キヤノンから新しいVLOG用カメラが登場!
自分の日常や興味のあることを動画で記録し、誰でも手軽に始められる人気のVLOG。キヤノンから、そんなVLOG用コンパクトデジタルカメラの新型モデルキヤノン「PowerShot V1」が登場しました。
そこで雑誌『家電批評』編集部では、VLOGカメラとして人気のソニーVLOGCAMシリーズの「VLOGCAM ZV-1 II」と比較しながら、キヤノン「PowerShot V1」の実力をプロと一緒にチェックしていきます。
キヤノンの本気を感じる最新スペック搭載コンデジ
キヤノン「PowerShot V1」
- キヤノンPowerShot V1
- 実勢価格: ¥145,900〜
- 画質
- 機能
- 使い勝手
- サイズ・重量
- コスパ
- おすすめポイント
-
- AF性能の高さが驚異的
- どんなシーンもオートで撮れる
- 暗いシーンに強い
- がっかりポイント
-
- フィルター操作が少し煩雑
- 幅
- 118.3mm(約)
- 奥行
- 52.5mm(約)
- 高さ
- 68.0mm(約)
- 重量
- 426g(約)
- センサー
- 1.4型
- 有効画素数(写真)
- 2230万画素(約)
- 有効画素数(動画)
- 4K(3840×2160(最大サイズ)) 1870万画素(約)
- 型番
- POWERSHOT V1
手のひらサイズのコンパクトボディ
コンパクトカメラとしてみると、少し大きめですが、カメラを構えたときに安定するちょうどいいサイズ感といえます。
1.4型センサーを搭載し画質を向上
コンパクトデジカメで主流の1型ではなく、1.4型CMOSセンサーを搭載。大きなセンサーサイズは、豊かな階調表現や暗いシーンで有利です。
自撮りも簡単バリアングル液晶
背面モニターは3型タッチ液晶(約104万ドット)を搭載。モニターの位置を自由に動かせるバリアングル液晶は自撮り時にも◎。
キヤノン トライポッドグリップ HG-100TBR
- キヤノントライポッドグリップ HG-100TBR
- 実勢価格: ¥9,625〜
- 幅
- 38.6mm(約、グリップ状態)、172.4mm(約、三脚状態)
- 奥行
- 43.4mm(約、グリップ状態)、174.1mm(約、三脚状態)
- 高さ
- 190mm(約、グリップ状態)、148.5mm(約、三脚状態)
- 重量
- 179g(約、本体及びBR-E1)
- 型番
- 4157C001AA
定番ソニーVLOGCAMと徹底比較
ソニー「VLOGCAM ZV-1 II」
- ソニーVLOGCAM ZV-1 II
- 実勢価格: ¥105,090〜
- 幅
- 105.5mm(約)
- 奥行
- 46.7mm(約)
- 高さ
- 60.0mm(約)
- 重量
- 292g(約)
- センサー
- 1.0型
- 有効画素数(写真)
- 2010万画素(約)
- 有効画素数(動画)
- 4K(3840×2160) 1680万画素(約)
- 型番
- ZV-1M2(B)
動画AFの精度やオートモードの完成度を検証!
【AF性能:優秀】捉えたら外さないAF追尾性能がスゴすぎです
キヤノン「PowerShot V1」のAF性能は、同じキヤノン社の一眼カメラと同等レベルの高精度かつ高速なもので、どんな被写体にも瞬時にピントが合います。
人物やペットなど被写体が激しく動いても驚くほどしっかりと追従し、後ろを向いてもピントを外さない点は非常に優秀です。
印象的だったのは水族館でのシーン。ピントを合わせていた魚が一瞬別の魚に隠れたにもかかわらず、AFはしっかりと元の魚を追い続けていました。
被写体検出は人物・犬・猫に限られますが、タッチで指定すれば他の被写体にも追従可能です。
このAF性能だけでも、キヤノン「PowerShot V1」を選ぶ十分な理由になると感じました。
画面内の被写体をタッチすれば、ピントが合い続けます。
一度ピントが合ったら、激しく動く被写体でもしっかり追従。
向かってくる電車にもビタッと合います
電車などの高速に動く被写体でも絶えずピントが合います。
【露出コントロール:優秀】逆光に強く、大きな輝度差も即座に対応
輝度差の大きなシーンでも
すぐに露出が合います
屋外から店内に入る際など、即座に露出を合わせてくれるのは便利です。
全体的にバランスのいい明るさ
キヤノン「PowerShot V1」は、逆光時の露出コントロールが非常に優秀で、暗くなりがちな被写体もしっかりと適切な明るさで写し出されます。
惜しい! もう少し明るくしたい
ソニー「VLOGCAM ZV-1 II」も被写体を明るくしていますが、キヤノン「PowerShot V1」ほど適切な明るさにはなっていません。
【全自動撮影:優秀】オートが優秀! すべてこれで撮ればOK
キヤノン「PowerShot V1」のモードダイヤルにある「A+」(シーンインテリジェントオート)は、いわゆる全自動撮影モードで、日常のあらゆるシーンに対応できる万能な撮影モードです。
カメラが被写体や状況を自動的に解析し、シャッタースピードや露出、色合いといった設定を最適化。撮影者がどう撮りたいかを予測して、シーンに合った仕上がりにしてくれます。
例えば人物撮影では、顔や瞳を自動で検出してピントを合わせてくれますし、動きのある被写体や暗所、逆光といった難しい環境でも、シャッターボタンを押すだけでキレイに仕上がるのは非常に心強いポイントです。
写真・動画どちらにも対応しているので、基本はここに設定しておけばOKです。
桜のような淡い色合いもキレイに表現。ボケも滑らかで美しい。
モードダイヤルをA+に設定
暗いシーンも色鮮やかに!
VLOGや日常撮影なら、オートが失敗なくておすすめです。
【高感度性能:優秀】薄暗いシーンでもキレイに撮れる
キヤノン「PowerShot V1」は、センサーが1型から1.4型に大型化したことで、暗所での画質が大幅に向上しました。
動画撮影時には常用ISO12800(拡張ISO25600)、静止画撮影時には常用ISO32000(拡張ISO 51200)相当に対応しています。
ここでは、ISO感度の性能を確認するために、薄明かりのシーンで撮影しました。
ペンギンの作例は、どちらもISO12800で撮影したものです。
見比べるとキヤノン「PowerShot V1」はノイズを抑えているだけでなく、毛の質感や背景の岩肌までしっかり再現されています。
この性能はスゴい!
写真も高感度に強く、夜景など暗いシーンで画質を維持します。手ブレ補正と相まって、手持ちで夜景スナップが簡単に撮れます。
ISO12800でここまで画質が落ちないのは驚きの暗所性能です。そしてこの暗さでAFがしっかり反応するのもスゴいと思います。
キヤノン「PowerShot V1」では、画質の劣化が抑えられているだけでなく、目視より明るく撮れています。
ソニー「VLOGCAM ZV-1 II」では、ノイズは抑えていますがディテールが失われています。明るさも足りません。
【レビューモード:優秀】手前のものにピントが合う
差し出したものにすぐにピントが合う
自分の前に出したものにすぐにピントが合い、引っ込めるとまた顔にピントが合いました。ピントの合う速度がとても速く、これは使えるモードです。
頭からピントが外れません
「A+」モードは顔にピントを合わせたままそれを維持してくれますが、上画像のようなシーンではそれが逆効果に……。
手前にものを出しても顔からピントが外れません。
【ズーム:良好】ボケ加減もいい感じです
ズームを望遠側いっぱいにして被写体に寄ると背景がキレイにボケます。スマホでは難しい自然なボケで、被写体に立体感が出ます。
ボケの質が滑らかでキレイです
ボケがキレイに変化するのがわかります
【手ブレ補正:優秀】手ブレ補正が強力でジンバルが不要かも!
キヤノン「PowerShot V1」は、わずかに揺れが残るものの、歩行に合わせて生じる上下の大きな揺れや細かな振動をしっかりと抑えており、不快な手ブレはまったく感じませんでした。
一方、ソニー「VLOGCAM ZV-1 II」も上下の揺れにはしっかりと対応していますが、歩くときの振動が、微振動として映像に残るシーンがあり、視聴中にやや見づらさを感じる場面もありました。
カメラの揺れを止める意識はせず、歩きながら撮影しました。不安定な状態でもブレがないのは凄いです。
揺れが少なく滑らかです
キヤノン「PowerShot V1」は、ゆったりとした揺れは感じますが、むしろ歩き撮りの臨場感が残っていい感じです。
歩行に合わせて微振動します
ソニー「VLOGCAM ZV-1 II」は、歩くときの振動を完全に補正できていないシーンもありました。
小走り程度なら、ブレを気にせず撮影できます。
【画角:良好】画角はどうか?
17mmは適度な広さでさまざまなシーンで使いやすく、52mmは被写体に意識が行く画角。FHDの動画なら10倍までデジタルズームが使えます。
【スマホとの連携:良好】
専用アプリ「Camera Connect」で、撮影画像を閲覧したり転送したりできます。
【シンプルな操作系:良好】
ダイヤル類はモードダイヤルだけ。動画と静止画の切り替えがレバーなのもいいです。
【バッテリーの持ち:良好】
対応バッテリーは一眼カメラのキヤノン「EOS R8」などと同じ。4K動画を約1時間撮れます。
【フィルター機能:合格】フィルターは2つのモードに分かれています
オールドムービーやジオラマなど、映像を加工をするようなフィルターはSNCモードから行い、色みを変えるカラーフィルターはPモードで行います。この点を覚えるまでは使いにくく感じるかもしれません。
SNCモードのファンタジーで撮影
Pモードのカラーフィルターで撮影
まとめ:ソニーに代わる新定番、VLOGや普段使いに最適な一台
驚きのAF性能と描写力! 動画はこのカメラに全てお任せ!
キヤノン「PowerShot V1」は、想像以上に魅力的な仕上がりでした。Vシリーズなので動画撮影をメインにしたカメラではありますが、ボディ形状はしっかりとカメラらしいデザインで、写真撮影も快適。画質も非常に満足度が高いです。
なかでも驚かされたのがAFの追従性能。同じキヤノン社の一眼カメラ「EOS R8」と同等か、それ以上とも感じられるレベルで、コンパクトカメラとしては驚異的です。さらに、暗所での画質も非常に優秀でしたし、自撮り用のレビューモードも使いやすく、SNSによくアップする人には重宝する機能だと感じました。
日常を記録するVLOGカメラとしてはもちろん、街スナップや旅行に持って行くのにちょうどいいカメラです。これまでVLOGカメラといえばソニーという印象でしたが、今後はキヤノンが定番になりそうです。
以上、キヤノン「PowerShot V1」の紹介でした。
気になった人は、ぜひチェックしてみてください。
暗所での画質を含めても最新の一眼カメラと同等の画質です。これに、どんなシーンもきれいに撮れてしまうオートモードが加わり完璧です!