そもそもゲーミングキーボードって何?
ゲームをよりプレイしやすくするキーボードのことです
ゲーミングキーボードとは、ゲームの操作に特化したキーボードのこと。FPS、MMORPGをはじめとした繊細で高速かつ、ミスのない操作が必要となるゲームを、よりプレイしやすくする機能を搭載しているのが特徴です。
ゲーム用か否かに関わらず打ち心地を左右するのが、キーの押下を電気信号に変換する重要パーツ「キースイッチ」です。
従来はゲーミングキーボードの主流はメカニカル方式でしたが、最近ではさらに素早いキー入力を可能とする静電容量無節点方式、磁気検出方式を採用し、「ラピッドトリガー」という機能を搭載したものも増えてきました。
複数同時押しに対応する「Nキーロールオーバー」や、誤入力を防ぐ「アンチゴースト」といった機能が搭載されているものもあります。
押した瞬間に入力を検知する「ラピッドトリガー」
通常のキーボードは、キーを下まで押し込むことで入力を感知し、キーが上まで戻った時に入力が解除されます。一方、「ラピッドトリガー」機能を有するゲーミングキーボードは、キーのわずかな上下移動を感知した瞬間に入力、解除を行います。このため、通常のキーボードよりもはるかに高速な連続操作が可能となるのです。
ゲーミングキーボードは「アクチュエーションポイント」が浅い
「アクチュエーションポイント」とは、キーを押し込んだ時に反応する深さのことです。通常のキーボードは2〜4mm程度となっていますが、最新のゲーミングキーボードはこれが非常に浅く、より高速に入力が行えるような仕組みになっています。「アクチュエーションポイント」を、0.1mm、0.5mmなど、任意の値に設定できる製品もあります。華やかなイルミネーションもゲーミングキーボードならでは。
ゲーミングキーボードは、さまざまな色の光で輝くイルミネーション機能が搭載されているものが大半です。また、キーボード全体のサイズと操作感のバランスが取れているのもゲーミングキーボードの特徴です。
そもそもキーボードの構造は?
パソコン用のキーボードは、簡単にいうと性質の異なる素材の板を複数重ねて作られています。この板の材質によって、打鍵感や打鍵音が変わり、軽くて高い音や、少しこもった音などに変化します。
メンブレン?メカニカル? さまざまな入力方式
メンブレン方式
やわらかく軽めなキータッチが特徴。構造がシンプルなため安価で、静音性にも優れていますが、耐久性は低く長時間ゲームを遊ぶ人には不向きです。
パンタグラフ方式
キートップの下にひし形のスプリングが入ったタイプです。薄型のキーボードのほか、ノートパソコンでも多く採用されています。打鍵音は比較的静かです。
メカニカル方式
金属パーツが接触することで動作するタイプ。スイッチがひとつずつ独立しているため、交換やカスタマイズも可能です。
広く普及しているのは「CHERRY MX」スイッチで、赤軸や青軸、茶軸など色によって打鍵感や打鍵音が違います。最近ではリニア、タクタイル、クリッキーと呼び方も変わり、種類も増えています。耐久性も高いため、ゲーミングキーボードに多く採用されてきました。一方で他のキーボードに比べ重く感じたり、打鍵音が大きかったりすることがあります。
静電容量無接点方式
キーが押されて電極同士が一定まで近づくと静電容量が変化し、これを検知することで反応するタイプで、ゲーミングキーボードを含む幅広い製品で採用されています。キーストロークが短く、浅い打鍵感が好きな人におすすめです。ただし製造コストが高く、値段が高くなりがちです。
磁気検出方式
スイッチに付属した磁石が押し込まれることでキーボード基板上の磁力が強くなり、これをセンサーで検出するタイプです。最新のゲーミングキーボードなどに採用されていますが、製品数はまだ少なめ。打鍵感が独特で、一般的なキーボードに慣れていると違和感を感じる可能性があります。
3万円クラスのゲーミングキーボードの選び方は?
ロジクールの新製品を含めた3万円クラスの3製品を比較
今回は、ガジェットライターの武者良太氏と、家電批評編集部員が、ロジクールの新商品「PRO X TKL RAPID」をはじめとした人気メーカーのゲーミングキーボード3製品をテスト。
キー入力などの一般的な操作に加え、コアゲーマーを中心に根強い人気があるゲーム『サイバーパンク2077』『エースコンバット7』『PUBG: BATTLEGROUNDS』をプレイしながら、打鍵感やレイアウトなどの5項目をチェックしていきます。
どの製品がより使いやすく、ゲームで的確な操作ができるキーボードなのか探します!
打鍵感やレイアウトなど5項目をテスト
テスト1:サイズ
パソコンに接続してモニターの前に設置し、実際にゲームをプレイした際にサイズ面で違和感が起きないかチェックしました。
テスト2:打鍵感
実際に文字を打ったりゲームをプレイして、キーの押し心地や打鍵音などをチェックしました。
テスト3:レイアウト
キーの配列や間隔、個別のキーの押しやすさなどをチェックしました。
テスト4:キートップ
打鍵時に指が触れるキートップの形状や押しやすさ、掃除のしやすさなどをチェックしました。
テスト5:キックスタンドの安定性
文字を打ったりゲームをプレイして、製品を支えるスタンドにどの程度の安定感があるかをチェックしました。角度調整機能も確認しています。
ゲーミングキーボードのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ゲーミングキーボードのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||||
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ロジクールPRO X TKL RAPID
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|
357mm |
38mm |
150mm |
1.31㎏ |
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東プレREALFORCE GX1
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365mm |
38.2mm |
143.1mm |
1.3㎏(約) |
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HYPER XAlloy Rise 75
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331mm |
48.9mm |
142.2mm |
907g |
【1位】ロジクール「PRO X TKL RAPID」
- ロジクールPRO X TKL RAPID
- 実勢価格: ¥25,009〜
- サイズ
- 打鍵感
- レイアウト
- キートップ
- キックスタンドの安定性
- おすすめポイント
-
- 自分に合った入力ポイントを0.1mm単位で設定可能
- キー配列も設定で変更できる
- 二段式で高さや角度を調整できるスタンド
- がっかりポイント
-
- サイズがやや大きく場所をとる
- 素材の高級感はあまりない
- 幅
- 357mm
- 高さ
- 38mm
- 奥行
- 150mm
- 重量
- 1.31㎏
- 型番
- G-PKB-TKL-RTWH
おすすめポイント1:快適な打鍵音としっかりとした構造
キー全体は中央に向かって湾曲している形状。素材はPBTで、耐熱性や耐久性は高めです。タイピング時も特に癖はなく、コトコトという打鍵音が心地よく響きます。
スタンドは幅広で、ゲーム中にタイピングが激しくなった場合でも安定していました。しっかりグリップするので置いた位置がズレることもありません。
おすすめポイント2:各種設定はロジクール製品専用のソフトで
細かな設定は、ロジクールが配布している設定ソフト「G HUB」を使って行います。キー配列やアクチュエーションポイントのほか、操作の邪魔をするキーを無効にする設定も利用できます。
【2位】REALFORCE「REALFORCE GX1」
- 東プレREALFORCE GX1
- サイズ
- 打鍵感
- レイアウト
- キートップ
- キックスタンドの安定性
- おすすめポイント
-
- どのキーも押しやすい
- ゲームからビジネスまで汎用性が高い
- 掃除しやすい構造のキートップ
- がっかりポイント
-
- サイズが大きく広めのスペースが必要
- 角度調整ができない
- 幅
- 365mm
- 高さ
- 38.2mm
- 奥行
- 143.1mm
- 重量
- 1.3㎏(約)
- 型番
- X1UC13
余裕があって押しやすいキー
全体的にキー配列に余裕があり、どのキーも押しやすく感じました。キーの刻印は英語のみです。
慣れてくれば、思考した瞬間にキーを入力しているようなPCやゲームとの強い一体感を得ることができます!
キートップは少し浮いているタイプ
キートップが浮いているため、掃除がしやすいのが◯。レスポンスを重視する場合、ちょっとした汚れでも反応が変わってしまうので、掃除しやすいのは助かります。
【3位】HYPER X「Alloy Rise 75」
- HYPER XAlloy Rise 75
- 実勢価格: ¥28,600〜
- サイズ
- 打鍵感
- レイアウト
- キートップ
- キックスタンドの安定性
- おすすめポイント
-
- コンパクトで場所をとらない
- 軽く押すだけで入力できる反応の良さ
- がっかりポイント
-
- キートップにアクセスしづらい
- 使用できるキーの数は少なめ
- 幅
- 331mm
- 高さ
- 48.9mm
- 奥行
- 142.2mm
- 重量
- 907g
- 型番
- 7G7A4AA#ABJ
コンパクトなのに使いやすい!
小さめのサイズながら、考え抜かれたキー配列となっていてストレスを感じさせません。
個人的には、そこまで大きすぎないサイズ感により無理せず端っこのキーまで手が届くので使いやすいです
ガスケットマウントによる適度な打鍵感と安定した底面
スイッチがあるプレートをガスケットと呼ばれる柔らかいゴムのような素材で挟む構造のため、打鍵時の衝撃や不要な音が軽減されています。製品自体に角度がついているものの、安定しています。
まとめ:反応の良さはどのキーボードも高水準!
以上、ゲーミングキーボードのおすすめランキング3選でした。
キックスタンドの安定性やキートップの形状など、細かな部分でついた差異が順位に影響しましたが、どの製品も高い総合評価となりました。
キーの方式も磁気式、静電容量無接点、昔からあるメカニカルと、3つの製品でそれぞれ異なっていましたが、いずれも軽くキーを打つだけで非常に高速な反応を見せました。ゲームに活用すれば、プレイのパフォーマンスを高めてくれることは間違いないでしょう。
キーを深く押し込まなくても反応するため指が疲れにくいので、ゲーム以外でも大量かつ高速でキーを打つという人におすすめです。
ゲームごとのおすすめキーボードも紹介!
最後に、今回テストしたゲーム別で、特に使いやすかった製品も紹介します。
オープンワールドゲーム「サイバーパンク2077」をプレイするなら……
1位のロジクール「PRO X TKL RAPID」。マクロをの設定や、BGMのボリューム調整などをより手軽に行うことができました。
フライトアクションゲーム「エースコンバット7」をプレイするなら……
ファンクションキーなどマクロが使えた3位のHYPERX「Alloy Rise 75」。コンパクトなため広範囲に指が届き、ファンクションキーを操作しやすいのが便利でした。
TPS・FPSゲーム「PUBG: BATTLEGROUNDS」をプレイするなら……
どの製品とも相性が良く、違和感なくゲームをプレイできました。2位の「REALFORCE GX1」は打鍵音が特に静かで、あまり音を立てずにプレイしたい場合はおすすめです。
記事を参考に、自分にぴったり合ったゲーミングキーボードを見つけてみてください!
ゲーミングキーボードの売れ筋ランキングもチェック!
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軽くて入力しやすい打鍵感は、ゲームプレイはもちろんレポートや論文などの長文入力でも効果を発揮しますね