Pebbleシリーズってどんなスピーカー?
クリエイティブメディアのPebbleシリーズは、かわいい球形デザインが特徴のPC用スピーカー。多くが1万円以内で購入できる価格ながら、デザインや音質のよさで評判の製品です。雑誌「家電批評」でも過去にベストバイを何度も獲得しています。
そんなPebbleシリーズに、プレミアムモデルのクリエイティブメディア「Pebble Nova」が登場しました! シリーズの特徴である球形デザインを継承しつつ、材質や質感を高めています。
また、新たに3インチドライバーと1インチツイーターを同軸上に配置した同軸2WAYドライバーを採用。
価格は驚きの4万円超え。アクティブスピーカーとしては驚くほどの価格ではありませんが、これまでリーズナブルな製品を展開してきたメーカーだけに、この価格での音質が非常に気になります。
はたして4万円の価格に見合う音質なのかをプロと一緒にじっくり検証しました。
低価格帯の定番が一気にハイエンド化!
クリエイティブメディア
Pebble Pro
実勢価格▶8900円
サイズ(各サテライト):約W123×D123×H118mm
重量:左側/約365g、右側/約415g
入力:3.5mmステレオライン、4極ヘッドセット、マイク入力
付属品:USBケーブル×2(USB C-C、USB A-C)、AUXケーブル
クリエイティブメディア
Pebble Nova
実勢価格▶4万1800円
サイズ/約W149.2×D150.8×H153mm・約1.89kg ●ドライバー/3インチドライバー、1インチツイーター、パッシブラジエーター
●出力/50W RMS
Pebbleシリーズはもともと5000円から1万円くらいの価格帯が定番のPCスピーカー。本誌でも低価格帯のベストバイを何度も獲得し
ています。それが一気に4万円! 大きさもこのように違います。
操作は本体のボタンで
スピーカーの上部にボリュームなどのボタンが並びます。上向きのため目視しづらいのが不便。
電源用と入力用2つのUSB-C端子
スピーカーの背面に、電源用と入力用のUSB端子とAUX端子を装備。デジタル入力が16bit/48kHz (CD音質)とやや物足りません。
同軸2WAY配置が特徴
3インチのウーファーと1インチのツイーターを同軸上に配置し、2つのユニットの音源を一致させる設計で、優れた音像定位を実現しています。
金属製のスタンドが付属
直置き用の台座と、高さ調整用の支柱が付属。金属製で重量があり、スピーカーを安定して設置できます。
テスト方法
4万円の価値はあるのか? を主題に評価しました
スピーカースタンドの下にインシュレーターを置き、スピーカーの距離や角度を詳細に設定。極力、音質に悪影響が出ない方法で設置して検証しました。なお、メーカー推奨のアナログ入力に加えてデジタル入力もチェックしています。
クリエイティブメディア「Pebble Nova」
- 解像度
- 聴こえやすさ
- 音域バランス
- 音像定位
- ダイナミクス
- Bluetooth入力
- USB入力
- おすすめポイント
-
- 素晴らしいサウンド
- 独自性のある構造とデザイン
- がっかりポイント
-
- 角度調整ができない
- USB/Bluetooth入力が低スペック
- 幅
- 149.2mm(約)
- 奥行
- 150.8mm(約)
- 高さ
- 153mm(約)
- 重量
- 1.89jg(約)
- ドライバー
- 3インチドライバー、1インチツイーター、パッシブラジエーター
- 出力
- 50W RMS
- 型番
- SP-PBLNV-BKA
【テスト1】音質をチェック
正確な音像定位でステレオの立体感を思う存分楽しめます
音楽を再生した瞬間、「いい音!」と気分が高揚する音質。音像定位が正確で、音場感も素晴らしく、もはやPC スピーカーの枠を超えたクオリティです。
ボーカルや楽器の位置がわかるとよく表現されますが、このスピーカーでは本当にボーカルが中央にいるかのように感じます。さらに、左右のスピーカーから音が出ているとは思えないほどの奥行きと立体感が最大の魅力です。
メーカーはUSB DACなどのアナログ出力からクリエイティブメディア「Pebble Nova」に入力することを推奨していますが編集部の機材で試した範囲では、MacBook Proのヘッドホン端子から入力したほうがサウンドに色付けがなくスピーカーにマッチしていたため、試聴にはMacBook Proを使用しました。
オーケストラ、洋楽、最新Jポップなど幅広く試聴
Black Summer(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)
独特のグルーヴ感と切なくも力強いエネルギーが融合した名曲。
海の見える街(久石譲&ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団)
壮大なオーケストレーションが原曲の優雅さをさらに引き立て、爽快感と情緒を感じさせる名演です。
晴る(ヨルシカ)
繊細な歌詞と疾走感のあるメロディが融合し、希望と切なさが交錯する心に響く一曲。情景描写がすごい。
二度寝(Creepy Nuts)
軽快なビートとウィットに富んだリリックが絶妙にマッチした曲。主題歌のドラマも高視聴率でした。
解像度
聴こえやすさ
メリハリのある音で、力強い低域とクリアな高域が際立つ一方、ボーカルのなめらかさはやや物足りなく感じます。
十分に明瞭で、聞き取りやすさと耳当たりのよさが両立しています。長時間聴いても疲れにくい自然な。音質が魅力です。
音域バランス
低域がやや出すぎる印象ですが、不自然さはなく好ましいバランス。構造上、低音が後ろから出るのがやや気になりました。
パワフルな低域と癖のないバランス! ただし、置き場所が強固でないとその魅力が発揮できないので注意が必要です。
音像定位
音像定位は正確で音場感も良好。その半面、左右のサービスエリアが狭くてシビア。セッティングを詰めていくとピンポイントになる。
同軸ユニットのため、音像定位が明快。音場も広く空間を感じられます。4万円としては十二分な品質でしょう。
ダイナミクス
小音量でも音がやせずにダイナミックレンジが確保できているのは素晴らしい。大音量でもパワー不足は感じません。
スピーカーのサイズや価格を考えるとハイレベル。低音の迫力や、大音量に耐えうるパワー感が素晴らしい。
Bluetooth入力
SBCということを考えればなかなかの音質。ザラザラした感じが若干出ますが硬質でクッキリしたボーカルが再現されます。
SBCのため高音質は追求できませんが、最低限の音質は確保されています。しかし、このスピーカーには物足りなく感じます。
USB入力
高域がやや粗い感じになりますが、低域は輪郭がハッキリ。アナログ入力とどちらがいいかは好みで選べばいいでしょう。
デジタル入力では明瞭感が高まりますが、アナログ入力は再生装置にこだわればさらなる性能を追求していけそう。
相性の良い楽曲やジャンル
最近のJポップなど、打ち込みで緻密に音場を作り込んだ曲。各音の配置が明確で、ボーカルや楽器がまるで目の前に広がるような臨場感を味わえます。
オールジャンルで楽しめる音質ですが、特に低域の迫力豊かなソースでは、その力強さと重厚感が際立ち、音楽をよりダイナミックに堪能できます。
Bluetoothでは解像度が下がってしまう
Bluetooth接続ができるのは便利ですが、コーデックがまさかのSBCのみ。これは、ほぼ全てのBluetooth対応機器に採用されている標準コーデックです。LDACなどの高音質コーデックと比べて、解像度が劣るため、音質にはあまり期待できません。
できればBluetooth以外の入力で聴きたいです。
SBCということを考えればなかなかの音質です。
【テスト2】動画視聴
サウンドバーとは違った迫力とセリフの明瞭さ
このスピーカーは、動画視聴にも非常に相性がよいと感じます。例えば、映画『トップガン マーヴェリック』のドッグファイトシーンでは、セリフがまるで画面から鳴っているように錯覚するほど、音声が中央に定位し、明瞭で聞き取りやすかったです。
パッシブラジエーターの低域再生能力も抜群で、爆破シーンも大迫力。また、左右に広がる効果音も立体感があり、映画館さながらの臨場感を体験できました。
迫力豊かな低音と明瞭な定位で、映画とも好相性。
音像定位が明確でセリフの明瞭度は高い。サラウンド感もやや感じられる。
【テスト3】使いこなし
机の振動や低音の反響をいかに抑えるかがポイント! 調整次第で音質をさらにレベルアップ
スタンドを使用するにはドライバーでネジを締める必要があります。ショートスタンドの取り付けには小さなパーツも使うので紛失に注意!
検証の環境では、台座やスタンドを付けずにスピーカーの下にインシュレーターを置くだけのほうが、スピーカーの高さと角度がちょうどよく、音域のバランスが整いました。この製品は、上向き45度から角度を変更できないので、環境に応じて設置方法を工夫しましょう。
スピーカーを設置したら座る位置や頭の位置を動かして音が立体的に聞こえるスポットを探してみましょう。
Windows PCやスマホでEQなどの調整が可能
Windows用「Creative App」では、イコライザーや照明のパターンを自由にカスタマイズできます。イコライザーには30種類以上のプリセットが用意され、10バンドのカスタムイコライザーを使った詳細な設定も可能です。
「Creative」アプリのスマホ版でもEQの調整や本体下部のライティングをカスタマイズできます。
4万円は決して高くない! 期待以上のサウンドがここに!
以上、クリエイティブメディア「Pebble Nova」の紹介でした。
検証を始める前は、「どんな音がするのだろう?」「4万円の価値はあるのだろうか?」と期待と不安が入り混じった気持ちでしたが、そんな心配をよそに、期待以上のサウンドを体験できました。
デスク上のわずかなスペースながら、ステレオ本来の立体感や奥行き感を見事に再現しているのには驚きです。
PCスピーカーやサウンドカードを数多く手がけるメーカーだけあって、映画やゲーム専用のイコライザーを用意するなど、サウンド機能が充実しており、音楽だけでなく多彩なエンターテインメントを楽しめるのも魅力的でした。
また、デザイン性も高く、比較的コンパクトなのも◎。何よりアンプ内蔵なので、これ一台でスマホやパソコンと接続して高音質なサウンドが楽しめます。PCスピーカーの購入を検討しているなら、ぜひ候補に加えるべき一台です。
このタイプは低音再生が苦手ですが、パッシブラジエーターの追加で量感を出しています。
レスポンスのいい低域を主体として、癖のない聴きやすい音質を実現しています。
音楽をじっくり聴くのが好きでPCを長時間使う人に推薦したいですね。
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中高域の解像度は良好で、楽器のニュアンスがしっかりと再現され ますが、低域になると解像度が低下し、音がかたまりになる印象。
2WAYらしい解像感があり、各楽器が明瞭に分離される心地よいサウンドです。音楽全体に立体感を与えます。