家電批評が検証テストした最高のアナログ機器の選び方を紹介!
『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』は、これまで雑誌『家電批評』で検証テストしたアナログ機器の中から、実際に試してわかった、本当におすすめできる商品だけを紹介しています。
最近はBluetooth対応のレコードプレーヤーが増えており、アンプなしでもレコードを楽しむことはできます。しかし、良質な音でレコードを楽しみたいのなら有線をおすすめします。
そこで今回は、レコードの音をしっかり増幅させてくれるプリメインアンプ7製品をオーディオのプロとともに検証テストをした、プロがえらんだ「プリメインアンプ予算別ベストバイ7選」を取り上げます!
そもそもプリメインアンプとは?
音源ソースの選択や左右のスピーカーのバランス調整、音量・音質の調整などを担う「プリアンプ」と、そのプリアンプから出力された信号電圧を、スピーカーで鳴らすのに必要なレベルに増幅する「パワーアンプ」の機能を1台に搭載させたのが「プリメインアンプ」です。
プリアンプとパワーアンプそれぞれのアンプをケーブルで接続する場合は、電気信号のロスやノイズが発生してしまいますが、プリメインアンプならそうしたデメリットを防げるのがメリットです。
また、1台で完結するため設置場所にも困りにくいです。
スピーカーによってアンプは選ばれる
いくら高額なスピーカーを買っても、安いアンプを使っていてはもったいないですし、その逆もしかりです。
しっかりとバランス(予算の割合は、スピーカー:5、アンプ:3、レコードプレーヤー:2が理想)を考え、価格帯の合ったアンプを購入しましょう。
レコードを聴くためにアンプを購入する際の注意点
レコード再生には、レコードの音を復元してくれる「フォノイコライザー」が必須です。
レコードプレーヤーに内蔵しているものも増えていますが、小型で能力に限界があるため、最低限アンプに内蔵しているものを利用しましょう。
また、レコードプレーヤーのカートリッジには、「MM型」と「MC型」があり、ほとんどのアンプはMM型のみの対応です。
MC型を利用したい場合は、両方の針に対応したフォノイコライザーなどを用意する必要があります。
フォノイコライザーを内蔵しているかどうか
アンプに「フォノ入力(PHONO)」という端子があればフォノイコライザーを搭載しています。
使用したいカートリッジに対応しているか
使用したいカートリッジに対応しているかを確認してください。中にはMMとMCを切り替えられるアンプもあります。
プリメインアンプの検証項目
今回は、同じレコードプレーヤーとスピーカーを接続し、下記の7項目でプリメインアンプの音質をチェックしました。
フォノイコライザー非搭載のモデルは、ティアック「PE-505-S」に接続してレコードを再生してチェックしました。
検証項目1:低域
低音域の出力や豊かさ、音の歯切れのよさなどをチェック。
検証項目2:中域
主にボーカルの質感や細かなニュアンス、リアリティがあるかなどを確認しました。
検証項目3:高域
音がこもらず伸びやかに低音が出ているかどうかを確認しました。
検証項目4:音色
音の固有の響きをチェック。同じ周波数や音圧でも違いが出ました。
検証項目5:解像度
ボーカルや楽器のディテールまでしっかり感じられるかをチェックしました。
検証項目6:音場
音のスケール感や広がりをチェック。音場がよいほど広がりを感じられました。
検証項目7:レコードとの相性
5種類のレコードを聴き比べ、レコード音源との相性を評価しました。
検証に使用したフォノイコライザーはこちら
ティアック(TEAC)「PE-505-S」
実勢価格:168,330円
サイズ:W290✕D252.5✕H84.5mm
重量:4.5kg
入力インピーダンス:MM:47kΩ、MC:1kΩ(最大)
出力インピーダンス:126Ω(バランス最大)
【U5万円部門】プリメインアンプのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、予算別プリメインアンプのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | 低域 | 中域 | 高域 | 音色 | 解像度 | 音場 | レコードとの相性 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
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デノンPMA-600NE
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|
434mm |
307mm |
122mm |
7.4kg |
アンバランス✕4、PHONO(MM)✕1、同軸デジタル✕1、光デジタル✕2 |
アンバランス(RECORDER)✕1、サブウーハープリアウト✕1、ヘッドフォン✕1 |
||||||||
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ヤマハA-S301
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|
435mm |
387mm |
151mm |
9.0kg |
CD✕1、チューナー✕1、ライン✕3、PHONO(MM)✕1、光デジタル✕1、同軸デジタル✕1 |
レックアウト✕2、サブウーファー✕1、ヘッドフォン✕1、DCアウト✕1 |
||||||||
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ヤマハR-N600A
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|
435mm(脚部、突起物を含む) |
151mm(脚部、突起物を含む) |
392mm(脚部、突起物を含む) |
9.8kg |
ステレオ✕5(PHONOを含む)、光デジタル✕1、同軸デジタル✕2、USB✕1、Network✕1 |
スピーカー✕4、ステレオ✕2、サブウーファー✕1、ヘッドフォン✕1 |
||||||||
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マランツPM6007
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|
440mm |
370mm |
105mm |
7.6kg |
アナログバランス✕4、PHONO(MM)✕1、同軸デジタル✕1、光デジタル✕2 |
アナログバランス✕1、サブウーハープリアウト✕1、ヘッドフォン✕1 |
||||||||
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マランツMODEL 50
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|
217mm |
239mm |
84mm |
2.2kg |
アンバランス✕5、PHONO(MM)、POWER AMP IN✕1 |
2.1chプリアウト✕1、RECアウト✕1、ヘッドフォン✕1 |
||||||||
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ソウルノートSOULNOTE A-1
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|
430mm |
418mm |
418mm |
10.0kg |
アナログバランス✕1、アンバランス✕3 |
|||||||||
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ソウルノートSOULNOTE A-0
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|
430mm |
418mm |
109mm |
8.0kg |
アナログバランス✕2、アンバランス✕2 |
アンバランス(プリアウト出力)✕1、ヘッドフォン✕1 |
【1位】デノン「PMA-600NE」
- デノンPMA-600NE
- 実勢価格: ¥43,857〜
- 低域
- 中域
- 高域
- 音色
- 解像度
- 音場
- レコードとの相性
- 幅
- 434mm
- 奥行
- 307mm
- 高さ
- 122mm
- 重量
- 7.4kg
- 入力端子
- アンバランス✕4、PHONO(MM)✕1、同軸デジタル✕1、光デジタル✕2
- 出力端子
- アンバランス(RECORDER)✕1、サブウーハープリアウト✕1、ヘッドフォン✕1
- 型番
- PMA-600NE-SP
アナログ専用モードを搭載
デジタル入力回路の機能を停止して高周波ノイズの発生をなくす
デジタル/アナログ両対応のアンプでアナログ入力を使用すると、デジタル入力回路の通電が音質に影響を及ぼし、高周波ノイズが発生してしまう場合があります。
「PMA-600NE」はアナログモードを搭載しており、アナログ入力を使用しているあいだはデジタル入力への給電を絶って完全に機能を停止させることができます。
これによってノイズの影響がないクリアな音質を楽しめます。
アナログモードに設定しているあいだは同軸デジタルや光デジタル入力、Bluetooth機能が使用できなくなるので注意が必要です。
必要に応じてアナログ/デジタル入力を使い分けることが可能です。
【2位】ヤマハ「A-S301」
- ヤマハA-S301
- 実勢価格: ¥34,679〜
- 低域
- 中域
- 高域
- 音色
- 解像度
- 音場
- レコードとの相性
- 幅
- 435mm
- 奥行
- 387mm
- 高さ
- 151mm
- 重量
- 9.0kg
- 入力端子
- CD✕1、チューナー✕1、ライン✕3、PHONO(MM)✕1、光デジタル✕1、同軸デジタル✕1
- 出力端子
- レックアウト✕2、サブウーファー✕1、ヘッドフォン✕1、DCアウト✕1
- 型番
- A-S301(S)
ヤマハらしい繊細な音の表現で女性ボーカルのニュアンスが伝わります。音色はウォームでなめらかさもあります。
音の純度を高める「ピュアダイレクトスイッチ」
音量に合わせて低音と高音のバランスを自動で調整してくれる
「A-S301」には自分好みの音に調整するトーンコントロール機能がありますが、元の音質をそのままダイレクトにスピーカーに伝える「ピュアダイレクトスイッチ」も搭載しています。
トーン/ラウドネス/バランスの各コントロールと、後段バッファーアンプをバイパス接続することで音の純度が高まり、元の音が持つ細かなニュアンスもしっかり楽しめます。
また、組み合わせるスピーカーや再生環境に応じて低音や高音のバランスが自然になるように調整してくれます。
コンパクトスピーカーを使っている人や、夜間など小音で再生することが多い人にはうってつけの機能といえます。
【5〜10万円部門】プリメインアンプのおすすめは?
【1位】ヤマハ「R-N600A」
- ヤマハR-N600A
- 実勢価格: ¥62,800〜
- 低域
- 中域
- 高域
- 音色
- 解像度
- 音場
- レコードとの相性
- 幅
- 435mm(脚部、突起物を含む)
- 奥行
- 151mm(脚部、突起物を含む)
- 高さ
- 392mm(脚部、突起物を含む)
- 重量
- 9.8kg
- 入力端子
- ステレオ✕5(PHONOを含む)、光デジタル✕1、同軸デジタル✕2、USB✕1、Network✕1
- 出力端子
- スピーカー✕4、ステレオ✕2、サブウーファー✕1、ヘッドフォン✕1
- 型番
- R-N600A(B)
音の解像度が非常に高いにもかかわらず平面的にならず、ウォームな音色。ボーカルも聴きやすくキレイに再現してくれます。
多彩な音楽コンテンツの再生が可能
ストリーミングサービスもハイレゾ音源もまとめてHiFiサウンドで楽しめる
「MusicCast」は専用アプリ「MusicCast CONTROLLER」を使うことで、家中どこでも音楽を楽しめるヤマハ独自のネットワーク機能です。聴きたい音楽のソースを選択するのはもちろん、音質の調整もスマホから行えます。
Amazon Music HDやSpotifyなど幅広いストリーミングサービスに対応しており、ハイレゾ/ロスレス音源を気軽に楽しむことができます。
ハイレゾ音源の再生に対応したUSB端子をフロントパネルに配置、背面には4系統のデジタル入力端子と5系統のアナログ入力端子(MMカートリッジ対応のフォノ入力を含む)を備えているため、アナログレコードプレーヤーも直接接続できます。
【2位】マランツ「PM6007」
- マランツPM6007
- 実勢価格: ¥54,000〜
- 低域
- 中域
- 高域
- 音色
- 解像度
- 音場
- レコードとの相性
- 幅
- 440mm
- 奥行
- 370mm
- 高さ
- 105mm
- 重量
- 7.6kg
- 入力端子
- アナログバランス✕4、PHONO(MM)✕1、同軸デジタル✕1、光デジタル✕2
- 出力端子
- アナログバランス✕1、サブウーハープリアウト✕1、ヘッドフォン✕1
- 型番
- PM6007
解像度の向上でさらにボーカルのニュアンスが伝わります。ピアノ、ベースも高音質でライブハウスのような雰囲気に。
DAC内蔵でデジタル音源にも対応
デジタル音源もアナログ音源も高い音質で楽しめる
「PM6007」に搭載されているDACは旭化成エレクトロニクスの「AK4490EQ」。上位モデルにも採用実績がある優秀なDACです。
また、デジタルフィルターの切り替え機能を備えており、楽曲や好みに合わせてサウンドを調節できるのも本機の魅力でしょう。
フィルター1は原曲を忠実に再現するのに向いており、フィルター2はニュートラルなトーンバランスでわずかに明るい曲調になります。
また、「PM6007」はデジタル回路にシールドボックスを使用しています。これによってアナログ入力を使用した場合に起こるノイズを低減し、アナログの音質が損なわれないようになっています。
【10〜20万円部門】プリメインアンプのおすすめは?
【1位】マランツ「MODEL 50」
- マランツMODEL 50
- 実勢価格: ¥313,830〜
- 低域
- 中域
- 高域
- 音色
- 解像度
- 音場
- レコードとの相性
- 幅
- 217mm
- 奥行
- 239mm
- 高さ
- 84mm
- 重量
- 2.2kg
- 入力端子
- アンバランス✕5、PHONO(MM)、POWER AMP IN✕1
- 出力端子
- 2.1chプリアウト✕1、RECアウト✕1、ヘッドフォン✕1
- 型番
- MODEL50/FB
音の厚みと解像度を両立して、豊かな響きと立体的な空間を再現。柔らかな音色で、ボーカルも心地よく聴こえます。
豊富な端子を備えコンテンツへの対応力も高い
6系統のアナログ入力でさまざまな機器を接続可能
「MODEL 50」の大きな特徴となっているのが豊富な端子です。
レコードプレーヤーと接続できるフォノ端子を含め、6系統ものアナログ入力を備えています。このおかげで多彩なソース、コンポーネントと組み合わせることが可能で、拡張性に優れています。
CD及びフォノ入力端子は高品位な真鍮削り出しです。接触抵抗値を抑えることができ、音質の向上につながっています。
また、プリアンプとしても使えるプリアウトや、パワーアンプに接続できるRCAシングルエンドの端子も搭載しています。出力も豊富なので、「MODEL 50」を基点として自分好みのオーディオ環境を構築するのにも最適です。
【2位】ソウルノート「SOULNOTE A-1」
- ソウルノートSOULNOTE A-1
- 実勢価格: ¥188,100〜
- 低域
- 中域
- 高域
- 音色
- 解像度
- 音場
- レコードとの相性
- 幅
- 430mm
- 奥行
- 418mm
- 高さ
- 418mm
- 重量
- 10.0kg
- 入力端子
- アナログバランス✕1、アンバランス✕3
- 型番
- A-1 プラチナム・シルバー
フォノイコライザーは非搭載
【3位】ソウルノート「SOULNOTE A-0」
- ソウルノートSOULNOTE A-0
- 実勢価格: ¥128,700〜
- 低域
- 中域
- 高域
- 音色
- 解像度
- 音場
- レコードとの相性
- 幅
- 430mm
- 奥行
- 418mm
- 高さ
- 109mm
- 重量
- 8.0kg
- 入力端子
- アナログバランス✕2、アンバランス✕2
- 出力端子
- アンバランス(プリアウト出力)✕1、ヘッドフォン✕1
- 型番
- A-0 プラチナム・シルバー
中低域に厚みのあるサウンド
予算別プリメインアンプのおすすめ まとめ
以上、『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』から、プロがえらんだ「プリメインアンプ予算別ベストバイ7選」でした。
今回は【U5万円部門】【5〜10万円部門】【10〜20万円部門】の3つのクラス別に、おすすめランキングを紹介しました。それぞれのクラス別にベストバイを振り返っていきます。
【U5万円部門】1位でベストバイを獲得したのは、デノン「PMA-600NE」。
十分な音質・機能ながら手が届きやすい価格が魅力で、初めてのフルサイズアンプにもおすすめです。
【5〜10万円部門】1位でベストバイを獲得したのは、ヤマハ「R-N600A」。
多彩な音楽コンテンツの再生が可能で、最新のネットワーク機能を豊富に搭載しています。
【10〜20万円部門】1位でベストバイを獲得したのは、マランツ「MODEL 50」。
存在感のあるクールなボディで、ジャンルを問わず高音質で楽しめる。性能・音質ともに申し分なしの満足度が高い一台です。
今回検証したプリメインアンプも、他のスピーカーと組み合わせれば音質が向上する可能性があります。
アンプやスピーカー、レコードプレーヤーなど色々なオーディオシステムの組み合わせを探るのもカスタマイズの醍醐味ではないでしょうか。
プリメインアンプが気になっている人は、本記事を参考に、お気に入りをみつけてみてください。
プリメインアンプの売れ筋ランキングもチェック!
プリメインアンプのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
温かみのあるボーカルが魅力的。低音の量感もしっかりあり、低域から高域のバランスもよく、安定したサウンドで再現されます。