カメラソニー「α7 IV」はポートレイトの撮影におすすめ?

ソニー「α7 IV」はポートレイトの撮影におすすめ? イメージ

ソニー
α7 IV
実勢価格:29万7973円(ボディ)

サイズ・重量:約W131.3×D79.8×H96.4mm・約658g(バッテリー込み)
マウント:Eマウント
有効画素数:約3300万画素

マニュアルでの操作性が高く、ボケを生かした写真が撮りやすく、いろいろなメーカーのレンズが使えるのが魅力なソニーの最新ミラーレス、「α7 IV」

第1回〜第3回目では、そんなソニー「α7 IV」の基本的なポイントや、実際に撮影を行って「旅カメラ」としての適正チェックや「動物や乗り物の撮影はしやすいか」検証したレビューをお届けしました。

▼第1回〜3回の記事はこちら

第4回目となる今回は、人物を撮影してポートレート機能の実力を検証しました。

カメラ人物撮影は「リアルタイム瞳AF」でカメラ任せで撮れた

人物撮影は「リアルタイム瞳AF」でカメラ任せで撮れた イメージ

第3回目で行った「リアルタイム瞳AF」での動物や乗り物の撮影では不満が残りましたが、人物では話は別。人物では顔認識が効くこともあり、顔が見えてさえいればカメラ任せでバッチリピントが合ったポートレートを高確率で撮影できます。

ところで、ソニー「α7 IV」のレビューを検索すると「瞳にピントが合わず、まつげにくる」といった声が見つかります。

人物撮影は「リアルタイム瞳AF」でカメラ任せで撮れた イメージ2

撮影してみると、上の写真のようにピントはまつげです。

そもそも、ポートレートでは手前のまつげにピントを合わせるのが一般的。虹彩にピントがくると充血が目立つという弊害もあるので、まつげで問題ないのでは? と思います。

ただ、カラコンをしっかり写したいという人もいるので、そういう写真には本機種は向かないかもしれません。

「α7 III」世代からは顔認識の精度改善を実感した

ソニー「α7 IV」のAFには「リアルタイムトラッキング」という被写体の色や形状を解析して、ピントを合わせるべき場所をカメラが自動で判断、トラッキング(追従)し続ける機能があります。

その前身がソニー「α7 III」に搭載されている「ロックオンAF」です。

▼ソニー「α7 III」で撮影

「α7 III」世代からは顔認識の精度改善を実感した イメージ

この場面でのソニー「α7 III」は顔認識ができず、ロックオンAFで上半身をざっくり捉えている状態です。

▼ソニー「α7 IV」で撮影

「α7 III」世代からは顔認識の精度改善を実感した イメージ2

一方、ソニー「α7 IV」は横顔でも顔認識できており、より高精度なピント合わせを期待できます。

人物撮影は「ワイドトラッキング」+「瞳AF」がオススメ

人物撮影は「ワイドトラッキング」+「瞳AF」がオススメ イメージ

先ほど紹介した作例のように、人物が1人の場合はピント合わせをカメラ任せにする「トラッキング:ワイド」が簡単。シャッターを半押し中ならカメラが画面のどこでも自動で顔を検知し瞳にピントを合わせてくれます。

人物撮影は「ワイドトラッキング」+「瞳AF」がオススメ イメージ2

AFモードは「コンティニュアスAF」を選びます。シャッターを半押ししている間は自動でピントを合わせ続けてくれます。乗り物や動物を含め、動き物を撮る基本的なモードです。

人物撮影は「ワイドトラッキング」+「瞳AF」がオススメ イメージ3

「AF時の顔/瞳優先」はもちろん入です。ちなみに、「個人顔登録」と「登録顔優先」は検証していませんが、イベント等で家族や知人を確実に記録したい場面で使えそうです。

人物撮影は「ワイドトラッキング」+「瞳AF」がオススメ イメージ4

マルチ測光時顔優先」を入にすると、顔が明るすぎたり、暗すぎたりする事態を防ぎやすくなります(動物と鳥は対象外)。なお逆光シーンでは21ページで紹介したDROを併用すると効果的です。

カメラ「リアルタイム瞳AF」+連写なら、はしゃぐ子どもを取るのも簡単

「リアルタイム瞳AF」+連写なら、はしゃぐ子どもを取るのも簡単 イメージ

※85mm/ISO2000/F1.4/1/2000秒で撮影

ソニー「α7 IV」のリアルタイム瞳AFと連写を組み合わせると動きのあるポートレートが簡単に撮れます

上の写真は2000分の1秒の高速シャッターと秒間10コマの連写に設定したうえでモデルさんに顔を左右に激しく振り動かしてもらっている最中の1枚です。

撮影で頑張ったのは、撮影場所を選んだこと、カメラの視野にモデルさんを収め続けること、笑顔でね! とお願いしたことぐらい。

さすがにピントが甘い写真も出てきますが、連写しているのでOKカットも量産できるというわけです。

連写とリアルタイム瞳AFでこんな写真も簡単に撮れました

▼顔を横に向けても瞳AFで瞳を認識

連写とリアルタイム瞳AFでこんな写真も簡単に撮れました イメージ
連写とリアルタイム瞳AFでこんな写真も簡単に撮れました イメージ2

▼瞳を見失い顔認識に移行

連写とリアルタイム瞳AFでこんな写真も簡単に撮れました イメージ3

▼「トラッキング」で髪の毛を追う

連写とリアルタイム瞳AFでこんな写真も簡単に撮れました イメージ4

▼引き続き髪の毛を追う

連写とリアルタイム瞳AFでこんな写真も簡単に撮れました イメージ5

▼顔認識が復活

連写とリアルタイム瞳AFでこんな写真も簡単に撮れました イメージ6

▼顔認識に復帰

連写とリアルタイム瞳AFでこんな写真も簡単に撮れました イメージ7

オートフォーカスの動きを見ると瞳認識、顔認識、リアルタイムトラッキングが上手に連携してピンボケを最小限に防いでいることがわかります。

長髪の人物の場合、ピントが髪に持っていかれるのをどれだけ防げるかがポイントになりそうです。前髪が長いと撮影難易度が少し上がりそうです。

カメラポートレートにはシグマの85mmレンズが最高

ポートレートにはシグマの85mmレンズが最高 イメージ

シグマ
85mm F1.4 DG DN Art
実勢価格:10万4895円

サイズ・重量:φ82.8×94.1mm・625g

リアルタイム瞳AFを検証したカットは全てシグマ「85mm F1.4 DG DN Art」で撮影しました。85mm F1.4という性能は人物撮影の定番。

ポートレートにはシグマの85mmレンズが最高 イメージ2

ソニー純正の「FE 85mm F1.4 GM」(18万円)よりかなり安く約200gも軽いです。それでいて外装は金属で質感も極めて良好。もはや買わない理由を探すほうが難しい一本です。

数少ない弱点は逆光ではフレアがでる場合があること。しかし、編集部員は演出としてプラスに捉えています。

なお、先ほどのモデルさんに顔を左右に動かしてもらって撮った写真では高速シャッターを切っているので、感度がISO2000まで上がっていますが、4Kモニターで見てもさほどノイズは気になりません。このあたりにもフルサイズの恩恵を感じます。

近めの距離で撮るならソニーの55mmです

近めの距離で撮るならソニーの55mmです イメージ

ソニー
Sonnar T*
FE 55mm F1.8 ZA
実勢価格:8万7800円

シグマ「85mm F1.4 DG DN Art」は離れて撮影する必要があるので、会話しながら近づいて撮るならソニー「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」くらいが使いやすいです。

このレンズは画質はもちろんですが、281gと軽量でポケットサイズ。オススメです。

以上、ソニー「α7 IV」で簡単に思いどおりの写真は撮れる?【第4回】ポートレート撮影についての検証レビューでした。

次回のラスト第5回は、は4K動画の検証レポートと、ソニー「α7 IV」に約30万円の価値はあったのか、結論をお届けします。ぜひ、ご覧ください。

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