AV機器サウンドバーはデスクトップPCでも大活躍

サウンドバーはデスクトップPCでも大活躍 サウンドバーおすすめ イメージ

テレビにつなぐだけで手軽に音質向上が図れるサウンドバー。近年は低価格帯のモデルでもドルビーアトモスに対応するなど音質が向上し、コスパが高まっています。

さらに最近では、PCモニターの前に置いてデスクトップの音質を強化する使い方も注目されているんです。

そんな低価格帯のサウンドバー。「家電批評」1月号では老舗デノン「DHT-S218​」がベストバイを獲得。その後、アマゾンが鳴り物入りで市場に投入してきたのがアマゾン「Fire TV Soundbar Plus」です。

3万円台前半とデノン同様の手頃な価格帯ながら、ドルビーアトモスやDTS:Xなどのサラウンドサウンドにも対応。今回は同製品の実力をチェックすべく、前回ベストバイのデノン「DHT-S218​」と徹底比較しました。

単純な音質だけでなく、映画や音楽、テレビ番組など、得意なコンテンツも聴き比べてテストしました。

1月号ベストバイのデノン「DHT-S218​」と徹底比較!

どんなコンテンツも良音化!
どんなコンテンツも良音化! サウンドバーおすすめ イメージ

デノン
DHT-S218
実勢価格▶▶3万1509円

Amazon純正の新製品!
Amazon純正の新製品! サウンドバーおすすめ イメージ

Amazon
Fire TV Soundbar Plus
実勢価格▶3万4800円

テスト方法

専門家がじっくり聴き比べて採点

テレビとPCで映画、音楽、テレビやYouTubeの動画を再生して聴き比べ、音質を低域〜高域やサラウンド感などの項目に分けて識者と採点しました。

リモコンの操作感も検証し、操作性もチェックしています。なお、今回はアプリを搭載した製品はなかったので、アプリは採点していません。

PCでの使用に向いているかもチェックします
PCでの使用に向いているかもチェックします サウンドバーおすすめ イメージ

サウンドバーをPCで使用する例も増えていることから、今回はPCでの使用感も識者と検証しました。

Amazon新製品を詳しくチェック

テレビにつないですぐに使える

テレビにつないですぐに使える サウンドバーおすすめ イメージ

入出力端子は光デジタル、HDMI、USB-A、電源ポートのみ。セットアップは非常にシンプルで、HDMIケーブルと電源ケーブルをつなげばすぐに音が出ます。初心者にもセットアップがしやすいのは高評価です。

一方、リモコンの操作は煩わしさを感じる要素が多く、使いやすいとはいえません。AmazonのSTBを使っているなら、そちらのリモコンの使用をおすすめします。

本体のボタンは5つ
本体のボタンは5つ サウンドバーおすすめ イメージ

天面にある5つのボタンは電源、入力切り替え、Bluetoothや音量調節などの機能を備えています。

前面LEDで現在の設定を把握

本体のボタンは5つ サウンドバーおすすめ イメージ2

ボタンやリモコン操作をすると前面のLEDが反応。ただし現在の設定を点灯のみで表示するためわかりにくい。

【ここが惜しい!】リモコンの操作性は微妙
【ここが惜しい!】リモコンの操作性は微妙 サウンドバーおすすめ イメージ

ボタンを押すたびに音声ガイダンスが流れ煩わしく感じます(OFFは可能)。高音・低音レベルの調整は一方通行で、下げたい場合は一度最高まで上げる必要があり面倒。

「Fire TV」シリーズのSTBとも連携可能
「Fire TV」シリーズのSTBとも連携可能 サウンドバーおすすめ イメージ

Amazon
Fire TV Stick HD
実勢価格▶6980円

「Fire TV」シリーズのSTBとも連携可能 サウンドバーおすすめ イメージ2

Amazon
Fire TV Cube
実勢価格▶1万9980円

テレビにFire TVシリーズのSTB(セットトップボックス)がつながっている場合は、Fire TVの設定画面からサウンドバーの設定ができ便利。ただし、コンテンツの再生中に低音などの設定を変えたい場合はサウンドバーのリモコンで操作する必要があります。

スペック比較はDENONが優位
スペック比較はDENONが優位 サウンドバーおすすめ イメージ

Q:よく聞く「Dolby Atmos」って何なの?

Q:よく聞く「Dolby Atmos」って何なの? サウンドバーおすすめ イメージ
A. 映画や音楽などで使われる立体音響技術です

通常、サラウンド感のある音響を実現するには映画館のような複数のスピーカーが必要ですが、それを少ないスピー カーで実現した立体音響技術がDolby Atmosです。

本田雅一 氏
AV評論家
本田雅一 氏 のコメント

コンテンツと機器の両方がDolby Atmosに対応している必要があります。

アマゾンの新製品はとにかくつくりがシンプルで、セットアップで迷いません。初心者でもすぐに使い始められるでしょう。Fire TVのSTBを持っているなら、STB側のリモコンでサウンドバーの設定ができて便利です。

一方で、リモコンの操作性は低く、ボタンを押すたびに音声ガイダンスが映像のセリフなどをミュートしながら流れるので視聴が中断されます。音声ガイダンスはオフにできますが、そうすると本体前面のLED点灯だけでは現在の設定がわかりにくいのが難点です。

とはいえ、肝心の音質評価はこれから。果たして結果はいかに?

AV機器サウンドバー2製品を比較検証しました!

A+評価デノン「DHT-S218」

 

映画、音楽、テレビ総じて死角なし!

「家電批評」25年1月号ベストバイ。

原音をありのままに再現する「Pureモード」のチューニングは専門家も絶賛するほど。声もクリアで聴きやすく、どんなコンテンツでも十分に味わえるとの評価でした。ダイアログエンハンサーも備えています。

低域の量感はほどほどですが、それ以外の音質項目はコンテンツの魅力を十分に味わえるクオリティです。

Youtubeやテレビも刺さる特徴はないものの、声もクリアで聞きやすく、まずまずという評価でした。リモコンはシンプルでわかりやすく、低音調整やサウンドモードもスムーズに行えました。

おすすめポイント
  1. 音質は不得意がほぼない
  2. 音楽再生機器としても優秀
  3. HDMIの出力ポートがある
がっかりポイント
  1. 専用アプリがない
  2. 戦闘シーンの迫力はやや不足
890mm
奥行
120mm
高さ
67mm
重量
3.6kg
チャンネル数
7.1ch
対応音声フォーマット
Dolby Atmos、Dolby Digital
Bluetooth
Ver. 5.3
型番
DHT-S218-K

B評価アマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」

 

密度の高い音場を再現!臨場感のある会話が楽しめる

Amazonの新製品は3つのフルレンジスピーカー、3つのツイーター、2つのサブウーファーを内蔵した一体型。人の声を増幅するダイアログエンハンサーも搭載しています。

映画での会話シーンは、まるでその場にいるかのような臨場感で、密度の高い音場を再現できていました。爆音が続く戦闘シーンではダイナミックレンジを圧縮する処理をしているのか、音がおとなしくなる傾向にありました。

なお、Fire TVを名乗るのにAlexaには対応していません。

おすすめポイント
  1. セットアップが簡単
  2. DolbyAtmosに加えDTS:Xに対応している
がっかりポイント
  1. リモコンが使いにくい
  2. Fire TVの機能、Alexaは非搭載
942mm
奥行
131mm
高さ
64mm
重量
4kg
チャンネル数
3.1ch
対応音声フォーマット
DTS:X、Dolby Atmos
型番
53-036273

【テスト1】音質をチェック

会話シーンは臨場感たっぷりのアマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」が高評価! しかし、総合点でデノン「DHT-S218」に軍配

アマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」で高評価だったのが会話シーン。まるでその場にいるかのような臨場感で、密度の高い音場を再現できていました。

しかし、爆音が続く戦闘シーンではダイナミックレンジを圧縮する処理をしているのか、音がおとなしくなる傾向に。

高音域が強く中音域が薄いので、腰高な音になりがちでした。デノン「DHT-S218」は映画を観る際、Movieモードを使用し、正面から1.5mほどの距離に座ると広いサラウンド感を楽しめます。

声の表現が得意で、長時間でも聴き疲れしません。ダイアログエンハンサーを使えば聴きやすさがより高まります。

会話シーンは臨場感たっぷりのアマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」が高評価! しかし、総合点でデノン「DHT-S218」に軍配 サウンドバーおすすめ イメージ

アマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」は会話シーンが得意。バーでの男女の会話では、雑踏の中での2人の会話が際立ち、情報量が多い印象でした。

会話シーンは臨場感たっぷりのアマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」が高評価! しかし、総合点でデノン「DHT-S218」に軍配 サウンドバーおすすめ イメージ2

デノン「DHT-S218」での音楽再生は近い距離ならPureモードの使用がおすすめ。音量が小さいとやや寂しく感じるので、その場合はMusicモードに。

2モデルの音質比較

2モデルの音質比較 サウンドバーおすすめ イメージ

総評

デノン「DHT-S218」

中音域に厚みがあり、映画や音楽、テレビを過不足なく楽しめます。セリフの聴きやすさも高評価で、音楽再生もモード切り替えを駆使すれば快適。

アマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon

ダイナミックレンジが広く情報量は多いですが、音量を上げると高音域で付帯音が増え、耳障りに感じられます。近距離で使うのがおすすめ。

デノン「DHT-S218」での音楽再生は1m以内がベスト

デノン「DHT-S218」での音楽再生は1m以内がベスト サウンドバーおすすめ イメージ

音楽再生時は1m以内の近い距離でPureモードを使用すると、付帯音が減り素直な音になります。それより遠い場合は、 Musicモードを使うことで周囲に広がりのあるサラウンド感を感じられます。

本田雅一 氏
AV評論家
本田雅一 氏 のコメント

デノン「DHT-S218」は工夫すれば音楽再生デバイスとしても優秀です。

【テスト2】PCでの音質をチェック

音質も設置性もデノン「DHT-S218」が優位
音質も設置性もデノン「DHT-S218」が優位 サウンドバーおすすめ イメージ

PCで使用する場合は、テレビより近距離なので音量を絞れます。アマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」は、テレビの大音量での使用時に目立った付帯音が解消され、音量を上げた際の歪み感も減りました。

しかし、高音域が強すぎるのは変わらず、根本的な解決にはならず。一方、よくなった!と強く感じられたのがデノン「DHT-S218」での音楽再生。Pureモードによる立体的な再生能力が向上し、テレビよりも適しているのでは? と識者の本田さんも評価しました。

音質も設置性もデノン「DHT-S218」が優位 サウンドバーおすすめ イメージ2

PCで使うなら設置のしやすさも重要。デスクに置けるサイズかどうかもチェックしておきましょう。

本田雅一 氏
AV評論家
本田雅一 氏 のコメント

両製品、近距離で使うほうがテレビより音がよく感じられました。

PC・モニターと接続するなら接続端子は要チェック
PC・モニターと接続するなら接続端子は要チェック サウンドバーおすすめ イメージ

PC→サウンドバー→モニターの形で接続するには、サウンドバー側にモニターへ出力するためのHDMIの出力端子が必要です。 PCとサウンドバーをBluetoothでつなぐこともできますが、メリットは少ないです。

デノン「DHT-S218」はHDMI出力が可能なのでモニターを選びません。

AV機器試してわかった「自宅を最適化したい」と思える音の迫力!

サウンドバーでテレビの音質がアップ!

サウンドバーでテレビの音質がアップ! サウンドバーおすすめ イメージ

今回の検証に先立ち、年末年始はサウンドバーを自宅に持ち帰り、実際に使ってみました。担当筆者はこれまでサウンドバーには縁がなく、家電量販店で試聴したことがあるくらい。

さっそくテレビの前に設置して使ってみると、家電量販店で試したときよりも、自宅の環境では大幅な迫力アップを実感! 映画や音楽はもちろん、普段のテレビ視聴ですら臨場感が増し、新鮮な驚きを感じました。

特に、鑑賞した『TENET』序盤の戦闘シーンの迫力は最高で、戦闘の躍動感がより伝わってきました。

しかし、設置時にトラブル発生。テレビ台として使っているカラーボックスの奥行きが足りず、サウンドバーが前にせり出し、非常に不安定な状態に。

また、そのせいでリモコン受光部がふさがれ、斜め上から操作しなければならない不便さを味わうことに。

サウンドバー選びでは「サイズの確認」が重要だと実感しました。対処法としては、ケチらずにテレビ台を使うか、テレビを底上げするなどでしょうか。いずれにせよ、何らかの投資が必要そうです。

サウンドバーでテレビの音質がアップ! サウンドバーおすすめ イメージ2

テレビの前に設置してせり出した様子。周辺が汚いのは許してください……(泣)

ただ、自宅をサウンドバーに最適化してもいいと思うほど感動したのも事実。今回使ったのはアマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」でしたが、検証ではデノン「DHT-S218」が勝利。これを機に購入を本気で考えます!

高島圭介
家電批評編集部
高島圭介 のコメント

編集部内でハイエンドも勧められましたが、サブウーファーがあるのでよりスペースが必要。金額も聞いて仰天。さすがにまだ早い……。

AV機器総じて死角なしのデノンの牙城は崩れなかった !

以上、デノン「DHT-S218」アマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazonの紹介でした。

今回も全体を通して弱点が少なく、ベストバイを獲得したデノン「DHT-S218と」比べ、アマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」は弱点が目立ってしまった(特にテレビでの使用で)というのが今回の結論です。

しかし、冒頭で提案したPCでの使用では音質的な弱点が減るので、おすすめといえるでしょう。今回テストした2製品はともに3万円台で、手軽にPCまわりのサウンドを強化できます。

また、アマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」で気になったのが、Fire TVの名を冠するにもかかわらず、Fire TV機能もAlexaも搭載していない点。せっかくなのでスマートスピーカーとしても使えるようにしてほしかったのが正直なところです。

アマゾン「Fire TV Soundbar PlusAmazon」がサウンドバーを市場投入するのが初なのもあり、プロトタイプ的な位置付けなのでしょうが、少し残念なポイントでした。今後の開発に期待です。

AV機器サウンドバーの売れ筋ランキングをチェック!

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