カメラソニー「α7 IV」は4K動画の撮影におすすめ?

ソニー「α7 IV」は4K動画の撮影におすすめ? イメージ

ソニー
α7 IV
実勢価格:29万7973円(ボディ)

サイズ・重量:約W131.3×D79.8×H96.4mm・約658g(バッテリー込み)
マウント:Eマウント
有効画素数:約3300万画素

マニュアルでの操作性が高く、ボケを生かした写真が撮りやすく、いろいろなメーカーのレンズが使えるのが魅力なソニーの最新ミラーレス、「α7 IV」

第1回〜第4回目では、そんなソニー「α7 IV」の基本的なポイントや、実際に撮影を行って「旅カメラ」としての適正チェックや「動物や乗り物の撮影」や「ポートレイト撮影」を検証したレビューをお届けしました。

▼第1回〜4回の記事はこちら

さて、最後となる第5回目は、4K動画を試したレビューと、ソニー「α7 IV」に30万円の価値があるのかの結論を発表します。

カメラ手ブレ補正には満足できず。4K動画の映像品質はさすが!

ソニー「α7 IV」は、動画にも相当力が入ったカメラです。

4K動画のフレームレートはソニー「α7 III」の30pから倍の60pに増加。撮り比べた映像を再生してみると、当たり前ですが滑らかさが段違い。

また、第2回目で解説した「クリエイティブルック」は動画にも適用できるため、見栄えのする発色のいい映像に仕上がります。

それに、「リアルタイム瞳AF」も動画で使えるので、背景をボカした人物やペットの動画を撮影するのも簡単です。

さらに、カラーグレーディングと呼ばれる本格的な映像の色編集を前提にした収録モード、動画撮影時のピント合わせを補助する「ブリージング補正」や「フォーカスマップ」など専門的機能が盛りだくさん

それでは、実際に撮影した写真とあわせて4K動画の検証結果を解説していきます。

ソニー「α7 III」の30pと比べると格段に滑らか

ソニー「α7 III」の30pと比べると格段に滑らか イメージ

ソニー「α7 IV」では、静止画同様に「リアルタイム瞳AF」が効くので、人物の動画は簡単です。ソニーのカメラは動物の顔認識ができないため、「瞳AF」が動画で使えるのはペットの動画を撮る人には朗報でしょう。

ソニー「α7 III」の30pと比べると格段に滑らか イメージ2

ソニー「α7 III」では顔認識のみ。ただ、静止画ほどピントがシビアでない動画ではこれでも十分だと感じました。

スローモーション撮影でCMやPVみたいなカットが撮れる

スローモーション撮影でCMやPVみたいなカットが撮れる イメージ
スローモーション撮影でCMやPVみたいなカットが撮れる イメージ2

4Kで2.5倍、フルHDで5倍のスローモーションが撮影できます。実際に撮影してみると、まるでCMのようなカットが撮れて遊びがいがありそう。また、コマ送りで高速再生したようなクイックモーションも撮影できます。

スローモーション撮影でCMやPVみたいなカットが撮れる イメージ3

静止画、動画、S&Q(スローモーションとクイックモーション)の切り替えレバーはモードダイヤルの下段にあります。レバー式なので、うっかり動画になっていた、静止画になっていたというミスも起きにくい親切な設計です。

動画の手ブレ補正は新搭載の「アクティブ」モードならまずまず

動画の手ブレ補正は新搭載の「アクティブ」モードならまずまず イメージ

不満があると書いた手ブレ補正ですが、それでもソニー「α7 III」のような旧世代機とは別モノ。というのも、イメージセンサーを動かす従来の手ブレ補正に加えて、画角は狭くなるものの補正効果の高いアクティブモードが新設されたためです。

動画の手ブレ補正は新搭載の「アクティブ」モードならまずまず イメージ2

上の写真は自撮りスタイルの手持ちで階段を上がっているところ。背景の柱の傾きを見るとアクティブ(右)のほうがブレが抑えられていることがわかります。

カメラを左右にパンすると、スタンダード(左)の映像は不自然にカクツクのですが、アクティブではカクツキが減っていました。

動画用のカラーモード「シネトーン」も搭載

動画用のカラーモード「シネトーン」も搭載 イメージ

映画などの「シネマティック」なトーンを維持しつつ、色編集をしなくてもカジュアルに使えるモードとして用意された「S-Cinetone」。やわらかなトーンでシャドウからハイライトまで階調が豊かです。

カメラ【結論】満足度はかなり高い! 約30万円の価値はあった

【結論】満足度はかなり高い! 約30万円の価値はあった イメージ

購入後、数カ月の実感として、性能や機能は編集部員の既存のカメラを置き換えられるもので、複数のカメラを統合できると考えると“元は取れる”というのが結論です。

まず、決め手となった良かったポイントを3つ紹介します。

1:手持ちのカメラを置き換えるのに十分な高性能

あくまでも編集部員の使い方の範囲ですが、第1回目で挙げた3台のカメラはほぼ本機に置き換えられそうです。

強いて欠点をいえば一眼レフよりバッテリーが持たないことですが、USB-PDで充電できるので、さほど不満はありません。

2:次世代の規格にも対応するので長く使えそう

2:次世代の規格にも対応するので長く使えそう イメージ

iPhoneも対応しているJPEGに代わる次世代の画像形式「HEIF」で保存ができます。記録できる色や輝度情報が多いので、加工時の劣化も抑えやすいです。

ただし、iPhoneやMacの写真アプリでは問題なく表示・加工できますが、WindowsやAndroidでは扱いにくいのが現状の課題です。

3:色調整が自在でSNS時代にマッチしている

クリエイティブルックで色を作り込んで、スマホに転送してSNSに即アップできるので、TwitterやInstgaramで写真を楽しむ人に向いています。映像も見映えがするのでYouTubeやTikTokのコンテンツ作りにも便利そうです。

レンズもかなり重要な決め手でした

ところで、クリエイティブルックをはじめとするソニー「α7 IV」の中核機能は「BIONZ XR」と名付けられた最新の画像処理エンジンによるもの。

このエンジンはフラッグシップのソニー「α1」(75万円)や、映像向けのソニー「α7S III」(40万円)に搭載されており、BIONZ XR搭載機ではソニー「α7 IV」が最安です。フラッグシップ機と同じエンジンは、ちょっと気分がいいですね。

とかいってると、キヤノンなら手ブレ補正もAFももっと良いし、エンジンもフラッグシップと共通の機種が増えているじゃないか? とツッコミがきそうです。

そこには、レンズで反論したいです。キヤノンもニコンもフルサイズミラーレスではレンズ設計に必要な情報を開示しておらず、シグマやタムロンの参入を拒んでいます。いろいろなメーカーのレンズが使えるほうが面白くないですか?

カメラ使い込んでいて「イマイチ」と感じた仕様もありました

とはいえ、もちろん「完璧」や「最強」とは言えないわけで……。最後に、ソニー「α7 IV」のがっかりポイントをお伝えしておきましょう。

イメージセンサーにゴミがつきやすい

イメージセンサーにゴミがつきやすい イメージ

ミラーレスの大きな弱点がイメージセンサーにゴミがつき写真に映り込むことです。

それを防ぐために電源オフ時にシャッター幕でセンサーをふさぐ機能もありますが、ソニーのサービスセンターでプロの清掃を受けても1日後にはゴミがついていました……。

イメージセンサーにゴミがつきやすい イメージ2

センサーを振動させてゴミを落とす機能もありますが、効き目が弱いです。ほとんどゴミが残らないメーカーもあるので、ここはコストをかけてほしかったです。こまめにブロワーで清掃するしかありません。

ボディ内RAW現像がいまだにできない

ボディ内RAW現像はカメラのモニターをみながら、RAW形式で保存した写真に色調整などを施せる機能です。

クリエイティブルックをはじめ色調整機能が充実しているソニー「α7 IV」。もしこの機能があれば撮影後にルックの調整もでき、大変便利でした。他社のカメラには当たり前のように入っている機能です。

ボディ内RAW現像を導入しないソニーの“謎ポリシー”が改訂されることを願っています。

最高速の連写では画質に制限がかかる

最高速の連写では画質に制限がかかる イメージ

カメラが記録した色や輝度情報を最も高精度に保存できるのが、ソニー「α7 IV」の場合「無圧縮RAW」と「ロスレス圧縮RAW」形式です。ただ、この場合は連写速度が低下するという仕様。秒間10コマでは画質がわずかに劣化することになります。

実害を実感したことはありませんが、気持ちいいものではありません。

ファインダーの遮光性が低い

ファインダーの遮光性が低い イメージ

ソニー「α7 IV」を購入した編集部員はメガネをかけているので、太陽の高度が下がる夕方になると、EVFに外光が入ってしまい、表示コントラストが低下するという体験をしました。

動物や人物の頭部や胴体認識ができない

動物や人物の頭部や胴体認識ができない イメージ

オートフォーカスまわりで気になったのは繰り返しになりますが、これです。ソニー以外のメーカーでは続々と実現しているので、他社がうらやましくなってしまいます。

「CFexpress Type A」高すぎです!

「CFexpress Type A」高すぎです! イメージ

SDカードより高速な次世代の記録媒体「CFexpress」。キヤノンやニコンが本格採用し普及しつつありますが、ソニー「α7 IV」で使えるのは、普及のすすむ「Type B」ではなく、小型化を優先した「Type A」。

SDカードより小型なのがウリですが、最安でもソニー純正の80GBで2万8600円のカードというのはいただけません。

「CFexpress Type A」高すぎです! イメージ2

※画像はAmazonより

ソニー
CEA-G80T
実勢価格:2万8600円

起動時間はもっと短くしてほしい

ソニー「α7 IV」はレスポンスがいいというのがもっぱらの評判で、それには同意見です。しかし一眼レフと比べると、電源を入れてから撮影が可能になるまで、やはりワンテンポ遅い。こまめに電源を切る撮影スタイルだと、ちょっと気になる部分です。

以上、ソニー「α7 IV」で簡単に思いどおりの写真は撮れる?【第5回】4K動画の検証と、約30万円の価値はあるのかの結論でした。

第1回〜5回を通して「簡単に思いどおりに撮れるか」というカジュアルな視点で検証を行いましたが、前述でもお伝えしたように、イマイチに感じた仕様はありましたが、満足度はかなり高いという結果に。

阿部淳平
家電批評 編集長
阿部淳平 のコメント

スナップや風景・人物撮影は◎。ただ動物やスポーツ撮影に真剣に取り組むならキヤノンじゃないかなぁ。

ご紹介した良かったポイントが、重視していることならおすすめです。ぜひ、カメラを選ぶときの参考にしてみてくださいね。

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