電動ネッククーラーってなに?
昨今の日本の夏は異常な暑さです。
それは、世界的にも同じで、昨年には世界の平均気温が過去最高となる見通しを受けて、国連事務総長が会見で次のように述べました。
「地球温暖化の時代は終わった。地球沸騰化の時代がやってきた」
“沸騰”とは、なんとも恐ろしい響きですが、静観していられないのも事実。
なんてったって“暑い”のだから。
夏の暑さに対する対処は必須です。
体を冷やすための道具または、装備を携帯することが常識となりつつあります。
そんな“暑さに対抗する装備”のひとつが「ネッククーラー」です。
ひとえにネッククーラーといっても、色々な種類があります。
「ネッククーラー」と検索すると、出てくるのは以下の3タイプでしょうか。
①特殊な液体が入っていて、冷凍庫で冷やして使用するタイプ
②電動の冷却プレートで冷やすタイプ
③電動冷却プレートに加えて、扇風ファンもついているタイプ
このような“首まわりを冷やすグッズ”をひっくるめて「ネッククーラー」と呼んでいます。
特に、②③のようなものは「電動ネックファン」として区別されていたりします。
本記事ではこれに則り、電動のものは「電動ネックファン」として記述します。
先にあげた3タイプの中でも、特に人気のある売れ筋は③の“冷却プレート+扇風ファン”のタイプです。
Amazonや楽天などのネットショップで検索すると、似たような製品が山のように出てきて値段もピンキリ。
それだけでなく、家電量販店でも多種多様な製品が並べられています。
こうなると必然的に“どれがいいの?”となりますよね。
そこで、本記事ではネットショップや家電量販店の売れ筋製品7種類を一挙に買い集め、実際に全て使って検証を行います。
本記事がみなさまの“夏に対抗する装備”選びの一助となれば幸いです。
それでは参りましょう。
電動ネッククーラーの比較方法は?
検証①:冷却性能をチェック
それぞれの製品を比較するにあたって、争点となるのは「どれくらい冷えるのか」「どのように冷えるのか」でしょう。
そこで、サーモカメラを使用して、それぞれの製品の冷え方をチェックします。
検証は閉め切った室内で行い、室温を35℃±2℃、湿度50%±5%の状態にキープ。
被験者は常温の待機室から、検証室へ移動後に製品を装着して、運転開始から3分後の首まわりの温度変化をサーモカメラで撮影しました。
各製品の温度・風量設定は最大の状態で行なっています。
また、検証から得られた数値だけでなく、実際に感じる涼しさ(官能評価)も踏まえて、それぞれの製品を評価します。
今回比較した製品の中には、冬場に活躍するホットモードを搭載した製品がありますが、今回はあくまで「電動ネッククーラー」としてのおすすめを探求するため、ホットモードの有無は考慮しません。
検証②:静音性と送風効率をチェック
静音性についても検証を行いました。
いくら涼しくても、耳の近くで大きな音が鳴り続けるのは、心地よいものではありません。
また、主に屋外で使用するものなので、周りの人を不快にするような音が出るのも避けたいです。
検証は静かな室内で行い、トルソーに各製品をセットしたうえで、ちょうど耳の高さになるように騒音計を設置。
各製品の扇風ファンの最小風量モードと最大風量モードのそれぞれで、騒音値を計測しました。
冷却プレート用のファンの音は、扇風ファンの音に比べると、無視できるレベルで小さいため、冷却プレートは起動せずに計測しています。
また、騒音値を相対的に比較するために、風速の測定も行いました。
例えば、騒音値が「40dB」である二つの製品があると仮定し、「40dB」で風が強い製品と「40dB」で風が弱い製品を比較した際、風量対騒音が優れているのは前者であることがわかります。
後者が、前者と同じ風量を出すにはより強いモードにする必要があり、実質的な静音性は前者の方が優れていることがいえます。
そこで、少ない騒音値で多くの風が生み出せる目安として、風速効率(風速/騒音値)を計算しました。
風量の検証は、製品をトルソーに装着して、首筋や顔に沿う位置で最も風量が大きくなるポイントを探したうえで、数値を記録しました。
検証③:使い勝手をチェック
使用感の検証では、操作のしやすさや、可搬性、装着感など、広く“使いやすさ”に関わるポイントを総合的に評価します。
装着した状態で操作がしやすいか、持ち運びはコンパクトにできるか、装着して歩いたときに違和感はないかなどを全て実際に使用してチェックしました。
暑い中使用する製品なので、使いにくいのはイヤですよね。ただでさえ暑くて鬱陶しいのに、思い通り使えないとイライラして、それだけで使う気をなくします。
番外編:バッテリーについて
バッテリー性能もチェックしたいポイントです。
ただ、統一した軸での評価が難しいため、今回は評価項目には組み込んでいません。
それには、以下のような理由があります。
まず、それぞれの製品で組み合わせできる冷却プレートの最低温度と扇風ファンの最大風量に違いがあります。
例えば、冷却プレートを使用する際に、扇風ファンは弱でしか稼働できないものと、そうでないものとでは、稼働時間に差が出るのは当たり前です。
また、冷却プレートの面積の違いによる消費電力の差という問題もあります。
加えて、電動ネッククーラーは何時間も連続して使うものではありません。
長時間装着し続けると、皮膚や首周りの血流などに悪影響が及ぶ可能性もあります。
各製品の取り扱い説明書には、推奨使用時間などとともに、異変を感じた際には直ちに使用を止めることが記載されています。
以上の理由により、連続稼働可能時間を比較してもあまり意味をなさないので、評価外としました。
それでも、ファンのみを使用する場合には、製品選びのポイントにはなり得るので、目安として、各製品の使い勝手評価欄に連続稼働可能時間と充電時間を記載し所感を述べるに留めます。
電動ネッククーラーのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、電動ネッククーラーのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エレスiFan Collar Ice 2024
|
|
180mm(約) |
60mm(約) |
215mm(約) |
390g(約) |
3~4時間(約) |
|||||||
ドウシシャTempo Breeze
|
|
172mm(約) |
56mm(約) |
185mm(約) |
270g(約) |
5時間(約) |
|||||||
EXCITECHネッククーリングファン
|
|
185mm(約) |
63mm(約) |
199mm(約) |
350g(約) |
3時間(約) |
|||||||
サンコーネッククーラーAir
|
|
160mm(ファン付きバッテリー装着時) |
160mm(ファン付きバッテリー装着時) |
120mm(ファン付きバッテリー装着時) |
135g(約)【本体】、115g(約)【ファン付きバッテリー】 |
4時間(約) |
|||||||
アテックスモノルルド ウェアラブル クールホット&ファン AX-HKL105
|
|
180mm(約) |
60mm(約) |
235mm(約) |
450g(約) |
5時間(約) |
|||||||
ライフオンプロダクツペルチェ冷却機能コンパクトネックファン LCAF009
|
|
70mm(約) |
47mm(約) |
600mm(約) |
260g(約) |
3.5時間(約) |
|||||||
Sugeko冷却プレート搭載式首掛け扇風機
|
|
175mm(約) |
50mm(約) |
213mm(約) |
330g(約) |
3時間(約) |
1位【エレス】iFan Collar Ice 2024
- エレスiFan Collar Ice 2024
- 実勢価格: ¥6,855〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで探す
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥7,679〜
- 冷却性能
- 静音性
- 送風効率
- 操作性
- 可搬性
- 装着感
圧倒的な涼しさと使いやすさ
電動ネッククーラーのおすすめランキング1位でベストバイとなったのは、エレス「iFan Collar Ice 2024」です。
エレス「iFan Collar Ice 2024」は、他製品に比べて高い冷却性能を持っており、シンプルに一番涼しいです。
大きな冷却プレートで、首の後ろ全体を冷やすことができ、扇風ファンの風もこめかみから耳の後ろにかけて広い範囲を冷やすことができます。
静音性でも優れているといえ、操作感や装着感も文句なし。
苦しい夏の暑さに対抗する装備として役立つ逸品です。
- おすすめポイント
-
- とにかく涼しい
- 静音性もバッチリ
- 使いやすい
- 体にフィットする
- がっかりポイント
-
- 折りたたみできれば完璧だった
- 幅
- 180mm(約)
- 奥行き
- 60mm(約)
- 高さ
- 215mm(約)
- 重量
- 390g(約)
- 充電時間
- 3~4時間(約)
【ベストバイの理由】圧倒的な涼しさ!!
「エレス iFan Collar Ice 2024」をベストバイとしておすすめする理由は、なんといっても他機種に比べて圧倒的に涼しいこと。
まずは、①冷却性能チェックの検証結果をご覧ください。
▼「エレス」のサーモ画像
冷却プレート接触部のサーモ画像 | 首まわりと顔のサーモ画像(右側) | 首まわりと顔のサーモ画像(左側) |
※スマホは横スクロールで画像切り替え→
|
|
|
「エレス」は冷却プレートを使用する場合、扇風ファンは「弱モード」のみ使用可能なため、冷却プレート+扇風ファン「弱モード」にて検証。
冷却プレートに、強弱の選択はありません。
上の画像が「エレス」のサーモカメラ画像です。
これを見ると冷却プレートが広い範囲、首の後ろのほぼ全面を冷やしていることがわかります。
最も冷えているところで「22.5℃」まで温度が下がっています。
また、冷却プレートが接触している部分だけでなく、製品が覆っている部分に冷気がまわって、首の横側も冷えていました。
加えて、扇風ファンの風が当たっている部分も広く、特にこめかみや耳たぶなども温度が下がっています。
▼冷却性能最下位「Sugeko」のサーモ画像
冷却プレート接触部のサーモ画像 | 首まわりと顔のサーモ画像(右側) | 首まわりと顔のサーモ画像(左側) |
※スマホは横スクロールで画像切り替え→
|
|
|
比較として、こちらが冷却性能のテストで最下位評価となった「Sugeko」のサーモカメラ画像です。
まず、一目瞭然なのが“冷えている範囲”の違いです。
「Sugeko」は冷える範囲が比較的狭いことがわかります。
最も冷えているポイントで「20.9℃」になっており、「エレス」よりも「1.6℃」低いですが、ごく限られた範囲だけです。
また、「エレス」のサーモカメラ画像に見られた、顔や耳といった部分はほとんど冷えていません。
同じ「電動ネッククーラー」という製品群であり、姿形は似通っていても、冷却性能にはこんなにも違いがあるんです。
「エレス iFan Collar Ice 2024」は今回検証した7製品の中でも、冷却範囲が比較的広く、サーモカメラの画像から見ても、様々な箇所が冷えていることがわかります。
実際に被験者となり、蒸し暑い検証室で各製品を体感した担当編集からすると、下位の製品は冷えてはいるが“焼け石に水”といった感じで、あまり涼しさを感じませんでした。
【静音性は△だが送風効率は◎】弱モードでもしっかりと風が強い
続いては、②静音性と送風効率チェックの検証結果についてです。
まず、各製品の扇風ファン駆動音の大きさと、風量の測定値を示し、そこからわかることを解説します。
▼騒音値と風速の測定値(暗騒音:41.0dB)
メーカー | 最小風量モードでの測定値 | 最大風量モードでの測定値 | ||||
騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | 騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | |
エレス | 46.8dB | 2.2m/s | 0.047 | 62.1dB | 4.4m/s | 0.071 |
ドウシシャ | 42.2dB | 2.3m/s | 0.055 | 50.6dB | 3.5m/s | 0.069 |
EXCITECH | 48.3dB | 1.4m/s | 0.029 | 59.3dB | 1.7m/s | 0.029 |
サンコー | 52.5dB | 2.0m/s | 0.038 | 55.3dB | 2.4m/s | 0.043 |
アテックス | 45.3dB | 0.8m/s | 0.018 | 53.8dB | 1.0m/s | 0.019 |
ライフオンプロダクツ | 43.8dB | 0.6m/s | 0.014 | 57.4dB | 1.6m/s | 0.028 |
Sugeko | 55.2dB | 0.6m/s | 0.011 | 66.6dB | 1.0m/s | 0.015 |
上の表は、各製品の最小/最大風量時の騒音値と風速、また送風効率をまとめたものです。
送風効率の数値は大きいものほどよいです。
最小風量では、騒音値が45.0dB±3.0の範囲のものが多いですが、風速にはかなりばらつきがあります。
最大風量モードでは、このばらつきがより顕著になります。
それぞれの製品で、搭載されている扇風ファンの構造が極端に異なるわけではなく、円盤型の扇風ファンが回転することで風を送り出します。
ただし、実際に装着すると話は別で、同じくらいの音が鳴っているのに、あまり風を感じられないものが出てきます。
つまり、風をうまく制御できていない製品があるわけです。
それらをわかりやすくするために、送風効率(風速/騒音値)を計算してみました。
下位の製品は、ベストバイの「エレス」よりも騒音値の数値的には静かですが、その実ほとんど風を感じず、送風効率がよくないことがわかります。
また、言い換えれば、送風効率がよいものほど、より風を感じられて涼しいといえます。
その意味で、「エレス」は非常に優秀です。
素の騒音値は、最小風量モードで「46.8dB」、最大風量モードで「62.1dB」となっており、特に最大風量では音が大きいです。
この点で「静音性」の評価は低くなっています。
ただし、送風効率で見ると単にうるさいというわけではないことがわかります。
静音性ではトップの「ドウシシャ」と比べると、素の騒音値は「エレス」の方が大きいですが、送風効率で見ると最小風量モードで同程度、最大風量モードでは「エレス」の方がよいという結果になります。
つまり、音だけ大きいということではなく、音に見合った風が得られているということです。
また、「エレス」は「ドウシシャ」に比べて吹き出し口が広く、より広い範囲に風が当たるという点でも優れています。
この点が、冷却性能の評価において「エレス」が最強となった理由でもあります。
「エレス」は風量弱でも相当な風が出ますし、稼働音も屋外で使用する分には気にならないレベルだといえます。
【使い勝手も◎】使いやすく装着感もいい
③使い勝手もチェックしておきましょう。
各製品を使い比べてチェックした、操作性、可搬性、装着感について見ていきます。
操作性:簡潔な操作で不満なし
「電動ネッククーラー」を買い集めてわかった操作に関する共通点は、2つのボタンで操作するのが主流であること。
扇風ファンの操作ボタンがひとつ、冷却プレートの操作ボタンがひとつです。
オン・オフは長押し、扇風ファンの風量の強弱などは、ボタンを押すごとに「弱→中→強→オフ」といった形で移行します。
「エレス」もこの方式で、ボタンも操作しやすい位置にあるので、理に適っていて、簡潔で使いやすいです。
「エレス」独自の飛び抜けた使いやすさがあるわけではないですが、無難で使いやすいという印象です。
可搬性:折りたたみはできません
これができれば最高だったのにな〜と思うのは「折りたたみ」です。
あまり長い時間使用すると、皮膚異常などのリスクがあり、30分程度使ったら休憩を挟むのがよいという都合上、外して持ち歩く時間も長いです。
ただ、その際の収納にはいささか困ります。
折りたためない小型ヘッドホンを想像してください、正直使わないときは邪魔ですよね。
ならば「首に掛けたままにできないか?」と思うでしょう。
実はそれもできません。
冷却プレートは、ペルチェ素子という電子部品を使っているのですが、このペルチェ素子は原理的に使用後熱くなります。
かなりの熱さになることもあり、とても首に掛けたままにはできないです。
折りたたみできないのは残念ですが、折りたたむとなると構造的な欠点やコストの問題も絡んできそうです。現状の価格と製品クオリティーはかなりよいバランスなので、それが崩れるくらいならこのままがいいでしょう。
装着感:首筋に沿う3D構造で付け心地◎
「エレス」の重量は「約390g」で、今回比較した製品群では重たい部類です。
しかし、首筋から肩甲骨にかけて綺麗に沿う3D形状になっており、数値ほど重さを感じません。
首に負担をかけないように、うまく重量を分散できているいい例です。
反例としては「ライフオンプロダクツ」がわかりやすいです。
「ライフオンプロダクツ」は重量が「約260g」で軽いのですが、その構造上、重量の大半を占めるファン部を首の後ろだけで支えることになります。
そうすると、どうしても首が疲れてくるので、重量よりも形状のほうが大事だといえます。
この点は、実際に使ってみないとわからなかったポイントです。検証前は、単純に重いのはダメなんじゃないかと思いましたが、重量より形状のほうが大事だと気付かされました。
バッテリー:かなり長期間利用できそう
連続使用時間 | |
扇風ファンのみ使用時 | 約2.5〜11時間※ |
※使用時間は使用する環境・風量の強さにより異なります |
取り扱い説明書には、扇風ファンのみ使用時の連続使用時間が記載されており、約2.5〜11時間となっています。
最長で11時間というのは、かなり長く、他製品の場合は最長7〜8時間くらいのものが多いです。
2位【ドウシシャ】Tempo Breeze
- ドウシシャTempo Breeze
- 実勢価格: ¥6,380〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥7,326〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥6,380〜
- 冷却性能
- 静音性
- 送風効率
- 操作性
- 装着感
- 可搬性
持ち運びに優れて静音性がバツグン
電動ネッククーラーのおすすめランキング2位は、A評価のドウシシャ「Tempo Breeze」です。
本製品の特徴はなんといっても、そのコンパクトさ。
アーム部分の先端を折りたたんで、未使用時にも場所を取らず持ち運べます。
コンパクトさゆえに、冷却性能が少し落ちますが、効率的に冷やすことを考えた設計で、十分に涼しさを感じられます。
荷物をできるだけ増やしたくない方には、ベストな選択となるでしょう。
また、静かさをより重視するならば、ダントツの静音性であるドウシシャが一番といえます。
ちなみに、今回は評価対象としていませんが、ホットモードを搭載しており、冬場でも出番があるのはよいポイントです。
- おすすめポイント
-
- 十分な涼しさ
- バツグンの静音性
- 折りたためてコンパクト
- ホットモードも搭載
- がっかりポイント
-
- 操作性がいまひとつ
- 幅
- 172mm(約)
- 奥行き
- 56mm(約)
- 高さ
- 185mm(約)
- 重量
- 270g(約)
- 充電時間
- 5時間(約)
- 型番
- PCFY-01B CB
【冷却性能】範囲は狭めだが十分涼しい
今回検証した製品群では、「ドウシシャ Tempo Breeze」は比較的小型で軽量なモデルです。
その分、冷却プレートも小型で、ファンの吹き出し口も狭いです。
ただ、効率的に冷やすことができており、他の大きめの機種に引けを取らないポテンシャルがあります。
▼「ドウシシャ」のサーモ画像
冷却プレート接触部のサーモ画像 | 首まわりと顔のサーモ画像(右側) | 首まわりと顔のサーモ画像(左側) |
※スマホは横スクロールで画像切り替え→
|
|
|
「ドウシシャ」は、冷却プレート「強モード」+扇風ファン「強モード」の組み合わせで検証。
冷却プレート接触部は、最も冷えているポイントで「24.4℃」でした。
冷えている範囲はやはり狭めです。
首の横側はムラはあるが、ある程度冷えており、こめかみにも風が当たって少し冷えています。
【静音性/送風効率】静かさと送風効率ではダントツ
「ドウシシャ」は静音性ではダントツです。
ただし、数値に表れない留意点もあります。
▼騒音値と風速の測定値(暗騒音:41.0dB)
メーカー | 最小風量モードでの測定値 | 最大風量モードでの測定値 | ||||
騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | 騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | |
ドウシシャ | 42.2dB | 2.3m/s | 0.055 | 50.6dB | 3.5m/s | 0.069 |
測定値を見ると、ある程度の風を感じられて、かつ静かであることがわかります。
素の騒音値で見ても、他製品より圧倒的に静かで送風効率も高いといえます。
しかし、「ドウシシャ」は他製品と比べて吹き出し口が狭く広い範囲はカバーしていません。
風が当たるのは、こめかみのあたりに限られ、ベストバイの「エレス」のように、こめかみから耳の後ろあたりまで風が当たる感じではないです。
とはいえ、「ドウシシャ」はちゃんと風が当たっており、下位製品の吹き出し口が広くてもほとんど風が感じられない製品に比べれば、十分優秀といえます。
【使い勝手】コンパクトさが最大の利点
操作性:なぜかボタンが本体下側にある
「ドウシシャ」は、操作ボタンが本体側面ではなく、下側にあります。
そのため、装着した状態では操作しにくいのが難点です。
可搬性:小さく折りたためます
「ドウシシャ」の優れているポイントのひとつが、「折りたたみ機構」です。
アーム部分の両端を内側に折りたたむことができ、2/3くらいのサイズになります。
収納時にかさばらないのは、非常に嬉しいポイントでしょう。
装着感:首が太めの方は注意が必要
小型軽量で、折りたたみもできるコンパクトさが「ドウシシャ」の優れたポイントですが、それゆえスリムなフィット感になります。
他製品のように可働部もなく、形状が固定されているので、首が太めの方にはキツキツになります。
これにより当然、装着感が変わってくるので、購入の際は気をつけて頂きたいです。
バッテリー:標準的な連続使用時間です
連続使用時間 | |
扇風ファンのみ使用時 |
強:約2.0時間 中:約3.0時間 弱:約7.0時間 (満充電状態から使用/室温25℃) |
スペックシートには、扇風ファンのみ使用時の連続使用時間が記載されており、約2.0〜7.0時間となっています。
最長で7時間というのは、特別長時間というわけではないですが、標準的な長さだといえます。
3位【EXCITECH】ネッククーリングファン
- EXCITECHネッククーリングファン
- 実勢価格: ¥4,980〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥5,280〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で探す
- 冷却性能
- 静音性
- 送風効率
- 操作性
- 可搬性
- 装着感
操作性はバツグンだが性能はそこそこ
電動ネッククーラーのおすすめランキング3位は、B評価のEXCITECH「ネッククーリングファン」です。
Amazonや楽天などのECサイトを中心に販売されている製品で、株式会社Extageという大阪の会社が販売を行っています。
冷却性能はそこそこといったところで、送風効率も微妙です。
静音性も悪くはないが……といった具合で及第点。
反面、使い勝手はかなりよく、操作性、装着感ともに優秀です。
総合的に見ていいバランスの製品ではあるのですが、涼しさという観点では一歩劣るというのが正直な感想です。
- おすすめポイント
-
- そこそこの冷却性能で価格が安め
- 操作性がバツグン
- 装着感もよい
- がっかりポイント
-
- 扇風ファンの風量が弱い
- 幅
- 185mm(約)
- 奥行き
- 63mm(約)
- 高さ
- 199mm(約)
- 重量
- 350g(約)
- 充電時間
- 3時間(約)
【冷却性能】なかなかの涼しさ
ベストバイのエレスに一番近い形状なのが「EXCITECH」です。
形状やファン吹き出し口の位置など似ているところが多いですが、性能には結構な差が見られました。
▼「EXCITECH」のサーモ画像
冷却プレート接触部のサーモ画像 | 首まわりと顔のサーモ画像(右側) | 首まわりと顔のサーモ画像(左側) |
※スマホは横スクロールで画像切り替え→
|
|
|
「EXCITECH」は、冷却プレート「強モード」+扇風ファン「強モード」の組み合わせで検証
まず、冷却プレートで冷える範囲は中くらい。
横長のプレートなので、ある程度広い範囲を冷やせます。
最も冷えているところで「21.2℃」になっており、温度だけでいえば、「エレス(22.5℃)」と競り合っています。
ただ、ファンの風量が弱めで、頬やこめかみといった部分があまり冷えていません。
比べると「ドウシシャ」と同じくらいの冷却性能はあるといえます。
【静音性/送風効率】音は普通だが送風効率が低め
静音性は及第点といったところ。
それほど大きな音ではなく、うるさいとは感じないレベルです。
▼騒音値と風量の測定値(暗騒音:41.0dB)
メーカー | 最小風量モードでの測定値 | 最大風量モードでの測定値 | ||||
騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | 騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | |
EXCITECH | 48.3dB | 1.4m/s | 0.029 | 59.3dB | 1.7m/s | 0.029 |
最小風量モードの素の騒音値「48.3dB」は、ベストバイの「エレス(46.8dB)」と比べてもそれほど大きな違いはないです。
しかし、送風効率はかなり低く、この点で「エレス」には遠く及びません。
最大風量モード時の素の騒音値は「59.3dB」とかなり音が大きく、風速も低いので、相対的に見ると「うるさい」といえるでしょう。
【使い勝手】使い勝手はトップクラス
操作性:最も操作性がよかった
ボタン操作は、最も一般的な2ボタンタイプで使いやすいです。
さらに、ファン操作用ボタンと冷却プレート操作用ボタンで大きさを変えてあり、指の感覚で操作しやすいのもグッド。
また、本体に液晶がついており、充電残量や現在のモードを表示してくれるのでわかりやすいです。
可搬性:折りたたみはできません
大きさは一般的なサイズで、ベストバイの「エレス」とさほど違いがありません。
また、折りたたみができないのも同じです。
装着感:付け心地はかなりいいです
「EXCITECH」も折りたたみできない分、形状にはこだわりが見られ、首筋から肩甲骨まで沿うような3D形状になっています。
重量バランスもよく、重さを感じにくくなっています。
バッテリー:かなり長期間利用できそう
連続使用時間 | |
扇風ファンのみ使用時 | F3(強):約5時間/F2(中):約6時間/F1(弱):約11時間 |
冷却プレートのみ使用時 | C3(強):約3時間30分/C2(中):約4時間/C1(弱):約4時間30分 |
同時使用時 | F3+C3(強):約2時間/F2+C2(中):約2時間30分/F1+C1:約4時間 |
取り扱い説明書には、扇風ファンのみ使用時、冷却プレートのみ使用時、同時使用時の連続使用時間が記載されています。
扇風ファンのみ使用する場合は、最長で11時間となっています。
また、冷却プレートのみ使用時では、最長で約4時間30分。
扇風ファンと冷却プレートを同時に使用した場合には、最長で約4時間となっています。
扇風ファンのみの場合、最長で11時間使用できるのは、他製品と比べてもかなり長時間です。
4位【サンコー】ネッククーラーAir
- サンコーネッククーラーAir
- 実勢価格: ¥4,188〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥4,188〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥4,668〜
- 冷却性能
- 静音性
- 送風効率
- 操作性
- 可搬性
- 装着感
独自形状で冷却性能は高い
電動ネッククーラーのおすすめランキング4位は、B評価のサンコー「ネッククーラーAir」です。
本製品は他製品と異なり、両側のアーム部分に冷却プレートがあり、首の後ろ部分に扇風ファンが付いています。
両側のプレートで首を挟み込むように冷やすことで、相応の冷却性能があります。
背中側の扇風ファンは襟足のあたりに風を通し、服の中に差し込むと衣服内の換気的な役割も果たしてくれます。
体全体を冷やすことに注力した製品である反面、即時的な涼しさが感じられないのがネック。
また、バッテリー部分がモジュールになっており、分解できるのが唯一無二の特徴だといえます。
ただし、その独特な形状ゆえ、装着感は好き嫌いが分かれるポイントです。
- おすすめポイント
-
- 首を両側から冷やす
- モジュール式バッテリー
- 分解してコンパクトに持ち運べる
- がっかりポイント
-
- 扇風ファンの音が大きめ
- 装着感がいまひとつ
- 幅
- 160mm(ファン付きバッテリー装着時)
- 奥行き
- 160mm(ファン付きバッテリー装着時)
- 高さ
- 120mm(ファン付きバッテリー装着時)
- 重量
- 135g(約)【本体】、115g(約)【ファン付きバッテリー】
- 充電時間
- 4時間(約)
- 型番
- TKNC23SWH
【冷却性能】両側からしっかり冷やす
「サンコー」は他製品とタイプが異なります。
他製品は、冷却プレートが首の後ろにあり、両側にファンがついているタイプですが、「サンコー」は逆です。
首の後ろにファンがついていて、冷却プレートが両側のアーム部分にあります。
この2つの冷却プレートで、首を挟み込むような使い方をします。
▼「サンコー」のサーモ画像
冷却プレート接触部のサーモ画像 | 首まわりと顔のサーモ画像(右側) | 首まわりと顔のサーモ画像(左側) |
※スマホは横スクロールで画像切り替え→
|
|
|
「サンコー」は、ファン付きバッテリーを装着した状態で、「強モード」にて検証。
先述の通り、首の両側面を冷やす形で、最も冷えているところで「24.9℃」になっています。
首の両面から冷やすことで、広い範囲を冷やすことができ、体感でもなかなかの涼しさです。
また、ファンがついている首の後ろ側も少し温度が低くなっています。
このタイプの利点は、首まわりだけでなく、背中にも少し風が通って涼しいこと。
ただし、顔に風が来ないので、即時的な涼しさは感じづらいのが難点とも言えるでしょう。
【静音性/送風効率】音は大きいが送風効率は⚪︎
「サンコー」の静音性はそこそこといったところです。
うるさいというほどでもないですが、「ドウシシャ」などと比べると確実に大きいです。
▼騒音値と風速の測定値(暗騒音:41.0dB)
メーカー | 最小風量モードでの測定値 | 最大風量モードでの測定値 | ||||
騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | 騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | |
サンコー | 52.5dB | 2.0m/s | 0.038 | 55.3dB | 2.4m/s | 0.043 |
素の騒音値自体は大きいですが、風はちゃんと感じられ、ちょうど襟足のあたりに風が来ます。
つまり、送風効率は悪くないといえます。
【使い勝手】分解できるのは唯一無二
操作性:ボタンが首の後ろにくる
ボタンはひとつだけで、ファンのみを使うことはできません。
装着すると、ボタンが首の後ろにくるので操作しにくいですが、ファンのみ使用ができないので、これでいいのかもしれません。
可搬性:コンパクトさは随一で分解も可能
本製品はバッテリー部分がモジュールになっています。
ファンがついている「ファン付きバッテリー」とファンなしの「スリムバッテリー」が付属し、好みで付け替えが可能。
冷却プレートだけ使う場合は、「スリムバッテリー」を装着します。
分解すれば、かなりコンパクトに持ち運びできるのが唯一無二の特徴といえます。
装着感:首を挟んで固定するのは好みが分かれる
両側の冷却プレートを肌に接触させるために、首を挟み込むようにして装着します。
これが好みの分かれるポイントで、被験者の中には、喉が絞めつけられる感覚が嫌だという人もいました。
また、ファン付きバッテリーを装着した状態だと、後ろにボコッと出っ張るので、椅子の背もたれなどに干渉します。
他にない面白い構造で、独自性は評価したいところですが、装着感はあまりよいとはいえません。
バッテリー:
連続使用時間 | |
スリムバッテリー使用時 | 冷却プレート強・ファン風量強:約1時間/冷却プレート弱・ファン風量弱:約2時間 |
ファン付きバッテリー使用時 | 冷却プレート強:約1時間/冷却プレート弱:約1時間半 |
ゆらぎモード※ | 冷却プレート強弱:約1時間半/冷却プレート強弱・ファン風量強弱:約1時間 |
※冷却強〜弱を繰り返します ※使用時間は周囲の温度や環境により異なります |
取り扱い説明書には、スリムバッテリー使用時とファン付きバッテリー使用時のそれぞれでの連続使用時間が記載されています。
ファン付きバッテリー使用時の項目を見ると、最長で約2時間となっており、他製品と比べてかなり短時間です。
「サンコー」は他製品と形状が異なるので、単純な比較はできませんが、バッテリー容量は少ないといえそうです。
5位【アテックス】モノルルド ウェアラブル クールホット&ファン AX-HKL105
- アテックスモノルルド ウェアラブル クールホット&ファン AX-HKL105
- 実勢価格: ¥5,899〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥5,899〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥8,847〜
- 冷却性能
- 静音性
- 送風効率
- 操作性
- 可搬性
- 装着感
冷却プレートの冷たさは最強です
電動ネッククーラーのおすすめランキング5位は、C評価のアテックス「モノルルド ウェアラブル クールホット&ファン AX-HKL105」です。
今回検証した製品の中では、最も大型の製品です。
その分、冷却プレートの冷たさは最強で、広い範囲をガッツリ冷やしてくれます。
ただ、扇風ファンのほうはあまり強くなく、送風効率がかなり低いです。
今回は評価対象としていませんが、本製品はホットモードも搭載しており、冬場でも活躍の機会があります。
ただ、高機能な側面を考慮したとしても、やはり重たさがネック。
その大きさゆえに持ち運びもしづらく、使い勝手という観点ではいまひとつな製品だといえます。
- おすすめポイント
-
- 最強の冷たさを誇る冷却プレート
- ホットモードも搭載
- がっかりポイント
-
- 扇風ファンが弱い
- 大きくて重い
- 幅
- 180mm(約)
- 奥行き
- 60mm(約)
- 高さ
- 235mm(約)
- 重量
- 450g(約)
- 充電時間
- 5時間(約)
- 型番
- AX-HKL105bk
【冷却性能】冷却プレートは最強レベル
今回検証した製品群の中で、最も大型なのがこの「アテックス」です。
見た目からして、パワーが高そうです。
実際、本製品の取扱説明書には、冷却プレートの使用について「1回の使用時間は15分以内」にすること、「1日に複数回使用する場合は時間をあけて合計3回まで」と厳密な注意事項が記載されています。
▼「アテックス」のサーモ画像
冷却プレート接触部のサーモ画像 | 首まわりと顔のサーモ画像(右側) | 首まわりと顔のサーモ画像(左側) |
※スマホは横スクロールで画像切り替え→
|
|
|
「アテックス」は、冷却プレート+扇風ファン「強モード」で検証。
冷却プレートに強弱の選択はありません。
検証結果は上の画像のとおり、最も冷えているところで「20.3℃」となっています。
他の製品と比べてもかなり冷えており、冷却範囲も広いので、冷却プレートのパワーはかなり強いといえるでしょう。
また、冷却プレートの接触部分だけでなく、首の横側もじんわり冷えていることがわかります。
ただし、扇風ファンのほうはあまり強くありません。
こめかみなどの顔のほうはそこまで冷えておらず、被験者(担当編集)の体感でも風はやんわりだなと感じました。
【静音性/送風効率】静かだが送風効率はかなり低い
「アテックス」は先述のとおり、扇風ファンの風があまり感じられないのに加えて、そこまで静かなわけでもありません。
▼騒音値と風速の測定値(暗騒音:41.0dB)
メーカー | 最小風量モードでの測定値 | 最大風量モードでの測定値 | ||||
騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | 騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | |
アテックス | 45.3dB | 0.8m/s | 0.018 | 53.8dB | 1.0m/s | 0.019 |
風速は、最小風量モードで「0.8m/s」、最大風量モードでも「1.0m/s」と最下位クラスです。
やんわりとした風にもかかわらず、騒音値も他製品と比べて低いわけではないので、送風効率はかなり低く、扇風ファンの性能はよくないといえます。
言うなれば、冷却プレートにパワーを全振りしたピーキーな性能です。
【使い勝手】これはさすがに重たい……
操作性:操作性は問題なし
2つのボタンで冷却プレートとファンをそれぞれ操作する一般的な方法です。
「アテックス」には、今回は評価対象外としているホットモードがあるのですが、クールとホットの切り替えはワンプッシュで行われます。
これがシームレス過ぎて、ときおり間違えるので、長押し切り替えにしてほしいところ。
実際、同様にホットモードを搭載している「ドウシシャ」は長押し切り替えになっています。
可搬性:持ち運びはつらいかも
「アテックス」は、他の製品と比べるとゴツくて重いです。
重量は「約450g」あり、カバンに入れると明らかに重さを感じます。
そのため、持ち運びは正直つらいです。
自分で部屋温度を決められないオフィスなどに置いておいて、パーソナルクーラーとして使うといった用途なら良いかもしれません。
装着感:フィット感は悪くないが重たい
装着感にもやはり重たさが関わってきます。
決してフィット感は悪くないのですが、重たさゆえの負担を無視できないレベル。
正直、使い勝手という観点からは、万人におすすめできないです。
バッテリー:一般的な使用時間です
連続使用時間 | |
扇風ファンのみ使用時 | 強:約3.5時間/中:約4.5時間/弱:約6時間 |
プレートのみ使用時(冷/温) | 約2時間 |
同時使用時 | 約1.5時間 |
取り扱い説明書には、冷温機能のみ使用時、扇風ファンのみ使用時、同時使用時の連続使用時間が記載されています。
扇風ファンのみ使用時の連続使用時間を他製品と比べると、一般的な長さです。
プレートのみ使用時の長さについても、他に記載のある製品と比べると、一般的な長さであるといえます。
6位【ライフオンプロダクツ】ペルチェ冷却機能コンパクトネックファン LCAF009
- ライフオンプロダクツペルチェ冷却機能コンパクトネックファン LCAF009
- 実勢価格: ¥3,680〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで探す
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥3,680〜
- 冷却性能
- 静音性
- 送風効率
- 操作性
- 可搬性
- 装着感
デザインが噛み合っていない
電動ネッククーラーのおすすめランキング6位は、C評価のライフオンプロダクツ「ペルチェ冷却機能コンパクトネックファン LCAF009」です。
本製品は、電動ネックファンとしては、かなり独特なデザインの製品です。
冷却プレートと両側の扇風ファンがそれぞれ独立していて、その間をコードでつないだような形。
これにより、未使用時はとてもコンパクトに収納できるのが利点です。
ただ、このデザインが電動ネッククーラーという製品ジャンル独特の問題をはらんでいて、うまく噛み合っていない印象を受けました。
また、冷却性能や扇風ファンの送風効率も弱いため、デザイン性以外で選ぶ理由があまりないといえます。
- おすすめポイント
-
- 収納時のコンパクトさ
- 独特のデザイン性
- がっかりポイント
-
- 冷やせる範囲が狭い
- 装着感がよくない
- 幅
- 70mm(約)
- 奥行き
- 47mm(約)
- 高さ
- 600mm(約)
- 重量
- 260g(約)
- 充電時間
- 3.5時間(約)
【冷却性能】冷えてはいるが問題もある
「ライフオンプロダクツ」は、製品のデザインコンセプトが他製品と大きく異なります。
冷却プレート部分と扇風ファン部分がそれぞれ独立していて、フレキシブルなコードでつなげたような形です。
これにより、収納時のコンパクトさを追求した製品ですが、冷却性能や使い勝手はどうなのかがポイントでしょう。
結果としては、「あまりよくない」ということがわかりました。
▼「ライフオンプロダクツ」のサーモ画像
冷却プレート接触部のサーモ画像 | 首まわりと顔のサーモ画像(右側) | 首まわりと顔のサーモ画像(左側) |
※スマホは横スクロールで画像切り替え→
|
|
|
「ライフオンプロダクツ」は、冷却プレート+扇風ファン「強モード」の組み合わせで検証。
冷却プレートに強弱の選択はありません。
冷却性能の結果は、上の画像の通りです。
最も冷えている部分で「12.0℃」になっており、他製品と比べて極端に冷たくなっていますが、範囲はかなり狭いです。
冷却プレートは、それほど小さいわけではなく、横幅も広いです。
ですが、冷やすためのパーツ(ペルチェ素子とヒートシンク)がプレート全体に作用していません。
手で触ってみると、プレートの中心部は冷たいのですが、端のほうはあまり冷たくないです。
つまり、プレートの幅は見た目だけで、肝心の冷却パーツは中心部にしかないということです。
また、構造上の問題もあります。
先述の通り、本製品は冷却プレート部分と左右の扇風ファン部分が独立しており、その間を太めのコードでつなげています。
そのため、重量のほとんどを占める扇風ファン部分を吊り下げるような形になり、それらを首の後ろだけで支えることになります。
そうすると、必然的に冷却プレートは首に押し付けられます。
加えて、サーモ画像で見た通り、ピンポイントかつ低温で冷やす特徴も相まって、すぐに冷たさを感じにくくなります。
以上のように、デザインのアイデア自体はいいのですが、うまく噛み合っていないように思われます。
【静音性/送風効率】静かめだが送風効率は低い
「ライフオンプロダクツ」は、上の画像の円柱部分から風を出します。
ただ、これも曲者で、顔や首のほうにうまく風が来るように角度調整するのが難しいです。
▼騒音値と風速の測定値(暗騒音:41.0dB)
メーカー | 最小風量モードでの測定値 | 最大風量モードでの測定値 | ||||
騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | 騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | |
ライフオンプロダクツ | 43.8dB | 0.6m/s | 0.014 | 57.4dB | 1.6m/s | 0.028 |
騒音値と風速の測定結果は上の表の通りです。
最も風が来るポイントでも、最小風量モードで風速「0.6m/s」となっており、今回検証した製品群では「Sugeko」と並び最下位です。
最大風量モードにすれば、それなりの風速は出ますが、騒音値は「57.4dB」とかなり高くなってしまいます。
このことから、送風効率はよくないといえます。
【使い勝手】持ち運びやすさはグッド
操作性:ボタンがひとつで操作しにくい
本製品は、操作ボタンがひとつです。
ダブルクリックでファンを起動、長押しで冷却プレートを起動という形で、操作を分けています。
また、普通に装着するとボタンが下側になるので、押しにくくなります。
これらの点から、操作性は他製品よりも一段落ちるといえるでしょう。
可搬性:超コンパクトに持ち運べます
本製品の一番の利点は可搬性です。
収納する際には、コードをファン部に巻き付けて、かなりコンパクトにすることが可能。
製品重量も「約260g」と最も軽く、持ち運びやすさではベストです。
装着感:首の負担を感じやすい
冷却性能の評価でも触れましたが、本製品は製品重量のほとんどを占めるファン部分(実測:198g)を首の後ろで支えて吊り下げる構造です。
これにより、首の負担を感じやすいです。
最も重い「アテックス」でも、肩などにある程度の重量を分散できていて、首の後ろに直接負担がくることはないですが、本製品の場合は、それら負担が首の後ろだけに集約されるのが難点です。
また、扇風ファンの角度調整が難しく、少し位置がずれると風が来なくなるなど、装着感は全体的によくないです。
バッテリー:一般的な使用時間です
連続使用時間 | |
扇風ファンのみ使用時 | 約1.5時間(強)〜7時間(弱) |
冷却プレートのみ使用時 | 約1.5時間 |
同時使用時 | 約1時間(強)〜1.2時間(弱) |
取り扱い説明書には、扇風ファンのみ使用時、冷却プレートのみ使用時、同時使用時の連続使用可能時間が記載されています。
扇風ファンのみ使用時の連続使用時間を他製品と比べると、一般的な長さです。
冷却プレートのみの使用時間もおおむね一般的な長さといえるでしょう。
7位【Sugeko】冷却プレート搭載式首掛け扇風機
- Sugeko冷却プレート搭載式首掛け扇風機
- 実勢価格: ¥1,580〜
タイムセールは毎日開催中!Amazonで見る¥3,184〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥1,580〜
- 冷却性能
- 静音性
- 送風効率
- 操作性
- 可搬性
- 装着感
値段なりの性能です
電動ネッククーラーのおすすめランキング7位は、C評価のSugeko「冷却プレート搭載式首掛け扇風機」です。
今回検証した製品の中でも最安値の製品で、Amazonではかなりのレビュー数を持った人気?製品です。
ただ、実際のところ性能は値段なりで、コスパに優れた製品ともいえないくらい。
全く使えないというほどではないですが、冷却性能も扇風ファンも弱く、シンプルにあんまり涼しくないです。
また、静音性や送風効率も低く、電動ネックファンとして優れたポイントはあまりないといった印象。
ただ、使い勝手はよかったです。
- おすすめポイント
-
- 低価格で最低限は使える
- 使い勝手はよい
- がっかりポイント
-
- 冷却性能も扇風ファンも弱い
- 扇風ファンの音がうるさい
- 幅
- 175mm(約)
- 奥行き
- 50mm(約)
- 高さ
- 213mm(約)
- 重量
- 330g(約)
- 充電時間
- 3時間(約)
- 型番
- Neck Fan A1
【冷却性能】あまり涼しくない
今回検証した製品群で、冷却性能評価が最も低かったのが「Sugeko」です。
Amazonのサジェスチョンとして出てきた製品で、レビュー数も700件を超える人気製品のようですが、実態はどうなのかを見ていきましょう。
▼「Sugeko」のサーモ画像
冷却プレート接触部のサーモ画像 | 首まわりと顔のサーモ画像(右側) | 首まわりと顔のサーモ画像(左側) |
※スマホは横スクロールで画像切り替え→
|
|
|
「Sugeko」は、冷却プレート+扇風ファン「100段階」の組み合わせで検証。
本製品は、風量調節が1〜100段階までとなっており、冷却プレートに強弱の選択はありません。
検証結果は画像の通りで、最も冷えているところで「20.9℃」となっています。
ちゃんと冷えてはいますが、その範囲はかなり狭いです。
首の側面やこめかみなどの顔周辺については、ほとんど冷えている部分は見当たらず、風がしっかり当たっていないことがわかります。
そもそも冷却プレートが小さめでなので、物理的に狭い範囲しか冷やせません。
ちなみに、本製品には首の側面にくるアーム部分にも冷却プレートのようなものが見えますが、これはプレートが付いているだけです。
冷却機能は付いていません。
ただ、金属のプレートではあるので、肌が触れた時に若干冷たく感じるための工夫でしょう。
総じて“値段なり”といった印象で、今回の製品群の中で最安値であることを考えると、妥当な結果ともいえます。
【静音性/送風効率】音が大きくてうるさい
「Sugeko」はファンの風量調整が1〜100段階まであり、ほぼ無段階のような形で操作できます。
ただし、1段階の時点で結構大きな音がするうえ、風が真っ直ぐ出てこず、分散してまばらになっている感じです。
▼騒音値と風速の測定値(暗騒音:41.0dB)
メーカー | 最小風量モードでの測定値 | 最大風量モードでの測定値 | ||||
騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | 騒音値 | 風速 | 送風効率(風速/騒音値) | |
Sugeko | 55.2dB | 0.6m/s | 0.011 | 66.6dB | 1.0m/s | 0.015 |
騒音値と風量の測定値を見てもわかるとおり、最小風量である1段階の状態で「55.2dB」となっており、素の音が大きいことがわかります。
また、最大風量の100段階にした場合、「66.6dB」となり、今回検証した製品群では最も音が大きいです。
送風効率で見てもダントツで低く、シンプルに“うるさい”といえるでしょう。
この点でも、やはり“値段なり”といった印象を受けます。
【使い勝手】使い勝手はよいです
操作性:わかりやすい操作感
先述の通り、「Sugeko」はファンの風量調整が100段階まであるのですが、調整はダイヤル式になっています。
ダイヤルは、右側のアーム部先端にあるので、操作もしやすいです。
電源は反対側のアーム部にあり、長押しで電源のオンオフ、短押しで冷却プレートのオンオフと簡潔でわかりやすいです。
可搬性:小さめサイズで持ち運びはしやすい
折りたたみの機能はないですが、他製品と比べて、サイズが小ぶりです。
バッグの中であまり場所を取らずに持ち運べるのは、よいポイントです。
装着感:負担も少なく快適です
装着感はよく、不満に思う点はありません。
軽い付け心地で、快適だといえます。
バッテリー:記載があいまいでなんともいえない
連続使用時間 |
約2〜16時間(使用方法と環境によって異なります) |
取り扱い説明書には、各モードごとの連続使用時間ではなく、ざっくりと約2〜16時間と記載されています。
書き方があいまいなので、なんとも言い難いです。
仮にファンのみ使用時で、最大約16時間使用できるということなら、かなり長時間利用できることにはなります。
まとめ:ベストバイで夏を乗り切ろう!!
以上、電動ネッククーラーのおすすめランキングでした。
今回、7製品を徹底比較したうえで、ベストバイとしておすすめしたいのは、エレス「iFan Collar Ice 2024」です!
「一番涼しい」というネッククーラーとして最高のポテンシャルがあるのはもちろんのこと、そのほかの観点から見ても素晴らしい製品です。
また、2位以下の製品にもベストバイとは違った長所を持つ、魅力的な製品があります。
本記事を参考に、ぜひ、自分にぴったりの“夏の暑さに対抗する装備”を見つけていただければ幸いです。
ちなみに被験者は担当編集です。検証室は端的にいって“不愉快な蒸し暑さ”になっており、必然的に「どれが涼しいか」という製品ごとの差異を肌身で感じられました。