AV機器家電批評が検証テストした最高のアナログ機器の選び方を紹介!

家電批評が検証テストした最高のアナログ機器の選び方を紹介! 中古オーディオおすすめ イメージ

『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』は、これまで雑誌『家電批評』でオーディオのプロとともに検証テストしたアナログオーディオ機器の中から、実際に試してわかった、本当におすすめできる商品だけを紹介しています。

AV機器オーディオ機器を揃えるなら「中古」という選択肢も!

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アナログオーディオ機器を揃えたいけれど、いきなり全てを新品で揃えるのは予算オーバー。

そんな人におすすめしたいのが中古オーディオです。お手頃価格のものが多く、思わぬ銘機に出合えることもあります。

ただし、安易に手を出すとヤケドするのも中古ならでは。

そこで今回は、「中古オーディオの探し方から購入する際に注意するポイントまで」を紹介します。

※掲載価格は2024年8月の取材時のものです。

AV機器中古アナログオーディオ機器を探すなら大きく分けてこの3つ

値段が安いからといってすぐに飛びつくのはご法度

中古アナログオーディオは大まかにいうと3通りの探し方があります。

まずはメルカリなどのフリマサイトヤフオクに代表されるネットオークションが挙げられます。

魅力はなんといっても種類の多さです。欲しかった機種がお手頃価格で購入できるというメリットがあります。

ですが、そもそも故障していたり、必要な部品だけを抜き取ったジャンク品という場合もあるので、購入(入札)する前に入念なチェックをすることが大切です。

特に、「ノークレーム・ノーリターン」が大前提のヤフオクは注意が必要です。

次に、中古オーディオはAmazonや楽天などのネットショップでも購入可能です。

フリマサイトやネットオークションより多少割高ですが、何かあっても返品しやすいため安心でしょう。

3つ目はリユースショップです。

メリットは現物を実際に見て、触って、ときにはレコードをかけて聴いたり、相談することで、自分の好みかどうかを確かめられることでしょう。

製品は独自にメンテナンス・リペアしている店もあるので、品質面は問題なし。対面販売なので安心感が段違いといえます。

どれも事前にSNSやレビューで評判をチェックし、保証期間やアフターケアの確認もしておきましょう。

1:とにかく安く手に入れたい! 「フリマサイト・ネットオークション」

1:とにかく安く手に入れたい! 「フリマサイト・ネットオークション」 中古オーディオおすすめ イメージ

→メルカリ・ヤフオクなど

メリット

  • 種類が豊富に揃う
  • 比較的リーズナブルな値段設定

デメリット

  • 試聴できない
  • 壊れている可能性がある
  • 返品できないリスクがある
  • メンテナンスで高い費用がかかる場合もある

▶︎▶︎デノン「DP-3000」が8000円〜

2:安く買いたいし失敗したくない「ネットショップ」

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→Amazon・楽天など

メリット

  • フリマやネットオークションより割高だけどリユースより安価
  • もしもの時は返品しやすい

デメリット

  • 試聴できない
  • メンテナンス有無の情報がわかりにくい
  • 部品が全部揃っていない場合がある

▶︎▶︎デノン「DP-3000」が2万9900円〜

3:いいものを見て選びたい「リユースショップ」

3:いいものを見て選びたい「リユースショップ」 中古オーディオおすすめ イメージ

→ハードオフなど

メリット

  • 現物を見て相談できる
  • メンテナンス済みのものが多く安心度が高い

デメリット

  • ほかの2つと比べて料金が割高の傾向にある
  • 店舗により品揃えが限られる
  • 店に行く時間と手間がある

▶︎▶︎デノン「DP-3000」などが9万9000円

(ハードオフ オーディオサロン 吉祥寺店)

購入・入札前に気をつけたいこと

1:商品の説明がされているか

2:年代物のメンテナンスの有無

3:価格が適正かどうか

4:音が鳴るかどうか

AV機器中古アナログオーディオ機器を購入する前に注意するポイント

劣化が進んだハズレ品を選ばないよう入念に確認を

中古でアナログオーディオを買う場合は見極めが大切です。まずは外観をよく見て、目立つキズや汚れなどがないか、チェックしましょう。

破損していなければ音質に影響はないかもしれませんが、今後、毎日使うことになるので見栄えの良さは大切です。

また、黄ばみや変色、日焼け、金属部分のサビ、ケーブルの断線などにも注目しましょう。

大事に扱われていないものは、内部の劣化の進み具合にも影響してきます。

この外観は、現物を見られない場合に特に注意したいポイントですが、外観だけをきれいにして中身は劣化したままという可能性もありますので、気を付けましょう。

次に商品の動作チェックができるなら、電源が入るかどうかはもちろんレコードプレーヤーならトーンアームが正常に動くか、回転数が狂っていないか、アンプならスイッチ類に不具合が生じていないかをチェックしましょう。

実際にレコードをかけて、音飛びやノイズの有無が確認できるなら、さらに安心です。

メルカリやヤフオクの場合は、商品の詳細を把握するために、出品者に質問をすることが有効です。

ただし、あまりにもしつこくすると嫌がらせと受け取られることもあるので、ほどほどにしておくのがいいかもしれません。

1:レコードプレーヤー

1:レコードプレーヤー 中古オーディオおすすめ イメージ

単品とユニットのどちらを購入するか

単品とユニットのどちらを購入するか 中古オーディオおすすめ イメージ

1960年代など古いものは、もともとターンテーブルだけなどの単品で販売されていたものが多い。自分で組み立てられるなら、バラバラで購入したほうが安くなることもあります。

動作チェック

電源が入るか

スタート/ストップが機能するか

トーンアームが動くか

針圧が調整できるか

ベルトが劣化していないか

電源が入り、スタートやストップの機能がスムーズかどうか、基本的な動作をチェックしましょう。トーンアームは正確に水平に動くか、針圧が適切に調整できるかどうかも確認しておきましょう。

動作チェック 中古オーディオおすすめ イメージ

ベルトドライブ式の場合は、ベルトの状態も見ておきましょう。メンテナンスがされていないものは硬化や伸びている可能性があります。

外観チェック

キズや汚れがないか

プラスチックの黄ばみがないか

金属部分のサビがないか

外観を細部まで見て目立つ汚れや傷、破損がないか確認しましょう。特にプラスチック部分の黄ばみや金属部分のサビは老朽化のサインであることが多いので見逃さないようにしましょう。

外観チェック 中古オーディオおすすめ イメージ

汚れが原因の黄ばみであれば洗剤で落とすことも可能ですが、経年劣化での変色は落とすのが厳しいです。

音質チェック

音が鳴るか

音飛びしないか

回転数に異常がないか

レコードを再生して音が飛んだり、音程の高すぎ・低すぎなど異音がないかを確認しましょう。また、モーターの動作音が大きすぎないかどうかもあわせてチェックしておきましょう。

音質チェック 中古オーディオおすすめ イメージ

長く使っているうちに基盤がダメージを負い、回転数が速くなったり遅くなったりしている場合もあります。

アクセサリーと付属品チェック

カートリッジ 

カウンターウェイト 

取扱説明書

カートリッジやトーンアームのカウンターウェイトなどオリジナルの付属品が揃っているかをチェック。取扱説明書があれば使用法やメンテの参考になります。

2:アンプ

2:アンプ 中古オーディオおすすめ イメージ

動作チェック

電源が入るか

スイッチが機能するか

一般的な家電製品は、販売終了から5~7年程度で修理対応サービスが終わることが多いです。オーディオ機器も例外ではないため、年式が古い場合は、電源やスイッチなどが正常に動くかどうか必ず確認しましょう。

動作チェック 中古オーディオおすすめ イメージ

ボリュームつまみを回してガリガリとスピーカーから音がする場合は、内部の部品の劣化や接触不良の可能性があります。

外観チェック

キズやサビ、カビがないか

ボディが変形していないか

表面のキズや汚れはもちろん、金属部分のサビ、下側にカビが生えていないか、落としたりして変形していないかなど、細かく確認しましょう。大切に扱われていないものは避けるのがベターです。

音質チェック

スピーカーの音がブツブツとぎれないか

スイッチ類を回してノイズが発生しないかどうか確認しましょう。スピーカーの音がブツブツと切れて聴こえる場合は、内部に劣化している部品がある可能性が高いです。

フォノイコライザー搭載の有無もチェック

フォノイコライザー搭載の有無もチェック 中古オーディオおすすめ イメージ

CDプレーヤーが主流になった頃のアンプはフォノイコライザー非搭載モデルが標準となるものが多いため、その場合には別途の購入が必要です。もちろん中古で入手可能です。

3:スピーカー

3:スピーカー 中古オーディオおすすめ イメージ

外観チェック

キャビネットにキズがないか

サビやカビがないか

ボディが変形していないか

ユニットに破損がないか

ターミナルなどに破損がないか

目立つキズがついていたり、サビやカビがあったりするものはメンテナンスされていない可能性が高く、内部の劣化が心配です。ユニットやターミナルなどの破損がないかも、あわせてチェックしてください。

外観チェック 中古オーディオおすすめ イメージ

キャビネットに傷があるものは価格が下がる傾向にあります。

音質チェック

ノイズが混ざっていないか

音が左右から均等に聴こえるか

音が聴こえるかどうかはもちろん、ノイズの有無も確認をしましょう。ノイズは配線やプラグの接触不良が原因の場合もありますが、そうでないなら劣化が疑われます。

音質チェック 中古オーディオおすすめ イメージ

音の大きさだけではなく、左右のスピーカーからバランスよく音が出ているかもチェックしておきましょう。

AV機器メンテナンス済みの製品が揃うリユースショップでの選び方

リユースショップで実際に選ぶとどうなるかを実践!

中古アナログオーディオ機器の選び方“実践編”として、取材に訪れたのは「ハードオフ オーディオサロン 吉祥寺店」。

ここはリユース商品を自店でリペアし、劣化部分の交換は元より、細かな調整を加えることで、かなりのクオリティの高さとオーディオマニアからも人気を集めているお店です。

今回は店長の高野さんに、普段の接客と同じようにして商品を実際に見て触れながら、再入門にふさわしいレコードプレーヤー、アンプ、スピーカーのおすすめ商品のピックアップをお願いしました。

最後に選んだ商品でセットを組んでもらい、レコードをかけて試聴させていただきました。

取材にご協力いただいたのはココ

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オーディオマニアに人気の店

ハードオフ オーディオサロン 吉祥寺店

東京都武蔵野市吉祥寺東町1-4-27 アソルティ吉祥寺エスト3F

TEL:0422-27-6891

リユースショップで伝える3つのポイント

1:予算

2:サイズ・容量

3:こだわりたい点

木目や黒といった見た目やデザイン、どんなジャンルの音楽を聴きたいかなど、好みや要望を色々伝えると店員の方もアドバイスしやすいそうです。

値札はココをチェック!

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メーカー名型番年式のほか、備考に書かれた傷や汚れの有無をチェック。各部品が点検・調整済みかどうかも重要事項です。

レコードプレーヤー

店長おすすめの機種はコレ!

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デノン(1972) DP-3000+DA-309/DK-300 中古価格▶9万9000円

1972年に発売され、爆発的ヒットモデルになったターンテーブルデノン(DENON)「DP-3000」。かつて民放各局の業務用として活躍していた信頼性の高さが人気の秘密です。

その銘機に新モデルのデノン「DP-3000NE」のベースとなったトーンアームデノン「DA-309」をキャビネットデノン「DK-300」に組み合わせた逸品。

  • ヤフオクだとターンテーブルだけで8000円~
  • 楽天だと2万9900円~
  • 進化版のDP-3000NEは38万5000円
高野雄輔 氏
ハードオフ オーディオサロン 吉祥寺店 店長
高野雄輔 氏 のコメント

2023年10月に発売された「DP-3000NE」はこのフラッグシップモデル。それを10万円以下で購入できるのはお得です。

マニア垂涎の銘機を発見!

マニア垂涎の銘機を発見! 中古オーディオおすすめ イメージ
GARRARD 301後期+SME 3012 S2 初期 中古価格▶88万円

1950年代に登場して以来、オーディオ愛好家のあいだで名高いターンテーブルGARRARD(ガラード) 「301後期モデル」とトーンアームSME(エスエムイー) 「3012 S2初期モデル」。洗練されたデザイン、回転の安定性、針圧の精度にこだわり、クリアで高品質な音を実現。

アンプ

店長おすすめの機種はコレ!

店長おすすめの機種はコレ! 中古オーディオおすすめ イメージ
店長おすすめの機種はコレ! 中古オーディオおすすめ イメージ2
ソニー(1986) TA-F333ESX 中古価格▶7万7000円

1986年に発売されたプリメインアンプソニー(SONY)「TA-F333ESX」。MM型とMC型の両カートリッジに対応しているのに加え、今となっては貴重となった高品質なパーツを惜しみなく使った贅沢な製品です。

  • メルカリだと1万9300円~
  • 楽天だと2万4500円~
高野雄輔 氏
ハードオフ オーディオサロン 吉祥寺店 店長
高野雄輔 氏 のコメント

MM、MC対応はもちろん、インピーダンスの切り替えも付いていて、至れり尽くせりの機能搭載です。

スピーカー

店長おすすめの機種はコレ!

店長おすすめの機種はコレ! 中古オーディオおすすめ イメージ
店長おすすめの機種はコレ! 中古オーディオおすすめ イメージ2
ヤマハ(1983) NS-20M 中古価格▶4万4000円(ペア)

銘機と名高いヤマハ「NS-10M(通称テンモニ)」の系譜を継いだ3Wayのコンパクトスピーカーシステムヤマハ(YAMAHA)「NS-20M」。整備済みで、この値段はかなり狙い目です。

  • ヤフオクだと1万500円~
  • 楽天だと2万9900円~
高野雄輔 氏
ハードオフ オーディオサロン 吉祥寺店 店長
高野雄輔 氏 のコメント

中域から高域にかけての伸びやかな音は、ボリュームを絞って聴いても、かなりの高品質です。

取材日の在庫の中から高野さんにおすすめのセットを組んでもらいました!

取材日の在庫の中から高野さんにおすすめのセットを組んでもらいました! 中古オーディオおすすめ イメージ
レコードプレーヤー

デノン(1972) DP-3000+DA-309/DK-300 中古価格▶9万9000円

アンプ

ソニー(1986) TA-F333ESX 中古価格▶7万7000円

スピーカー

ヤマハ(1983) NS-20M 中古価格▶4万4000円(ペア)

総額▶22万円

高野さんが選んでくれたのはデノンのレコードプレーヤーにソニーのアンプ、ヤマハのスピーカーというラインナップ。

総額22万円という贅沢なお値段となりましたが、いざレコードをかけてみると、艶のあるヴォーカル、奥行きを感じるオーケストラの重厚感のある音に圧倒されてしまいました。

黒を基調に、レトロクラシカルなデザインの統一性も秀逸です。

ハイクオリティの機器を信頼できる店で買う安心感

レコードプレーヤーの中から選ばれたのはデノンのターンテーブル「DP-3000」を中心としたセット。かつて伝説の品番ともいわれた銘機ですが、50年以上前のものとは思えないほどきれいな外観でした。

9万9000円と高額ですが、このモデルをリスペクトした新製品デノン「DP-3000NE」が昨年発売され、オリジナルともいえる音色を1/3以下の値段で楽しめるなら高くない買い物でしょう。

アンプはソニーの「TA-F333ESX」、スピーカーはヤマハの「NS-20M」と、ともに1980年代のものをセレクト。バブル期なこともあり、今では考えられないほどの贅沢なつくりの機器がこの価格で手に入るのはうれしいですね。

なにより、今回取材して感じたのはアナログオーディオの知識豊富な店員さんが選ぶのを手伝ってくれる安心感でした。店に置いてあるものは一点モノの可能性が高いので、ピンときたら早めに購入することをおすすめします。

少しでも高く買い取ってもらうなら定期的に電源を入れるべき

長年放置し続けるとコンデンサーの容量が抜け、電源が入らないこともあります。ちゃんと動作しているものの方が高く売れるので、定期的に電源を入れたり、スイッチ類を操作したりするのがおすすめです。

以上、『家電批評』特別編集のムック『アナログオーディオがまるごとわかる本』から、プロが教える「中古アナログオーディオ機器の探し方&選び方」の紹介でした。

興味のある方は、中古アナログオーディオ機器選びの際に本記事を参考にしてください。

AV機器レコードプレーヤーの売れ筋ランキングもチェック!

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