大容量モバイルバッテリーのおすすめは?
災害により電力インフラが被災すると、停電により生活が一気に困難になります。電気だけではなく、水道、ガスなどのライフラインが復旧するまでは日数がかかるため、この間は自力で乗り越えられるよう準備が必要です。そんな時は、スマホの充電を確保するモバイルバッテリーや家電が使える自動車の給電機能が頼りに。被災時もスマホの充電が確保できれば緊急速報を受信でき、避難場所までのルート検索、家族への連絡、避難先での暇つぶしなどいろいろ役立ちます。
そこで今回、『家電批評』が大容量モバイルバッテリーの人気商品を集めて徹底検証しました!
大容量モバイルバッテリーの選び方は?
1:バッテリー容量は表示より少ないので大きめを用意
各モバイルバッテリーはスペックで「○○mAhで大容量!」とうたっていますが、本当にそうなのでしょうか? 実際の容量を計測してみると、今回検証した商品はいずれもロス率が50%以上ありました。偶然にも実容量の数値はだいたい同じぐらいの数値です。超大容量ではありませんでしたが、通常の5000〜10000mAhのモバイルバッテリーよりは容量が多いので、スマホの充電は複数回できます。
2:ケーブル内蔵なら心配事がひとつ減ります
せっかくモバイルバッテリーを持っていても、非常時に充電ケーブルがなくては意味がありません。でも、ケーブルが内蔵されているタイプならばそんな心配は無用。さらには周囲の人の充電も助けられます。さらに、スマホを素早く充電する「急速充電」に対応している場合は、その際の電流(A)の数値が高いほうが優秀となります。
3:手回しやソーラー充電はあくまで緊急手段として考えましょう
仮に手回しハンドルが付いていたとしても、負荷が高く持ち手が小さいとハンドルを回す作業が苦痛になってしまいます。さらに、ソーラーパネルも短時間ではほとんど充電されません。やはりコンセントで充電するのが一番なので、手回しやソーラーはあくまで緊急手段用として「ないよりはマシ」程度に考えておくのがいいでしょう。
大容量モバイルバッテリーおすすめランキング4選
それではさっそく、大容量モバイルバッテリーおすすめランキングの発表です!
MOTTARI「大容量モバイルバッテリー HP8」
MOTTARI
大容量モバイルバッテリー HP8
実勢価格:6680円
SPEC●サイズ・重量/W16×D8.1×H4.2cm・741g
バッテリー容量:(公称)61200mAh、(実測値)17473mAh
「コード内蔵」「防水 IPX7」「出力ポート:3」「急速充電」
▼評価
実バッテリー容量 | 給電ポート | 急速充電 | 重さ | 付加機能 |
◯ | ◎ | ◎ | ◯ | ◎ |
17473mAh (iPhone 13 5.4回分) |
USB-C×1 USB-A×2 ケーブル×3 |
実測 2.78A 急速充電 |
741g | ソーラー充電 手回し充電 LEDライト内蔵 ケーブル内蔵 IPX7防水・ 防塵・耐衝撃 |
【メリット】
最大5台のスマホを同時に素早く給電できます。防水・耐塵、耐衝撃機能付きなので、災害時には強い味方になりそうです。
【デメリット】
ソーラー充電や手回し充電機能にはあまり期待しないほうがいいでしょう。バッテリー容量や重さは、他製品と差はありません。
【機能1】LEDライト
LEDライトは圧倒的な明るさで信頼できます。
【機能2】防塵・耐衝撃
非常時の扱いも神経を使わなくていいので楽です。
バッテリー容量が多めで充電ケーブルや出力ポートも複数備えており、急速充電にも対応しているので家族分のスマホを素早く充電できます。防水機能付きのため悪天候でも問題ありません。
KYOKA「V22」
KYOKA
V22
実勢価格:4799円
SPEC●サイズ・重量/約W173.5×D82,27×H33.8mm・約660g
バッテリー容量:(公称)40800mAh、(実測値)18205mAh
「コード内蔵」「出力ポート:4」「急速充電」
圧倒的容量は何よりも価値があります。
▼評価
実バッテリー容量 | 給電ポート | 急速充電 | 重さ | 付加機能 |
◯ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
18205mAh (iPhone 13 5.6回分) |
USB-C×1 USB-A×2 ケーブル×3 |
実測 2.92A 急速充電 |
660g | LEDライト内蔵 ケーブル内蔵 |
【メリット】
価格は最も安くて実バッテリー容量が最も多い。4本の充電ケーブルが内蔵されており、最大6台同時に充電できます。
【デメリット】
防水・耐塵耐衝撃機能は付いておらず、外で使うのはためらわれます。660gと一般的なモバイルバッテリーよりは重いです。
【機能1】内蔵ケーブル
内蔵ケーブルは3機種中、最も長くて使いやすかったです。
【機能2】バッテリー表示
液晶ディスプレイ付きで残量がわかるのが◎。
実測のバッテリー容量は4製品のなかで最も多く、iPhone13が5.6回分も充電できるため安心感があります。急速充電の実測値も高く、素早く充電できるのも魅力です。ただし、端子むき出しで防水・防塵耐衝撃機能がないうえに、液晶面も汚れると表示がかなり見にくくなるため、水に濡らしたり落としたりしないよう気をつける必要があります。ソーラー充電や手回し充電はあまり重要性はないので、付いていなくても問題ありません。その分、リーズナブルな価格で手に入ります。
DeliToo「V18」
DeliToo
V18
実勢価格:4980円
SPEC●重量/600g
バッテリー容量:(公称)40800mAh、(実測値)15934mAh
「コード内蔵」「防水 IPX67」「急速充電」
▼評価
実バッテリー容量 | 給電ポート | 急速充電 | 重さ | 付加機能 |
◯ | ◎ | ◯ | ◎ | ◯ |
15934mAh (iPhone 13 4.9回分) |
USB-C×1 USB-A×2 Qi×1 ケーブル×3 |
実測 1.92A 急速充電 |
600g | ソーラー充電 手回し充電 Qi充電 LEDライト内蔵 ケーブル内蔵 IPX67防水・ 防塵・耐衝撃 |
【メリット】
実バッテリー容量のロス率が低めで、価格もリーズナブルです。ケーブルは3本あり、Qi(ワイヤレス)充電もできます。
【デメリット】
こちらもソーラー充電や手回し充電は期待薄。IPX67防水はソーラー部分だけで意味がなく、防塵も怪しい作りです。
バッテリー容量が多めで、ソーラー充電や手回し充電はあるもののあまり期待できません。ワイヤレス充電に惹かれる人にはよさそうです。
4位: MOVESPEED「YSPB H60」
MOVESPEED
YSPB H60
実勢価格:6599円
SPEC●重量/1.28kg
バッテリー容量:(公称)57000mAh、(実測値)16148mAh
▼評価
実バッテリー容量 | 給電ポート | 急速充電 | 重さ | 付加機能 |
◯ | ◯ | △ | × | × |
16148mAh (iPhone 13 5回分) |
USB-C×1 USB-A×3 |
実測 1.51A 急速充電 |
1.28kg | なし |
【メリット】
いろいろ検証しましたが、特にメリットはありませんでした。
【デメリット】
1.28kgとかなり重いので、非常時にはおすすめできません。急速充電の実測値も低めで、スマホの充電も時間がかかります。
重すぎで急速充電の実測値もイマイチ、防水などの付加機能も付いておらず、オススメはできませんでした。
【番外編】CHINON「CH-UC800」
CHINON
CH-UC800
実勢価格:3300円
SPEC●サイズ・重量/W70×D24×H138mm・115g
バッテリー容量:(公称)単3電池8本まで、(実測値)1482mAh
非常用の乾電池式は、重さに対して充電容量はわずかでした。
スライドカバーを開けて電池8本を入れます。
乾電池式のモバイルバッテリーは、バッテリー源となる乾電池をコンビニなどで手軽に買えるのが利点。コンセントがない場所でも、スマホをすぐに充電できます。ただ単3電池が8本必要なのでそれなりに重く、実測のバッテリー容量は1482mAhと少なめ。iPhone13は45%ぐらいしか充電できない計算で、再充電も不可能。電池ごとに残量が異なると、使用時間が短くなる可能性もあります。
おわりに
いかがだったでしょうか。災害時は安否確認や情報収集ができるスマホや、身のまわりの家電が使えるかどうかはかなり重要になってきます。そのため、停電対策として一家にひとつは大容量モバイルバッテリーを持っておくことをおすすめします。また選ぶ際は、自宅以外に避難したときのことも考えて防水性なども加味して選ぶようにしましょう。
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