【結論】新世代モバイルバッテリーのおすすめは「磁気研究所」
雑誌『家電批評』が比較テストを行った結果、新世代モバイルバッテリーのおすすめランキング第1位でベストバイは、磁気研究所「HIDISC 長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー HD4-SSMBTC30W10DSBK」でした。
発熱が少なく、安全性と機能性を兼ね備えた準固体タイプの製品です。Qi2対応など機能面も充実して使い勝手に優れ、携帯性も良好です。
準固体タイプの製品のなかでも使い勝手に優れる
- 磁気研究所HIDISC 長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー HD4-SSMBTC30W10DSBK
- 最安価格: ¥5,445〜
なぜ今、「新世代」なのか? 従来のリチウムイオン電池との違い

近年、リチウムイオン電池を搭載した製品の発火・爆発事故が増加し、より安全なバッテリーを求める声が高まっています。
そんななか、注目されているのが「準固体電池」に代表される、新世代(次世代)のバッテリーです。
これらは従来のリチウムイオン電池に比べ、破損や発熱、発火のリスクが低いとされています。
電気化学を専門とする東京理科大学教授の駒場慎一先生は、これらの製品について「実用化までに長い研究期間を経ており、各メーカーが細心の注意を払って開発・発売しているため、比較的安全です。しかし、事故が絶対に起きないわけではないことは認識しておくべきでしょう」と話します。
発火事故の約26%がモバイルバッテリー。その原因とは?

上の表は東京消防庁によるリチウムイオン電池関連(モバイルバッテリー以外の製品も含む)の火災件数をグラフ化したものです。
令和5年に発生した167件のうち、モバイルバッテリーが原因となったのは44件で、全体の約26%と、割合的にはダントツでした。
製品が普及し市場が、広がったため粗悪な製品の流通が増えたことも原因のひとつです。
リチウムイオンバッテリーの仕組みと発火の原因

リチウムイオン電池は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電と放電を繰り返す仕組みです。
充電時は正極から負極へリチウムイオンが移動、放電時には、負極から正極へリチウムイオンが移動することで電流が流れ、電力が供給されます。
発火の原因
- 高温環境下での使用
- 物理的破損
- 過充電・過放電
➡これらによってセパレータが破損しショートする
上図のセパレータは正極と負極の直接的な接触によるショートを防ぐためにあります。
上記の3点はセパレータの破損の原因となり、ショートを誘発。ショートすると内部の温度が上昇し、最悪の場合は発火します。
「準固体」「リン酸鉄」素材を変更すれば発火リスクは下がる
【準固体電池】中身が「液体」じゃないから漏れない!
従来のバッテリーは中身がサラサラの液体(電解液)でしたが、準固体電池は「ゲル状(ゼリー状)」の物質を採用しています。 液体のようにドボドボと漏れ出すことがないため、万が一落下させて衝撃が加わったり、穴が開くような破損をしたりしても、ショートや発火が起きにくいのが最大の特徴です。
【リン酸鉄リチウム】熱暴走を止める「最強の結合」
正式名称は「リン酸鉄リチウムイオン電池」。この電池の正極(プラス極)に使われている材料は、原子同士の結びつきが非常に強く、600℃近くまで熱しても分解しないと言われています。 従来品は高温になると酸素を放出してしまい、それが燃料となって一気に燃え上がる(熱暴走)リスクがありましたが、リン酸鉄はその酸素を出さないため、火災につながる連鎖反応が起きにくいのです。
新世代モバイルバッテリーの比較方法
モバイルバッテリーとしての実力をテストしました!
今回は、新世代バッテリー7製品を「安全性が比較的高い」という前提のもと、モバイルバッテリーとしての実力を雑誌『家電批評』編集部で検証しました。
実容量
フル充電した製品を一定条件で放電。空になるまでの電圧を測定し、算出しました。
出力(単独)
各製品のポートに所定の端末を接続し、出力をそれぞれ測定。最大出力値から評価しました。
入力充電速度
容量を空にしたモバイルバッテリーを、一定の条件下で充電した際の回復量をチェックしました。
使い勝手
端末へ一定時間充電した際の発熱、機能性、携帯性の3項目から総合的に編集部が評価しました。
発熱具合
所定の端末に一定時間充電(出力)し、サーモカメラで測定しました。
新世代モバイルバッテリーのおすすめランキング
雑誌「家電批評」が新世代モバイルバッテリーの比較検証を実際に行ったところ、1位ベストバイは磁気研究所「HIDISC 長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー HD4-SSMBTC30W10DSBK」。準固体タイプの製品で、発熱も使い勝手も優れています。2位はコスパに優れたエアージェイ「MB-SS10000」とデザイン性の高いHAMAKEN WORKS「HW-SSPB100」でした。いずれも実容量はトップ評価です。
| 商品 | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
磁気研究所HIDISC 長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー HD4-SSMBTC30W10DSBK
![]() |
|
69mm |
19mm |
109mm |
220g(約) |
USB-C×1 |
準固体 |
|||||||
エアージェイMB-SS10000
![]() |
|
68mm |
17mm |
112mm |
200g(約) |
USB-C×1、USB-A×1 |
準固体 |
|||||||
HAMAKEN WORKSHW-SSPB100
![]() |
|
68mm |
17mm |
112mm |
195g±10g |
USB-C×1、USB-A×1 |
準固体 |
|||||||
エレコムナトリウムイオン電池 モバイルバッテリー DE-C55L-9000
![]() |
|
87mm |
31mm |
106mm |
350g |
USB-C×1、USB-A×1 |
ナトリウムイオン |
|||||||
エレコムDE-C39-12000BK
![]() |
|
78mm |
17mm |
159mm |
310g(約) |
USB-C×1、USB-A×1 |
リン酸鉄リチウムイオン |
|||||||
エアージェイMB-LS10000
![]() |
|
67.4mm(約) |
16.5mm(約) |
149.3mm(約) |
213g(約) |
USB-C×1、USB-A×2 |
リン酸鉄リチウムイオン |
|||||||
グリーンハウスGH-LFMBPA100
![]() |
|
69mm |
17.5mm |
140mm |
210g(約) |
USB-C×2、USB-A×1 |
リン酸鉄リチウムイオン |
【1位】磁気研究所「HIDISC 長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー HD4-SSMBTC30W10DSBK」
- 磁気研究所HIDISC 長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー HD4-SSMBTC30W10DSBK
- 最安価格: ¥5,445〜
- 実容量
- 出力(単独)
- 入力充電速度
- 発熱具合
- 機能性
- 携帯性
- おすすめポイント
-
- 無線充電やスタンドなど使い勝手がよい
- 使用時にあまり発熱しない
- がっかりポイント
-
- 有線ポートが1口しかない
- 幅
- 69mm
- 奥行
- 19mm
- 高さ
- 109mm
- 重量
- 220g(約)
- 出力ポート数
- USB-C×1
- バッテリータイプ
- 準固体
- 型番
- HD4-SSMBTC30W10DSBK
実容量
| 実容量 |
| 6011.9/10000mAh |
| 入力充電速度 |
| 25%/30分 |
実容量のロス率は約40%と良好で、検証した7製品中では3位の成績です。
入力充電速度は全体で2位で、3位の製品と比べて1.5倍以上の充電量とかなり優秀でした。
発熱
磁気研究所「HIDISC HD4-SSMBTC30W10DSBK」
体温よりも低い!

エアージェイ「MB-LS10000」
手で持つとそこそこ熱い

サーモカメラによる測定では約28℃と、検証した7製品中で最低温度でした。最も発熱した製品は約57℃まで発熱したので、かなり優秀といえます。
手で持ってみても熱さをあまり感じませんでした。
使い勝手
残量が一目でわかる

バッテリーの残量の%がデジタル表示されるので、確認しやすくなっています。
マグネットでスマホに固定!

Qi2対応なうえ、スタンドも備えているので、充電しながら動画視聴もしやすいです。
検証した7製品のなかでは唯一の無線充電対応。ただ、有線ポートが1口なのは惜しい。
【2位】エアージェイ「MB-SS10000」
- エアージェイMB-SS10000
- 最安価格: ¥7,979〜
- 実容量
- 出力(単独)
- 入力充電速度
- 発熱具合
- 機能性
- 携帯性
- おすすめポイント
-
- 実容量のロス率が少ない
- あまり発熱しない
- がっかりポイント
-
- 機能性は最低限
- 充電速度は他製品に比べやや遅い
- 幅
- 68mm
- 奥行
- 17mm
- 高さ
- 112mm
- 重量
- 200g(約)
- 出力ポート数
- USB-C×1、USB-A×1
- バッテリータイプ
- 準固体
- 型番
- MB-SS10000 BK
実容量
| 実容量 |
| 7417.7/10000mAh |
ロス率が約25%と驚異的な記録

同率2位のHAMAKEN WORKS「HW-SSPB100」と並ぶトップ評価だったのが本製品です。
通常のバッテリーの実容量は、公称値の6〜7割が平均的。それを超えた2製品はかなり優秀といえます。
発熱
影響のない範囲での発熱

1位の20℃台には及びませんが、こちらも発熱が体温以下の数値と良好です。
モバイルバッテリーの動作許容範囲内に収まっているので、端末への充電も問題ありませんでした。
発熱による悪影響は、ほぼ見受けられませんでした。
【2位】HAMAKEN WORKS「HW-SSPB100」
- HAMAKEN WORKSHW-SSPB100
- 最安価格: ¥8,980〜
- 実容量
- 出力(単独)
- 入力充電速度
- 発熱具合
- 機能性
- 携帯性
- おすすめポイント
-
- 実容量のロス率が少ない
- あまり発熱しない
- がっかりポイント
-
- 同率2位のエアージェイとほぼ同等のスペックだが価格が高い
- 幅
- 68mm
- 奥行
- 17mm
- 高さ
- 112mm
- 重量
- 195g±10g
- 出力ポート数
- USB-C×1、USB-A×1
- バッテリータイプ
- 準固体
- 型番
- HW-SSPB100SGN
実容量
| 実容量 |
| 7694.3/10000mAh |
容量が多いため充電は少し遅い

実容量のロス率は約23%とかなり優秀で、7製品中トップの成績でした。
過去テストしたなかでも優秀です!
発熱
PCを充電しても熱くならない

発熱は30℃台と良好。モバイルバッテリーの動作許容範囲内です。
手で持つと、ほんのり温かさを感じました。
【4位】エレコム「ナトリウムイオン電池 モバイルバッテリー DE-C55L-9000」
- エレコムナトリウムイオン電池 モバイルバッテリー DE-C55L-9000
- 最安価格: ¥9,800〜
- 実容量
- 出力(単独)
- 入力充電速度
- 発熱具合
- 機能性
- 携帯性
- おすすめポイント
-
- 充電速度が7製品中トップ
- がっかりポイント
-
- サイズが大きくて重く、携帯にはやや不向き
- 幅
- 87mm
- 奥行
- 31mm
- 高さ
- 106mm
- 重量
- 350g
- 出力ポート数
- USB-C×1、USB-A×1
- バッテリータイプ
- ナトリウムイオン
- 型番
- DE-C55L-9000BK
実用量と充電速度
バッテリー性能はそれなりに良好
| 実容量 |
| 4386.4/10000mAh |
| 入力充電速度 |
| 約50%/30分 |
実用量はかなり少ない結果となりましたが充電速度は優秀。
【5位】エレコム「DE-C39-12000BK」
- エレコムDE-C39-12000BK
- 最安価格: ¥4,199〜
- 実容量
- 出力(単独)
- 入力充電速度
- 発熱具合
- 機能性
- 携帯性
- おすすめポイント
-
- 実容量・充電速度は良好
- がっかりポイント
-
- 使い勝手がイマイチ
- 幅
- 78mm
- 奥行
- 17mm
- 高さ
- 159mm
- 重量
- 310g(約)
- 出力ポート数
- USB-C×1、USB-A×1
- バッテリータイプ
- リン酸鉄リチウムイオン
- 型番
- DE-C39-12000BK
使い勝手
スマホより大きくて重い

機能性は最低限なうえ、本体がスマホよりも大きいため、携帯性も微妙です。
発熱は約40℃とギリギリ合格でした。
【6位】エアージェイ「MB-LS10000」
- エアージェイMB-LS10000
- 最安価格: ¥2,999〜
- 実容量
- 出力(単独)
- 入力充電速度
- 発熱具合
- 機能性
- 携帯性
- がっかりポイント
-
- 約57℃まで発熱した
- 幅
- 67.4mm(約)
- 奥行
- 16.5mm(約)
- 高さ
- 149.3mm(約)
- 重量
- 213g(約)
- 出力ポート数
- USB-C×1、USB-A×2
- バッテリータイプ
- リン酸鉄リチウムイオン
- 型番
- MB-LS10000 WH
発熱
テーブルにも熱が伝わった

今回検証した7製品中、最も高温の約57℃まで発熱。サーモ画像からはバッテリーセル自体が発熱しているわけではないようですが注意が必要と思われます。
【7位】グリーンハウス「GH-LFMBPA100」
- グリーンハウスGH-LFMBPA100
- 最安価格: ¥4,480〜
- 実容量
- 出力(単独)
- 入力充電速度
- 発熱具合
- 機能性
- 携帯性
- がっかりポイント
-
- 実容量のロスが大きい
- 幅
- 69mm
- 奥行
- 17.5mm
- 高さ
- 140mm
- 重量
- 210g(約)
- 出力ポート数
- USB-C×2、USB-A×1
- バッテリータイプ
- リン酸鉄リチウムイオン
- 型番
- GH-LFMBPA100-BL
実容量
実容量が少なく充電が早い
| 実容量 |
| 4829.4/10000mAh |
| 入力充電速度 |
| 26%/30分 |
4位のエレコム「ナトリウムイオン電池 モバイルバッテリー DE-C55L-9000」と並ぶ、ワースト評価です。
充電速度も%で見ると悪くありませんが、実際の入力値はそこそこ。
新世代モバイルバッテリーの選び方
「安全性が高い」といわれる製品が続々登場!
新世代モバイルバッテリーは、リチウムイオン化合物から素材を変更した「リン酸鉄リチウムイオン電池」「ナトリウムイオン電池」、液体の電解質をゲル状に変更した「準固体電池」が登場しています。
リン酸鉄リチウムイオン電池
ポータブル電源に多く使われているタイプ。安全性が高く、長寿命です。
メリット
◯:充放電サイクル寿命が長い
◯:長時間性能が劣化しにくい
デメリット
△:大型化・重量化しやすい
△:寒い場所では性能が著しく低下する
製品例

グリーンハウス
GH-LFMBPA100

エアージェイ
MB-LS10000
ナトリウムイオン電池
現在主流のリチウムイオン電池の代替として期待されている電池です。
メリット
◯:原材料が安価で豊富なため供給が安定
◯:寒い場所でも性能が低下しにくい
デメリット
△:大型化・重量化しやすい
△:充放電サイクル寿命が短い
製品例

エレコム
DE-C55L-9000
準固体電池
従来のリチウムイオン電池の弱点を克服するために電解質をゲル状に変更した電池です。
メリット
◯:容量を保ったまま小型化しやすい
◯:外部からの圧力や衝撃に強い
デメリット
△:製造コストが高く、高価になりやすい
△:寒い場所では性能が著しく低下する
製品例

磁気研究所
HIDISC HD4-SSMBTC30W10DSBK

エアージェイ
MB-SS10000
新世代モバイルバッテリーのよくある質問
新世代モバイルバッテリーはどんな人におすすめ?
安全性を重視したい方、災害時や旅行などで安心して使いたい方におすすめです。準固体電池やリン酸鉄リチウムイオン電池など、安全性に配慮されたモデルが増えています。
モバイルバッテリー選びで電池の種類以外に重要なポイントは?
電池の種類も気になるところですが、いちばん大切なのは製品の品質です。安心して使うためにも、メーカーの信頼性や保証、安全機能の有無をチェックしておきましょう。
新世代モバイルバッテリーは無線充電に対応している?
はい、一部の新世代モバイルバッテリーは無線充電に対応しています。特にQi2規格に準拠したモデルでは、スマートフォンなどの対応機器をバッテリーの上に置くだけで充電が可能です。ケーブル不要で使えるため、外出先やデスク周りでもスマートに使えるのが魅力です。
ただし、すべての新世代モデルが無線充電に対応しているわけではありません。対応の有無やは製品によって異なるため、購入前にスペックを確認することをおすすめします。
新世代モバイルバッテリーのおすすめ まとめ
以上、新世代モバイルバッテリーのおすすめランキングを紹介しました。
今回のランキングでは、上位3製品が、リチウムイオン電池の電解質を液体からゲル状の素材に変更した「準固体リチウムイオン電池」タイプの製品でした。安全性とバッテリー性能を両立させた製品が欲しい場合は、現状では準固体タイプの製品が第一候補になりそうです。
ベストバイに輝いた磁気研究所「HIDISC 長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー HD4-SSMBTC30W10DSBK」は、準固体タイプの製品のなかでも使い勝手に優れています。最低限の発熱で、手で持ってみても熱さをほぼ感じません。実容量のロス率も約40%と良好です。
新世代モバイルバッテリーの購入を検討している方は、ぜひ本記事のランキングを参考に、自分にぴったりの1台を見つけてください。
新世代モバイルバッテリーのおすすめ

磁気研究所
HIDISC
長寿命+超安全 準固体電池モバイルバッテリー
HD4-SSMBTC30W10DSBK
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![家電批評: ベストバイ[リボンなし]](https://360life.ismcdn.jp/mwimgs/b/3/100wm/img_b3288d40ddd40fcbbae4c094af12cf8323865.png)












電池のタイプも注目はすべきですが、最も重要なのは製品の品質です。メーカーや製品の保証内容などを必ず確認しましょう。