iPadより使えるAndroidタブレットの選び方は?
スマホはAndroidなのに、タブレットはiPad。そんな人、意外と多いですよね。
タブレットを買うならiPadを選ぶという人が多い理由がこちら。
今までiPad一強だった3つの理由
完成度
本体・OSともにAppleで開発していることで、安定感抜群。処理速度も速くストレスなしです。
周辺機器も優秀
Apple Pencilをはじめ、キーボードやカバーなど、周辺機器の種類が豊富。機能、デザインともいいです。
ライバルが不在
正直、格安品のAndroidタブレットでは束になってもかなわないほどの性能差がありました。
Androidタブレットは安くてスペックはそこそこ、が一般的な認識になっていますが、ここにきてiPad Proに迫るスペックのAndroidタブレットが続々と登場しています。
最新のAndroidタブレット
サムスンが約2年ぶり、日本では約7年ぶりにハイエンドタブレットを発売。QualcommのハイエンドCPUを搭載した、期待の製品です。
ディスプレイは有機EL
S8+はスマホのGalaxyシリーズと同様に、色の再現性の高い有機ELパネル「Super AMOLED」を採用。12.4インチの大画面を美しく彩ります。
スタイラスペンやキーボードも進化
筆圧もしっかり感知するペンで、手書き入力での作業効率が上昇。本体の専用カバーに収納して充電できるのも◎。専用キーボードの打鍵感も悪くありません。
今回は、そんな最新Androidタブレットの性能を知るべく、プロと一緒に比較検証しました。
Androidタブレットの比較方法は?
今回比較するのは、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングといったネット通販で購入可能な2022年最新&人気のAndroidタブレット4製品。これにiPad Proをあわせた計5製品をテストします。
テストしたAndroidタブレット4製品がこちら
サムスン
Galaxy Tab S8+
実勢価格:11万5500円
サムスン
Galaxy Tab S8 Ultra
実勢価格:14万1800円
NEC
LAVIE Tab T12
実勢価格:10万2080円
レノボ
Lenovo Tab P12 Pro
実勢価格:12万144円
AVライターの折原さんにご協力いただき、ベンチマークテスト、画質・音質、使い勝手、動画視聴、仕事向け、ゲームの項目を、本当にiPad Proに並ぶ性能なのかを検証しました。
それぞれのテスト内容の詳細と結果についてご紹介します。
ベンチマークテスト
タブレットを構成する各パーツの処理能力を数値化したものがベンチマーク。
CPUやGPUの性能比較に使われることが多く、タブレットの性能を測る指標のひとつになります。
測定に使用したアプリがこちら
まずは最新タブレットの性能を測るべく、3本のアプリでベンチマークを測定。CPUとGPUの処理能力を数値化してみました。
結果は、CPUとGPUのベンチマークではiPadに歯が立たず。ですが、これはiPad Proに採用されたM1チップの優秀さをほめるべきでしょう。
ブラウザ、動画再生、ゲームなど、複数のアプリを使用しましたが、体感では動作に差はなく、アンドロイドもストレスなく使えるスペックを有しています。
アップル「iPad Pro 12.9インチ」
- 評価:S
スペック
- OS:iOS
- RAM:8GB
- ROM:128GB〜
- CPU:8コア
ベンチマーク
- CPU:7250
- GPU(3D):5119
- GPU(GFX):2953
M1チップで、3本のベンチマークアプリで好結果を記録。CPU・GPUともにAndroidを圧倒しました。
サムスン「Galaxy Tab S8+」
- 評価:A+
スペック
- OS:Android
- RAM:8GB
- ROM:128GB
- CPU:8コア
ベンチマーク
- CPU:3163
- GPU(3D):1945
- GPU(GFX):1288
Snapdragonのフラッグシップだった8 Gen 1ですが、M1には勝てず。3DMarkではNEC、レノボに差をつけました。
サムスン「Galaxy Tab S8 Ultra」
- 評価:A+
スペック
- OS:Android
- RAM:12GB
- ROM:256GB
- CPU:8コア
ベンチマーク
- CPU:3305
- GPU(3D):2313
- GPU(GFX):1452
CPUはTab S8+と同じですが、RAMの容量の差か、ベンチマークはわずかに上回りました。
NEC「LAVIE Tab T12」
- 評価:A
スペック
- OS:Android
- RAM:8GB
- ROM:256GB
- CPU:8コア
ベンチマーク
- CPU:3095
- GPU(3D):1219
- GPU(GFX):1283
Snapdragon 870は、8 Gen 1よりも古い世代ですが、CPUの結果は健闘。3DMarkでは差をつけられました。
レノボ「Lenovo Tab P12 Pro」
- 評価:A
スペック
- OS:Android
- RAM:8GB
- ROM:256GB
- CPU:8コア
ベンチマーク
- CPU:3071
- GPU(3D):1222
- GPU(GFX):1289
CPUを含めてNECとほぼ共通のスペックのため、ベンチマークの数値も変わりません。
画質・音質テスト
有機ELディスプレイ採用した製品は、画質はiPad Proを超えてきた感じがあります。
発色のよさや黒色の再現などは、タブレットとは思えないクオリティでした。
アップル「iPad Pro」
- 画質:8点
- 音質:9点
バックライトのミニLEDが繊細な映像表現を実現。音もしっかり出ています。
サムスン「Galaxy Tab S8+」
- 画質:10点
- 音質:5点
ディスプレイはピークの輝度が高く、色鮮やか。スピーカーは最大音量不足です。
サムスン「Galaxy Tab S8 Ultra」
- 画質:10点
- 音質:9点
画質はS8+と同等。音質は低音もわずかに感じられます。
NEC「LAVIE Tab T12」
- 画質:9点
- 音質:8点
発色のいい有機EL画面。音質はクリアで意外と出ます。
レノボ「Lenovo Tab P12 Pro」
- 画質:9点
- 音質:8点
画質は明るく高解像度。音質はクリアで響きもあります。
使い勝手テスト
ギャラクシー タブ S8+のペン入力がiPad Proに肉薄。筆圧感知で思いどおりの線が書けるので、手書き入力がはかどります。
アップル「Apple Pencil(第2世代)」
本当のペンで書いているかのように自在に線や文字が書けます。ただし、ペン先はツルツルと滑る感覚です。
アップル「Magic Keyboard」
カバー型のキーボードとしては十分な打鍵感。キーレイアウトはMacと同じため、Macユーザーなら迷わず入力できるため、使い勝手がよいと感じる人も多いはず。
サムスン「Sペン」
遅延はApple Pencil 2よりかなり短く、ペン先の感覚もリアル。しかし、他2製品も含め、線の自在さは及ばずでした。
レノボ キーボード(同梱品)
レノボ・NECはカバー型としては心地よい打鍵感。キーレイアウトはWindowsに近く、修飾キーも入力しやすいです。反面、Galaxyはキー配列が独特で慣れが必要です。
動画視聴テスト
4製品とも有機ELディスプレイを採用し、画質はハイレベル。サムスンの輝度が若干高いものの、発色も黒の再現性も申し分ありません。
差がついたのは音質で、サイズの大きなGalaxy Tab S8 Ultraが臨場感があり、低音も出ています。NEC、レノボは歌声がクリアでした。
サムスン「Galaxy Tab S8+」
くっきり鮮やか。NECとレノボよりは若干ピーク輝度が高いです。
人の声はいいですが、楽器の細かな音が聞こえず、低音は潰れ気味。
サムスン「Galaxy Tab S8 Ultra」
明るい部分のピーク感、黒色の再現性ともによく高画質です。
空間の広がりを感じられ、音と映像も一致。低音も出ています。
NEC「LAVIE Tab T12」
発色がよく、明るく高解像度で黒の締まりもくっきりしています。
ナチュラルで歌声もクリア。空間のなかに響きが感じられます。
レノボ「Lenovo Tab P12 Pro」
発色、明るさ、黒色の再現ともによく、視野角も問題ありません。
ナチュラルな音質で意外と音は出ています。映像とも一致します。
仕事活用テスト
「仕事」では、パソコンのようにマルチタスクでアプリを操作できるNECとレノボに対して、サムスンはウィンドウズパソコンのサブディスプレイになるのが特徴。
タブレット側の動作が、ややカクつくこともありましたが、サブディスプレイがタッチパネル対応になる快適さと比べれば、あまり気になりません。
ともに仕事の効率アップには効果的。どちらの機能を使いたいかで選ぶのもよしです。
タッチ対応のサブディスプレイに変身
サムスンのGalaxy Tab S8+とS8 UltraはMiracastをベースとした「2番目の画面」機能を利用可能。ワイヤレスでWindowsと接続すれば、タッチ操作に対応したサブ画面として活用できます。
会社のWindowsパソコンと接続してサブディスプレイ化すれば、仕事がはかどります。タッチ操作対応なのも◎。Macでも使えれば神でした。(編集部・山内)
マルチタスクでアプリを同時に操作
NECとレノボは、「プロダクティビティモード」を有効にすると、Windowsのようにアプリをウィンドウで起動できます。アプリの切り替えがしやすく、複数のアプリを使った作業がはかどります。
キーピッチが意外と広く入力しやすい
NECとレノボはWindowsのPCでよく見る一般的なキー配列なので、使いやすさは良好。ノートパソコンからメインマシンとして乗り換える場合には、さほど苦労しないでしょう
ゲームプレイテスト
処理速度が向上したことで、処理の重い「ゲーム」も楽しめるようになりました。
今回はアクション要素の強い「原神」をプレイしましたが、どの製品もノーラグ、ノーストレスでした。
サムスン「Galaxy Tab S8+」
キャラクターが操作に対してダイレクトに反応し、ラグは感じられません。タッチパネルの反応も問題なしです。
サムスン「Galaxy Tab S8 Ultra」
操作への反応もよく、サクサク動作します。ただし、他製品よりも大きいので、操作がやや難しいかもしれません。
NEC「LAVIE Tab T12」
操作への反応はいいです。早い動きでもラグはなく、ストレスなく楽しめます。タッチパネルの反応も上々。
レノボ「Lenovo Tab P12 Pro」
ラグもなくゲームを楽しめます。激しいアクションでも問題なし。タッチパネルでの操作にダイレクトに反応します。
各テスト結果を紹介しましたが、続いてはおすすめの製品をご紹介します。
Androidタブレットのおすすめは?
今回テストしたアンドロイドタブレットは、4製品とも実用的なスペックで、ストレスなく操作できました。
そのなかで、見事ベストバイに選ばれたのがこちら!
【ベストバイ】サムスン「Galaxy Tab S8+」
サムスン
Galaxy Tab S8+
実勢価格:11万5500円
サイズ・重量:高さ185×幅285×厚さ5.7mm・567g
ディスプレイ:12.4インチ Super AMOLED(有機EL)
解像度:2800 x 1752 (WQXGA+)
RAM:8GB
ROM:128GB
バッテリー容量:10090mAh
通信方式:IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth ver.5.2
OS:Android 12.0
ベストバイはサムスン「Galaxy Tab S8+」。理由はスーパーAMOLEDを採用した有機EL。発色やコントラストにすぐれており、画質はiPad Proを含めた全製品中最高でした。
アンドロイドスマホやウィンドウズパソコンとの連携も実用的で、ついに「iPad超えまであと一歩」というレベルに到達しています。
Apple・NEC・レノボよりもピーク輝度が若干高く、文句なしの高画質です。
AndroidスマホとWindowsパソコンを使っている人には、機能・スペックの両面からオススメ!
メリット
- 有機ELで画質はダントツ!
- Android・Windowsの連携が◎
- ハイスペックで同時に複数のアプリを開いてもサクサク動く
デメリット
- ペンがApple Pencilに少し及ばない
- 使いこなすには慣れが必要
- LTE回線未対応
マルチタスクがはかどる
マルチウィンドウの自由度はiPad以上。3画面それぞれの大きさも感覚的に調整できます。
また、一度作成したマルチウィンドウは保存でき、いつでも呼び出すことができます。
Windows連携に光明
Androidスマホに加えて、Windowsと連携できるのは大きな特徴。
設定によってメッセージをスマホ・タブレット・Windowsで同期できます。サブディスプレイ化もとても実用的です。
サムスン
Galaxy Tab S8+
Book Cover Keyboard
実税価格:1万9551円
フルサイズのキーボードで、打鍵感も悪くありませんが、独特のキー配列に最初は戸惑うかもしれません。
Magic Keyboardと比べると、重量は本体含めて約400gほど軽く、持ち運びという点では優勢です。
同梱されているサムスン Sペンは、Apple Pencil 2の9msよりも低遅延なうえ、書き心地が格段に良好でした。
「ついにApple Pencil超えでは!?」と期待したのですが、筆圧検知の精度の高さから「思った通りの線を書く」という1点では、まだまだApple Pencilが優れていました。
【ながら作業派におすすめ】レノボ「Lenovo Tab P12 Pro」
レノボ
Lenovo Tab P12 Pro
実勢価格:12万144円
パソコンのように複数のアプリを1画面に同時に表示できるため、ネットしながらメールを書く、動画を見ながらSNSをする、といった「ながら作業」が得意です。
【番外編】アップル「iPad Pro 12.9インチ」
アップル
iPad Pro
12.9インチ
実勢価格:12万9800円〜
iPhoneやMacのユーザーなら、やっぱりデータや作業を連携できるiPadが便利。画質でわずかに負けただけで処理性能では圧勝。使用感でも優勢です。
おわりに
以上、Androidタブレットのおすすめ5選でした。
AndroidタブレットはiPad以外にも十分購入の候補となりますが、iPadのようなストレージ容量の大きいモデルがまだなく、LTE回線未対応など、まだまだ惜しい部分があるのも事実。今後の進化に期待しましょう。
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サムスンの2製品は有機ELらしいクッキリとした明るさ。色の再現性が高く、黒色の階調もよく出ていてとてもキレイな映像です。