今や「自動おそうじ機能」は大前提
近頃では掃除不要のエアコンも登場

エアコンそうじを自分でやってはいけない理由にて、「自動おそうじ機能」付きのエアコンでも、掃除をしないと汚くなるということはすでに判明済みの事実ですが、今回はその「自動おそうじ機能」について、さらに深掘りすべく、各メーカーの問い合わせ窓口やエアコンクリーニング業者さんを直撃してみることに。各方面を取材して、関係者のリアルな声を聞き出したいと思います。

まずは、昨今のエアコン事情から。2005年に富士通ゼネラルが初めて「自動おそうじ機能」を持つエアコンを販売してから十数年、今や自動おそうじ機能付きのエアコンは当たり前となりました。

現在でも各社が競うように「自動おそうじ機能」搭載の製品を発表し続けていて、年々その機能は進化するばかりです。

※画像はダイキン公式ホームページより。

独自技術でエアコン内部のカビやフィルターの汚れまでスッキリするのがこのエアコンのウリ。

メーカーによっては「自動おそうじ機能」を目玉として紹介していて、コマーシャルやパンフレット、サイトでのアピール合戦も激しさを増しています。

最近ではついに「掃除しなくてイイんです!」と断言するようなコマーシャルまで登場。でも本当にエアコンの掃除をする必要はないのでしょうか?

おそうじ機能アリでも業者は必要?
大手メーカー6社の窓口を直撃!

いろいろな疑問も生まれますが、そもそも「自動おそうじ機能」は価格やモデルによってさまざまで、ざっくり3種類に分類されます。手始めに最もポピュラーな下位モデルから、簡単にご説明します。

ホコリの付着や目詰まりが気になるフィルター部分を自動洗浄してくれるのが下位モデル。安価な製品でもこの機能が付いていることは、もはや珍しくはありません。

続いては、フィルター自動おそうじに抗菌の熱交換器がついた中位モデル。

フィルターに加えてエアコン内部にある熱交換器もキレイにしてくれます。素人では通常ケアできない部分も中位モデルがしっかり掃除してくれます。

最後は、フィルターに加えて熱交換器も自動でおそうじする上位モデル。

ゴミをダストボックスに溜めるタイプではなく、汚水として自動排水できる便利なモデルも。こちらは高額モデルに搭載されることが多いです。

このように、廉価な下位モデルでも自動でフィルターまで掃除してくれます。だからお手入れラクラク、業者クリーニングも不要でウハウハ、と考えてしまいがちですが、はたして本当にそうなのでしょうか?

「自動おそうじ機能」が搭載されていても、長年使っていると汚い部分は目立つうえ、ニオイもカビくさくなることから、この機能が本当に効いているかどうか、かなり疑問が残ります。

そこで、大手6社の電話窓口にダイレクトに問い合わせしてみました。質問したのは、「エアコンの自動おそうじ機能ってありますか?」と「この機能があっても業者による掃除は必要ですか?」の2つ。

まずは各メーカーのエアコンの「自動おそうじ機能」について説明を受けるところからスタート。それでは、1つ目の調査結果の詳細を各メーカーごとにご紹介します

ダイキン うるさら7
「業者の掃除はいずれ必要です」

ダイキンに問い合わせて1つ目の質問を尋ねると、あれよあれよという間にエアコンのカタログページに誘導され、「自動おそうじ機能」を事細かに丁寧に説明してくれました。

そして、大事なのは2つ目の質問。これについても、オペレーターはすぐに詳しく説明。そして、「抑制にはなりますが、業者の掃除はいずれ必要になります」と、強い言葉を残しました。この電話取材の結果、ダイキンはカビ抑制効果といってはいるものの、業者清掃は必要という結果でした。

ダイキン工業(DAIKIN):うるさら7 RXシリーズ(10畳用):エアコン

ダイキン工業(DAIKIN)
うるさら7
RXシリーズ(10畳用)
実勢価格:16万9800円

サイズ:295×798×370mm
質量:15kg

評価はこちら
[公式サイト]
わかりやすさ    ★★★☆☆
ホンネ度    ★★★☆☆

[ダイキンコンタクトセンター]
わかりやすさ    ★★★★★
ホンネ度    ★★★★

※画像はダイキン公式ホームページより。

サイトでは「カビなどを抑えて」といっていますが、結局業者による掃除は必要でした。

話を聞いてみて気づいたのは、ホームページには大切な情報が載っていないということ。しかし、ダイキンのオペレーターは慣れた口調で業者清掃の必要性を語ってくれました。

日立 白くまくん
「数年後には業者掃除が必要です」

コマーシャルで「掃除嫌いの〇〇さんは何もしなくていいんです」と、かなり強気なことをいっている日立。1つ目の質問をすると「霜取り洗浄機能」について詳細を語ってくれました。

そして2つ目の質問。業者清掃の必要性については、「まったく必要ないとは言い切れません、使用年数が経つと業者のクリーニングが必要ですね」と慣れた風にスラスラと説明してくれました。凍結洗浄をアピールする日立も、業者清掃の必要性を認めた形となりました。

日立(HITACHI):白くまくん:Xシリーズ(10畳用):エアコン

日立(HITACHI)
白くまくん
Xシリーズ(10畳用)
実勢価格:12万7400円

サイズ:295×798×374mm
質量:15.5kg

評価はこちら
[公式サイト]
わかりやすさ    ★★☆☆☆
ホンネ度    ★★☆☆☆<
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[日立 お客様相談センター]
わかりやすさ    ★★★★☆
ホンネ度    ★★★★★

※画像は日立公式ホームページより。

サイトではキレイになることを伝えていますが、CMでは掃除不要とまで明言!

ちなみに、日立はサイト内でも日々のお手入れや業者の掃除についてはほぼ触れていません。どこよりも強気で最新の「自動おそうじ機能」に相当自信があるように思われましたが、上記の対話から、その認識は違うようでした。

つまり、あのCMはさすがに言い過ぎということになります。とはいえ、オペレーターは冷静に「この機能だけではエアコンを完全にはキレイにできない」ということを教えてくれたのでした。

東芝 大清快
「お客様の負担を軽減する仕組みです」

東芝のオペーレーターに2つ目の質問「業者は不要ですか?」と問うと、「汚れが少なくなりお客様の負担を軽減する仕組みです」と、一瞬言い淀み腰も低めに。サイトも注釈が多く、「言い過ぎ」ないようにしていたふしがありました。

東芝(TOSHIBA):大清快:C-DRシリーズ(10畳用):エアコン

東芝(TOSHIBA)
大清快
C-DRシリーズ(10畳用)
実勢価格:18万2158円

サイズ:293×798×352mm
質量:16.5kg
※こちらの商品は生産終了となっております

評価はこちら
[公式サイト]
わかりやすさ    ★★★☆☆
ホンネ度    ★★★☆☆

[東芝エアコン空調換気ご相談センター]
わかりやすさ    ★★★★☆
ホンネ度    ★★★★☆

※画像は東芝公式ホームページより。

サイトには、オフシーズン中に付着したカビやホコリは取り除く機能ではないという注釈が。

三菱電機 霧ヶ峰
「風がニオってきたら業者掃除が必要です」

1つ目の質問をすると、「あ、その機能の話ね」という感じで慣れた対応だった三菱電機のオペレーター。2つ目の質問では「出てくる風がニオってきたら、業者の掃除が必要です」とのことでした。対してサイトでは、小さな文字で「お手入れが必要」との文言が……。

三菱電機(MITSUBISHI ELECTRIC):霧ヶ峰:Zシリーズ:エアコン

三菱電機(MITSUBISHI ELECTRIC)
霧ヶ峰
Zシリーズ
実勢価格:16万8900円

サイズ:295×799×385mm
質量:15kg
※こちらの商品は販売終了となっております

評価はこちら
[公式サイト]
わかりやすさ    ★★★☆☆
ホンネ度    ★★★★☆

[三菱電機 お客さま相談センター]
わかりやすさ    ★★★★★
ホンネ度    ★★★★★

※画像は三菱電機公式ホームページより。

サイト内の注釈※15に定期的なお手入れを推奨する記載あり。

富士通ゼネラル ノクリア
「2年に1度は掃除をしてください」

富士通のオペレーターは、「目安は2年に一度!カビには対応していません」とフィルター洗浄のみなので、業者洗浄の必要性があることを語ってくれました。

富士通ゼネラル:ノクリア:Xシリーズ:エアコン

富士通ゼネラル
ノクリア
Xシリーズ
実勢価格:15万7302円

サイズ:293×786×378mm
質量:17.5kg

評価はこちら
[公式サイト]
わかりやすさ    ★★★☆☆
ホンネ度    ★★★★☆

[富士通ゼネラルコールセンター]
わかりやすさ    ★★★★☆
ホンネ度    ★★★★★

パナソニック エオリア
「定期的な業者掃除は必要ではない」

最後はパナソニック。オペレーターは「定期的に業者の掃除が絶対必要とはお伝えしてません」と、業者清掃がマストとはいいませんでしたが、掃除の必要性は説いてくれました。

パナソニック(Panasonic):エオリア:エアコン

パナソニック(Panasonic)
エオリア


評価はこちら
[公式サイト]
わかりやすさ    ★★★☆☆
ホンネ度    ★★★☆☆

[パナソニックエアコンご相談窓口]
わかりやすさ    ★★★★☆
ホンネ度    ★★★☆☆

大手メーカー6社を直撃した結果は
「業者によるクリーニングは必要」

大手6社の電話取材した結果は、いずれの会社も想像通り、言いまわしや見解に多少の差こそあれ、メーカーホームページではあまり語られていない「業者によるクリーニングが本当は必要」という事実をわかりやすく説明してくれました。

さすがは一流家電メーカーのオペレーター。どこの問い合わせ窓口も文句なしで優秀です。そして、本来言いにくいことであるはずの業者クリーニングの必要性も(多少オブラートに包むことはあっても)しっかり明言してくれ、サイトに書かれていない情報もスラスラ答えていたのが印象的でした。

対して、サイトでの説明は不親切ということも明確に。サイトによっては自動おそうじ機能を声高にアピールしているにも関わらず、その必要性が語られるケースも少なく、業者にお願いするタイミングの基準はもとより、業者による清掃の必要性に触れていない会社すらあったのも事実です。

では実際のところ、本当にエアコンは業者クリーニングが必要なまでに汚くなってしまうのでしょうか? 早速、2つ目の調査を行うことにします。

自動おそうじ機能だけではダメ?
結果はやはり業者掃除は必要!

2つ目の調査は、5年間使った「自動おそうじ機能」付きエアコン(自分でお手入れ&業者清掃はなしの状態)を丸裸にして、その効果を見てみることに。「自動」を信じて5年! はたしてその結果は……。

フィルター

おそうじ機能が働いているフィルターも、フォローしようがないほど見事に汚れていました。

換気口

通風口の汚れは目を背けたくなるレベル。ホコリに加えてカビもびっしり付着しています。

開けてみると、エアコンはホコリとカビで真っ黒! おそうじ機能の付いていない通風内はもちろんのこと、自動で掃除してくれていたはずのフィルター部分も真っ黒という結果でした。

自動おそうじ機能搭載モデルでも、一切ケアしないと、とにかく汚く、こんな変わり果てた姿になってしまうことが判明。これで「自動おそうじ機能」の効果はほとんどないということが明らかになりました。

宣伝では声高に語られる「自動おそうじ機能」の実力は、正直期待外れという結論に。この機能があっても、日々のケアや業者による掃除は必須といえそうです。

最後はクリーニング業者を直撃!
プロいわく「おそうじ機能は不要」とのこと

最後の調査は、現役バリバリの大手エアコンクリーニング業者Aさんへの直撃取材です。メーカーのサイトのどこを見ても「環境による違いがあるから」というような理由で、クリーニングのタイミングは説明されていません。まずは、このことをAさんに確認することにします。

すると、「2年に1度は業者に頼むべき」という明確な回答が。また、「自動おそうじ機能」では通風口の掃除はできないのですが、「カビの温床になるので最もキレイにしないといけないのが通風口。ココこそ、掃除すべきなんです」と、だいぶ滑らかな口調でAさんは語ってくれました。

2年に1度を基本として、見える所が汚くなっていたら業者を呼ぶタイミングです。

そういえば、調査1で三菱のオペレーターが「出てくる風がニオってきたらお掃除のタイミング」といっていたことを思い出し、これは問題ないのか? ということについても聞いてみました。

すると、「風にニオイがつくようでは相当重症」とのこと。このレベルまでくると喘息やアレルギーなど健康被害も心配になるといいます。目に見える所が汚ければ中はもっと酷い状態と思うべきで、ニオイが気になりだしてからでは遅いため、基本2年に1度はプロに任せるものと理解しておくべきだと判明しました。

なるほど、と納得していると、「あまり知られていませんが、自動おそうじ機能が付いたモデルの方が業者の費用が高いんですよ」と、Aさんはさらなる衝撃的な事実を教えてくれました。「もちろん自動おそうじ機能が付いていないものは、1週間に1回程度自分でフィルターの掃除をする必要があり面倒ですが、その手間を考えても私が、『機能付き』をオススメすることはありませんね」とまで。

聞けば、おそうじ機能がある機種のクリーニングはエアコンを外して行うそうで、手間など考えると費用が高くなるのも当然とのこと。そのうえ、機能があってもなくても業者に掃除を頼むのは同じ頻度というから、「自動おそうじ機能」付きはコスパが悪すぎるということに!

3つ目の調査結果は、Aさんのこの最後の言葉がすべてを物語るように、プロ目線では「おそうじ機能は不要」ということに。むしろ機能が付いていると、かえってお金がかかってしまうという、大きなデメリットまでもが明らかになりました。

「おそうじ機能」3つの調査の結果
“掃除しなくてイイ”はウソでした

これまでを振り返ってみると、なんだかツッコミどころばかりだった「自動おそうじ機能」。実施した3つの調査結果をまとめると、「業者の掃除はいずれ必要」という結論に至りました。

CMで猛烈アピールしている「掃除しなくてイイんです!」はウソでした。

お手入れの負担軽減には役立つものの、業者の掃除はどちらにせよ必須で、しかもクリーニング費用が高い「自動おそうじ機能」付きエアコン。どう考えても、この機能付きを選ぶメリットは少ない! と声を大にしていいたくなった今回の調査でした。

ちなみに、Aさんがすすめる「自動おそうじ機能なし」モデルは圧倒的に少ないのが現実。「機能なしの方がいいのにそれが絶滅危惧種ってどういうことよ! 」と、強く言いたいところですが、それはいったん置いといて、メーカーさん、安くて良いモデルもっと増やしてください!