家電批評が検証テストした最高のアナログ機器の選び方を紹介!
『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』は、これまで雑誌『家電批評』で検証テストしたアナログオーディオ機器の中から、実際に試してわかった、本当におすすめできる商品だけを紹介しています。
レコード人気の再熱にともないレコードプレーヤーも新モデルが各社から発売されています。
近年発売されている機種はBluetooth対応が主流になり、1万円台から購入できるものも増えていますが、せっかく買うならよい音でレコードを聴きたいですよね。
そこで今回は、音のプロが「U6万円」「6〜15万円」の2つのカテゴリ別におすすめの一台を探すべく9機種を聴き比べた、プロがえらんだ「レコードプレーヤー予算別ベストバイ9選」を紹介します!
レコードプレーヤーは多様化が進んでいる
レコードブームの再熱にはアナログレコード自体の良質さもさることながら、レコードプレーヤーの進化もブームを支えるひとつの要因となっています。
その中でも、一番の注目ポイントは「手軽さ」と「多様化」でしょう。
現在のブームが始まる前までは、リスニング向けのアナログレコード再生環境は「オーディオマニアの趣味」一辺倒で、システムを揃えるのに数百万円も必要な高級モデルが大半でした。
しかし、現在はフォノイコライザー内蔵タイプはもちろん、Bluetoothを搭載しているものやスピーカー内蔵タイプまで、さまざまなバリエーションが取り揃えられ、今ある自分の環境やライフスタイルに合わせた自由なシステムが構築できるようになっています。
特にBluetooth搭載モデルは、スピーカーはもちろんのことイヤホンやヘッドホンなど、スマホとの接続環境をそのまま利用できるため、手軽さに置いては圧倒的です。
音質面でも、ワイヤレス送信するためにいちどAD変換(アナログ音声をデジタル音声に変換するシステム)しているのにもかかわらず、音の特徴はしっかり残っていてアナログらしさも十分に楽しめたりします(もちろん有線接続のほうが有利です)。
サウンドバーガーなど復刻モデルも人気
オーディオテクニカ「サウンドバーガー AT-SB727」
実勢価格:23,980円
オーディオテクニカ「サウンドバーガー AT-SB727」は、オーディオテクニカの創立60周年記念限定モデルとして復刻したレコードプレーヤーです。完売していましたが、通常モデルが登場しました。
1万円台のレコードプレーヤーも
アイワ「aiwa audio RPB」
実勢価格:13,455円
1万円台でフォノイコライザーやスピーカーを搭載したモデルも増えています。
レコードプレーヤー選びのコツは?
まずレコードプレーヤー選びで注意したのは、再生方法です。
自分で盤に針を落とす「マニュアル」のものが多いですが、エントリー機の中には、ボタン操作でトーンアームが移動して針が落ち、レコードの片面の演奏が終わると針が上がる「フルオート」や「セミオート」式のものもあります。
手軽なのはこのフルオートとセミオートですが、自分で針を落とすレコード鑑賞の醍醐味を味わいたいならマニュアルをおすすめします。
次に重要なのが、稼働方式です。
稼働方式には、「ベルトドライブ」方式と「ダイレクトドライブ」方式があり、現在の主流はベルトドライブ方式です。
ベルトドライブ方式は静粛性ノイズの少なさ、ダイレクトドライブ方式は、システムがコンパクトにまとまるという利点があります。
レコードの音質を追い求めるにはどうすればいい?
レコードの溝の情報をいかに読み取るかが肝なので、カートリッジ(レコード針)を交換するだけで音は変化し、針圧も大きく変わってきます。
カートリッジ先のリード線やスピーカーをつなぐケーブルも音質アップに欠かせない要素です。
針はレコードの最重要ポイント
レコードプレーヤーのパーツを交換するのなら、最も音質が変わる針(カートリッジ)がおすすめです。
付属の線が必ずしも最適解ではない
付属のスピーカーケーブルは細いものが多く実力が発揮できるか疑問が残ります。見直してみるものアリでしょう。
レコードプレーヤーの検証項目
今回は、同じアンプとスピーカーを接続し、下記の8項目でレコードプレーヤーの音質をチェックしました。
検証項目1:低音
低音域の出力や豊かさ、音の歯切れのよさなどをチェック。
検証項目2:中音
主にボーカルの質感や細かなニュアンス、リアリティがあるかなどを確認。
検証項目3:高音
音がこもらず伸びやかに低音が出ているかどうかを確認。
検証項目4:S/N感
測定器で測る厳密な数値ではなく、体感的にノイズが多いか少ないかを評価。
検証項目5:ステレオ感
音が立体的に感じられ、ライブハウスのような臨場感があるかなどを確認。
検証項目6:音像感
楽器やボーカルの位置などを感じられるかに加え、音の広がりがあるかも評価。
検証項目7:情報量
ボーカルや楽器のディテールまでしっかり感じられるかをチェック。
検証項目8:操作性
ボタンの使い勝手やアームの自動高さ調節機能があるかなどを確認。
【U6万円部門】レコードプレーヤーのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、予算別レコードプレーヤーのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | 低音 | 中音 | 高音 | S/N感 | ステレオ感 | 音像感 | 情報量 | 操作性 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]()
ヤマハTT-S303
![]() |
|
450mm |
368mm |
136mm |
4.8kg |
ベルトドライブ |
33-1/3、45回転/分 |
|||||||||
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デノンDP-450USB
![]() |
|
414mm |
347mm |
132mm |
5.6kg |
ベルトドライブ |
33-1/3、45、78回転/分 |
|||||||||
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デノンDP-200USB
![]() |
|
360mm |
358mm |
98mm |
3.2kg |
ベルトドライブ |
33-1/3、45回転/分 |
|||||||||
![]()
オーディオテクニカAT-LP60X
![]() |
|
359.5mm |
373.3mm |
97.5mm |
2.6kg |
ベルトドライブ |
33-1/3、45回転/分 |
|||||||||
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オーディオテクニカAT-LP7
![]() |
|
450mm |
352mm |
157mm |
8.3kg(ダストカバーを除く) |
ベルトドライブ |
33-1/3、45回転/分 |
|||||||||
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JBLJBL TT350 Classic
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|
449mm |
355mm |
150mm |
ダイレクトドライブ |
33-1/3、45回転/分 |
||||||||||
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RegaPlanar3 mk2
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|
447mm |
360mm |
117mm |
6.0kg |
ベルトドライブ |
33-1/3、45回転/分 |
|||||||||
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テクニクスSL-1500C
![]() |
|
453mm |
372mm |
169mm |
9.9kg |
ダイレクトドライブ |
33-1/3、45、78回転/分 |
|||||||||
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ELACMiracord 50
![]() |
|
420mm |
355mm |
125mm |
4.6kg |
ベルトドライブ |
33、45回転/分 |
【1位】ヤマハ「TT-S303」
- ヤマハTT-S303
- 実勢価格: ¥47,749〜
- 低音
- 中音
- 高音
- S/N感
- ステレオ感
- 音像感
- 情報量
- 操作性
- 幅
- 450mm
- 奥行
- 368mm
- 高さ
- 136mm
- 重量
- 4.8kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- TT-S303(B)
DCモーター内蔵のベルトドライブ方式を採用
ピュアな音楽を楽しめる人気方式
ベルトドライブ方式はモーターの回転をゴムベルトを通じてプラッターに届けるため、余計な振動が吸収されてピュアな音を出しやすくなります。「TT-S303」に関わらず、多くのプレーヤーで採用される人気の方式です。
ストレートアーム採用でレコードの音を忠実に再現
ストレートトーンアームで透明かつ開放感のある音
MM型カートリッジは付属ですぐに楽しめる
トーンアームにこだわりを感じる
「TT-S303」はアルミ素材でスタティックバランス型のストレートトーンアームを採用。ストレートタイプのトーンアームは感度が高く、透明でオープンなサウンドを出せるのが魅力です。
ヤマハのフラッグシッププレーヤーでも採用されており、ストレートタイプへのこだわりを感じます。
光沢のある美しいボディで質感も申し分なし
質感良く輝き高級感あるボディ
空間に美しく調和するデザイン
「TT-S303」は全体に質感の高いグロス塗装が施されています。この光沢が価格以上の高級感を放っており、またシンプルなデザインであることから空間にもうまく溶け込みます。
他コンポーネントとも違和感なく組み合わせられるため、見た目にこだわる人も満足できるはずです。
音の表現が良く、ボディも美しいのですが、ターンテーブルがすぐに止まらないのは不満でした。フェルトのマットの平面性もイマイチで、細かなところに高額プレーヤーとの差が見受けられました。
ボタンや端子はシンプルな構成
フォノイコライザーも搭載している
ボタンが2つだけでとにかくシンプル
余計な端子がなくスッキリしている
ボディ上部にあるのは再生/停止ボタンと回転数の選択ボタンの2つだけ。各種端子は背面に隠れており、こちらも電源、フォノイコライザーアンプの切り替え、音声出力端子のみです。
必要最低限の構成で機能こそ少ないですが、その分、使いやすく見た目もスッキリしています。
5万円台ながらもプロがうなる音質
【2位】デノン「DP-450USB」
- デノンDP-450USB
- 実勢価格: ¥51,480〜
- 低音
- 中音
- 高音
- S/N感
- ステレオ感
- 音像感
- 情報量
- 操作性
- 幅
- 414mm
- 奥行
- 347mm
- 高さ
- 132mm
- 重量
- 5.6kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45、78回転/分
- 型番
- DP-450USB-BK
ボーカルの音像が安定しており、ウォームでアナログらしい音色。アナログ入門は最低限このクラスから始めたい。そう思わせられる完成度でした。
レトロではなく現代的なデザインが特徴
ダストカバーにもひと工夫されている
キャビネットは光沢があってスタイリッシュかつ現代的。
またレコードの再生中は、ダストカバーを付属のスタンドに設置可能です。レコードジャケットを立てかけることもでき、オシャレにレコードを楽しめます。
ワンボタンでUSBに録音できる
アナログレコードをデジタル化して楽しめる
「DP-450USB」はUSB録音に対応。USBメモリーを挿入してボタンを押せば、レコードの楽曲がMP3/WAV形式で保存されます。
編集ソフトも付属しており、自動でトラック分割も可能。デジタル配信されていない楽曲を自力でデジタル化してスマートフォンなどで楽しめます。
【3位】デノン「DP-200USB」
- デノンDP-200USB
- 実勢価格: ¥21,528〜
- 低音
- 中音
- 高音
- S/N感
- ステレオ感
- 音像感
- 情報量
- 操作性
- 幅
- 360mm
- 奥行
- 358mm
- 高さ
- 98mm
- 重量
- 3.2kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- DP-200USB-SP
中低域の押し出しが強く、ボーカルがやや不安定になるパートも。しかし、低域の厚みが段違い。ボーカルがしっとりと落ち着いた感じになり、ベースの低音が深く沈んで左右に広がりも感じられました。
【4位】オーディオテクニカ「AT-LP60X」
- オーディオテクニカAT-LP60X
- 実勢価格: ¥14,168〜
- 低音
- 中音
- 高音
- S/N感
- ステレオ感
- 音像感
- 情報量
- 操作性
- 幅
- 359.5mm
- 奥行
- 373.3mm
- 高さ
- 97.5mm
- 重量
- 2.6kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- AT-LP60X DGM
フルオートで針圧調整も不要のため初心者でも使いやすいのが魅力。ただし、レコードを載せない状態で、ターンテーブルだけを回転させる機能がないので掃除するときは不便です。
【6〜15万円部門】レコードプレーヤーのおすすめは?
【1位】オーディオテクニカ「AT-LP7」
- オーディオテクニカAT-LP7
- 実勢価格: ¥74,322〜
- 低音
- 中音
- 高音
- S/N感
- ステレオ感
- 音像感
- 情報量
- 操作性
- 幅
- 450mm
- 奥行
- 352mm
- 高さ
- 157mm
- 重量
- 8.3kg(ダストカバーを除く)
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- AT-LP7
ボーカルがなめらかで芯があり、明確な音像定位を感じます。低音はタイトでハイスピード。リアルな口元が再現され、ニュアンスも出て、歌のうまさをしっかり確認できました。全体の骨格がしっかりした音が出ています。
高品質な楕円針がレコードの音を最大限に引き出す
付属カートリッジは高品質な楕円針
スピードセンサーで安定した回転を持続
情報量が多く高音質な再生
「AT-LP7」には、接合楕円針を搭載しているオーディオテクニカのカートリッジ「VM520EB」が付属しています。針を交換しなくてもハイレゾ音源にも匹敵するほどの情報量で高音質な音楽を楽しめます。
回転方式はベルトドライブ方式。スピードセンサーでプラッターの回転速度を検知するため、安定した回転が持続します。
高さ調節機能付きのユニバーサル式トーンアーム
オーディオテクニカ伝統のJ字型トーンアーム
レトロデザインのJ字型トーンアーム
トーンアームは、J字のスタティックバランス式を採用。これはオーディオテクニカの伝統で、60~70年代のデザインを踏襲しています。
高さ調整機構も付いているため対応するカートリッジも豊富です。付属カートリッジも優秀ですが、色々試して自由に楽しめるのがうれしいところです。
アームの高さ調整機能があり、手動で盤面に針を落とす完全マニュアル機です。リフターを調節して針を落とす際の速度もGood。細部までこだわったセッティングで再生できる本格志向のレコードプレーヤーです。
耐久性の高いボディに高音質フォノアンプを内蔵
重厚感があるしっかりしたシャーシ
MM/MC型の切り替えスイッチ搭載
安定した再生環境が作れる
40mm厚の高剛性MDF(木材を使用した繊維板)シャーシに、20mm厚のPOM(ポリオキシメチレン)製プラッターを採用。不要な振動も少なく、安定した再生が可能です。
フォノイコライザーを内蔵しており、出力はPHONOとLINEを選択可能。MM(VM)/MC型カートリッジの切り替えスイッチも用意されています。
【2位】JBL「TT350 Classic」
- 低音
- 中音
- 高音
- S/N感
- ステレオ感
- 音像感
- 情報量
- 操作性
- 幅
- 449mm
- 奥行
- 355mm
- 高さ
- 150mm
- 駆動方式
- ダイレクトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- TT350 CLASSIC
ボーカルを魅力的に再生するのが特徴。安定感があり、音はしっかり聞かせてくれます。ボタンが前面にあるためトーンアームなどを調整しながら操作したい場合はやや不便です。
「JBL Classic Components」シリーズのアナログプレーヤー
「JBL Classic Components」は、シックな外観で、JBLのスピーカーシステムにマッチするシリーズです。
「TT350 Classic」もこのシリーズのひとつで、ウォールナット無垢材で覆われたキャビネットにアルミニウムのフロントパネルが魅力。見た目重視の人におすすめです。
しっかりと芯がありながら安定感のあるサウンド
カートリッジ交換でさまざまな音を楽しめる
ダイレクトドライブを採用している
ベルトドライブ方式が主流の中、「TT350 Classic」はダイレクトドライブを採用。
ダイレクトドライブ方式はモーターの振動を受けやすいというデメリットこそありますが、回転が安定しやすいのが特徴です。
使用時にそれほど気になることはありませんでしたが、好みがわかれるところでしょう。
全体的に厚みがあってホットな音色です。ボーカルは芯があってしっかり聴かせます。特に女性ボーカルはつややかな口元が見えるようでした。低音は出しゃばらず包み込むように聴こえます。
アルミ製のS字型スタティックバランス式トーンアーム
ヘッドシェルが着脱可能なアルミ製
カートリッジ交換を手軽に楽しめる
スタティックバランス式のS字トーンアームはアルミ製で高級感を感じさせるデザインです。
付属のカートリッジはオーディオテクニカ製の「AT-VM95E」。スタンダードランクのカートリッジですが、接合楕円針で十分に情報量豊かな音を楽しめます。
もちろんカートリッジ交換もできるのでアップグレードも可能です。オーディオテクニカ製で交換針も豊富なためスタイラス(カートリッジの針先)だけ変えてしまうのもよいでしょう。
フォノイコライザーは非搭載
フォノイコライザー非搭載でシンプルな端子
高級感を感じさせるフロントパネル
追加出費に耐えられるか……
内蔵のフォノイコライザーがなく、プレーヤーとして徹底された作りになっています。
見た目も余計なボタンや端子がなくシンプル。アンプが必要なためJBL製の「SA550」と組み合わせたいところですが、こちらは20万円超え。なかなか金食い虫なプレーヤーとなっています。
「JBL Classic Components」シリーズで統一すれば感動の音楽体験!
【3位】Rega「Planar3 mk2」
- 低音
- 中音
- 高音
- S/N感
- ステレオ感
- 音像感
- 情報量
- 操作性
- 幅
- 447mm
- 奥行
- 360mm
- 高さ
- 117mm
- 重量
- 6.0kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- PLANAR 3 MK2 RED WITH ELYS2 50
かすかなエコーも再現され、解像度は高いです。締まりのある低域で、スピード感もバッチリ。ボーカルの奥行き感もしっかり感じられました。
再生するまでにやや手間がかかる
ストレートアームでカートリッジ交換が厳しい
針圧調整も手間がかかる
完全マニュアルで面倒くささを感じる
回転数の変更はベルトをかけ替えなければならず、針圧調整も面倒くさいです。
ストレート型のトーンアームで剛性は高いですが、ヘッドシェル一体型のため、汎用ヘッドシェルへの交換が難しく、カスタマイズの自由度は低いです。
【4位】テクニクス「SL-1500C」
- 低音
- 中音
- 高音
- S/N感
- ステレオ感
- 音像感
- 情報量
- 操作性
- 幅
- 453mm
- 奥行
- 372mm
- 高さ
- 169mm
- 重量
- 9.9kg
- 駆動方式
- ダイレクトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45、78回転/分
- 型番
- SL-1500C-W
バランス的にはもう少し中低音に厚みが欲しかったです。ボーカルもあっさりしていて物足りなさを感じます。アームの高さ調整機能があるのは好ポイントでした。
【5位】ELAC「Miracord 50」
- ELACMiracord 50
- 実勢価格: ¥74,530〜
- 低音
- 中音
- 高音
- S/N感
- ステレオ感
- 音像感
- 情報量
- 操作性
- 幅
- 420mm
- 奥行
- 355mm
- 高さ
- 125mm
- 重量
- 4.6kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33、45回転/分
- 型番
- MIRACORD 50
全体的にサラサラしたあっさりした音。ボーカルが淡々とした印象でやや寂しいです。アームリフターが上がるのがやや早い上に、回転がすぐに止まらないのも気になりました。
予算別レコードプレーヤーのおすすめ まとめ
以上、『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』から、プロがえらんだ「レコードプレーヤー予算別ベストバイ9選」でした。
今回は「U6万円部門」「6〜15万円部門」の2つのクラス別に、おすすめランキングを紹介しました。それぞれのクラス別にベストバイを振り返っていきます。
【U6万円部門】レコードプレーヤーのおすすめ
U6万円部門のおすすめランキング1位でベストバイは、ヤマハ(YAMAHA)「TT-S303」でした。
「TT-S303」は、5万円台で購入できるヤマハのエントリーモデルですが、5万円台ながらもプロがうなる音質で、10万円を超えるプレーヤーにも匹敵するレベルです。
特に繊細な表現が得意で、低音から高音まで情感豊かな音が楽しめました。ピュアな音をしっかりと再現しており、U6万円以内で購入できるプレーヤーとしては、音質において群を抜いています。
さらに、フォノイコライザーアンプを内蔵しているため、単体のフォノイコライザーやアンプ内蔵のものがなくてもレコードを楽しめます。
多くの機能を求めないのであれば、最初の一台としておすすめできる製品です。
ヤマハ「TT-S303」
実勢価格:50,778円
【6〜15万円部門】レコードプレーヤーのおすすめ
6〜15万円部門のおすすめランキング1位でベストバイは、オーディオテクニカ「AT-LP7」でした。最高の音質評価でベストバイに輝きました。
音質の決め手となったのは、オーディオテクニカ製で接合楕円針を採用したカートリッジ「VM520EB」が付属していること。丸針に比べて音の表現がピュアで、タイト(音やリズムが引き締まっている)かつクリアな音質が高評価です。
さらに、オーディオテクニカは互換針の種類も豊富で、音質のグレードアップが容易なのも魅力です。
内蔵のフォノイコライザーもMM型とMC型の両方に対応しており、MC型カートリッジを気軽に楽しむことができます。もちろん、フォノ出力も可能なので、お好みのアンプと組み合わせることも可能です。
グレードアップや他のアンプとの組み合わせが可能で、音を追求しやすいプレーヤーです。飽きが来ず長く愛用できるため、レコードの奥深さを存分に楽しみたい方におすすめの一台といえるでしょう。
オーディオテクニカ「AT-LP7」
実勢価格:89,799円
今回検証したレコードプレーヤーも、他のカートリッジやアンプ・スピーカーと組み合わせれば音質が向上する可能性があります。
アンプやスピーカー、カートリッジなど色々なオーディオシステムの組み合わせを探るのもカスタマイズの醍醐味ではないでしょうか。
レコードプレーヤーが気になっている人は、本記事を参考に、お気に入りをみつけてみてください。
レコードプレーヤーの売れ筋ランキングもチェック!
レコードプレイヤーのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
楽曲に対して正確な再生がされているようで、情感豊かな音が楽しめます。ボーカルのニュアンスも2位のデノン「DP-450USB」以上に再現されており、繊細な表現が得意です。