm
「高速」モードで除去率が50%を下回る結果に。酢酸は取り切れましたが、アンモニアの減少率が低く、アセトアルデヒドもあまり吸収せず多く残ってしまっていました。
取り回し:高さはあるけど軽い
高さはありますが、見かけによらず約1.7kgと軽いので、持ち運びも容易です。
稼働音:比較的静か
▼真上、正面、右、左4箇所の平均
- 最大風量モード:53.3db
- 静音モード :43.3db
フィルター交換頻度:約6カ月に1回程度
- 交換用フィルター価格:4400円
TruSens「Z-1000」
- TruSens空気清浄機
- 実勢価格: ¥3,990〜検証時価格: ¥19,107〜
- 基本性能
- ニオイ除去率
- 取り回し
- 稼働音
- フィルター交換頻度
続いても、C評価のTruSens「Z-1000」。ハンドル付きで持ち運びがしやすく稼働音も静かな印象ですが、ニオイ除去率が24.0%と微妙な結果となりました。
- 幅
- 20.1cm
- 奥行
- 20.1cm
- 高さ
- 45.5cm
- 重量
- 3.4kg
- 適用床面積
- 14畳(約)
- 型番
- TZ1000APJPR
基本性能:適用床面積約14畳(約23平方メートル)
TruSens「Z-1000」は米国のCADR基準ですが、サイズに対しての対応範囲は広いといえます。
ニオイ除去率:24.0%
▼ニオイ成分1【アンモニア】
- 運転開始時濃度:40ppm
- 30分後の濃度 :35ppm
▼ニオイ成分2【アセトアルデヒド】
- 運転開始時濃度:12ppm
- 30分後の濃度 :10ppm
▼ニオイ成分3【酢酸】
- 運転開始時濃度:4ppm
- 30分後の濃度 :2ppm
ファンスピード「ターボ」にて測定。30分経過しても3臭気すべてが、ほとんど取れずに残っており、ニオイ除去性能はあまり期待できないという結果がでました。
取り回し:持ち運びしやすい
3.4kgと少し重めですが、本体上部にハンドルがあるので持ち運びはしやすいです。
稼働音:最弱モードはとても静か
▼真上、正面、右、左4箇所の平均
- 最大風量モード:57.0db
- 静音モード :43.8db
こちらも他製品と同様に、最弱の「1」ならとても静かな印象でした。
フィルター交換頻度:12〜15カ月に1回程度
交換用フィルター価格:2500円
おわりに
以上、小型空気清浄機5製品のテスト結果でした。
ベストバイのシャープ「FU-NC01」は、デスクにあってもいい絶妙なサイズ感ながら空気清浄の実力も本物。サブ機として最強な一台です!
シャープ
FU-NC01
実勢価格:1万6182円
サイズ・重量(実測値):φ190×H330mm・約2kg
小型といっても実際に置いてみるとサイズ感に違いがあるので、置きたい場所に合わせて最適な空気清浄機を選んでみてください。
空気清浄機の売れ筋ランキングもチェック!
空気清浄機のAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。