家電批評が検証テストした最高のアナログ機器の選び方を紹介!
『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』は、これまで雑誌『家電批評』でオーディオのプロとともに検証テストしたアナログオーディオ機器の中から、実際に試してわかった、本当におすすめできる商品だけを紹介しています。
自宅に眠るアナログレコードのコレクション。音源をデジタル化すれば自宅で手軽に再生できるのはもちろん、屋外に持ち出して楽しめるのもメリットです。
ちょっといいなと思ったら、さっそくチャレンジしてみましょう。
難しそうに感じるかもしれませんが、レコードプレーヤーとパソコンのほかに必要なのは、専用のケーブル1本だけ。実は意外と簡単な作業なんです。
そこで今回は、知識がなくても意外と簡単な「レコード音源のデジタル化」を取り上げます!
もっとカジュアルにレコード音源を楽しもう
これまで『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』からアナログオーディオ機器の魅力を紹介しておいて本末転倒であるのは百も承知ですが、せっかくレコードプレーヤーを購入したのなら、ぜひレコード音源のデジタル化(=録音)にもチャレンジしてみてください。
CD化されていない貴重な音源をスマホや車載オーディオなどを使って、好きなときに好きな場所で聴くことができるようになります。
パソコンは必須になりますが、デジタル化するだけならハイスペックのPCは必要なく、古めのモデルのPCでも大丈夫です。ほかにレコードプレーヤーを接続するケーブルが必要になりますが、こちらは注意が必要です。
レコードプレーヤーにフォノイコライザーが内蔵されていない場合には、別途用意が必要になります。また、無料でかまいませんが録音・編集用のソフトも必要です。
USB端子搭載のレコードプレーヤーならPCに接続するだけでOK
フォノイコライザーの有無が重要
レコードをデジタル化するために必要な機器は、下図のとおりです。
レコードプレーヤーにフォノイコライザーが内蔵されていれば、USBケーブルでパソコンと接続するだけです。
もしもレコードプレーヤー側にUSBポートがない場合は、片側が対応するオーディオ向けのコネクターになっているUSBケーブルを用意してください。
また、フォノイコライザーが非内蔵のレコードプレーヤーの場合は、別途フォノイコライザーを用意する必要があります。
単体製品や内蔵アンプもありますが、より便利な製品を紹介しますので参考にしてください。
フォノイコライザーとは
レコードの音の出力を上げ、正確な音を再現する機能のことです。これがないレコードプレーヤーをパソコンに接続すると、音が出なかったり小さすぎたりします。
フォノイコライザーは単体で購入できるほか、アンプに内蔵されている製品を用意してもOKです。
▼Bluetooth対応レコードプレーヤーのおすすめ
- オーディオテクニカAT-LP120XBT-USB
- 実勢価格: ¥54,000〜
- 幅
- 452mm
- 奥行
- 352mm
- 高さ
- 141.6mm
- 重量
- 8kg
- コーデック
- Qualcomm aptX Adaptive audio、Qualcomm aptX audio、SBC
- Bluetooth
- Bluetooth標準規格Ver.5.2準拠
- 型式
- ダイレクトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45、78回転/分
- 型番
- AT-LP120XBT-USB
USBメモリに直接保存できる機種も
USBポートにメモリを挿して再生するだけ
レコードをデジタル化する需要の高まりに呼応して、再生中の音源をUSBメモリに直接保存できるレコードプレーヤーも登場しています。これからレコードプレーヤーを購入するなら、こうした製品もおすすめです。
▼USBメモリに直接保存できるレコードプレーヤーのおすすめ
- デノンDP-450USB
- 実勢価格: ¥49,480〜
- 幅
- 414mm
- 奥行
- 347mm
- 高さ
- 132mm
- 重量
- 5.6kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45、78回転/分
- 型番
- DP-450USB-BK
デジタル化&編集におすすめの無料ソフト
Vinylstudio
レコードをデジタル録音した際に、オリジナルと編集後の両ファイルを保存。オリジナルを使えば納得いくまで編集ができる。
Audacity
定番の無料編集ツール。ノイズ除去やカット編集といった作業が波形を見ながら直感的な操作で行えるため、初心者にも人気。
SoundEngine Free
Audacityと同様、波形を表示しての直感的な編集が可能。基本はWAVファイルだが、MP3対応のPro版も用意されている。
オーディオキャプチャー(AD変換器)ならハイレゾ化もラクラク
今回はフォノイコライザーと編集ソフトを用意する手間を省くべく、デジタル化専用ケーブルのアイ・オー・データ機器「AD-USB2」を紹介します。
RCAケーブルが接続できれば、数十年前に購入したレコードプレーヤーでも使えます。
ラジカセからカセットテープの音源をデジタル化することも可能です。
デジタル化したデータはハイレゾ化もできるため、音質にこだわる人もぜひ試してみてください。
貴重なコレクションたちをより手軽に楽しみましょう!
- アイ・オー・データ機器AD-USB2
- 実勢価格: ¥6,138〜
- 幅
- 18.2mm
- 奥行
- 57.4mm
- 高さ
- 13mm(ケーブルを除く)
- 重量
- 60g(約)(本体のみ)
- 入力端子
- PHONO IN L/R、LINE IN
- 出力端子
- LINE OUT
- 型番
- AD-USB2
アナログ音声のデジタル化ならこれ
レコードをデジタル化するためのケーブルとして、おすすめしたいのがアイ・オー・データ機器「AD-USB2」。フォノイコライザー内蔵なのでどんなレコードプレーヤーにも使用可能です。
接続はRCAケーブルを使用。しかも、ハイレゾにも対応した専用の音声編集ソフトも付属しています。
これからアイ・オー・データ機器「AD-USB2」の実際の使い方を解説していきます。
※「AD-USB2」はWindowsのみの対応(Windowsのバージョンによっては対応していない場合もあります)。
また、MM型カートリッジにしか対応しておらず、MC型カートリッジで使用したい場合は、MC型カートリッジに対応したフォノイコライザーなどが別途必要になるのでご注意ください。
ハイレゾ対応の音声編集ソフトが付属
音質を深く求めるならコレ!
アイ・オー・データ機器「AD-USB2」の使い方
プレーヤーと「AD-USB2」の接続方法
オーディオ出力のあるプレーヤーに接続可能
「AD-USB2」とレコードプレーヤーの接続には、オーディオ(RCA)ケーブルを使用します。そのため、USBポートを備えていないレコードプレーヤーでも使用できるのも、「AD-USB2」のメリットです。
パソコンとの接続は「USB-A」端子なので、ポートがあるか確認しましょう。
レコードプレーヤーにつないだオーディオ(RCA)ケーブルは、「AD-USB2」の「PHONO IN」に色をあわせて接続してください。プレーヤー側にアース線がない場合は、アースは接続しないでいいです。
AD-USB2でレコードをデジタル化する
1:専用サイトで会員情報を登録する
「IOPortal」にアクセスしてメールアドレスなどを登録し、無料のユーザー登録を行いましょう。
2:「AD-USB2」を登録して編集ソフトをダウンロード
ログインをしたら指示に従って登録製品の選択やシリアル番号の入力を行ってください。使用中のOSを選択して、ダウンロード後にインストールを実行。
3:オーディオデバイスを登録する
レコードプレーヤーを接続。「コントロールパネル」→「ハードウェアとサウンド」→「オーディオデバイスの管理」から「AD-USB2」を規定値に設定してください。
4:編集ソフトを起動する
デスクトップのショートカットアイコンをクリックして「DigiOnSound X C.E. for I-O DATA」を起動。「録音する」を選択してください。
5:録音ボリュームを調整する
ソフトが起動したら、上図の「録音」ランクをチェック。音源を「ステレオ」「モノラル」から選び、右側のスライドでボリュームを調整してください。上に移動するほど音量が大きくなります。
録音ボリュームを調整する際の注意点
ボリュームを調整する際は、まずサビなどの音量が大きくなる部分で最大音量をチェックしてください。左側のメーターが赤色にならないギリギリの位置に調整しましょう。
6:トラックを指定して録音を開始する
録音したいトラックナンバーを指定して。「R」をクリック。
「コントローラー」の赤丸のアイコンをクリックすると、録音が開始されます。
7:録音を終了する
録音中は楽曲が再生されます。完了したら手順6の「コントローラー」で四角アイコンをクリックして録音を停止。すると波形データが表示されます。
8:録音したデータを保存する
再生してみて問題がなければ、「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」をクリックしてファイル名を入力。ファイルは「.dgs」形式になります。
録音した音源をハイレゾ化する
1:録音データを開いて編集画面を表示する
「ファイル」メニューから先ほど録音したデータを開き、続けて「編集する」をクリックします。
2:エフェクトランチャーから「ハイレゾ」を選択
「エフェクトランチャー」内のアイコンから「ハイレゾ化」をクリックすると、詳細メニューが開きます。
3:出力データ型式や補正レベルなどを選択する
「ハイレゾ化」ウインドウが開いたら、まず「出力データ形式」を「96kHz/24bit」に変更しましょう。
4:書き出しを開始する
「音源」を「圧縮音源(AAC/MP3)」にして、「イコライザーを使用する」をチェックしてください。「種類」と「イコライザー」のプルダウンは楽曲のジャンルにあわせて選びましょう。最後に「書き出し」をクリックして開始します。
5:録音データがハイレゾ化される
書き出しが完了するとハイレゾ化された音源が表示されます。「ファイル」メニューの「書き出し」から、ファイル名を付けて保存しましょう。その際、ファイル形式を「WAV/ALAC/FLAC」のいずれかから選んでください。
ノイズ除去などもエフェクトランチャーで行う
6種類のノイズリダクションで気になるノイズを取り除く
アナログ音源であるレコードの録音データにはノイズがつきものです。
「DigiOnSound X C.E. for I-O DATA」には「ノイズゲート」「ヒスノイズ」「ハムノイズ」「クラックルノイズ」「取り込み」「削除」という「ノイズリダクション」メニューが用意されています。
ノイズが気になるときは、これで除去を試みましょう。なお、音割れは録音時の音の大きすぎが原因です(「AD-USB2でレコードをデジタル化する」手順5参照)。
「サーッ」というようなノイズが気になるときは、「ヒスノイズ」が有効です。上図のようにスライドバーを動かして効果の大きさを決めるだけ。書き出しをするまえには「プレビュー」で効果のほどを確認してください。
録音データをスマホに転送する
1:書き出し時にiTunesに登録する
iPhoneユーザーなら「ファイル」→「書き出し時にiTunesへ登録する」をチェックしましょう。
2:登録先のフォルダを選択する
「環境設定」の「iTunes」タブを開き、楽曲の保存フォルダの指定も忘れずに。
Androidスマホの場合
いつもの楽曲追加と同様の手順
Androidユーザーの場合は書き出した楽曲ファイルを手動で追加する必要があります。端末をパソコンに接続し、「Music」フォルダーにドラッグ&ドロップしてください。
以上、『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』から、「レコード音源のデジタル化入門」の紹介でした。
興味のある方は、本記事を参考にレコード音源のデジタル化に挑戦してみてください。
レコードプレーヤーの売れ筋ランキングもチェック!
レコードプレイヤーのAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
音質を重視するならプレーヤー(+フォノイコライザー)+オーディオインターフェイス+パソコンという接続方法もあります。また、音質は劣化しますが、Bluetooth対応プレーヤーとパソコンとのワイヤレス接続でも録音可能です。