ポータブルゲーミングPCとは?
「ポータブルゲーミングPC」は、任天堂スイッチ(Nintendo Switch)のように手元でPCゲームが遊べるPC。持ち運べるので、どこでもPCゲームができるのが魅力です。
PCゲームといえば、大きなサイズのデスクトップPCは場所をとりますし、ノートPCタイプも、机の上に置くスペースが必要と置き場所問題がつきまといますが、そんな悩みを解決してくれるアイテムです。
今回、雑誌『家電批評』はそんなポータブルゲーミングPCの人気4製品をピックアップ。ASUSやLenovoなどの注目製品を専門家と比較テストしました。
ポータブルゲーミングPCのメリットは?
最大のメリットは、本体が両手で持てるサイズなので、椅子に座らなくても、ベッドに寝転んだり、ソファでくつろぎながら場所を問わず遊べること!
例えば出張の際に新幹線で移動中なんて場面でもプレイでき、自宅に縛られずゲームを進められます。
ラクな姿勢でゲームができるので、長時間の座りっぱなしによる腰痛など、体への負担も解消されるかも。そのため、長時間座るのが苦手な人にもおすすめです。
キーボードやマウスもつなげられる!
キーボードやマウスはBluetoothと有線で、モニターはUSB-Cで接続できます。
そのため、キーボードとマウスが必要なゲームもプレイ可能。Steam Deck以外はWindowsを搭載しているため、YouTubeやChrome、Wordなど仕事で使うアプリを使えちゃうんです。
ソファでプレイ!
休憩中にプレイ!
外出先ではWi-Fiの有無で遊べるゲームが変わる
外への持ち運びはできますが、Wi-Fi必須のゲームはテザリングやフリーWi-Fiを使用しなければ遊べません。なお、Wi-Fiが必要ないゲームなら場所を問わずプレイできます。
外出時はオフラインゲーム、家はオンラインゲームと切り替えがおすすめです。
ポータブルゲーミングPCの選び方は?
今回は、好きな場所・ラクな姿勢でPCゲームをしたい人のために「ポータブルゲーミングPC」5製品をテストしました。最もストレスなく遊べる製品を探します!
どこでもPCゲームができるポータブルゲーミングPC5製品を比較
今回は、デジモノ誌やウェブでeスポーツを中心に活躍するライターの岡安学さんとゲーマーのモニターが主な検証を担当。ベンチマークやバッテリーの評価は編集部が行いました。
ゲーム機としての実感を重視して評価しています。
テスト1:ベンチマーク
「3D Mark」「PC Mark」「Cinebench r23」「Crystal Mark」「FF XIV」「FF XV」の6種類のベンチマークアプリで測定した数値を点数化し基本性能を評価しました。
テスト2:スペック
リフレッシュレート、ディスプレイの解像度、画面サイズを元に採点しました。
テスト3:音質
eスポーツライター岡安さんとモニターがゲームをプレイし、画質をチェックしました。
テスト4:操作性
ゲームをプレイしてスティックの動かしやすさや本体の持ちやすさを比較しました。
テスト5:持ち運びやすさ
サイズや重さを加味して外出時に気軽に持ち運べるかを評価しました。
テスト6:バッテリー
実際にゲームをプレイし、電源がなくなるまでの時間を測定しました。
テスト7:音質
最大音量の状態でゲームをプレイし、ノイズの有無などをチェックしました。
テスト8:プレイ実感
ストレスを感じずにゲームができるか、画面がカクつかないかなどをチェックしました。
テスト9:コスパ
合計点と製品価格から点数を算出し、コスパを評価しました。
ポータブルゲーミングPCのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ポータブルゲーミングPCのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | おすすめポイント | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ASUSROG Ally RC71L-Z1E512
|
|
長時間使っても本体が熱くなりにくい/持ちやすいサイズ感 |
280mm |
111.38mm |
40.58mm |
608g(約) |
1920×1080px |
16GB |
512GB |
AMD Ryzen Z1 Extreme |
7.0型 |
||||||||||
レノボLegion Go
|
|
高画質で細かな描写 |
298mm |
131mm |
40.7mm |
854g(約) |
2560×1600px |
16GB |
512GB |
AMD Ryzen Z1 Extreme |
8.8型 |
||||||||||
ONE-NETBOOKOneXFLY
|
|
小さなサイズで持ちやすい |
263.6mm(約) |
98.25mm(約) |
22.6mm(約) |
590g(約) |
1920×1080px |
32GB |
1TB |
AMD Ryzen 7840U |
7.0型 |
||||||||||
AYANEOAYANEO KUN
|
|
大画面でプレイしやすい |
312.4mm(約) |
132.5mm(約) |
21.9mm(約) |
950g(約) |
2560×1600px |
32GB |
2TB |
AMD Ryzen 7840U |
7.0型 |
【1位】ASUS「ROG Ally」
- ASUSROG Ally RC71L-Z1E512
- 実勢価格: ¥98,000〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで見る¥99,770〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥98,000〜
- ベンチマーク
- スペック
- 画質
- 操作性
- プレイ実感
- コスパ
- 音質
- 持ち運びやすさ
- バッテリー
実測で性能No.1 さらにプレイ感触も抜群
ポータブルゲーミングPCのおすすめランキングで1位となり、ベストバイを獲得したのはA評価のASUS「ROG Ally RC71L-Z1E512」でした。
ベンチマークはNo.1の高性能で「PC Mark」のスコアは2位製品より約14%良好。「原神」や「APEX」は映像がなめらかに動き、ストレスなく遊べました。
スピーカーは他製品と比べて定位感が優れ、後方にいる敵の位置も把握できます。また、ノイズも音割れもしないので大音量にしても不快感はありません。
15分ほど使うと本体は発熱し始めますが、温かいと感じる程度でゲームを途中で中断するなんてことはありません。
手軽にPCゲームをプレイしたい人におすすめです。
- おすすめポイント
-
- 長時間使っても本体が熱くなりにくい
- 持ちやすいサイズ感
- がっかりポイント
-
- 画面が少し小さい
- 幅
- 280mm
- 奥行
- 111.38mm
- 高さ
- 40.58mm
- 重量
- 608g(約)
- ディスプレイ
- 1920×1080px
- メモリ
- 16GB
- ストレージ
- 512GB
- プロセッサー
- AMD Ryzen Z1 Extreme
- 画面サイズ
- 7.0型
- 型番
- RC71L-Z1E512
【プレイ実感】安定したFPS値で情報量が増えても問題なし!
「原神」は戦闘中もカクつかず、自分の思った通りにキャラクターをスイスイ動かせます。一方で、「APEX」はまれにカクつきましたが、気になるほどではありません。
ゲーム内の情報量が多くなっても固まったり遅くならず、ストレスなく遊べます。
操作の遅延は感じず視点移動はスムーズでストレスなくプレイできます!
「APEX」のFPS値は安定していましたが、まれにカクつきを感じました。
【画質】遠くの建物や木のディティール描写までくっきりしている
「原神」と「APEX」はどちらも解像感が高く、遠景のグラフィック描写もはっきりしています。視点移動時の残像感もありません。
コントラストは若干低めなので、自分好みに色みを調整しましょう。
線がぼやけていると敵とかぶって見えづらくなりますが、遠くのオブジェクトははっきりと視認できます。敵が隠れている場所などはわかりやすいです。
【持ち運びやすさ】608gと小型軽量でかさばらない
サイズは小さく、重さ608gと5製品中2番目の軽さ。持ち運びが簡単です!
小さなカバンに入るので、友達の家や外出先で気軽に持ち運べます。
ケースは別売りなので、持ち運ぶときはスティックや画面が壊れないよう注意が必要です。
【2位】Lenovo「Legion Go」
- レノボLegion Go
- 実勢価格: ¥110,148〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで見る¥115,054〜
アイテム毎日更新中!楽天市場で見る¥112,261〜
- ベンチマーク
- スペック
- 画質
- 操作性
- プレイ実感
- コスパ
- 音質
- 持ち運びやすさ
- バッテリー
細かい操作ができて持ち運びもラク!
ポータブルゲーミングPCのおすすめランキングで2位となったのは、A評価のLenovo「Legion Go」でした。
本体が大きく、ベゼルが細い8.8型と広い画面で見やすいです。画質はコントラストが高く発色も良好ですが、暗部表現が少し見づらい場面も……。
重さを気にしなければ、ゲームはヌルヌル動いてカクつきもなく、操作性は良好なので大画面で遊びたい人におすすめです!
- おすすめポイント
-
- 高画質で細かな描写
- がっかりポイント
-
- 重くて腕が疲れやすい
- 幅
- 298mm
- 奥行
- 131mm
- 高さ
- 40.7mm
- 重量
- 854g(約)
- ディスプレイ
- 2560×1600px
- メモリ
- 16GB
- ストレージ
- 512GB
- プロセッサー
- AMD Ryzen Z1 Extreme
- 画面サイズ
- 8.8型
- 型番
- LENOVO LEGION GO
【操作性】スティックが指にフィットしてエイムが合わせやすい
スティックが他製品より外側にあり指がフィットします。無理なく操作できて、瞬時に照準を合わせられます。
溝が深いグリップで持ちやすく、重さを考慮した設計です。
【持ち運びやすさ】スティックを守れるケース付きで壊れる心配なく持ち運べる!
持ち運ぶと一番壊れやすいのがスティック。付属のケースはスティックを守るためのくぼみが付いていて、壊れる心配はありません。
ケース付きだと外出中の持ち運び時に役立ちます。また、落とした際に画面が傷つく可能性が低く安心です!
【3位】ONE-NETBOOK「OneXFLY」
- ベンチマーク
- スペック
- 画質
- 操作性
- プレイ実感
- コスパ
- 音質
- 持ち運びやすさ
- バッテリー
ゲームはスムーズに動くものの細かい操作は苦手かも
ポータブルゲーミングPCのおすすめランキング3位は、A評価のONE-NETBOOK「OneXFLY」。
ASUS「ROG Ally RC71L-Z1E512」と同様のリフレッシュレートながら、更なる小型軽量化を達成しています。
プレイするときは、パフォーマンスモードを最大に設定する必要はありますが「原神」「APEX」ともに快適にプレイできました。
こもり気味なスピーカーの音と、画面の小ささを気にしなければ、十分楽しめます。
- おすすめポイント
-
- 小さなサイズで持ちやすい
- がっかりポイント
-
- 音量MAXだと音割れする
- 幅
- 263.6mm(約)
- 奥行
- 98.25mm(約)
- 高さ
- 22.6mm(約)
- 重量
- 590g(約)
- ディスプレイ
- 1920×1080px
- メモリ
- 32GB
- ストレージ
- 1TB
- プロセッサー
- AMD Ryzen 7840U
- 画面サイズ
- 7.0型
- 型番
- ONEFLY-B3220
【画質】コントラストが少し低く、景色を最大限堪能できない
全体的に色が明るめで、描画がくっきりしています。
コントラストは低く、明暗の差はつきにくいですが、ゲームを楽しむには問題ありません。
原神は遠くまで描写がはっきりしていますが、APEXだと少し画質が落ちるのか、遠くのオブジェクトがぼやけて見えました。
【プレイ実感】パフォーマンス設定を最大にすればラグがなくスムーズにプレイ可能
初期設定のままAPEXをプレイすると画面がカクカクして遊べませんでした。しかし、パフォーマンス設定を最大にすれば快適にプレイできます!
原神は初期設定のままでも問題なく楽しめました。遅延も感じず、視点移動の残像感もありません!
【4位】AYANEO 「AYANEO KUN」
- AYANEOAYANEO KUN
- 実勢価格: ¥186,253〜
11/29(金)~12/6(金)Amazonで探す
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- ベンチマーク
- スペック
- 画質
- 操作性
- プレイ実感
- コスパ
- 音質
- 持ち運びやすさ
- バッテリー
ゲームは快適にできる! でも発熱がヒドい......
ポータブルゲーミングPCのおすすめランキング4位は、AYANEO 「AYANEO KUN」。
AYANEO 「AYANEO KUN」は、今回テストした5機種中で画質評価が一番! 8.4型と大画面で色合いがよく、グラフィック重視のゲームにもってこいです。
一方で、FPSゲームでは短時間のプレイで本体が発熱。温度上昇に伴い操作に遅延が発生してしまいました。情報量が多いゲームは厳しいかも……。
- おすすめポイント
-
- 大画面でプレイしやすい
- がっかりポイント
-
- すぐに本体が熱くなる
- 幅
- 312.4mm(約)
- 奥行
- 132.5mm(約)
- 高さ
- 21.9mm(約)
- 重量
- 950g(約)
- ディスプレイ
- 2560×1600px
- メモリ
- 32GB
- ストレージ
- 2TB
- プロセッサー
- AMD Ryzen 7840U
- 画面サイズ
- 7.0型
- 型番
- AYANEO KUN-32G/2T-WS
【画質】解像度が高く、キレイな色合い
大画面でも細部までしっかり表現されています。遠くの建物などオブジェクトの輪郭がはっきり表現できていました。
コントラストは高めで、明るいシーンや暗いシーンでも視認性は十分。しかし、FPSゲームでは視点移動で景色がブレていました。
ポータブルゲーミングPCの火付け役の実力は?
Valve「Steam Deck OLED」
- ベンチマーク
- スペック
- 画質
- 操作性
- プレイ実感
- コスパ
- 音質
- 持ち運びやすさ
- バッテリー
ポータブルゲーミングPCの人気はコイツから!
初代は2021年に発売され、ポータブルゲーミングPCの火付け役になったValve「Steam Deck OLED」。
Steamアカウントにログインすれば、ライブラリに一瞬でアクセスできます。
グリップ感は良好ですが、スティックの位置が遠いため操作しにくい印象でした。
- おすすめポイント
-
- 定位感がよく敵の位置がわかりやすい
- がっかりポイント
-
- 画質が少し粗い
- 幅
- 298mm
- 奥行
- 117mm
- 高さ
- 49mm
- 重量
- 640g(約)
- ディスプレイ
- 1280×800px
- メモリ
- 16GB
- ストレージ
- 1TB
- プロセッサー
- Zen2 4コア 8スレッド
- 画面サイズ
- 7.4型
ボタン配置はXboxと同じ!
▼Valve「Steam Deck OLED」
▼Lenovo「Legion Go」
Valve「Steam Deck OLED」はスティックの横に十字・ABXYボタンが付いていて、Xboxと同じ配置。
スティックが少し内側にあります。
Windowsは非搭載
▼Valve「Steam Deck OLED」
▼Lenovo「Legion Go」
他製品はWindows搭載ですが、Valve「Steam Deck OLED」はSteam OSを搭載しています。
まとめ:最もストレスフリーで楽しめたのはASUS!
以上、ポータブルゲーミングPCのおすすめランキングでした。
テストで1位になったのはASUS「ROG Ally」です。ほとんどのテストが高評価で、中でも操作性は2位のLenovo「Legion Go」と同率1位を獲得。グリップ感があり、スティックとボタンの距離が絶妙で、感覚的に操作できました。また、どのボタンもかたすぎず柔らかすぎない押し心地は◎。
今回のテストで一番差がついたのは画質です。ディスプレイ解像度は高くても、コントラストが低かったり、遠景のオブジェクトの輪郭が少しぼやけている機種もあれば、細かく描写されている機種もありました。
プレイ実感は点数上差が少ないものの、どの製品も操作しやすい人と、スティック操作がしっくりこない人に別れます。
このように、完璧なものはありませんでしたが、スペックの差は少ない反面、高画質や小型軽量などそれぞれに特徴があるので、購入する際は自分に合った製品を選んでください。
ポータブルゲーミングPCのおすすめ
ASUS
ROG Ally
RC71L-Z1E512
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ドックを別売りして、モニター接続がしやすい製品もあります。