家電批評が検証テストした最高のアナログ機器の選び方を紹介!
『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』は、これまで雑誌『家電批評』でオーディオのプロとともに検証テストしたアナログオーディオ機器の中から、実際に試してわかった、本当におすすめできる商品だけを紹介しています。
レコードプレーヤー選びのポイントは?
アナログレコード人気の再熱にともない、注目度が高まっているレコードプレーヤー。ネットや店頭には数多くの製品がありますが、何を基準に選べばいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
レコードプレーヤーを選ぶにあたっては、さまざまな要素が挙げられますが、雑誌『家電批評』では5つのポイントに絞って解説していきます。ぜひ購入する際の参考にしてください。
ポイント1. 再生方法
ポイント2. 駆動方式
ポイント3. カートリッジ
ポイント4. トーンアーム
ポイント5. 価格
それでは、ひとつひとつのポイントを見ていきましょう。
ポイント1:再生方法
手軽さを重視するならフルオート、針を落とす醍醐味を味わうならマニュアル
レコードの再生方法にはマニュアル、フルオート、セミオートの3種類があります。
一番簡単なのは、ボタンひとつでトーンアームが移動して針が落ち、レコードの内周で針が上がるフルオートです。
セミオートは針先を盤面へのせるまでは手動で行う必要があります。
レコード再生の手間を楽しみたいならマニュアルがいいでしょう。
マニュアル
オーソドックスなプレーヤーはどれもこの方式です。自分で針をレコードに落とす楽しさはレコードの醍醐味のひとつでしょう。
▼マニュアル方式のレコードプレーヤーのおすすめ
- ティアックTN-400BT-X
- 実勢価格: ¥57,195〜
- 幅
- 420mm
- 奥行
- 356mm
- 高さ
- 117mm
- 重量
- 4.9kg
- コーデック
- Qualcomm aptX Adaptive、Qualcomm aptX、SBC
- Bluetooth
- Bluetooth 5.2(デュアルモード)
- 型式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45、78回転/分
- 型番
- TN-400BT-X/WA
フルオート
ボタンを押すだけでプレーヤー側で自動で針を落とし、音楽を再生してくれます。
▼フルオート方式のレコードプレーヤーのおすすめ
- ヤマハTT-S303
- 実勢価格: ¥47,749〜
- 幅
- 450mm
- 奥行
- 368mm
- 高さ
- 136mm
- 重量
- 4.8kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- TT-S303(B)
ポイント2:駆動方式
プロユースなどこだわりがなければ比較的安価なベルトドライブ方式が無難
駆動方式(回転方式)にはベルトドライブ方式と、ダイレクトドライブ方式の2種類があります。
以前はダイレクトドライブ採用のモデルが多かったのですが、現在は国内外ともにベルトドライブが主流になりました。
ダイレクトドライブは、回転が安定しやすいため、DJ用プレーヤーなどに採用されていますが、そういったニーズがなければベルトドライブが無難でしょう。
ダイレクトドライブ
シンプルな構造のため、システムがコンパクトにまとまります。またゴムベルトのように摩耗する心配がありません。
▼ダイレクトドライブ方式のレコードプレーヤーのおすすめ
- オーディオテクニカAT-LP120XBT-USB
- 実勢価格: ¥54,000〜
- 幅
- 452mm
- 奥行
- 352mm
- 高さ
- 141.6mm
- 重量
- 8kg
- コーデック
- Qualcomm aptX Adaptive audio、Qualcomm aptX audio、SBC
- Bluetooth
- Bluetooth標準規格Ver.5.2準拠
- 型式
- ダイレクトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45、78回転/分
- 型番
- AT-LP120XBT-USB
ベルトドライブ
モーターが回転する際の振動をゴムベルトが吸収するため、ピュアな音楽再生を得られやすい。
▼ベルトドライブ方式のレコードプレーヤーのおすすめ
- デノンDP-450USB
- 実勢価格: ¥49,480〜
- 幅
- 414mm
- 奥行
- 347mm
- 高さ
- 132mm
- 重量
- 5.6kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45、78回転/分
- 型番
- DP-450USB-BK
ポイント3:カートリッジ
高性能なMC型カートリッジがトレンドだが、MM型からのグレードアップがおすすめ
カートリッジは高性能なMC型が人気ですが、価格も高いため、最初はMM型でスタートしてのちにMC型にグレードアップするのが定番です。
また、購入後のカートリッジ交換を考えているならMM型とMC型の両方に対応し、切り替え機能を備えたものを選びましょう。
レコード針の形状の違いによってレコードの音は大きく変わります。
まずはMM型から始めよう!
カートリッジの交換はレコードプレーヤーカスタマイズの醍醐味です。最近はヴィンテージのカートリッジや復刻版も脚光を浴びています。
針形状の違いもチェック
丸針
低音の再生力に優れており、楕円針より耐久性が高い。
楕円針
高域の再生力に優れており、丸針より摩耗しやすい。
ポイント4:トーンアーム
トーンアームの形状でも音は変わる! 汎用性が高いのはS字型とJ字型
トーンアームの形状には、ストレート型、J字型、S字型の3種類があります。
どれが音質的に優れているといったことはありませんが、ストレート型はトーンアーム側にオフセット角(カートリッジの角度)が設けられていないため、使用できるヘッドシェルに制限があります。
ストレート型
シンプルで強度が高いのが特徴。音が安定しやすい。
▼ストレートアーム型レコードプレーヤーのおすすめ
- 幅
- 447mm
- 奥行
- 360mm
- 高さ
- 117mm
- 重量
- 6.0kg
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- PLANAR 3 MK2 RED WITH ELYS2 50
J字型
重量配分が非対称のため、水平方向のバランス調整が必要です。
▼J字アーム型レコードプレーヤーのおすすめ
- オーディオテクニカAT-LP7
- 実勢価格: ¥74,322〜
- 幅
- 450mm
- 奥行
- 352mm
- 高さ
- 157mm
- 重量
- 8.3kg(ダストカバーを除く)
- 駆動方式
- ベルトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- AT-LP7
S字型
重量配分が左右対称で、音が豊かになる傾向があります。
▼S字アーム型レコードプレーヤーのおすすめ
- 幅
- 449mm
- 奥行
- 355mm
- 高さ
- 150mm
- 駆動方式
- ダイレクトドライブ
- 回転数
- 33-1/3、45回転/分
- 型番
- TT350 CLASSIC
ポイント5:価格
グレードアップを楽しみたいなら10万円前後のプレーヤーを買いたい
5万円前後でもよい音を鳴らすレコードプレーヤーもありますが、音質を重視するなら10万円前後の予算を確保しましょう。
高価格なものほど、機能性が高く、レコードの魅力を引き出しやすいでしょう。10万円前後のモデルであれば、MM型とMC型の両方のカートリッジに対応した機種も多くなります。
MM型、MC型両カートリッジ対応だと便利
3つの回転数を選べる機種も
レコードの音がおかしいと思ったら針圧を調整しよう
針圧を調整すれば音が抜群によくなることも
レコードの音がおかしいと感じたら針圧を調整してみましょう。音をきれいに響かせたい場合は針圧を軽く(0に近づける)、充実した低音を響かせたい場合は重くするのがポイントです。
推奨値から極端に変えるとレコードが傷つく可能性があるので要注意です。
音色によって重さを変える
音がもっさりして聴こえる場合は針圧を軽く。低音が物足りない場合は針圧を重くしましょう。
±0.25ぐらいずつ調整
針圧を変更する際は、音の変化がわかりやすい0.25g単位の調整がおすすめです。
レコードプレーヤー選びのポイント まとめ
以上、『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』から、「レコードプレーヤー選びの5つのポイント」の紹介でした。ポイントを振り返っていきます。
まずレコードプレーヤーを選ぶ際にチェックしたいのが再生方法です。
マニュアルのほうが針を自分でのせる楽しさを味わえますが、初めてレコードプレーヤーを購入する場合には、やや難易度が高いでしょう。フルオートならボタンひとつで再生から終了まで対応できるためラクちんです。
駆動方式は、急激にターンテーブル(プラッター)の回転数を変えたり、逆回転させたりするようなDJプレイがしたいという理由がなければ、現在の主流であるベルトドライブ式で問題ありません。
カートリッジについては、ほとんどのレコードプレーヤーに最初から付属しているのがMM型のため、そこまで気にする必要はありませんが、どうしても高性能なMC型に変えたい場合には、あとからグレードアップするのがいいでしょう。
トーンアームもあとから付け替えできるモデルも多いため、カートリッジと同じ考え方で構いません。
最初は格安機で手軽にレコードを楽しむというのももちろんいいですが、カートリッジやトーンアームなどを自分好みにカスタマイズしたいという目的があるなら多少高くてもパーツ交換に対応したモデルを選ぶのがおすすめです。
あとは、設置環境も考慮しましょう。専用スペースが用意できないなら、ポータブル型とパワードスピーカーの組み合わせがいいでしょう。
レコードプレーヤー選びで悩んでいる人は、本記事を参考に、お気に入りをみつけてください。
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