カメラフルサイズミラーレスの最上位機種を徹底検証!

フルサイズミラーレスのハイエンドモデルがニコン、キヤノン、ソニーから出そろいました。プロカメラマンやハイアマチュアをメインターゲットとする高性能モデルです。

性能の高さを売りにしているだけあって実勢価格は70万円オーバーの超絶価格になっています。

そこで、本音の家電ガイド『家電批評』では、ニコン、キヤノン、ソニーのフルサイズミラーレス最上位機種をテスト。ハイエンド3機種がそれぞれどう違うのか、プロと徹底検証してみました。

今回は、飛び回る鳥や高速通過する新幹線を撮影し、3機種のAF性能を比較しました。

カメラ追尾性能が非常に高い ニコン「Z9」

ニコン
Z9
実勢価格:69万8500円

サイズ:約W149×D90.5×H149.5mm
重量:約1340g

ニコン「Z9」は、ニコンの一眼レフに搭載され高い評価を受けていたAFシステム「3Dトラッキング」がミラーレスとして初搭載されました。

高速に移動する被写体であっても多くのシーンでしっかり追尾してくれるうえ、毎秒20コマの連写速度も相まって「OKカット」を量産できます。「基本何の問題も無く撮影することができ、大抵のスポーツも十分に撮影することが可能だろう」というのが写真家の園部さんの実感です。

鳥の撮影では、シンプルな構図でピントが背景に抜けてしまう場面が何回か見られました。今後のファームアップでの改善に期待したいです。なお、ニコンは9種類の被写体を認識できるとアピールしていますが、被写体認識はキヤノン「EOS R3」が優れていました。

被写体検知:列車は的確に認識する

検証結果1:新幹線

手前側のヘッドライトへ優先的にピントを合わせようとします。列車を認識できているようです。

検証結果2:魚

被写体認識の対象外の魚。瞳を検知することもありますが、背景に引っ張られる場面が目立ちました。

連写中のAF:被写体を捉えたあとはピントバッチリ

検証結果1:鳥

ニコン「Z9」は1秒で20コマなので1秒以内にピントが合い始めましたが、ピントが合ったのは連写20枚目。ピントが合うまで若干の時間を要したのは、機材の都合でニコン「Zシリーズ」用のレンズではなく、一眼レフ用のレンズをアダプターで装着したためかもしれません。横方向の移動はOKカットが多かったものの前後方向の動きでは鳥撮影の経験が浅いスタッフには難しかったです。

検証結果2:新幹線

全速力で駆け抜ける新幹線。こちらもAFが合焦するまでは少しラグがありました。それでも7枚目以降はヘッドライトを的確に追従しています。新幹線の撮影では、100枚以上大きなピンボケなく合焦し続けることもあり、簡単に撮影ができました。

カメラ被写体認識が超強力 キヤノン「EOS R3」

キヤノン
EOS R3
実勢価格:74万8000円

サイズ:約W150×D87.2×H142.6mm
重量:約1015g

キヤノン「EOS R3」の特徴は被写体認識の性能の高さです。

人物、乗り物、動物の検出に対応しています。「R5」「R6」も被写体認識が得意でしたが、「R3」はレベルが違うという印象。「この辺にピント合わせて欲しいんでしょ?」とまるでカメラがこちらの意図を推測しているかのようなAFエリアの動きをみせてくれます。

動物の撮影では対応しないはずの魚でも高確率で瞳を捉え、瞳を捉えられなくても魚全体をAFエリアが捉えます。瞳認識できる確率が他のカメラに比べて明らかに高いのが印象的でした。ただし、認識できてもオートフォーカスの駆動が間に合わず結果ピンボケになるカットもありましたが。

また、画面全体が測距エリアなため画面の隅までAFが粘ってくれるのも頼もしい限りです。

今回はRF100-500mmとのセットで試写しましたが、ニコン「Z 9」よりボディもレンズも軽いため、カメラを振り回しても疲労感が少なく、撮影中の快適度は3機種中ナンバーワンでした。

被写体検知:形状を素早く認識する

検証結果1:新幹線

運転席などの特定のパーツだけでなく、AFエリアを複雑に制御して形状を捉えようという姿勢が見られます。

検証結果2:魚

頻繁に魚の瞳を検知。瞳をロストしても魚の大きさに合わせてAFエリアを自動調整していました。

連写中のAF:追従し始めるとミスショットが少ない

検証結果1:鳥

バードショーでフクロウが直線的に飛んだところを連写。動きが単純だったので、連写1枚目からすべてピントが合っていました。画面の隅でもAFがしっかり追従しているのが印象的。また、別のシーンでは黒っぽい背景に黒色の鳥の飛翔を的確に追えていて、一度捕捉できれば背景に惑わされにくいといえそうです。

検証結果2:新幹線

かなり離れた状態から連写をスタート。最初はピントがやや甘かったものの、ある程度近づいた22枚目から93枚目まではほぼパーフェクトにピントが合い続けています。別のシーンではAFの移動量が多くなる至近距離で後ピンになったものの一瞬で復帰できています。

カメラシンプルな構図だと抜群の追尾性能 ソニー「α1」

ソニー
α1
実勢価格:88万円

サイズ:約W128.9×D80.8×H96.9mm
重量:約737g

ソニー「α1」は、ニコン「Z 9」やキヤノン「EOS R3」と異なり、特定の被写体向けの認識機能はごくわずか。人物、動物、鳥の瞳認識が入っているのみです。

その代わり、色や模様をベースにして追従すべき被写体を判別する「リアルタイムトラッキング」が導入されています。

以前からある機能ですが従来機種や新モデルのソニー「α7 Ⅳ」と比べても追従精度が改善されている印象。基本カメラ任せでも多くの場面で的確に被写体を追尾してくれます。

ただ、柄モノや鮮やかな物体、白に近いものにやや引っ張られる傾向があり、かつ一度反応すると敏感に追尾を試みるので、意図しない部分にピントが合うこともあります。そのため、複雑なシーンではトラッキングに頼らず、ゾーンAFなど従来のAF方式を活用した方が歩留まりが良さそうです。

なお、ソニーのカメラはレンズの多さが魅力ですが、秒間30コマの高速連写には純正レンズが必須なのは、少々残念に感じました。

被写体検知:特徴的な造形を追う

検証結果1:新幹線

ソニー「α7 Ⅳ」と同じく色や形が目立つもの(運転席のワイパー)に追従しています。

検証結果2:魚

魚の追尾結果はニコン「Z 9」よりは良好。このように尾びれのカタチに注目する場面もありました。

連写中のAF:乗り物向けのAFには劣ってしまう

検証結果1:鳥

このシーンはトラッキングとの相性が良く、向かってくる鳥の頭部に追従できています。34枚目から50枚目までほぼピントが合っていましたが、37枚目で一度ピントを外していました。

ソニーのAFは「被写体のどこかにしっかり合焦する」という意味ではキヤノン「EOS R3」と比べても遜色なく良好な働きでした。ただ瞳にバッチリとピントがきた写真はキヤノン「EOS R3」のほうが撮りやすそうです。

検証結果2:新幹線

高画素と高速連写のおかげか、本機と同じリアルタイムトラッキングを採用しているソニー「α7 Ⅳ」よりシャープに撮れているカットが多い印象でした。連写をスタートしてからピントが合っていたものの、30枚目まではピントをやや外すカットが少し多かったです。乗り物を認識するニコン「Z 9」やキヤノン「EOS R3」のほうがさらに高確率でヘッドライトにピントが合っていました。

カメラ結論:AF性能は「カメラ任せにできるか」で差があった

ミラーレスカメラの進歩を最も感じたのが、オートフォーカスのテストでした。

今回テストした3機種は秒間20コマや30コマといった超高速の連写が可能。素早く動き回る鳥を撮ってみると、この連写速度にありがたみを感じます。

また、3機種ともEVF特有の連写中の「コマ送り」感がほぼなく、一眼レフのようなブラックアウトもないEVFを搭載しています。

そして、今回テストした3機種で最も印象的だったのが、キヤノン「EOS R3」でした。キヤノン「EOS R3」の強力な被写体認識なら誰でも動体撮影に臨め、少し練習を積めばピントをカメラ任せにして構図に集中できそうです。

視線入力やスマートコントローラーなど、カメラを思いどおりに操るための新しい操作方法も同時に盛り込まれていて、とにかく撮影が快適なカメラでした。

園部大輔 氏
山岳写真家/イラストレーター
園部大輔 氏 のコメント

キヤノン「R3」を使ってみて、カメラが新しい時代に入ったと感じました。

以上、ニコン、ソニー、キヤノンのハイエンド機3機種のAF性能を比較したレビューをお届けしました。次回は、画質を比較した結果をお届けします。ぜひ、チェックしてみてください。

▼ニコン、ソニー、キヤノン3機種の基本スペックの違いを比較した記事はこちら

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