ドラム式洗濯機のNo.1は?
洗濯から乾燥までを一手に担ってくれるドラム式洗濯機(ドラム式洗濯乾燥機)。2000年代初頭に発売されたパナソニックの「ななめドラム」や「ヒートポンプ」は、今のドラム式洗濯機の主流となっています。その後も新しい技術や機能が搭載されたドラム式洗濯機が続々と登場しています。
でも、製品がたくさんあって、どれを選べばいいか迷ってしまいませんか?
そこで、雑誌「家電批評」編集部が、主要メーカー(パナソニック、シャープ、日立、東芝、アイリスオーヤマ)の上位5台をそろえて、実際にドラム式洗濯機を使用&計測する一斉テストを敢行しました。
その結果、家電批評が自信をもっておすすめできる製品をランキングで紹介します。
ドラム式洗濯機の選び方は?
まずは、購入前に知って得する最新ドラム式洗濯機(ドラム式洗濯乾燥機)を選ぶ際のポイントを紹介します。
選び方1:洗浄力を得るなら容量が大きい機種を選ぼう!
縦型洗濯機の洗浄力がドラム式を上回るのが従来の当たり前でした。しかし最近は、ドラム式洗濯機の洗浄力も向上。大きな差はなくなってきています。
ただし、その洗浄力は、洗濯物を適切な量で洗濯してこその話。洗濯槽がパンパンになるまで洗濯物を入れてしまうと、十分な洗浄力が発揮できなくなってしまうんです。
そのため、日頃洗濯する量に合わせ、余裕を持ったサイズを選ぶことが大切です。
なお、洗濯機の性能をフルに発揮できる洗濯物の量は、洗濯容量の6〜7割程度まで。1日1人あたりが出す洗濯物の量は約1.5㎏といわれているのでご参考までに。
選び方2:製品の価格帯(グレード)によって乾燥方式が変わります
ドラム式最大の強みといえるのが、ヒートポンプ式乾燥を使えること。省エネ&時短で生地にもやさしいため、ほとんどの大手メーカーが高級機に採用しています。
唯一、乾燥力に定評のある日立だけはヒーター式を守り続けていましたが、2023年発売のモデルからついにヒートポンプ式に変更。大手がそろって高級機に採用するヒートポンプ式は、ドラム式の花形機能です。
ヒートポンプ式の特徴:湿った空気を乾いた温風に変換
- 比較的高級機に使われる方式(20万円以上)
- 採用メーカー:パナソニック、東芝、日立
洗濯槽内の空気から取り出した熱で洗濯物を乾燥。低温で生地にやさしいのが特徴です。空気を暖める過程で除湿も行うため、運転が短時間&電気代が安いのもメリットです。
ヒーター式の特徴:ヒーターの高音でがっつり乾燥
- 比較的低価格機に使われる方式(20万円未満)
- 採用メーカー:アイリスオーヤマ
乾燥方法は、ヒーターの熱で乾燥する方式で「水冷除湿」と「排気」の2タイプがあります。本体の購入コストを抑えられ、温度を上げやすい半面、電気代が高くなりやすく、洗濯物も傷みやすいのが弱点です。
ハイブリッド式の特徴:
ヒートポンプとサポートヒーターの組み合わせ(ベースはヒートポンプ)
- 採用メーカー:シャープ
ベースはヒートポンプ。シャープが採用している独自の乾燥方式です。ヒートポンプに加え、立ち上がり時などの温度上昇をサポートするヒーターを搭載。電気代が安く、乾燥ムラができにくい点が特徴です。
なお、東芝の縦型洗濯乾燥機にも「ハイブリッド乾燥」がありますが、こちらは水冷除湿に外気仕上げを加えた別モノです。
選び方3:最新トレンドはAIを活用した賢い洗濯!
数年前まではひとつのウリだった洗剤・柔軟剤の自動投入機能ですが、今やハイエンド機に限らず搭載される定番機能になりつつあります。
AIを活用した洗濯機能が最近のトレンド
代わって最近のトレンドとなっているのが、AIを活用した洗濯機能。洗濯物の量や布質、洗濯の状況などを見極めて洗い方や運転時間を調整したり、何度も洗濯をするうちに好みを学習して仕上がりを調整したりといったことを、全部AIが自動でやってくれます。
なかには日立のように水質を見極めるという、人では難しいことをやってくれる製品もあります。
一方で、自分であれこれ調整するのが楽しい人は、AI機能をオフにもできます。最新の機能がどんなものか試してみたい人は、ぜひ検討してみてください。
時間延長なども自動化!
洗濯物の量や質、水質や洗剤の種類、汚れ具合や洗濯状況を監視し、洗い方や運転時間を変更。AIはオフにすることもできます。
選び方4:自分に合ったお手入れ方法を選ぼう!
自動掃除などのお手入れ機能も進化しています。洗濯槽の洗浄・乾燥はもちろん、意外とゴミのたまるドアパッキンや掃除が難しい乾燥経路まで、全部自動で掃除が可能な製品も登場。
さらに、手動でお手入れする乾燥フィルターと排水フィルターも、一体型が現れるなど進化が続いています。
1回の乾燥でも繊維が結構たまります
ドラム式洗濯機で乾燥まで行うと必要になるのが「乾燥フィルター」の掃除。これは乾燥後に毎回必要なので、できるだけ手間なく行いたいものです。
通常、乾燥フィルターの掃除は毎回が基本。つまり、それだけ繊維クズが大量に出るということです。
乾燥後必須のフィルター掃除は超簡単に!
最新の洗濯機ではこの掃除がラクにできるようになっており、別途ブラシなどでかき出さなくても自動でホコリをまとめてくれたり、指先でつまむだけでスルッと取れたりと簡単です。
メーカーごとに独自のフィルター清掃機能が備わっています。
日立は乾燥フィルターと排水フィルターの一体型!
日立は約1ヵ月に1回のゴミ捨てでOK!掃除の代表的なポイントである乾燥フィルターと排水フィルターを「大容量糸くずフィルター」としてまとめています。
乾燥フィルターの掃除をしなくてすむのはとてもラクです。
選び方5:洗浄力爆上がりの「温水洗浄」は容量が減って時間もかかります
汚れ落ちのカギとなる洗剤は、水温によって効果が大きく異なります。
▼水温と洗濯洗剤の効果
上の表に示した表でもわかりますが、効果を最大限発揮するなら40℃以上で洗うのが理想。つまり、高級機に備わる温水洗浄です。
ところが「温かい水で洗うから、すぐ汚れが落ちて短時間ですむ」なんていうのは幻想。実は、温水洗浄は汚れ落ちを重視するために常温での洗浄より時間がかかるうえ、一度に洗える量も減ってしまうんです。
洗濯物が大量だと一度に洗えない!?
そこで、各メーカーの常温・温水洗浄時の最大洗濯容量と洗い時間をまとめてみました。
▼常温洗濯時と温水洗濯時の比較
ほとんどのメーカーが温水時の洗濯容量は半減、日立に至っては6分の1と激減。洗い時間も5〜6倍は当たり前です。
先に書いたようなイメージで温水洗浄を開始すると、いつまでたっても運転が終わらず慌てることになります。事前に特性を知って、温水洗浄をうまく活用しましょう。
なお、水温が選べる製品は、選択した温度によっても容量や時間が変わります。
選び方6:「搬入経路」と「設置場所」は事前によく確認しよう!
【チェック1:搬入経路】洗濯機置き場までドラム式洗濯機がたどり着ける?
搬入前に洗濯機置き場までドラム式洗濯機がたどり着けるかどうか、マンションの通路やエレベーター、ドア類などの搬入経路は事前に幅を確認しておきましょう。
どこかでつかえて洗濯機置き場にたどり着けない場合、最悪返品になってしまいます。
【チェック2:設置場所】防水パンに入るからといって安心できない!
防水パンに入るサイズでも油断は禁物。パンの場所次第では「後方の壁が邪魔で入れられない」「前方のスペースが足らず本体ドアを開けられない」などの設置スペースの問題が起きる場合も。
製品そのもののサイズも事前に確認しておきましょう。
縦型洗濯機とドラム式洗濯機の違いは?
かつては洗浄力なら縦型洗濯機、乾燥ならドラム式という図式がありましたが、最近はドラム式の洗浄力が向上しその差が埋まりつつあります。
しかし、ドラム式はその高い乾燥力と省エネ性能のため、本体価格はやはりお高くなります。ただ、最近はアイリスオーヤマなどから、縦型並みに安いドラム式も登場しています。
ドラム式洗濯機のテスト方法は?
洗濯機を比較するにあたり大切なのはテスト&評価方法。容易に買い替えられない製品なので、複数の項目でしっかりチェックしました。特に重要な洗浄力と乾燥力は念入りにテストしました。
テスト1:洗浄力
6種類の衣服と2種類のタオル計8種類に、洗濯業界で使用される標準人工汚染布およびリアル汚染布を取り付け、洗濯機に投入します。常温では水温を一定にして注水、温水では洗濯機の温度設定が40℃のコースを選択。洗濯終了後の汚染布の色がどれくらい薄く、白くなったかを数値化し、採点しました。
(1)2種類の汚染布を用意
テストには、カーボンや皮脂などの汚れが含浸された「標準人工汚染布(業界で開発・研究に使う汚染布)」を使用しました。
ほかに、3種類のリアル汚れを用意。カレー(油・色素)・赤土(微粒子・泥)・口紅(色素)の“リアル汚れ”を付けた布を使用して、汚れ落ちを比較しました。
(2)標準の2コースで洗濯
一般的な洗濯で最も使用されるであろう標準コースでテスト。水道水をそのまま使うことを想定した常温と、洗濯機に備わる温水機能を使ったコースで行います。
▼常温洗浄コース
タオル、Tシャツ、パーカー、チノパンなど約4kgの洗濯物(タオルおよび衣類)を用意。一定の温度に保った水道水を注水し、人工汚染布とリアル汚れの洗浄率(%)で評価しました。
▼温水洗浄コース
温度設定ができる機種は40℃の温水コースを選択。常温洗浄コースより洗える洗濯容量が少ないため、洗濯物は約2kg用意。人工汚染布と本物の汚れの洗浄率(%)を確認しました。
※洗剤は洗濯物の量に合わせた一定量の花王「アタックZERO」を使用しています。
(3)色を測定し汚れ落ちを数値化
原布および洗濯前後の色を測色計で測定し洗浄率を算出しています。
テスト2:乾燥力
テストには、洗浄力テストと同じ約4kg(常温洗濯)と約2kg(温水洗濯)の洗濯物を用いました。
8種類の洗濯物でテスト
- Tシャツ
- ブラウス
- ワイシャツ
- エプロン
- チノパン
- タオル
- パーカー
- 厚手のバスタオル
たった4kgですが、意外とボリュームがあります。
「洗濯〜しっかり乾燥」と「洗濯〜標準乾燥」
ただし、数値上は完全に乾いている状態でも、実際に触ったときの印象は異なる場合もあるため、触感での点数も加味してあります。
数値的に乾いていても実際に湿り気が残ることもあるため、正確性を担保するために2つのチェックを行っています。
生地が厚い衣類が乾くかがカギ
テスト時には裏返したりせず、そのままの状態で洗濯乾燥を行ったチノパンとパーカー。この2点は生地の厚い部分やポケットの中が非常に乾きにくいです。
テスト3:生地傷み
穴あき布で生地の傷みを比較
5つの穴をあけたテスト専用の布を、洗濯物と一緒に各コースで洗濯乾燥。
常温洗浄〜しっかり乾燥コース、温水洗浄〜標準乾燥コースでチェック。ほつれ出た糸の本数を数え、「少ない=傷みにくい=高得点」としました。
ほつれが少ない=◎です。
糸が飛び出ています。
テスト4:電気代
(1)各製品にワットモニターを設置
各製品に消費電力を測地するワットモニターを設置。
(2)メーターを確認
常温の「標準洗濯〜しっかり乾燥」コース、温水の「標準洗濯〜標準乾燥」コースで運転し、脱水後と乾燥後の消費電力を測定しました。
電気料金は業界団体※の料金目安である1kWhあたり31円(税込)を基準に算出しています。
※公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会
テスト5:使い勝手
洗濯機本体のタッチパネルやボタンなどの操作性、設定の変えやすさやスマホ連携機能の使いやすさなどを確認しました。洗剤自動投入機能を備える機種は、タンクへの洗剤や柔軟剤の入れやすさ、メンテナンス性もチェック。
乾燥フィルターや糸くずフィルターの掃除のしやすさなども主観により判定しています。
操作はわかりやすい?
タッチパネルやボタンの操作類がわかりやすいか、操作に手間取らないかをチェックしました。
洗剤は入れやすい?
洗剤自動投入用のタンクに洗剤を入れやすいか、お手入れがしやすいかを比較しました。
ホコリは取りやすい?
乾燥使用後に毎回必要となる、ホコリの取りやすさなどがラクかをチェックしました。
それでは、ドラム式洗濯機のおすすめランキングを発表します!
ドラム式洗濯機のおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ドラム式洗濯機のおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
パナソニックななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129C
|
|
639mm(給・排水ホース含む) |
722mm(給・排水ホース含む) |
1060mm(給・排水ホース含む) |
8200g(約) |
12kg |
6kg |
◯ |
◯ |
ヒートポンプ |
||||||
東芝ZABOON TW-127XP3
|
|
645mm(給・排水ホース含む) |
720mm(給・排水ホース含む) |
1060mm(給・排水ホース含む) |
8900g(約) |
12kg |
6kg |
◯ |
◯ |
ヒートポンプ |
||||||
シャープドラム式洗濯乾燥機 ES-X11B
|
|
640mm(給・排水ホース含む) |
739mm(給・排水ホース含む) |
1115mm(給・排水ホース含む) |
8400g(約) |
11kg |
6kg |
◯ |
◯ |
ハイブリッド |
||||||
日立ビッグドラム BD-STX130J
|
|
630mm(給・排水ホース含む) |
720mm(給・排水ホース含む) |
1065mm(給・排水ホース含む) |
9300g(約) |
13kg |
7kg |
◯ |
◯ |
ヒートポンプ |
||||||
アイリスオーヤマドラム式洗濯乾燥機 FLK852-W
|
|
595mm(給・排水ホース含む) |
652mm(給・排水ホース含む) |
1065mm(給・排水ホース含む) |
8000g(約) |
8kg |
5kg |
✕ |
✕ |
ヒーター |
【1位】パナソニック「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129C」
- パナソニックななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129C
- 実勢価格: ¥369,800〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで見る¥369,800〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥369,800〜
- 洗浄力
- 乾燥力
- 生地傷み
- 電気代
- 使い勝手
汚れがしっかり落ちるパナがベストバイ!
ドラム式洗濯機のおすすめランキング1位でベストバイに輝いたのは、A+評価のパナソニック(Panasonic)「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129C」でした!
過去行ったテストでは王座から陥落したパナソニックでしたが、今回は見事、返り咲きました。
パナで特筆すべきなのが、洗浄力の高さです。前回も洗浄力で上位だったのですが、今回は洗浄力テストの各検証で軒並みトップ評価を獲得。口紅の汚れ落ちこそ東芝にトップを譲ったものの、あと一歩で全ての検証を完全制覇する勢いでした。洗浄力の高さを重視するなら、真っ先にパナを検討すべきです。
なお、リアル汚れのカレーは、常温でも色がわからなくなるレベル。子どもの食べこぼしなどで服を頻繁に洗う人にもおすすめです。
前回の敗因は「洗浄力が高いのに乾燥力がイマイチ」だったこと。タオル以外の衣類が乾かず順位を落としてしまったのですが、今回の乾燥力テストでは一変。乾燥力が大幅改善しました。
乾燥力の順位だけを見れば4製品中4位ですが、それは今回の乾燥力テストがハイレベルだったためです。というのも、前回は各社薄手の衣類でも乾かせないものがあったのに対し、今回は全メーカーが厚手の衣類以外を完全乾燥。
パナにしても、完全に湿っていると断言できるのはチノパンのポケット裏だけでした。チノパンやパーカーで「乾いているけど湿気が残っていそう」な部分はありましたが……。
なお、今回の乾燥テストでは評価対象外ですが、衣類の仕上がりがよかった点も見逃せません。形状記憶シャツは、シワがほとんどできませんでした。
さらに、運転時間が短いのもありがたいポイント。洗濯から乾燥まで4〜5時間かかる製品もあるなか、パナは2時間台で運転終了。
他社製品の1回の時間で2回近く回せるのはスゴすぎです。また、この運転時間の短さが電気代にも寄与。シャープと並んで1位の成績を収めました。
店頭値引き不可という「指定価格」が話題のパナですが、ランニングコストを考えればむしろお得かも!
洗浄力や電気代を重視する人におすすめです。
- おすすめポイント
-
- 洗浄力&電気代重視ならコレ!
- 乾燥時間が短く電気代も安い
- タッチパネルの操作&表示が秀逸
- 幅
- 639mm(給・排水ホース含む)
- 奥行
- 722mm(給・排水ホース含む)
- 高さ
- 1060mm(給・排水ホース含む)
- 重量
- 8200g(約)
- 洗濯容量
- 12kg
- 乾燥容量
- 6kg
- 洗剤自動投入
- ◯
- スマホ連携
- ◯
- 乾燥方式
- ヒートポンプ
- 型番
- NA-LX129C
▼テスト結果
洗浄力(常温・汚染布) | 洗浄力(温水・汚染布) | 実測運転時間 | 1回あたりの電気代 |
50.8% | 66.9% | 2時間37分 | 36.3円 (1.17kWh) |
パナは洗浄力で得点を稼いだのに加え、乾燥力も好成績。生地傷みこそ伸び悩みましたが、電気代も使い勝手も優秀で、ほとんど弱点がありません。
パナソニックのウリはココ!
トリプル自動投入
液体洗剤・柔軟剤に加え、おしゃれ着or酸素系漂白剤用の自動投入が可能です。
はっ水回復コース
洗濯で落ちていくウェアのはっ水機能を、ヒートポンプ乾燥の熱で回復します。
スマホで洗濯
アプリから使えるコースに「レースカーテン」「敷きパッド」が新たに追加されました。
【洗浄力】常温・温水どちらのテストでも汚れ落ちNo.1!
前回のテストでも評価が高かった洗浄力は、新モデルにもしっかり継承。汚染布の検証でもリアル汚れの検証でも、圧巻の実力を見せつけました。
特に、リアル汚れは常温洗浄でもよく落ち、カレーなどは色残りがほとんどわからないほど。また温水洗浄に至っては、カレーの汚れ落ち99.9%という驚きの数値をたたき出しました。
人工汚染布(常温)
- 洗浄率:50.8%
常温でトップ評価。数値を見ると低く見えますが、他社より一段上の洗浄力です。
人工汚染布(温水)
- 洗浄率:66.9%
カレー・口紅・赤土(常温)
- 洗浄率:87.5%
個別の汚れで見ると口紅だけは東芝が1位でしたが、残る2つはパナが1位。特にカレーは他社に大差での圧勝でした。
カレー・口紅・赤土(温水)
- 洗浄率:96.5%
常温と同じく、カレー1位、口紅2位、赤土1位。どれも90%以上汚れを落とし、目視ではほぼ真っ白でした。
運転時間(常温洗浄〜強乾燥)
- 【表示】3時間10分 →【実際】2時間37分
2時間台で洗濯から乾燥まで終わるのはかなりうれしいです。
【乾燥力】最高ではないけれどかなり優秀です
ほとんどの洗濯物を完全乾燥できましたが、今回は乾燥力テストがハイレベルで成績は4位。パナは厚手のパーカーで裾に少し湿度を感じたほか、チノパンもポケット裏が湿っていました。
乾燥具合(常温洗浄〜強乾燥)
- 【洗濯前】3.99kg →【洗濯後】4.00kg
4製品で唯一重さが増加。数値上ではチノパンの乾きがイマイチでした。
チノパンとパーカーは今回の最難関でした。
▼Tシャツ
薄手の衣類ならしっかり乾きます。
▼ワイシャツ
そのまま着られるレベルです。
▼チノパン
ポケット裏は湿っています。
【生地傷み】温水洗浄は他製品より生地にやさしめ
生地傷みテストは、温水洗浄で検証。
テスト結果は2番手でしたが、トップの製品と大きな差はなく、テストした4製品のなかでは生地にやさしいほうです。ただし、乾燥時の生地傷みは他社製品と変わりません。
温水洗浄が生地にかなり負荷をかけるようで、どの製品も得点が全く伸びませんでしたが、パナだけは他社より少し傷みにくいという結果に。
生地傷みが気になる人は乾燥までやらないほうがいいかも。
【電気代】乾燥時間が短く電気代も安い!
電気代下位の製品は、乾燥に時間を使い、電気代が高くなる傾向。パナやシャープは乾燥が短いため、電気代が安くなっています。
【使い勝手】パッと見てわかりやすいタッチパネルの操作&表示が秀逸!
パナが使いやすい理由のひとつが、このタッチパネル。
大型&カラー表示で見やすいのはもちろん、メニューを開くとアイコンやイメージ、ちょっとした解説なんかも出るなど、めちゃくちゃわかりやすいんです。親切で操作がわかりやすく、洗濯に不慣れな人も迷いません!
自動投入
3つ目の自動投入タンクに漂白剤が入れられるのは◎。
【2位】東芝「ZABOON TW-127XP3」
- 東芝ZABOON TW-127XP3
- 実勢価格: ¥238,000〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで見る¥259,800〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る
- 洗浄力
- 乾燥力
- 生地傷み
- 電気代
- 使い勝手
東芝は洗浄力も乾燥力もハイレベル!
ドラム式洗濯機のおすすめランキング第2位は、A評価の東芝(TOSHIBA)「ZABOON TW-127XP3」でした!
パナに王座を明け渡したものの、確かな実力で2位を堅守したのが東芝です。前回テストまでの東芝は「飛び抜けた才能はないけれど、どのテストでも満遍なく高得点を取る優等生」といった印象。今回もバランスのよさは変わりませんが、乾燥力の個別テストでトップ評価を獲得したのはトピックです。
その乾燥力テストでは、強乾燥でも標準乾燥でも、数値上では全ての洗濯物を完全乾燥。実際に触ってチェックしたところ、厚手で乾燥の難易度が高いパーカーやチノパンも、入念に探してようやく湿気を感じる部分が見つかる程度。それも言われて気付くかどうか、というハイレベルでした。
評価対象外ですが、仕上がりのよさもポイント。ワイシャツに折り目のようなシワがつく製品もあるなか、東芝はほぼシワがつかず。パーカーもシワが少なく、見た目にふんわり感もありました。ちなみに、下に掲載しているチノパン画像がしわくちゃですが、これは4製品とも同様で、大きな差はありません。
洗浄力テストでは、人工汚染布を使った検証で2位タイ、リアル汚れを使った検証で単独2位と、こちらも優秀。
一方で、気になった点が温水洗浄コースの生地傷みです。42℃とやや高い水温や1時間を超える洗濯時間などが負担をかけたのか、結果はイマイチ。衣類を大切に着たい人は要注意かもしれません。
電気代については、前回のテストから進化は感じられたものの、最安の製品(1回36円強)と比べると高め(1回61.1円)。入念に乾燥するゆえ乾燥で他社より電気を使うので、乾燥機能をよく使う人は注意しましょう。
とはいえ、弱点になりそうなポイントもこれくらい。洗浄よし、乾燥よしで使いやすい、そんな一台をお探しなら東芝がおすすめです。
- おすすめポイント
-
- 乾燥力重視ならコレ!
- リアル汚れの落ちはベストバイに肉薄!
- 幅
- 645mm(給・排水ホース含む)
- 奥行
- 720mm(給・排水ホース含む)
- 高さ
- 1060mm(給・排水ホース含む)
- 重量
- 8900g(約)
- 洗濯容量
- 12kg
- 乾燥容量
- 6kg
- 洗剤自動投入
- ◯
- スマホ連携
- ◯
- 乾燥方式
- ヒートポンプ
- 型番
- TW-127XP3R(T)
▼テスト結果
洗浄力(常温・汚染布) | 洗浄力(温水・汚染布) | 実測運転時間 | 1回あたりの電気代 |
46.6% | 64.7% | 4時間1分 | 61.1円 (1.97kWh) |
4製品中1位だった乾燥力に加え、洗浄力や使い勝手でも上位を記録しました。
東芝のウリはココ!
抗菌ウルトラファインバブル洗浄EX
水に含ませた微細な泡で洗浄効果を高める、東芝独自の洗浄技術です。
UV除菌機能
従来の「UV温風除菌」に代えて3つのUV除菌・消臭機能を搭載。
ドアパッキン洗浄
熱交換器や乾燥ダクトなどに加え、ドアパッキンも自動洗浄仕様に。
【洗浄力】リアル汚れの落ちはベストバイに肉迫!
洗浄力の評価は、ベストバイのパナソニック「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129C」に次ぐ2位。特にリアル汚れの落ちが光りました。
なお、下位製品は常温だとリアル汚れが落ちにくい傾向がありましたが、東芝にはそれがなく、満遍なく汚れを落としたことも好結果の要因です。
人工汚染布(常温)
- 洗浄率:46.6%
汚れ落ちは平均的。ベストバイのパナソニックと比べると、人工汚染布の汚れはやや落ちなかったものの、日立と並んで2位タイの評価となりました。
人工汚染布(温水)
- 洗浄率:64.7%
カレー・口紅・赤土(常温)
- 洗浄率:84.6%
リアル汚れの落ちは3種類とも高成績でしたが、特に口紅の汚れ落ちがテスト製品中随一! 常温洗浄でもよく落ちました。カレーと赤土の汚れ落ちも上々です。
運転時間(常温洗浄〜強乾燥)
- 【表示】4時間55分 →【実際】4時間1分
運転時間は長いですが、実際の時間のほうが短いのは好印象です。
【乾燥力】厚手の衣類もかすかな湿度のみ!ほぼ完全に乾かせます
過去のテストでも乾燥力の評価が優秀だった東芝。今回は、前回トップだった日立を抜き、見事全製品中1位の評価を獲得しました。
乾燥前後の洗濯物の重量から算出した乾燥率は、強乾燥・標準乾燥ともに全ての洗濯物が100%超え。これは東芝だけの快挙です。
また、実際に触ってチェックしてみても、パーカーのポケット裏と袖口、首の縫い目の裏側、チノパンの左前ポケット先端にわずかな湿気(湿っているといえないレベル)を感じただけ。乾燥力重視なら、東芝が最有力です。
乾燥具合(常温洗浄〜強乾燥)
- 【洗濯前】3.96kg →【洗濯後】3.92kg
数値上では全ての洗濯物を100%乾燥。標準乾燥も強力です。
▼Tシャツ
Tシャツの仕上がりは良好です。
▼ワイシャツ
東芝は形状記憶シャツでほぼシワができませんでした。
▼チノパン
チノパンのシワは深め。でも数値上は完全乾燥!
▼パーカー
パーカーは分厚い部分にわずかな湿気を感じました。
最難関である厚手のパーカーとチノパンは、どのメーカーの強乾燥でもカラッカラにはなりませんでした。ただし、東芝は他社に比べて湿気を感じる範囲が狭い印象です。
【電気代】着実に進化し値上げ分まで相殺!
他社と比べて安くはありませんが、2年前のモデルからはしっかり進化。当時より4円高い電気代で見積もっても、これだけ安くなっています。
※24年の「1回あたりの電気代」は、前回のテスト(22年)に合わせて常温標準コースの洗濯〜脱水の料金と標準乾燥の料金を合計したものです。このため、記事上部の「▼テスト結果:1回あたりの電気代61.1円(1.97kWh)」とは数値が異なります。
【使い勝手】誰でも使いやすい便利機能が満載です
頻繁に洗えない衣類を除菌・消臭して清潔さを保てるUV除菌機能は、東芝のウリのひとつ。
また、お手入れをラクにする機能も充実していて、洗濯槽はもちろん、乾燥ダクトや熱交換器、ドアパッキンなども自動で洗浄してくれます。
洗えない衣類を除菌&消臭します。
排水フィルターは格子状です。
大型で見やすいタッチパネル
角度にまでこだわった大型のタッチパネルがとにかく見やすい! モードによって画面の色が変わるのも◎。
触れずにゴミをポイッ
ワンプッシュでゴミを落とせる乾燥フィルターが使いやすいです。
“全部入り”と言っていいほど自動お手入れ機能も充実!
コースによっては乾燥工程で本格脱水。途中で一部を取り出す人は気をつけて
洗濯乾燥コースを使用した際に、脱水後の水分の多さが気になりました。そこで乾燥なしの洗濯コースを試すと、こちらはしっかり脱水。動きを注視すると、どうやら洗濯乾燥コースでは本格的な脱水を乾燥の工程で行うようです。
本格的な脱水は乾燥時!
脱水後に自然乾燥させたいものだけを取り出す、というような使い方をする場合、洗濯と乾燥は別々で行うのが無難です。
【3位】シャープ「ドラム式洗濯乾燥機 ES-X11B」
- シャープドラム式洗濯乾燥機 ES-X11B
- 実勢価格: ¥232,000〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで見る¥232,000〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る
- 洗浄力
- 乾燥力
- 生地傷み
- 電気代
- 使い勝手
シャープは衣類にやさしい&コスパ重視派におすすめ
ドラム式洗濯機のおすすめランキング3位は、A評価のシャープ(SHARP)「ドラム式洗濯乾燥機 ES-X11B」です。
洗浄力がそれほど高くない分、生地にはすこぶるやさしいのが近年のシャープの傾向。今回もそれが強く見られました。ただし、温水洗浄は時間が長くなるため洗濯物への負担が大きく、シャープを含めてどのメーカーも結果を出せず。やさしく洗いたいなら常温洗浄を使用するのがよさそうです。
あまり知られていませんが、シャープは電気代が安く、乾燥力が高いのも隠れた魅力。価格も大手のハイエンドのなかでは安いので、コスパを重視する人なら十分検討の余地があります。
価格も電気代も安いので、コスパ重視派におすすめです。
- おすすめポイント
-
- 電気代重視ばらコレ!
- ほつれが少なく生地にやさしい
- 幅
- 640mm(給・排水ホース含む)
- 奥行
- 739mm(給・排水ホース含む)
- 高さ
- 1115mm(給・排水ホース含む)
- 重量
- 8400g(約)
- 洗濯容量
- 11kg
- 乾燥容量
- 6kg
- 洗剤自動投入
- ◯
- スマホ連携
- ◯
- 乾燥方式
- ハイブリッド
- 型番
- ES-X11B-TL
▼テスト結果
洗浄力(常温・汚染布) | 洗浄力(温水・汚染布) | 実測運転時間 | 1回あたりの電気代 |
37.8% | 61.5% | 4時間16分 | 46.5円 (1.50kWh) |
シャープのウリはココ!
ハイブリッド乾燥NEXT
ヒートポンプ方式とサポートヒーターのハイブリッド乾燥は、AIが運転を制御します。
マイクロ高圧洗浄
微細な水滴を高圧シャワーで洗濯物に吹きつけ、繊維の奥の汚れを落とします。
【洗浄力】生地傷みは少ないですが洗浄力はパッとせず
生地傷みが少ないということは、それだけ機械力(洗浄するパワー)が小さいことを意味します。そのため、洗浄率が上がらず苦戦する結果となりました。
人工汚染布(常温)
- 洗浄率:37.8%
人工汚染布の検証結果は、常温・温水ともに4製品中最下位。リアル汚れを含めても最下位でした。
人工汚染布(温水)
- 洗浄率:61.5%
3種の汚れ洗浄力
東芝同様に口紅はかなり落ちます。 ただし、カレーと赤土がイマイチでした。
運転時間(常温洗浄〜強乾燥)
- 【表示】3時間17分 →【実際】4時間16分
最初の表示より1時間近く延長。運転時間もかなり長いです。
【乾燥力】シャープは乾燥もスゴい! 乾燥力テストで2番手評価
乾燥力でトップ評価だった東芝に肉迫したのがシャープ。乾燥率の数値上はチノパンとパーカーが湿っている判定でしたが、実際に触った感触は東芝とほぼ同等。乾燥力の高さを感じました。
通常乾燥でもほぼ乾いた!
触るとパーカーは湿度感もなくカラッと乾燥した印象。一方、チノパンのコインポケットなどが少し湿っていました。
乾燥具合(常温洗浄〜強乾燥)
- 【洗濯前】4.00g →【洗濯後】3.97kg
チノパンとパーカー以外は完全乾燥。パーカーは乾燥率が低めです。
▼Tシャツ
Tシャツは微妙でした。
▼ワイシャツ
形状記憶シャツでも深めのシワがけっこうできるのが難点です。
▼チノパン
チノパンは合格です。
▼パーカー
湿気もほぼ感じませんでした。
【生地傷み】生地の傷みにくさでは他製品を圧倒!
前回のテストでもシャープが輝いたこのテスト。今回は、常温の洗濯〜脱水・乾燥、温水の洗濯〜脱水・乾燥の4項目で生地傷みを評価。そのうち3つでトップの成績でした。
ほかよりほつれが圧倒的に少ない
常温洗浄だとほつれの少なさが特に際立ちます。一方、温水洗浄だと他社との差はほぼなし。
シャープは毎回このテストの得点が高いです。
2位のパナも悪くはないので、シャープがどれだけ生地にやさしいかがわかります。
使い勝手
操作パネル
アナログボタンをそのまま液晶化したようなパネルはイマイチです。
お手入れ
乾燥フィルターの自動掃除が便利です。
残り20分で表示が止まったり時間が増えたりした……
シャープは残り時間20分時点で所要時間の再計算が始まり、表示が止まった状態が10分以上続くことも。その後時間が減ればまだいいのですが、ドカンと増えるケースも多く、最初の予想時間はほぼ無意味です。
【4位】日立「ビッグドラム BD-STX130J」
- 洗浄力
- 乾燥力
- 生地傷み
- 電気代
- 使い勝手
堅実に仕事をこなす日立
ドラム式洗濯機のおすすめランキング4位は、A評価の日立(HITACHI)「ビッグドラム BD-STX130J」。
「乾燥の日立」といわれるほど、消費者からの乾燥力への信頼が厚い日立ですが、今回のテストはやや不満な結果に終わりました。前回と比較すると、他社の乾燥力が上がったというよりは、日立だけが沈んだ印象です。おそらく、今回のモデルから新採用したヒートポンプ式乾燥の成熟度が、まだ低いのではないでしょうか。
最大の魅力だった乾燥力は弱まったものの、洗浄力はそこそこ。運転時間の短さや電気代も良好です。
また、使いやすいタッチパネルや自動投入、充実した自動掃除機能など、使い勝手のよさは光るので、そこが気に入ればおすすめです。
- 幅
- 630mm(給・排水ホース含む)
- 奥行
- 720mm(給・排水ホース含む)
- 高さ
- 1065mm(給・排水ホース含む)
- 重量
- 9300g(約)
- 洗濯容量
- 13kg
- 乾燥容量
- 7kg
- 洗剤自動投入
- ◯
- スマホ連携
- ◯
- 乾燥方式
- ヒートポンプ
- 型番
- BD-STX130JL(W)
▼テスト結果
洗浄力(常温・汚染布) | 洗浄力(温水・汚染布) | 実測運転時間 | 1回あたりの電気代 |
49.8% | 63.5% | 3時間15分 | 44.0円 (1.42kWh) |
日立のウリはココ!
らくメンテ
洗濯槽・乾燥経路・ドアパッキンを自動で掃除。乾燥フィルターもなし!
らくはや 風アイロン
高速&大量の風でシワを伸ばしながら乾燥。ヒートポンプ乾燥で時短を図ります。
【洗浄力】特筆すべき点はないものの及第点はクリア
汚染布の汚れ落ちは良好だったものの、リアル汚れの落ちは評価上位の製品には及ばず。他社製品がなんなく落とせた、常温コースでの口紅の汚れ落ちが悪かった点も気になりました。
服を汚しがちな小さい子どもがいる家庭だと、不満を感じるシーンが出てくるかもしれません。
人工汚染布(常温)
- 洗浄率:49.8%
汚染布の汚れ落ちは上々で、常温洗浄の検証結果はパナに次ぐ2位。服をあまり汚さない人なら日立はアリです。
人工汚染布(温水)
- 洗浄率:63.5%
3種の汚れ洗浄力(常温)
常温だとどの汚れも色がはっきりわかります。温水で洗うのがベターです。
3種の汚れ洗浄力
▼Before
▼After(温水)
- 洗浄率:90.6%
リアル汚れの評価はワーストで、うっすら色が残りました。それでも平均洗浄率は90%以上で、数値上は他社との差はわずかです。
運転時間(常温洗浄〜強乾燥)
- 【表示】3時間41分 →【実際】3時間15分
運転時間はパナに次いで短いです。表示より短時間だったのも◎。
【乾燥力】全体的に優秀ですがいつもの日立じゃない
乾燥力では毎回存在感を放つ日立ですが、今回はどの製品も乾燥がハイレベルだったこともあり、評価は3位に後退。ただし、厚手のチノパンとパーカー以外は、標準乾燥でもしっかり乾くので性能自体はかなり優秀です。
乾燥具合(常温洗浄〜強乾燥)
- 【洗濯前】3.99kg →【洗濯後】3.95kg
数値上は全ての洗濯物を完全乾燥。ただし触ると湿り気がありました。
▼Tシャツ
Tシャツは合格です。
▼ワイシャツ
シャツに細かいシワはあるものの、そのまま着られるレベルです。
▼チノパン
チノパンは右側ポケットの奥にわずかな湿り気がありました。
【生地傷み】3時間近くかかる温水洗浄コースは要注意
日立は生地傷みで最下位。特に温水洗浄コースは3時間近くの長時間となるため、生地への影響が強いようです。
使い勝手
操作パネル
パネルがすっきり見やすいです。
お手入れ
乾燥フィルターがなく、お手入れが排水フィルターのみなのもラクです。
アイリスオーヤマのドラム式洗濯機の実力は?
アイリスオーヤマのハイエンドモデルは、洗濯容量も乾燥方式もこれまでに紹介した4製品と異なります。このため、同列比較ではなく、別で紹介します!
アイリスオーヤマ「ドラム式洗濯乾燥機 FLK852-W」
- アイリスオーヤマドラム式洗濯乾燥機 FLK852-W
- 実勢価格: ¥105,079〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで見る¥105,176〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥105,079〜
- 洗浄力
- 乾燥力
- 生地傷み
- 電気代
- 使い勝手
洗浄力の高さは健在!加えて乾燥もアップ
他社の半額程度で買える安さばかりが注目されがちなアイリス。しかし実は、前回のテストで判明した洗浄力の高さも大きな武器なんです。
今回テストしたアイリスオーヤマ「ドラム式洗濯乾燥機 FLK852-W」も、洗濯容量が小さいハンデ(槽内に余裕があるほうが洗浄力が上がる)を抱えながらかなり優秀な成績。さらに、前回イマイチだった乾燥性能が飛躍的に上がった点にも驚かされました。
前回テスト時時は「乾燥の使用が少ない人におすすめ」としましたが、今回テストしたモデルは乾燥機能を使う人にも十分おすすめできます。
ただし、使用するモードにより電気代がかかる点には注意が必要です。
- 幅
- 595mm(給・排水ホース含む)
- 奥行
- 652mm(給・排水ホース含む)
- 高さ
- 1065mm(給・排水ホース含む)
- 重量
- 8000g(約)
- 洗濯容量
- 8kg
- 乾燥容量
- 5kg
- 洗剤自動投入
- ✕
- スマホ連携
- ✕
- 乾燥方式
- ヒーター
- 型番
- FLK852-W
▼テスト結果
洗浄力(常温・汚染布) | 洗浄力(温水・汚染布) | 実測運転時間 | 1回あたりの電気代 |
48.4% | 60.0% | 5時間51分 | 93.0円 (3.00kWh) |
洗浄力と乾燥力は大手と対等に渡り合える実力ですが、ヒーター乾燥で電気代が高い点と、運転時間の長さはマイナスでした。
アイリスオーヤマのウリはココ!
ふんわり乾燥
衣類が絡みにくい水平ドラムと、5つのセンサーで温度・時間を制御する乾燥により、ふんわりした仕上がりに。
【洗浄力】汚れ落ちは他社ハイエンド級
前回のテストでも洗浄力の高さに驚かされたアイリス。今回のテストでは温水洗浄で他社よりわずかに劣りましたが、常温洗浄では高い実力を示しました。
人工汚染布(常温)
- 洗浄率:48.4%
人工汚染布の汚れは他社の結果に加えて比較しても3位に入る好成績で、しっかり落ちました。
リアル汚れの常温洗浄は他社ハイエンド級です。
【乾燥力】分厚い生地はやや苦手ですが予想以上の性能
「予想以上に乾いた」が率直な印象。パーカーのワキ裏やチノパンのポケット以外は、標準乾燥でしっかり乾きました。
▼パーカー
パーカーのワキ裏やポケット裏は湿っていました。
【電気代】乾燥方式の違いが常温で如実に表れました
強乾燥を使用した常温では他社よりも電気代がかかった一方、標準乾燥を使用した温水では割と安くすみました。
低価格なのは大きな魅力ですが操作パネルがちょっと使いにくい
アイリスはハイエンド機もタッチパネルではなくボタン操作。慣れている人なら使いやすいですが、ボタンが硬くて押しにくい、設定モードの切り替えや内容がわかりにくいといった点には改良の余地を感じました。
設定メニューはボタン同時長押しです。
まとめ:ベストのパナソニックはほぼ弱点がない!
以上、ドラム式洗濯機のおすすめランキングでした。
前回ドラム式洗濯乾燥機テストを行ったのは2年前。洗濯乾燥機は1年ごとに新モデルが発表されるのが通例なので、今回は前回検証当時の2世代後のモデルをテストしたことになります。
しかし、この2年で大きく印象は変わらず。正常進化、順当な結果で終幕です。パナソニックは洗浄力が優秀で、東芝は全体的に高得点、シャープは生地傷みが少ないといったメーカーごとの特徴があり、テスト結果の傾向も当時に近いものになりました。
フルモデルチェンジにともない、乾燥方式をヒーターからヒートポンプ式に切り替えた日立が乾燥力で振るわなかったのは誤算でしたが、そのほかは順当な結果です。とはいえ、日立も全体としてはA評価を獲得しています。
また、パナソニックのトリプル自動投入や日立の乾燥フィルター&排水フィルター一体化に加え、各社の自動掃除機能も着実に進化しています。
購入を検討する際には、洗浄力や乾燥力、電気代などのコストだけでなく、こうした部分にも目を向けるとよいでしょう。ぜひ、自分に合った満足できるお気に入りの一台を選んでください。
ドラム式洗濯機のおすすめ
パナソニック
ななめドラム洗濯乾燥機
NA-LX129C
ドラム式洗濯機の売れ筋ランキングもチェック!
ドラム式洗濯機のAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
4人家族なら最低でも洗濯容量10kg以上の機種を選びましょう。