ホームベーカリーの魅力は?
パン屋さんの店の前を通りかかると漂うパンのいい香り……。パン作りは難しいと思いがちですが、ホームベーカリーを使えばそんなことはありません。
材料を用意してホームベーカリーにセットし、あとは待つだけで機械が自動で練り始め、数時間後にはふわふわもっちりの焼きたてパンが出来上がります。大抵の製品が予約タイマー機能付きです。
そんな便利なホームベーカリーですが、どんな機能があるのか、よく知らないという人も多いのでは?
まずは、ホームベーカリーの魅力について紹介します。
ホームベーカリーってどんな製品?
材料を量って、入れて、スイッチオンでパンが出来上がるのがホームベーカリー。生地を練ったり、焼いたりは自動で行われるので、分量さえ正確に量ればまず失敗しないのがうれしいところです。
ホームベーカリーってパン以外に何が作れるの?
たいていのホームベーカリー製品は、複数の調理コースを搭載しています。そういった製品であれば、付属レシピを参照すればジャムや餅といったパン以外のものも作れます。
基本的に練る・発酵・焼くの工程が含まれる調理に対応します。
▼対応メニュー一覧(パナソニックの場合)
・食パン
・早焼き食パン
・スイート食パン
・ごはんパン
・全粒粉パン
・米粉パン
・ジャム
・甘酒
・もち
・ピザ生地
・うどん
・パスタ など
ホームベーカリーの選び方は?
今回は、雑誌『家電批評』 編集部が、家電量販店やAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのネット通販で購入できる人気のホームベーカリー4製品に、過去テストでベストバイに輝いたパナソニック製品を加えた5製品を徹底比較しました。
科学する料理研究家のさわけんさんと料理家・スーパーエコごはん研究家の桃世真弓さんにご協力いただき、以下の条件で比較テストを行いました。
各社の標準レシピを使用
公平にするため、ホームベーカリー各製品に付属のレシピを使用して食パンを作ります。
テスト1:味
付属レシピどおりに作ったパンの味を評価。製品性能だけでなく、レシピの出来にも左右されます。
テスト2:食感
焼き加減からくる白い部分のふわ感や、耳の香ばしさや硬さを評価しました。
テスト3:全体
出来上がった食パン全体を見たときの仕上がり具合を評価。膨らみ方などに違いが見られました。
ホームベーカリーのおすすめは?
ホームベーカリーのおすすめ比較表
プロと一緒に実際に使ってみた、ホームベーカリーのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アイリスオーヤマIBM-010-C
|
|
234mm |
315mm |
264mm |
3.5kg(約) |
1斤(最大) |
500W |
27 |
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パナソニックSD-MDX4
|
|
263mm |
356mm |
353mm |
6.0kg(約) |
1斤(最大) |
430W |
43 |
||||
シロカSB-1D251
|
|
242mm |
308mm |
257mm |
3.6kg(約) |
1斤(最大) |
500W |
21 |
||||
レコルトRBK-1
|
|
205mm(約) |
310mm(約) |
270mm(約) |
4.1kg(約) |
1斤(最大) |
450W |
12 |
||||
ベルソスVS-KE32
|
|
225mm(約) |
310mm(約) |
240mm(約) |
3kg(約) |
1斤(最大) |
500W |
18 |
【1位】アイリスオーヤマ「IBM-010-C」
- アイリスオーヤマIBM-010-C
- 実勢価格: ¥12,190〜
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- 味
- 食感
- 全体
香ばしく味もしっかりあっておいしい!
ホームベーカリーのおすすめランキング1位でベストバイに輝いたのは、A+評価のアイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)「IBM-010-C」。
これまでのホームベーカリーおすすめランキングでは、今回同率1位のパナソニックの製品が他メーカーを引き離していました。しかし、今回テストしたアイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)「IBM-010-C」は、パナソニック製品と遜色ない味と見た目で焼き上がりました。それでいてパナ製品より安い(検証時)ことが、ベストバイの決め手になりました。
特徴は天面の窓から調理中の様子が見られること。
一般的には、窓があるとその部分の焼き温度が下がり、焼き色もあまりつかない傾向にありますが、本製品ではほとんど影響がありません。
こんがりとキレイに焼き上がり、香ばしさを存分に味わえます。
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)「IBM-010-C」は、キレイな焼き上がりで生地のおいしさが楽しめるうえにコスパ良好なので、毎日パンを食べたい人におすすめです。
- おすすめポイント
-
- コンパクトな本体と淡い色がキッチンで主張せず置きやすい
- 天面の窓で中が確認できる
- がっかりポイント
-
- 焼き上がりまでの時間が長め
- 幅
- 234mm
- 奥行
- 315mm
- 高さ
- 264mm
- 重量
- 3.5kg(約)
- 容量
- 1斤(最大)
- 消費電力
- 500W
- メニューコース数
- 27
- 型番
- IBM-010-C
味と食感:優秀
キレイな焼き色で生地のおいしさが楽しめる。
パンの高さはパナソニックに少し負けますが膨らみがいいです。パン生地の味もしっかり感じられ、耳も香ばしくておいしいです。
バターの香ばしさ、甘みもしっかり感じられて、そのままでおいしく食べられます。
使いやすさ:優秀
天面には窓があるため、生地のこね具合や発酵して膨らんでいく様子などを確認できます。工程が進んでいく様子は意外と楽しめるので、子どもと一緒に作ってみるのもおすすめです。
サイズ感:優秀
本体サイズは5合炊きの炊飯器程度。パナソニック製品よりも高さがないため、キッチンに置いてもあまり主張しません。使用しないときも棚に収納しやすいです。
【1位】パナソニック「SD-MDX4」
- パナソニックSD-MDX4
- 実勢価格: ¥44,530〜
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- 味
- 食感
- 全体
パンの完成度はピカイチ! こだわりのパン作りをしたい人に!
ホームベーカリーのおすすめランキング同1位は、A+評価のパナソニック(Panasonic)「SD-MDX4」。
前回ベストバイのパナソニックのホームベーカリーは、同率1位ですが惜しくもベストとはならず。
しかしこれは性能が落ちたのではなく、食パンの出来だけなら今回もベスト。弾力とふんわんりのバランスよしです。
惜しくもベストバイを逃した理由は、やはり本体価格が高いこと。
「おいしいパンを食べたい」ぐらいの目的であれば今回ベストバイのアイリスオーヤマ「IBM-010-C」でも十分満たされるため、価格差を考えると少しオーバースペックに感じられました。
ですが、数多いメニューコースを使いこなせる人や、お店レベルのクオリティのパンを食べたい人にはパナソニック一択。パナソニック(Panasonic)「SD-MDX4」は、弾力とふんわりのバランスがよく、パンの完成度はピカイチなので、こだわりのパン作りをしたい人におすすめです。
- おすすめポイント
-
- 味・食感BEST
- 味も食感もよく、食パンの完成度としては一番
- イースト自動投入機能がある
- がっかりポイント
-
- 製品サイズが大きい
- 幅
- 263mm
- 奥行
- 356mm
- 高さ
- 353mm
- 重量
- 6.0kg(約)
- 容量
- 1斤(最大)
- 消費電力
- 430W
- メニューコース数
- 43
- 型番
- SD-MDX4-K
味と食感:優秀
弾力とふんわりのバランスよし!
パンの膨らみ(背の高さ)は一番よく、中の白い部分の弾力とふんわり感のバランスがいいです。バリっとした耳の食感と香ばしさも◎。
上品な味わいの大人なパンといった印象で、食パンの完成度が高いです。パン作りがホントに好きな人におすすめできます。
機能性:良好
イースト自動投入用の上ブタが備わっており、所定の場所にイーストを入れておくとベストなタイミングで投入されます。
設置性:良好
前述の上ブタが付いていることでほかの製品より本体の高さがあり、設置・収納場所に制約ができてしまいます。
【3位】シロカ「SB-1D251」
- シロカSB-1D251
- 実勢価格: ¥15,720〜
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- 味
- 食感
- 全体
焼きが足りないのが惜しい。トーストして香ばしさを!
ホームベーカリーのおすすめランキング3位は、B評価のシロカ(siroca)「SB-1D251」。
ベーカリー製品を複数ラインナップするシロカから、今回はエントリーモデルの「SB-1251」を試しました。
標準コースで4時間を切る時間で、しっとりとした食感に焼き上がります。しかし、焼きが少し弱くて香ばしさが足らず、イースト臭が残ってしまったのが惜しいところ。
「トーストすることで香ばしさが足されるので試すのもあり」(さわけんさん)とのことで、使いこなし次第ではおいしくできそうです。
今回は評価外ですが、最速47分で焼き上がる「超早焼きパン」モードも備えています。
シロカ(siroca)「SB-1D251」は、しっとりした食感が好みの人にはおすすめです。
- おすすめポイント
-
- 標準で4時間を切る焼き上がり
- 本体フタを取り外して洗浄可能
- がっかりポイント
-
- 焼きが少し弱いため、香ばしさが足りない
- 幅
- 242mm
- 奥行
- 308mm
- 高さ
- 257mm
- 重量
- 3.6kg(約)
- 容量
- 1斤(最大)
- 消費電力
- 500W
- メニューコース数
- 21
- 型番
- SB-1D251
味と食感
香ばしさが足りないのが惜しいですが、トーストして焼き足すとよし!
焼きが足りなくて単調な味になってしまっています。香りも薄めなので、トーストして香ばしさを足したいです。
アイリスとよく似た構造をしていました
シロカとアイリスの製品内部は、非常によく似た構造をしていました。しかし、パンの仕上がりはかなり異なり、これはレシピや焼きコントロールの違いからだと思われます。
【3位】レコルト「RBK-1」
- レコルトRBK-1
- 実勢価格: ¥15,300〜
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※画像とリンク先でカラーが異なる場合があります
- 味
- 食感
- 全体
窓部分の熱が足りなかった!? 焼きの弱さが気になる
ホームベーカリーのおすすめランキング同3位は、B評価のレコルト(recolte)「RBK-1」。
直線デザインが目を引く、スタイリッシュでおしゃれな前面パネル式のホームベーカリーです。内部が見える窓が上部に設けられているため、調理状況を常時確認できます。
しかし、その窓から熱が逃げてしまうのか「標準」での焼き色が薄くなってしまうのが惜しいです。
焼き色は「濃い」モードも選べるので、慣れたら、そのモードに変更したほうがいいかもしれません。
また、焼きムラが影響したのか、上部の膨らみが弱く、焼きたての粗熱を取っているうちに萎んでしまったのも残念でした。
レコルト(recolte)「RBK-1」は、使いやすさを重視する人にはおすすめです。
- おすすめポイント
-
- 角度のついたディスプレイ部が前面からも見やすい
- 内部のパン釜ケースが肉厚
- がっかりポイント
-
- イーストの匂いが残っている
- 幅
- 205mm(約)
- 奥行
- 310mm(約)
- 高さ
- 270mm(約)
- 重量
- 4.1kg(約)
- 容量
- 1斤(最大)
- 消費電力
- 450W
- メニューコース数
- 12
- 型番
- RBK-1(W)
味と食感
パン上部の落ち込みが惜しいです。
イースト臭が気になりました。耳の焼き色も薄く、香りも弱いです。
焼きの弱さが香りに影響
窓が付いているために上部の熱が逃げてしまうのか、焼き色「標準」設定でも白っぽい仕上がりでした。香ばしさも少なくイースト臭が残ってしまっています。
パン上部の香ばしさはありません。
【5位】ベルソス「VS-KE32」
- ベルソスVS-KE32
- 実勢価格: ¥7,480〜
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※画像とリンク先でカラーが異なる場合があります
- 味
- 食感
- 全体
短時間で焼き上がるもむっちりと硬めの仕上がり
ホームベーカリーのおすすめランキング5位は、C評価のベルソス「VS-KE32」。
今回の製品ラインナップのなかで一番安い、焼き上がりは一番速い製品です。他製品よりも安く購入できるため、ホームベーカリーに少し興味を持った人のお試し需要がありそうです。
もちろん、ちゃんと食パンは焼けるので性能に問題はありません。
しかし、ほかの製品と比べると焼き上がりのパンが明らかに小さく、しっかり膨らんでいないのがわかります。
また、膨らみが足らない分、密度が上がっているので、パンが硬くなってしまっているのが惜しいところです。
ベルソス「VS-KE32」は、コスパ最重視で焼き上がり時間が早いのが好みの人、ホームベーカリーを試してみたい人にはおすすめです。
- おすすめポイント
-
- 低価格で購入しやすい
- 短時間で焼きあがる
- がっかりポイント
-
- 食パンの膨らみが悪い
- 幅
- 225mm(約)
- 奥行
- 310mm(約)
- 高さ
- 240mm(約)
- 重量
- 3kg(約)
- 容量
- 1斤(最大)
- 消費電力
- 500W
- メニューコース数
- 18
味と食感
むっちり&しっとりで生地の伸びが足りません。
よく膨らんでいないために、パンの中の白い部分はむっちりとして味が濃く感じます。時間がたつにつれてより硬くなってしまいます。
膨らみが弱く中身が詰まった仕上がりに
ほかの製品より約30分速く仕上がる影響か、膨らみがよくありません。そのため、むっちりと中が詰まって硬めで、耳の部分も同様です。
端の角部分が特に固く、フレンチトーストなどにしか向きません。
おいしい食パンの作り方は?
パンを美味しく作るコツは?
ホームベーカリーでおいしい食パンを作るには、材料の計量をレシピどおりにするのが成功のカギ! ただし、分量は正確に量る必要があるため、計量カップや計量スプーンではなく、キッチンスケールを用意し、レシピどおりの分量を量るようにしましょう。
食パンの材料は意外に少なく、以下の7つを用意するだけです。
▼材料はこれだけ
・強力粉
・ドライイースト
・スキムミルク
・無塩バター
・砂糖
・塩
・水
ベストバイのアイリスのレシピは分量もちょうどよく、これがパンのおいしさにつながっています。
まとめ:生地のおいしさが楽しめるアイリスがベストバイ!
以上、ホームベーカリーのおすすめランキング5選でした。
材料を投入するだけで生地作りから焼き上がりまでできるホームベーカリー。製品にもよりますが、一台あればパンだけでなくお餅やうどん、ジャムまで作れる便利な家電です。
今回、そんなホームベーカリーの人気4製品に過去ベストバイのパナソニックを加えた5製品を比較したところ、アイリスオーヤマ「IBM-010-C」とパナソニック「SD-MDX4」が同率1位。両製品とも遜色ない味と見た目で焼き上がりました。それでいて、アイリスオーヤマはパナ製品より安く(検証時)、これが決め手となって、今回はアイリスオーヤマ「IBM-010-C」がベストバイに輝きました。
ホームベーカリーは、手軽さで選ぶならアイリスオーヤマ「IBM-010-C」、こだわり派ならパナソニック「SD-MDX4」がおすすめです。
ホームベーカリーのおすすめ
アイリスオーヤマ
IBM-010-C
パナソニック
SD-MDX4
本記事でご紹介した商品詳細を参考に、ぜひ自分にぴったりのお気に入りの一台をみつけてみてください。
ホームベーカリーの売れ筋ランキングもチェック!
ホームベーカリーのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
初めて使いましたが、材料を入れてスイッチを押すだけでほかに何もしなくても焼き上がりました。