安いけど良いものを目指す「ドンキPB」を徹底検証!
「広告なしのガチ検証」を掲げて日々さまざまな家電をテストして紹介している『家電批評』。ありがたいことに、その検証を信頼して「うちの製品をぜひ検証してください!」という持ち込み企画をいただくこともあります。
昨年はディスカウントストアの代名詞的存在の「ドン・キホーテ」から、「ドンキPB家電、まるっと検証してみませんか?」という挑戦状が届き、ドン・キホーテ対『家電批評』の全面対決が実現。
結果は、ドン・キホーテの2勝3敗と惜しくも負け越しに終わりました。
そんなドン・キホーテから、「負けたままでは終われない!」と、今年も挑戦状が届きました!
ドン・キホーテはここ最近、かなりPB製品の開発に力を入れ、2023年もPB製品の売上高は好調。家電分野でも、大手メーカーと共同開発した製品を続々と販売するなど本気度がうかがえます。
今回の検証製品の候補たちを確認したところ、「今年はどうやら一筋縄ではいかなさそうだ……」と『家電批評』編集部もザワつくラインナップです。
「ドンキPB」とは?
そもそも「ドンキPB」とは何かというと、一般的に「PB」は、小売店が独自に企画・販売することでコストを抑え、価格を安く販売する「プライベートブランド」の略です。ですが、ドン・キホーテは「コストは抑えるけど顧客の目線も入れて、顧客と一緒に製品を創り上げていく」という意味を込めて「ピープルブランド」と呼んでいるのだとか。そんな「ドンキPB」は、ユーザーからのダメ出しを反映しつつ、改良と開発を続けています。取り扱いする製品ジャンルは200近く。家電や食品、日用雑貨の他にも美容製品まで幅広い取り扱いも魅力のひとつとなっています。
「ドンキPB」の種類は?
▼情熱価格
「情熱価格」は食品から日用雑貨をはじめ、多種多様な製品を取り扱うドンキのPBブランド。価格の安さを前提にしつつも、驚きを付加したドン・キホーテらしい商品開発を目標としています。
▼ACTIVEGEAR
スポーツシーンの悩みを解決し、快適にするビギナー向けのスポーツ用品ブランド。フィットネス機器やリラクゼーション家電商品も展開。
▼greenstage
アウトドア初心者向けのブランド。各種ギアを中心に、ボタン一つで温冷切り替え可能な夏冬兼用のネックバンドなど家電もラインナップしています。
「情熱価格」は保証もしっかり!
「情熱価格」の家電製品は、電子マネー「majica」に入会すると、通常1年保証が2年保証になるという特典があります。購入後の会員加入であっても2年保証が適用されるので、保証も手厚いです。
ドンキPBの新製品「スチームオーブンレンジ」の実力は?
今回検証するのは、ドンキPBのなかでもとくに注目のアイテム、情熱価格「26L スチーム オーブンレンジ」です。
スチーム機能付きの高機能製品ながら税込価格3万2780円(検証時点)という、にわかには信じがたい価格。本当においしく調理できるのか、それともただの電子レンジなのか、実力が気になります。
そこで、品質は納得いくものになっているのか、料理の仕上がりやスチーム機能をプロ2名と検証しました。
情熱価格「26L スチームオーブンレンジ」
- 情熱価格26L スチームオーブンレンジ
- 検証時価格: ¥32,780〜
情熱価格「26L スチームオーブンレンジ」は、家庭用サイズの多機能レンジ。スチームならではのふっくらとした料理の仕上がりは実現できるのでしょうか?
- 幅
- 48cm(約)
- 奥行(取っ手を含む)
- 44cm(約)
- 高さ
- 35cm(約)
- 重量
- 17kg(約)
- 定格出力
- 600W
- 機能
- レンジ・スチームオーブン
- メニュー数
- 20種
スチームオーブンレンジの検証方法
検証方法:レンジ・スチーム・オーブン機能を使って温めや調理を実施
弁当やフライなどの温め、ノンフライカツやグラタンなどの調理を計7通り試し、仕上がりを評価しました。
▼スチーム機能は水を入れたカップを庫内にセットするタイプ
本製品のスチーム機能は、高温の蒸気で調理するというより、庫内に湿度を与えて食材の乾燥を防ぐ簡易スチーム式です。
それではテスト結果を見てみましょう。
スチームオーブンレンジの検証結果は?
1:仕上がり
・解凍(レンジ):合格
全解凍は一部凍っていましたが、半解凍の仕上がりは○でした!
・鮭の塩焼き(スチーム):優秀
香ばしさはないものの、しっとりふっくら食感に仕上がりました。
・トースト(オーブン):微妙
乾燥して硬い仕上がり。トーストの調理にスチームを用いない点に疑問が残ります。途中でパンをひっくり返すのも手間でした。
・カツ(スチーム):微妙
肉への火の通りはよいが、衣が油っぽいです。
2:操作性
操作はシンプルですが、不満点も多くありました。
・トレイが熱で歪んでしまった
数回の使用で金属トレイが変形してしまいました。
・メニュー番号が庫内に記載されている
扉を閉じたり、食材を置いたりすると見えなくなってしまいます。
3:温度センサー
庫内奥に温度センサーを搭載していますが、説明書どおりの加熱をしても不十分なことも。加熱の微調整ができているかは疑問です。
庫内の温度を感知するだけなので、スチームの出る量やタイミングをコントロールできません。
検証まとめ:レンジとしての機能は平凡でした
情熱価格「26L スチームオーブンレンジ」
- 情熱価格26L スチームオーブンレンジ
- 検証時価格: ¥32,780〜
- 総合評価
情熱価格「26L スチームオーブンレンジ」を検証した結果、レンジ機能は合格レベルです。
スチーム機能では、鮭の塩焼きはうまく蒸し焼きされて高評価でしたが、同じくスチームによるフライ温めとカツは、食材の配置によって衣のサクサク感が損なわれるなど、加熱ムラを疑わせる仕上がりに。
オーブン機能で作ったグラタンは、プロ2名とも「加熱不足」と厳しい評価でした。
加熱の精度があと一歩で、せっかくのスチーム機能が生かしきれず、全体的に完成度が低いと言わざるを得ない結果となりました。
レンジやオーブン機能は出力と加熱時間を調整すれば活用できるとしても、レシピは下準備に手間がかかるものも。一台に集約した機能を活用できていない印象というのが、残念ながら今回の結論です。
以上、情熱価格「26L スチームオーブンレンジ」の検証でした。スチームオーブンレンジをお探しの方は、参考にしてみてください。
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スチームカップの近くに置いた食材は、衣の仕上がりがフニャッとしていました。