今、プライベート家電(PB家電)がアツいんです!
安さが魅力でここ最近注目されているのが「プライベー家電(PB家電)」。雑誌「家電批評」編集部では10ブランドの製品を集め生活家電の大テストを行いました。
製品と品質を伴うコスパ最強のアイテムが見つかるのか注目です。
Q. そもそも、プライベート家電(PB家電)ってなに?
A. PB(プライベートブランド)=自社ブランド。ちなみに反対はNB=ナショナルブランドです。
家電業界では一般的に製品開発や製造と販売する小売業は全く別の企業が担っています。
しかし、最近ではスーパーやホームセンター(ニトリやイオン)、家電量販店(エディオンやビックカメラ)などの小売・流通企業が家電の製品企画に乗り出し、自社ブランド(プライベートブランド)で売り出したりする例が増えてきました。
なお、PB家電の開発・製造は「ハイアール」「美的集団」などの中国系の家電メーカーや「シロカ」や「アイリスオーヤマ」などの国内中堅メーカーが担う例が多いです。
Q. プライベート家電(PB家電)のメリットは?
A. プライベート家電(PB家電)のメリットは、なんと言っても「低価格が期待できる」こと。
卸売業者やメーカーと小売の中間に入っている企業を省け、低価格を実現しやすいのが消費者最大のメリットといえます。また、余計な機能を省いたシンプルな製品が多い傾向です。
今回はエディオンの縦型洗濯機をテストします!
今回は、エディオンのプライベードブランド(PB)「e angle」の縦型洗濯機、「e angle ANG- WM-C70-W」をテストします。
「e angle」は、いろんな角度から商品を見つめ生み出されたとのこと。以前、本誌の食洗機検証でも登場しています。シンプルなデザインのものからくすみカラーといった、かわいいデザインの家電まで、多種をラインナップ中です。
▼テスト方法は?
洗浄力
人工汚染布とカレーや口紅などのリアルな汚れの落ち具合を、温水洗浄と常温洗浄で比較しました。
電気代
消費電力をワットモニ ターで測定し、料金を算出。1kWhあたりの料金は31円で計算しました。
使い勝手
洗濯物の出し入れのしやすさや備わっている機能の使いやすさなどをチェックしました。
メンテナンス
使い勝手とは別に、お手入れのしやすさも確認。フィルター類の使い勝手はこちらに分類しました。
コスパ
テストで発揮された性能に対して見合う価格なのかを評価。ランニングコストは加味せず。
仕様の近い2024年ベストバイのニトリと比較しました!
8kg洗剤自動投入洗濯機(NT80J1)
ニトリ
今回は、エディオン「e angle ANG-WM-C70-W」を、2024年にベストバイを獲得したニトリの縦型洗濯機「NT80J1」と比較しました。
エディオンと比較するのは、仕様が似ているニトリの縦型洗濯機。2024年のテストでベストバイを獲得した実力派です。
PB家電「エディオン」縦型洗濯機の実力は?
エディオンのPB「イー アングル」には「イー アングルセレクト」「イー アングルセレクト デイバリュー」といった他社との共同開発製品もありますが、エディオン「e angle ANG- WM-C70-W」は自社開発のオリジナル製品です。
型番的には、2020年に発売されたレトロデザインの「B70」の後継モデルと思われ、ダイヤルでのコース選択や、マグネットで「本体側面に貼り付く付属のタオルハンガー」といった外観上の特徴も、そこから受け継がれています。
また、先代では7㎏の縦型洗濯機として初めて、洗剤・柔軟剤の自動投入機能が搭載されましたが、その機能も健在です。
さらに、現行モデルではWi‒Fiに対応しスマホアプリでの遠隔操作が可能になりました。洗濯コースも従来の7から11に増えています。
エディオン「e angle ANG- WM-C70-W」
- エディオンe angle ANG- WM-C70-W
- 実勢価格: ¥59,800〜
- 洗浄力
- 電気代
- 使い勝手
- メンテナンス
- コスパ
- おすすめポイント
-
- 洗剤・柔軟剤の自動投入機能がある
- 専用アプリで遠隔操作ができる
- がっかりポイント
-
- PBにしては高めの価格設定
- ボタン類がかたくて押しにくい
- 幅
- 57cm
- 奥行
- 57.5cm
- 高さ
- 104cm(給排水ホース含む)
- 重量
- 35kg(約)
- 洗濯容量
- 7kg
エディオンの洗浄力もいいのですが、改めてニトリの洗浄力の高さが浮き彫りになりました。
家が広かったり外出が多かったりする人は、離れた場所から操作できるアプリは便利かも。
【洗浄力】汚染布以外の汚れ落ちは上々
ニトリ「NT80J1」と差がついてしまったのが人工汚染布の汚れ落ちで、洗浄力のスコアの開きもほぼこれが原因です。
とはいえ、ニトリ「NT80J1」が優秀すぎるだけで、エディオン「e angle ANG- WM-C70-W」の結果もそこまで悪くはありません。
また、口紅の汚れ落ちではニトリ「NT80J1」を僅差で上回ったのもポイントです。洗濯コースが全部で11あるので、コースによってはもっと汚れを落とせる可能性があります。
洗浄力テスト(汚れ落ち)の結果
汚染布以外のリアルな汚れでは、赤土で差がつきました。ちなみに、カレーはニトリ「NT80J1」もエディオン「e angle ANG- WM-C70-W」も、そこまで得意ではなさそうです。
カレー:カレーの汚れ落ちは標準的
洗浄率 55.3%
人工汚染布:数値は低めですが合格レベル
洗浄率 47.9%
口紅:口紅はニトリ「NT80J1」以上によく落ちた
洗浄率 90.0%
ニトリにはかないませんでしたが、過去に検証した洗濯機と比べてけっこうイイと感じました。
【使い勝手・メンテナンス】遠隔操作対応とダイヤル操作に特徴あり
見た目が特徴的なコース選択ダイヤルはそれなりに使いやすいのですが、それ以外のボタンがかたすぎ&反応が悪いのが残念です。
Wi-Fiで遠隔操作できるのは、人によっては重宝するはずですが「直接見に行くほうが早い」「一度予約したら外出先から操作しない」など不要派もいますよね。
メンテナンスのしやすさは平均的でした。
ダイヤルはまずまず使いやすい
ダイヤルを回すとコース名の点灯が切り替わりますが、フツーにボタンでいい気も……。
ボタンがかたくて押しにくい
ボタンを押すのに指にグッと力を入れないといけないのが大変。反応もいまいちです。
専用アプリで遠隔操作が可能
予約時間の変更や、別フロアから洗濯の進行状況を確認するのに便利です。
【電気代】1回あたり1円以下と安くライバルと完全に互角!
ニトリ「NT80J1」が洗濯1回あたり0.9円という優秀な結果だったため、エディオン「e angle ANG-WM-C70-W」はさすがに勝てないとふんでいましたが、結果はご覧のとおり、まったく一緒でした。
電気代に関しては文句なしに優秀なので、洗濯回数が多い家庭でも安心して使えます。
洗濯〜脱水1回あたりの電気代
※消費電力は編集部による実測値
※金額は1kWhあたり31円で計算
ニトリ「NT80J1」に関しては未計測ですが、エディオン「e angle ANG-WM-C70-W」は所要時間が約48分で、それほど短くはありません。
まとめ:Wi-Fi機能が不要ならニトリがおすすめ!
以上、エディオンの縦型洗濯機「e angle ANG-WM-C70-W」のテスト結果でした!
昨年ベストバイのニトリ「NT80J1」と比較すると、エディオン「e angle ANG-WM-C70-W」のほうが優位と思えるポイントは、残念ながらほぼありません。
しかし、ニトリ「NT80J1」にないWi-Fi機能を備えている点が、2万円の価格差や洗浄力の違いを埋めるほどのメリットと感じられるなら、購入を検討してもよいでしょう。
なお、エディオン「e angle ANG-WM-C70-W」が発売された2023年以降、大手メーカーの小容量・低価格のWi-Fi対応モデルが増えています。そこから選ぶという手もありそうです。
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白モノ家電が多い印象ですが、黒モノも今後増えていきそうです。