スマートドアホンってどんなもの?
しっかりしていると思っていた親が、怪しい訪問販売や詐欺に引っかかってしまった…… なんて話は少なくありません。離れて住んでいると、うちも大丈夫かな? と心配になりますよね。
そこでおすすめしたいのが、スマホで応対できる「ビデオドアホン」です。親に代わって訪問者に応対できるのはもちろんですが、どんな人が出入りしたのか、親がいつ外出したのかがわかる「玄関モニター」としても活躍。自宅や職場からでも、確認できて安心です。
こんな高齢の親御さんにおすすめです
・玄関まで行くのが難しい
・訪問販売や詐欺に引っかかりそう
・ひとり歩き(徘徊)で家を飛び出す
また、従来のものと異なりバッテリーを搭載しているので、工事不要で簡単に取り付けられるのが魅力。訪問者がドアホンの前に来れば自動で録画するので、呼び鈴を押さない家族の出入りもチェックできます。
室内モニターがなく、親が応答できるようにするには室内にスマートディスプレイなどが必要になるため、まずは追加設置という形で試してみるのがスムーズかもしれません。
今回は、Google「Google Nest Doorbell」とRing「Ring Video Doorbell4」の2製品を比較。評価の高かった順に紹介します。
Google「Google Nest Doorbell」
Google
Google Nest Doorbell(Battery Type)
実勢価格:1万9800円
サイズ・重量:W46×D24.1×H160mm・206g
画角:対角145°
解像度:960×1280ピクセル
フレームレート:最大30fps
▼テスト結果
総合評価:S
- 設置のしやすさ:○
- 設定のしやすさ:◎
- 充電の速さ :◎
- 映像の見やすさ:◎
- 遅延の少なさ :◎
- 有料プラン :○
- 盗難保証 :◎
Google「Google Nest Doorbell」はGoogleのスマートホームデバイス「Nest」シリーズのドアホンで、 AIを使った人物認識(有料サービス)ができるのが最大の魅力となっています。
取り付けがネジ留め前提であること、有料プランに加入しないと3時間しか映像を保存できないといった弱点はありますが、 それ以外の評価はほぼパーフェクト。 買って損なしの一台です。
良かったポイント:人物を特定できる
有料プランに加入すれば、ドアホンの前に立ったのが「誰か」まで判別可能。親の映像だけ、または家族以外の訪問者だけを抽出して確認したりもできます。
また、呼び鈴にすぐ出られない場合や訪問者と直接話したくない場合、事前に録音された自動メッセージを流して応対することもできます。
Ring「 Ring Video Doorbell 4」
Ring
Ring Video Doorbell 4
実勢価格:2万3980円
サイズ・重量:W62×D28×H128mm・非公表
視野角:水平160°、垂直84°
解像度:1080p(一部1080p未満)
▼テスト結果
総合評価:A+
- 設置のしやすさ:◎
- 設定のしやすさ:○
- 充電の速さ :○
- 映像の見やすさ:○+
- 遅延の少なさ :○
- 有料プラン :◎
- 盗難保証 :◎
Ring「Ring Video Doorbell 4」は惜しくもA+評価となりました。こちらは、Amazon子会社のRing社が手がけるドアホンです。
周辺機器が充実していて、設置する家を選ばないのが魅力。性能もNestに匹敵し、呼び鈴を押す4秒前から記録したり、近隣が写らないよう背景をマスクできたりと、独自の機能を搭載。設置環境によってはこちらがベストになるかもしれません。
良かったポイント:とにかくアクセサリーが豊富!
Amazonには異なるカラーの本体カバーや上下角度調整用マウントなど、アクセサリーが多数。あらゆる設置方法に対応しています。
Wi-Fi中継機としても使える室内チャイム「Ring Chime Pro」を玄関内に設置すれば、門が多少遠くても電波を拾ってくれます。照明にもなります。
ここまでは2製品の良かったポイントを中心に紹介しました。ここからは、比較テストの結果です。
取り付け編:家を選ばない「Ring」取り付け簡単な「Nest」
賃貸住宅やマンションだと、玄関へのねじ留め設置ができない場合があります。壁付け用の両面テープが付属するRing「Ring Video Doorbell 4」はそのあたりもきちんと配慮されています。
ただし取り付け作業自体は、マウントにカチッとはめるだけのGoogle「Google Nest Doorbell」のほうが簡単です。
賃貸でもOKの「Ring」
ねじだけでなく、両面テープも平面用と超強力タイプの2種類が付属しています。
マウントに本体を取り付けるのはねじ。しかも位置が微妙でやや締めづらさを感じました。
ねじ留めだけど、取り付けカンタンな「Nest」
取り付けパーツはねじ留めが前提。両面テープは付属していないので、賃貸などでは別途買い足す必要があります。
取り付けの手間は少なく、本体はマウントにはめ込むだけ。あとはテープがあればすぐに設置が完了します。
初期設定編:設定のしやすさは「Nest」に軍配
Ring「Ring Video Doorbell 4」は「Amazonデバイス」として販売されていますが、 スマートホームデバイスなどで使うAmazonアカウントには非対応です。別途「Ring」用のアカウントを作る必要があるのが若干の手間。Googleアカウントが使えるGoogle「Google Nest Doorbell」のほうが簡単です。
「Ring」:○(既存のAmazonアカウントは使えない)
2段階認証の手続きや、Amazonアカウントとのリンクなどで アプリを行ったり来たりするため、設定時間は長め。30分以上を要しました。
まずは、Ring「Ring Video Doorbell 4」のアカウントを作成。
次は、Amazonのアカウントと連携します。
ここからやっと、ドアホンのセットアップです。
Nest:◎(既存のGoogleアカウントが使える)
Google Homeアプリを入れていれば、そこでセットアップするだけ。ただし、かなり丁寧な説明画面を経由するため、20分弱かかりました。
Google Homeでセットアップします。
設定自体は簡単です。
説明はやや多めに感じました。
充電編:速度は「Nest」、待機時間なしは「Ring」
バッテリーはどちらも1カ月程度は持ちそうですが、定期的な充電は必要です。Google「Google Nest Doorbell」は充電は速いですが、充電中は本体が使えません。
親と別居しているなら、バッテリー交換できるRing「Ring Video Doorbell 4」のほうが使い勝手がよさそうです。
Type-Cで充電が早い「Nest」
USB Type-Cで充電するので、速度はGoogle「Google Nest Doorbell」が上。ただし4〜5時間の充電中は本体が使えません。
バッテリー交換で待機時間ゼロの「Ring」
充電は半日がかりでしたが、Ring「Ring Video Doorbell 4」は予備バッテリーと交換すれば、待機時間をなくせます。
映像編:「Ring」は画角が広く「Nest」は大きく映す
映像を比べると、Google「Google Nest Doorbell」は縦位置重視、Ring「Ring Video Doorbell 4は横位置重視です。訪問者をより大きく見たいならNest、ドア前に立つ前後の動きまでチェックしたいならRingが便利です。
「Ring」は画角が広い
スマホを横位置にして見るなら、画角が広いRing「Ring Video Doorbell 4」のほうが見やすいです。マンションの廊下などにも向いています。また、呼び鈴を押す前の動きもわかります。
Google「Google Nest Doorbell」は横の黒い部分がもったいないです。
訪問者を大きく映すのは「Nest」
どちらも画質的にはほぼ互角できれいです。Google「Google Nest Doorbell」のほうが訪問者の映像は断然大きく映せますが、逆に周囲に別の人がいるときなどは認識しづらくなりそうなので、評価的にはイーブンです。
履歴をチェックしやすいのは「Nest」
Ring「Ring Video Doorbell 4」は録画をリスト表示できないのが不便。タイムゲージ表示しかできず、映像を巻き戻して探すため大変です。
Google「Google Nest Doorbell」は録画をタイムゲージで見られるほか「全履歴」からリスト表示が可能。サムネイルを見て目的の映像に素早くたどりつけます。
タイムラグ編:接続が早くすぐ応答できるのは「Nest」
離れた場所にいても会話できるかテストしてみたところ、接続が早かったのはGoogle「Google Nest Doorbell」。会話時の遅延はどちらも少し感じましたが、0.5〜1秒程度で問題なく会話できました。
Ring「Ring Video Doorbell 4」は会話時は問題ありませんが、接続まで少し待つので、帰られないよう注意が必要。
Google「Google Nest Doorbell」はスマホを持っていれば、実家にいるよりも早く応対できる可能性があります。
サービス編:どちらも盗難補償付きで安心
この2製品が優秀なのは、どちらも盗難補償が付いていること。また、有料プランは複数のスマートデバイスを使うならGoogle「Google Nest Doorbell」のほうが安いですが、多くの方はドアホン1台で運用するはず。そうなるとRing「Ring Video Doorbell 4」のほうに軍配が上がります。
有料プランの比較
Ring VideoDoorbell
●有料プラン名:Ringプロテクトプラン
●最安料金:3500円/ 年(Basic プラン)
●台数制限:あり(1台まで)
● 特徴:60日間のビデオ履歴、ビデオの保存と共有、スナップショットの撮影、パーソンアラートなど
※2023年3月31日まで無料提供中
Nest Doorbell
●有料プラン名:Google Nest Aware
●最安料金:6300円/ 年(標準プラン)
●台数制限:なし
● 特徴:30日間の動画履歴、認識済み人物のスマートアラート
※30日間の無料試用期間あり
その他の選択肢ならパナソニックのモニター付き
従来のモニター付きドアホンで、スマホ応対もしたいという人には、昨年ベストバイを獲得したパナソニックもおすすめです。
本体とWi-Fiルーターの間に「ホームユニット」(写真右)を取り付けるのが手間ですが、これのおかげで高音質かつ遅延のない会話ができるのが特徴です。
パナソニック
VL-SGZ30K
実勢価格:2万4363円
サイズ・重量:W99×D37.2×H131mm・約245g(室外子機)
撮影素子:1/4型CMOS(約100万画素)
電源:単3形電池6本
圧倒的な遅延の少なさとクリアな音質が優秀。リモートでの会話もスムーズです。
難色を示す親にドアホンをつけてもらうには?
もしもドアホン設置に親御さんが難色を示したら、以下の口説き文句を使ってみましょう。既設ドアホンの付け替えになるとハードルが上がるので、追加設置がおすすめです。
おすすめトーク例
- 「出かけているときに、誰が来てたかもわかるよ」
- 「断るのが面倒な販売員を追い返してあげるよ」
- 「部屋にカメラ付けないから……」
また、既存のインターホンに追加設置をする場合は訪問者に確実にベルを押してもらうため、誘導用の貼り紙などをしておくとベストです。
以上、離れたところからもスマホで対応できるスマートドアホンGoogle「Google Nest Doorbell」とRing「Ring Video Doorbell4」の比較でした。
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カメラを設置できない家で使うのもいいですね。