価格帯違いのサウンドバーの音質はどの程度違うのか?
安いサウンドバーだと低音がもの足りない……という方におすすめなのが、高級サウンドバー。
Sonos(ソノス)から登場した「Sonos Arc Ultra」は、新技術を搭載した迫力ある低音で注目されているサウンドバーです。
そこで今回は、この製品を検証するにあたり同価格帯の比較ではなく、より高い20万円クラスのゼンハイザー「AMBEO Soundbar Plus」と比較。異なる価格帯での音質差を検証します。
Sonos「Sonos Arc Ultra」は、どんな製品?
テレビの大型化に合わせて没入感を重視した小型ながら重低音がスゴいサウンドバーです。
14ものドライバーを15基のアンプで制御
ツイーター7基とミッドウーファー6基にSound Motionを加えた14ドライバーを15基のアンプで制御しています。
独特な長方形型ウーファーを搭載
2基のウーファーが上下に向かい合う新技術のSound Motionウーファーで重低音を実現。
価格帯が違う高級サウンドバー2製品を聴き比べ!
Sonosから新登場の15万円クラス製品を、20万円クラスのゼンハイザーと比較してみました。
テスト方法は?
識者とともにBD作品で映像の音質を評価しました。さらに、音楽配信の空間オーディオ対応楽曲で、音楽の音質を確認しました。これらに加え、使い勝手の評価を加えて総合得点を算出しています。
検証項目はこちら!
音質(映像):BD映画作品を再生し、高域・中域・低域の音質に加え、解像度(情報量)、音の広がり(左右・高さ方向)、声(セリフ)の聞き取りやすさを確認しました。
音質(音楽):スマホから空間オーディオ対応楽曲をストリーミングし、高域・中域・低域の音質や解像度(情報量)、音の広がり(左右・高さ方向)を検証しました。
使い勝手:設置や初期設定のしやすさ、本体の操作性、専用アプリのわかりやすさや使いやすさなどを、編集部が総合的に評価しました。
高級サウンドバーの実力は?
Sonos「Sonos Arc Ultra」
- SonosSonos Arc Ultra
- 実勢価格: ¥148,000〜
- 音質(映像)
- 音質(音楽)
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- サブウーファーがなくても
- 背面までしっかり回り込む音
- アプリ経由で音楽配信を最適化
- がっかりポイント
-
- 初期設定がやや面倒くさい
- 幅
- 1178mm
- 奥行
- 110.6mm
- 高さ
- 75mm
- 重量
- 5.9kg
- 型番
- ARC ULTRA BLACK
【音質】しっかりした低音により確かに没入感が別次元!
しっかりした低音があるので、シーンごとの情景まで感じ取れます。音楽ではやや中低域が盛られる感があるものの、心地よく楽しめます。
低域と立体音響で没入感が別次元です。
スリムなサウンドバーからは想像もできない、高い質の低域を出す。『トップガン・マーベリック』を視聴したが、ジェット機のエンジン音が本物らしく聞こえるほどだった。セリフの重心も下がり、トムクルーズの声もいつになく渋く聞こえる。さらに上下方向を含む立体音響の展開は予想以上で、左右はもちろん上下、前後ともライバルを大きく凌ぐ再現能力。特に上下への展開の広さは特筆ものだ。
【使い勝手】端子
【使い勝手】専用アプリで手軽に操作可能
サブウーファー&リアスピーカーでさらにパワーアップできる!
【使い勝手】単純明快でわかりやすい操作とアプリ! アプリ経由で音楽配信も高音質に
バー上部をタッチ&スライドで操作
普段使っている音楽配信が利用可能
本体上部をタップ&スライドで再生・停止や音量を操作できるほか、専用アプリも利用可能。アプリ経由で音楽配信を利用するれば、本製品に最適化された音質で楽しめます。
【ここはマイナス】絶対にやったほうがいいけれどTrueplayのチューニングは失敗しがち
専用アプリで部屋の壁や家具などからの音の反射を測定し、音質を向上できる機能が「Trueplay」です。絶対に行うべきなのですが、これがなかなかうまくいかず……。沈黙必須&エラー連発で何度もやり直しました。
ゼンハイザー「AMBEO Soundbar Plus」
- ゼンハイザーAMBEO Soundbar Plus
- 実勢価格: ¥220,000〜
- 音質(映像)
- 音質(音楽)
- 使い勝手
- おすすめポイント
-
- 真横まで回り込むサラウンドの音場が素晴らしい
- 巧みに調整された音質で音の情報量も多め
- アプリだけでなくリモコン付属で操作しやすい
- がっかりポイント
-
- サブウーファー必須なのか低音が物足りない
- 幅
- 1051mm
- 奥行
- 121mm
- 高さ
- 77mm(足あり)
- 重量
- 6.3kg(約)
- 型番
- 700147
左右方向の広がりは素晴らしく、サラウンド音場も真横に回り込むが、後方までの展開は期待できない。極めて横に広くサイズを超えた豊かな音だが、惜しまれるのは低域の質、量ともに控えめなことだ。ゼンハイザーを選ぶならオプションのサブウーファーの導入がおすすめ。本体だけでは低音の再生能力が不足しがちだ。
【音質】
【使い勝手】端子も豊富
【使い勝手】リモコンでもアプリでも操作可能
リモコン付属で手軽に操作
イコライザーで好みの音質に調整
「Smart Control」アプリで操作や音のカスタマイズができるほか、AirPlay 2やSpotify Connect、TIDAL Connectなどを利用したストリーミングが可能。なお、リモコンも付属しています。
Sonosはサブウーファーとリアスピーカーで音響を拡張できる
サウンドバー1本であれだけの音が出せる「Sonos Arc Ultra」なら、Sonosのサブウーファーとリアスピーカーがあれば超スゴいのでは? ということで試してみました。どちらもWi-Fi接続なので配線は電源コードのみでOKです。また、リアスーピーカーの設置には専用のスタンドを使用しています。
その結果、高さ方向の広がりや情報量の多さは満点超え。でも、想像以上の激的な変化はありませんでした。
サブウーファー&リアスピーカーでさらに臨場感は増すけれど、サウンドバー単体で十分すぎる満足感です。
サブウーファー「Sonos Sub 4」
- SonosSonos Sub 4
- 実勢価格: ¥99,818〜
Sonos「Sonos Sub 4」の追加で低域の質と量が高まるのはもちろん、「Sonos Arc Ultra」のウーファーが受け持つ音が軽減され、セリフや低域を伴う移動音がより明瞭になりました。
- 幅
- 402mm
- 奥行
- 158mm
- 高さ
- 389mm
- 重量
- 11.79kg
- 型番
- SUB 4 BLACK
リアスピーカー「Sonos Era 100」
リアスピーカーSonos「Sonos Era 100」により、前後の音の動きの方向感が段違いに。音楽では空間オーディオ対応楽曲の再生能力の高さは特筆ものです。
- 幅
- 120mm
- 奥行
- 130.5mm
- 高さ
- 182.5mm
- 重量
- 2.02kg
- 型番
- E10G1JP1BLK
スピーカースタンド「Sonos Era 100 Stand」
- SonosSonos Era 100 Stand
- 実勢価格: ¥28,873〜
- 高さ
- 910mm
- 重量
- 4.55kg
- 型番
- E10SPWW1BLK
サブウーファーとリアスピーカーを試した結果は?
【音質】激的には変わらないが情報量や高さ方向の広がりは満点以上!
「Sonos Arc Ultra」単体と、「Sonos Arc Ultra」+サブウーファー「Sonos Sub 4」+リアスピーカー「Sonos Era 100」+スピーカースタンド「Sonos Era 100 Stand」の組み合わせた場合の音質を比較してみました。
サブウーファーを追加したことで低域の質と迫力が向上。さらに、リアスピーカーも足されたことで、全体的な解像度や高さ方向のサラウンドが豊になり臨場感が向上しました。ユニットの追加による設定やチューニングのやり直しは手間ですが、映画や空間オーディオ向けに最高の質を実現できます。
ただし、設定や再チューニングの手間がやや面倒に感じられました。
このセットアップで実際に試聴したが、コストがかかっているだけあって、最高の質を実現できる。映画向けとしてとても良い選択だが、最近配信がどんどん増えている空間オーディオ対応の楽曲を楽しむにもとても良いだろう。ただ、ここまでコストかけるのであれば、リアスピーカーには上位モデルの「Era300」を選んで欲しい。より濃密で高さ方向に広い音場でコンテンツを楽しむことができるからだ。コストをかけるのなら思い切ってやりきってしまったほう満足度は高いだろう。
【まとめ】ホームシアター入門用に「Sonos Arc Ultra」は最適
以上、Sonos「Sonos Arc Ultra」をゼンハイザー「AMBEO Soundbar Plus」と比較した結果の紹介でした。
今回の検証でベストバイとなったのは、15万円クラスのソノス「Sonos Arc Ultra」。前評判どおりの重低音はもちろんですが、本田さんがそれ以上に評価したのが「サラウンド」です。
サブウーファーとリアスピーカーを追加しても、サウンドバー単体のときに比べて思っていた以上にサラウンド感に違いが出ませんでした。つまり、サウンドバー単体で、かなりサラウンド性能が高いということ。
スリムな本体で重低音も含めた豊かな音が楽しめ、方向感のある明瞭なサラウンド空間を実現できます。価格面でも近年の円安を考慮すれば、十分お買い得な製品といえます。
サラウンドスピーカーやサブウーファーは後から買い足せ、ホームシアター入門用として最適。単体でも十分満足できるので、まずはサウンドバーのみから始めるのがおすすめです。
ゼンハイザー「AMBEO Soundbar Plus」も横に広がる豊かなサウンドでしたが、低域の質と量が物足りず。サブウーファーとの組み合わせが前提かもしれないです。
記事を参考にお気に入りを見つけてください。
ゼンハイザーも十分よい製品です。サブウーファー があれば評価もガラリと違ったでしょう。
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価格帯の違う2製品の音質を、映像・音楽の2種類で聞き比べて評価しました。