Appleの人気製品「買い待ち」ジャッジ
何かと注目を集めるApple製品。新製品と旧製品でデザインがほぼ同じでも、中身や性能は別物と言えるほどパワーアップしていることが多く買い替えるべきか、見送るべきか迷う人もいるでしょう。
そこで、『家電批評』ではAppleの人気製品を専門知識のあるプロと一緒にじっくりチェックして格付けしました。今回は、Apple「iPhone SE(第3世代)」のレビューをお届けします。
そこで、本音の家電ガイド『家電批評』がAppleの人気製品を徹底検証。すぐに買い替えるべきか、まだ待つべきか、プロと一緒にじっくりチェックしました。
今回は、Apple「iPhone SE(第3世代)」のレビューをお届けします。
Apple「iPhone SE(第3世代)」
Apple
iPhone SE(第3世代)
実勢価格:5万7800円(64GB)、6万3800円(128GB)、7万6800円(256GB)
サイズ・重量:W67.3×H138.4×D7.3mm・144g
ディスプレイ:4.7インチRetina HDディスプレイ
チップ:A15 Bionic
ストレージ:64GB、128GB、256GB
2020年4月に発売されて人気を得たApple「iPhone SE(第2世代)」の後継として発売された、Apple「iPhone SE(第3世代)」。
本体価格がリーズナブルなことからiPhoneの廉価版と捉えられがちな「SEシリーズ」ですが、サイズが近いApple「iPhone 13 mini」と同等のCPUや通信規格に対応しており、決して廉価版ではありません。
ポイント1:カメラアプリにフォトグラフスタイルが追加
「フォトグラフスタイル」は、不自然にならないよう、軽めのエフェクトをかけた状態で撮影することができる機能。
いつもの写真がより美しくなります。
ポイント2:「iPhone SE(第3世代)」は5Gに対応
「iPhone SEシリーズ」で初めて5G通信に対応しました。対応エリア内なら最新の高速通信を利用できます。
ポイント3:1200万画素のアウトカメラ
カメラは単眼で超広角には対応していませんが、1200万画素とデジタルズーム(5倍)が搭載されています。
ポイント4:指紋がつきにくい液晶パネル
Apple「iPhone SE(第3世代)」は液晶パネルを搭載しています。有機ELのApple「iPhone 13 mini」に比べると発色はおとなしめです。
ポイント5:物理ホームボタン搭載
意外と需要がある物理ホームボタン。最新端末で物理ホームボタンが搭載されているのはApple「iPhone SE(第3世代)」だけです。
今回は、見た目やサイズが似ているApple「iPhone SE(第2世代)」、Apple「iPhone 13 mini」と比較し、Apple「iPhone SE(第3世代)」の性能や進化したポイントを探りました。その結果を、順に解説していきます。
【処理性能】対応通信規格やチップセットが13と同等に
Apple「iPhone SE」の第2世代と第3世代では、見た目こそ同じですが搭載しているCPUや通信規格が大きく進化し、Apple「iPhone 13 mini」と同等の処理性能に。ただし動画撮影機能は大きく異なり、Apple「iPhone 13 mini」がより高機能です。
▼Apple「iPhone SE(第3世代)」のスペック
- 発売:2022年3月
- カラー:3色
- 通信規格:5G/4G/Wi-Fi
- 画面サイズ:4.7インチ(1334x750)
- 本体サイズ/重量:67.3×138.4×7.3mm/約144g
- カメラ:シングル12MPカメラ(広角)、光学式手ぶれ補正、フォトグラフスタイル、4K、1080P HD、720P HDビデオ撮影
- CPU:A15 Bionicチップ
- バッテリー駆動時間:音楽/50時間、動画/15時間
- 容量:64GB/128GB/256GB
▼Apple「iPhone SE(第2世代)」のスペック
- 発売:2020年4月
- カラー:3色
- 通信規格:4G/Wi-Fi
- 画面サイズ:4.7インチ(1334x750)
- 本体サイズ/重量:67.3×138.4×7.3mm/約148g
- カメラ:シングル12MPカメラ(広角)、光学式手ぶれ補正、4K、1080P HD、720P HDビデオ撮影
- CPU:A13 Bionicチップ
- バッテリー駆動時間:音楽/40時間、動画/13時間
- 容量:64GB/128GB/256GB
▼Apple「iPhone 13 mini」のスペック
- 発売:2021年9月
- カラー:6色
- 通信規格:5G/4G/Wi-Fi
- 画面サイズ:5.4インチ(2340x1080)
- 本体サイズ/重量:64.2×131.5×7.65mm/約140g
- カメラ:デュアル12MPカメラ(広角/超広角)、センサーシフト光学式手ぶれ補正、フォトグラフスタイル、4K、1080P HD、720P HDビデオ撮影、シネマティックモード
- CPU:A15 Bionicチップ
- バッテリー駆動時間:音楽/55時間、動画/17時間
- 容量:128GB/256GB/512GB
ベンチマークスコアは「iPhone 13 mini」を凌駕!
各端末のベンチマークは「Geekbench 5」を使って計測しました。
Apple「iPhone SE(第3世代)」とApple「iPhone 13 mini」はともに最新の「A15 Bionicチップ」を搭載していますが、ベンチマークではわずかにApple「iPhone SE(第3世代)」のほうが優秀な結果となりました。
同じストレージサイズだとApple「iPhone SE(第3世代)」の方がはるかに安価であるため、処理性能だけで見れば超ハイコスパです。
使用したアプリはこちら
Primate Labs Inc.
Geekbench 5
価格:無料
【バッテリー持ち】バッテリー容量が少ないので輝度を下げないと持ちが悪い
画面を最大輝度に固定してYouTube上の動画を再生してバッテリーもちを比べました。なお、インターネットにはWi-Fiで接続しています。
その結果、最大輝度では6時間15分しか持ちませんでした。12時間以上にわたって動画を連続再生できたiPhone 13シリーズと大きな差がついています。
ただし、輝度を自動調整して異なる動画を再生し続けた際は14時間バッテリーがもちました。画面の輝度に大きく左右されると言えるかもしれません。
【文字表示】画面が小さい分表示もやや小さめ
画面はApple「iPhone SE(第3世代)」が4.7インチ、Apple「iPhone 13 mini」が5.4インチであるため、相対的にApple「iPhone SE(第3世代)」のほうがわずかに小さくなります。
比べてみるとわずかに大きさが違いますが、気になるほどのものではなく、Apple「iPhone SE(第3世代)」も標準設定のままでしっかり文字を読むことができます。
ただ、小さめのサイズ感で持ち歩くのには最適ですが、アプリの見やすさや操作は少々犠牲に。
また、明るさはApple「iPhone SE(第3世代)」の625ニト(標準)に対してApple「iPhone 13 mini」は800ニト(標準)。Apple「iPhone 13 mini」のほうがやや明るめです。
【カメラ】画像の鮮明さは「13 mini」に軍配
ここでは同じ被写体で同じ方向から写真を撮影し、画像を比較しています。カメラ性能が優れているApple「iPhone 13 mini」は画面の明るさや奥行きもしっかり再現されており、自然な明るさの写真になりました。
▼Apple「iPhone SE(第3世代)」
【評価:○】
ピント、明るさは十分ですが、Apple「iPhone 13 mini」に比べると奥行きの再現性がやや足りていません
▼Apple「iPhone SE(第2世代)」
【評価:△】
ピントは合っていますが、標準設定のままだと全体が暗めになりました。
▼Apple「iPhone 13 mini」
【評価:◎】
カメラ性能が高いため、明るさや奥行きの再現力が高く、拡大してもきれいです。
【価格比較】コスパが良いのは間違いないが、価格改定で魅力はやや落ちた
Apple「iPhone SEシリーズ」の最大の魅力はなんといっても本体価格の安さ。同じストレージサイズで比較すると、Apple「iPhone SE(第3世代)」とApple「iPhone 13 mini」では約4〜5万円ほどの差があります。
カメラやディスプレイパネルなどに違いはありますが、処理性能が同じにもかかわらず安く購入できるApple「iPhone SE(第3世代)」はコスパにも優れています。
ただし、価格改定により5万円台で購入できた楽天モバイルでも6万円台になるなど、お得度は下がった格好です。
▼Apple「iPhone SE(第3世代)」の価格
ストレージ | 64GB | 128GB | 256GB |
ドコモ | 7万3370円 | 8万2280円 | 10万4500円 |
au | 7万935円 | 8万1290円 | 10万3415円 |
ソフトバンク | 7万3440円 | 8万1360円 | 9万9360円 |
楽天モバイル | 6万6800円 | 7万3800円 | 8万9800円 |
▼Apple「iPhone SE(第2世代)」の価格
ストレージ | 64GB | 128GB | 256GB |
ドコモ | 5万7024円 | 6万2568円 | 7万5240円 |
au | 5万5265円 | 6万1250円 | 7万5215円 |
ソフトバンク | 5万7600円 | 6万4080円 | 7万8480円 |
楽天モバイル | 2万2001円 | 4万9800円 | 6万2800円 |
▼Apple「iPhone 13 mini」の価格
ストレージ | 128GB | 256GB | 512GB |
ドコモ | 11万6710円 | 14万800円 | 17万6660円 |
au | 11万6310円 | 13万3780円 | 16万8720円 |
ソフトバンク | 11万6640円 | 13万4640円 | 16万9920円 |
楽天モバイル | 10万4800円 | 12万800円 | 15万3800円 |
【結論】高性能なことは間違いないが、カメラやバッテリーなどに物足りなさはアリ……。
以上、Apple「iPhone SE(第3世代)」の比較レビューでした。
「iPhone SE(第3世代は)」は2022年の6万円台のスマートフォンとして考えると、カメラ機能の弱さやバッテリー持ちなどに不満が残ります。また、画面が小型すぎて操作性がやや損なわれていることも指摘しなければいけません。
しかし、処理性能だけは最新のiPhoneと同等の性能が確保されており、Androidのミドルクラスのスマートフォンと比較しても性能面では優位です。
処理性能が高いため、最新のアプリも快適に動作しますし、また、「iPhone 13シリーズ」と同一のプラットフォームとなったことでOSのアップデートにも長期にわたって対応できます。長く使えるコンパクトスマホとして価値があります。
このようにメリットとデメリットがはっきりしているのがiPhone SE(第3世代)です。そのため、格付けは「B(人によっては買ってよし)」と判断しました。
Apple「iPhone SE(第3世代)」
Apple
iPhone SE(第3世代)
実勢価格:5万7800円(64GB)、6万3800円(128GB)、7万6800円(256GB)
サイズ・重量:W67.3×H138.4×D7.3mm・144g
ディスプレイ:4.7インチRetina HDディスプレイ
チップ:A15 Bionic
ストレージ:64GB、128GB、256GB
【総合評価:B】
▼Apple「iPhone SE(第3世代)」のメリット
- 圧倒的なコスパの良さ
- コンパクトなサイズで持ち歩きやすい
- 物理ボタンを搭載
▼Apple「iPhone SE(第3世代)」のデメリット
- カラーバリエーションが少ない
- カメラ性能がやや低め
- 大容量モデルがない
- バッテリー持ちが悪い
Apple「iPhone SE(第3世代)」は、カラーバリエーションの少なさや、大容量モデルがないことがネックですが、シンプルなスマホが欲しいならオススメです。ぜひ、iPhoneを選ぶときの参考にしてみてくださいね。
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