ソニー「α7 IV」は「旅カメラ」としておすすめ?
ソニー
α7 IV
実勢価格:29万7973円(ボディ)
サイズ・重量:約W131.3×D79.8×H96.4mm・約658g(バッテリー込み)
マウント:Eマウント
有効画素数:約3300万画素
マニュアルでの操作性が高く、ボケを生かした写真が撮りやすく、いろいろなメーカーのレンズが使えるのが魅力なソニーの最新ミラーレス、「α7 IV」。
レビュー第1回はそんなソニー「α7 IV」の基本的なポイントと、編集部員が所持しているほかのカメラとの比較をお届けしました。
▼第1回の記事はこちら
第2回目は「旅カメラ」としての適正チェック。実際に撮影した写真を紹介しながら、レビューします。
クリエイティブルックで印象的な光景を「色」で表現できる
写真の印象を左右するのが、色やコントラスト、明暗のトーンといった“画づくり”です。爽やかだな! と感じたら爽やかに撮れてほしいですよね。
ソニー「α7 IV」には従来のソニー機とは異なる「クリエイティブルック」という仕上がり設定があり、このカメラを選ぶ理由のひとつだと実感しています。
クリエイティブルックにはあらかじめ10種類の仕上がりが用意されていますが、大胆な仕上がりもあり、コントラストやシャープネスなど8つの項目でカスタマイズが可能。
自分の欲しい色やトーンにクリエイティブルックで追い込めると、EVF(ファインダー)やモニターをのぞくたびに、イメージどおりの光景が広がり楽しく撮影できます。それは、現実の光を楽しむ一眼レフとはまた違う楽しみ方です。
それではクリエイティブルックをはじめ、使い込んで便利だと感じた「画づくり関係の機能」を解説します。
クリエイティブルック機能を駆使して色を自在に調整できる
クリエイティブルックを微調整する
クリエイティブルックのST/PT/NT/VVは、スタンダード、ポートレート、ニュートラル、ビビットのことで、他メーカーでもよくある一般的な仕上がり。
一方、明るく高彩度のVV2や色が大きく変わるFL、SH、INは雰囲気重視系で、ハマるハマらないかに分かれます。
各ルックは彩度などを微調整できるので、好みで微調整しましょう。ホワイトバランスやDROも併用しつつ画づくりができます。
ホワイトバランスで色をのせていく
晴天下で全体的に青みをのせて爽やかにしたり、赤みをのせて夕日を濃厚にしたりと、ホワイトバランスは写真の雰囲気を大きく左右します。「太陽光」などのプリセットから微調整するのがオススメ。
「DRO」でシャドウの明るさを整える
逆光をはじめ、明暗差が大きい場合に白飛びや黒つぶれを抑えるための補正機能がDレンジオプティマイザー(DRO)です。暗部のノイズは増えますが、Lv4や5まで効果を高めると違いは一目瞭然の結果。重宝する機能です。
「フィルム風」もクリエイティブルックで似せられる
最近はフィルムカメラ風に撮られた写真が流行りで、Instagramなどでもよく見かけます。“ある程度”ですが、クリエイティブルックで似せられます。
ベースとなるのはFLやINです。微調整で「フェード」をプラスにし、シーンによっては「ハイライト」をマイナスにします。これで写真がやわらかく、マットな質感になるはず(なお、INはフェードがもともとかかっています)。
さらにホワイトバランスで特定の色(晴天であれば青など)を強調したり、彩度を微調整していきます。
【STEP1】
クリエイティブルックをSTにして、ホワイトバランスなどはオートにした状態です。雲が白飛びしないように露出を設定しています。
【STEP2】
FLを適用した状態。FLは「落ち着いた発色と印象的な空の色味にメリハリのあるコントラスト」(ソニー)な描写です。
【STEP3】
フェードをプラスに、ハイライトをマイナスにしてホワイトバランスの青を強めました。最後に露出補正で明るくしています。
ソニー「α7 IV」は旅にいいレンズがそろっている
ソニー「α7 IV」のボディはシグマやタムロンのレンズを使えることが魅力。続いては、合わせて使うのにおすすめなレンズを2つ紹介します。
タムロン「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」
タムロン
35-150mm F/2-2.8
Di III VXD
実勢価格:17万9820円
サイズ・重量:φ89.2mm×158mm・1165g
ニコンやキヤノンは同種のレンズを出しておらず、タムロン「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」はソニーユーザーの特権。
フルサイズカメラでは汎用的な高画質なズームとして24ー105mm F4というスペックが定番ですが、タムロン「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」はそれより広角側が狭く望遠側が長いうえ、明るいです。
広角でも望遠でも背景をボカせるので、写真のバリエーションが増える
▼「35mm F2.0」で撮影
▼「150mm F2.0」で撮影
明るい分、道端の花や木々の背景をボカしたり、夜景のノイズを抑えたりと表現の幅が広がりますし、ボカす用に単焦点レンズを別途用意する必要性も薄まります。
シグマ「16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary」
シグマ
16-28mm F2.8
DG DN | Contemporary
実勢価格:11万3850円
サイズ・重量:φ77.2mm×102.6mm・450g
編集部員は望遠が好きなので、旅行では望遠ズームも必ず持っていきますが、もうタムロンだけでいいのでは? という気持ちです。3300万画素のソニー「α7 IV」の場合、150mmで足りないならトリミングする手もありますし……。
ここにシグマ「16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary」などの小型軽量で明るい超広角ズームをプラスするとわずかに抜ける焦点域はあるものの16〜150mmまでをF2・8で貫く、かなり贅沢な旅レンズセットが完成します。
明るい、超広角ズームは自撮り動画にも適している
シグマ「16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary」は450gと小型軽量でソニー「α7 IV」と合わせても約1.1kg。女性でも短時間ならこのように自撮りできるほどで、VLOG撮影にも適していました。
建物の撮影でも超広角ズームは重宝します。背景をある程度ボカすこともできるので被写体を強調しやすく、このレンズだけつけて街歩きするのも楽しかったです。
カメラとレンズを持ち歩いて重たくないの?
編集部員は旅行にキヤノン「EOS 6D」とシグマ「24-105mm F4」(合計約1.6kg)をよく持っていきます。一方、ソニー「α7 IV」とタムロン「35-150mm」は合わせて約1.8kgとさらに重いです。
鎌倉を半日歩き回り疲労感をチェックしましたが、許容範囲と感じました。ただ、首や肩にかかる負担は増えるので、ストラップを幅広にするなど工夫を試みたいところです。
スマホと常時接続可能! 撮影場所の位置情報記録がスムーズ
ソニー
Imaging Edge Mobile
対応OS:iOS、Android
GPSを内蔵するキヤノン「EOS 6D」は写真の撮影地を自動で記録できましたが、昨今、カメラの内蔵GPSは廃れつつあります。
代わって、スマホから位置情報をカメラに転送する仕組みが普及していますが、転送までラグがあるなど記録もれが不安でした。
ソニー「α7 IV」はソニーのカメラで唯一スマホとの常時接続が可能です(※『家電批評』2022年8月号発売時点)。
実際に使ってみると、位置情報の転送がスムーズで記録もれが少なく、これならキヤノン「EOS 6D」の代わりになる、と判断できました。
以上、ソニー「α7 IV」で簡単に思いどおりの写真は撮れる?【第2回】ソニー「α7 IV」は旅カメラに適しているのかのレビューでした。
次回、第3回は動物や飛行機などを簡単に撮れるのか検証したレポートをお届けします。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
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