初心者にオススメ!10万円以下の“入門ミラーレス一眼”
写真を撮るのはもっぱらスマホという人でも、なかには「もっと写真にこだわりたい!」「思い出をキレイに残したい」と感じている人は多いのではないでしょうか?
そんなカメラ初心者にオススメなのが、小さなボディに高画質を詰め込んだミラーレス一眼。最近はボディとレンズセットで10万円を切る入門機が多く販売されているんです。
そこで今回は、大手5メーカーから10万円以下のミラーレス一眼15製品を集めて大検証を実施! その結果をランキング形式で発表します。
ミラーレス一眼はここがすごい!スマホと比較して解説
ランキングの前に、まずはミラーレス一眼の特徴を知っておきましょう。
ミラーレス一眼のことは知っていてもスマホとの違いがよくわかないという人のために、実際にスマホとミラーレス一眼で撮った写真を比べ、ミラーレス一眼のすごいポイントを整理してみました。
ポイント1:明るさやボケなどの自由度がある
ミラーレス一眼のメリットは、何といってもレンズサイズを活かしたキレイなボケ表現やスローシャッターによる動体を流した写真が撮れること。こればかりは進化するスマホでも及ばない点です。
▼スマホで撮影した写真
▼ミラーレス一眼で撮影した写真
一見スマホのほうがボケが大きく見えますが、スマホのボケはソフトウェアでの処理なので風で揺れる髪の毛など細部が省略されてしまっています。ミラーレス一眼はレンズが作り出すボケなので細部描写も美しく、破綻することが一切ありません。
ポイント2:編集に耐える高画質
建物の外観を夜に撮影し、それぞれの編集機能を使って明るく調整してみました。
▼スマホで撮影した写真
▼ミラーレス一眼で撮影した写真
スマホで撮影した写真に比べ、ミラーレス一眼は明るく編集してもきれいなままです。
ミラーレス一眼は光を記録するイメージセンサーの大きさがスマホとは段違いで、光の明るさや色の情報が豊富に記録されています。この情報量を生かして、暗すぎ・明るすぎの写真でも編集で綺麗に仕上げることができるんです。
また、ミラーレス一眼の場合、暗い場所では「手ブレ補正機能」を使うと、遅めのシャッタースピードでもブレのない写真を撮ることができます。
【暗い室内】
【逆光】
【動く被写体】
本来カメラが苦手とする条件でも、最近のミラーレス一眼なら、ボディやレンズが高性能になっています。そのため、何も考えずに撮影してもきちんと写せることが多く、このようにミラーレス一眼の強力な補正機能があれば、悪条件でもきちんと撮ることができます。
ポイント3:超望遠から超広角まで自由自在
ミラーレス一眼を使う最大の意義はレンズ交換。大きなボケを楽しめる単焦点レンズや迫力ある超広角・超望遠レンズで思い通りの撮影が楽しめます。
最近はスマホでも超広角撮影をウリにする機種もありますが、多くのスマホで写るのは28mm相当前後の範囲までなので、だいたいこのくらい。
▼スマホで撮影した写真
一方、ミラーレス一眼の焦点距離は15mm相当。ミラーレス一眼ならレンズ次第でここまで広い範囲を写せます。
▼ミラーレス一眼で撮影した写真
レンズの歪みが少ないのもさすがですね。
ポイント4:スマホにはない写真を撮る満足感がある
ミラーレス一眼とスマホでは、カメラを構えて「写真を撮る」という意識に大きな差が出てきます。ファインダーをのぞき込んでシャッターを押すという手間をかける分だけ、考えて写真を撮ることになりますね。
もちろんスマホでも、考えて撮ることは可能ですが、多くの人の場合、ミラーレス一眼のほうが自然と写真と向き合えるでしょう。
ミラーレス一眼を選ぶときのポイントは?
ミラーレス一眼とスマホの違いが分かったところで、次はミラーレス一眼を選ぶときにチェックしたいポイントをおさえておきましょう。
選び方1:センサーの大きさと画素数
シンプルに言えばセンサーが大きいほど高画質になります。スマホのセンサーサイズは1/2.3型前後が主流なので圧倒的な差があります。画素数は2000万画素もあれば十分です。
選び方2:レンズマウントとレンズ本数
※画像のレンズ本数は色違いや生産終了品を含んだAF対応レンズです
メーカーやシリーズごとに「レンズマウント」が決まっており、異なるマウントのレンズは原則装着できません。またフルサイズ対応のマウントなら将来フルサイズ機へのステップアップも容易に。
今回はカメラボディを検証していますが、レンズの豊富さもカメラ選びの重要な基準になります。
選び方3:連写性能
機種ごとの差がでやすいのが連写性能です。ミラーレス一眼の連写は“ピントを変えない(固定した)連写”と “被写体の動きに合わせてピントを変える連写(AF追従連写)”の2種類があります。
メーカーは連写速度を上げやすいピント固定での性能をアピールしがちなので注意。機種ごとの性能差が出るのはAF追従連写です。
例えば、以下のサイトの機種は6.1コマ/秒とアピールしていますが、AF追従連写の速度は4コマ/秒となります。
誌面に記載の連写性能はAF追従連写のスペックで統一しています。
15製品を大検証!画質や機能性などを厳しくチェック
今回はプロの写真家に協力いただき、「FUJIFILM」「Panasonic」「SONY」「Canon」「OLYMPUS」の5大メーカーから、全15モデルのミラーレス一眼を集めて検証を行いました。チェックした項目は以下のとおりです。
検証1:画質
画素数や感度ごとの傾向、屋外での実写などを踏まえて画質をチェックし、総合的に判断しました。
検証2:オートフォーカス(AF)
機種ごとの性能差が大きい追尾AF(コンティニュアスAF、C-AFなどとも呼ばれます)で連写をして評価。屋外での実写テストのほか模型を使って様々な設定でテストを行い、連写時のAFを中心に評価を決めました。
検証3:機能性
ボディ内手ブレ補正、USB充電など撮影をサポートする機能の多さを評価しました。手ぶれ補正の有無など機能が多いほど高得点になります。
検証4:EVF/モニター
スペックも大事ですが、実際にモニターの見え方が一番大事。特に連写中に見辛くなる機種が多いので厳しくチェックしました。
検証5:操作性
ボタンやダイヤルの配置が不適切だとシャッター速度やISO感度などを素早くコントロールできません。撮影の快適さを左右する項目です。素早く設定変更できるかチェックしました。
以上の5項目を各20点・100点満点で採点しランキング化しました。今回のテストの合格水準は各項目15点。合計75点以上なら入門機としては相当な実力です。1点違えば明らかな差があると捉えてくださいね。
それではさっそくランキングを発表します!
オートフォーカスの素早さは一級品! ソニー「α6100」
ソニー(Sony)
α6100
実勢価格:9万2787円(パワーズームレンズキット)
8万745円(ボディ)
11万3730円(ダブルズームキット)
サイズ:W120×H66.9mm×D59.4mm
重量:約396g
マウント:Eマウント
手ブレ補正:非搭載
EVF:約144万ドット
モニター:約92万ドット(チルト式)
カラー:ブラック、ホワイト
発売年:2019年10月
センサー:APS-C
画素数:2420万
連写速度:11コマ/秒
USB充電:対応
▼検証結果
- 画質: 16点
- オートフォーカス: 16.5点
- 機能: 15点
- モニター/EVF: 15.5点
- 操作性: 15点
- 合計: 78/100点
画質:同クラスの中では最高レベルの画質。低感度から高感度までしっかりした描写で安心して撮影可能です。
オートフォーカス:静止画であっても動画であっても非常に優秀なオートフォーカスで動体追従連写の際も素晴らしい結果でした。
機能:Wi-FiやBluetoothを搭載。もしもの時に活用できるUSB充電にも対応しています。
とはいえ、一応予備バッテリーは欲しいところ。センサーに付着したゴミの除去機能の省略さが惜しいです。
モニター/EVF:解像度は低いものの見え方は悪くありません。EVFの接眼部分のパーツが大きいので、外から光が入らず快適でした。
操作性:ボタンや液晶のリアクションは良く合格水準。「Fn」ボタンを押すとAF設定や仕上がり設定などをまとめて素早く変更できます。タッチ操作は可能ですが、メニュー項目はタッチ操作できません。
自撮りも可能なチルト液晶。この大きさ、スタイルのモデルで自撮りまでできる液晶の可動域は優秀です。
過去の検証でもたびたびベストバイを獲得した「α6000」から実に5年間もの時を経てついに登場した、ソニー「α6100」がベストバイに! α6000シリーズにはいくつものラインナップがありますが「α6100」は入門機ながら基本性能は上位機種に迫るレベルにまとめられています。いわばソニー最強の入門機、それが「α6100」です。
参考までに「α6000」と「α6100」を比較してみました。
▼2014年発売「α6000」
AFエリア(位相差AF):179点
AFエリア(コントラストAF): 25点
瞳AF:人物のみ
自撮り:非対応
タッチ操作:非対応
動画:フルHD60p
センサーゴミとり:搭載
▼2019年発売「α6100」
AFエリア(位相差AF):425点
AFエリア(コントラストAF): 425点
瞳AF:リアルタイム瞳AF、動物対応
自撮り:対応
タッチ操作:対応
動画:4K 30p
センサーゴミとり:非搭載
ボタンの形状は「α6000」から見直され押しやすくなりました。小型ボディながら扱いやすいボタン配置です。
のぞきやすいEVFとシンプルなダイヤル、ボタンで分かりやすくなっています。
外観はα6000にそっくりですが、「α6100」はオートフォーカスを中心に性能が大きく向上しています。
それでは「α6100」のポイントをさらに詳しくみていきましょう。
ポイント1:ずば抜けたオートフォーカス&連写性能
※シャッター速度:1/2000秒、絞り:F5.6、ISO450、レンズ:ソニーFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS
「α6100」は入門機の位置づけではありますが、連写速度や オートフォーカスなど基本性能はAPS-Cの上位クラスに匹敵する性能をもっていて大抵の撮影シーンで素晴らしい結果を残してくれるカメラです。特殊な使い方をしなければその実力はシリーズ最上位の「α6600」にも迫るものがあります。
特筆すべきは連写しながら動く被写体を撮る能力です。低価格なミラーレス一眼で鉄道やスポーツ、動物などを撮影するならナンバーワンの性能。1秒で11枚という高速連写で楽々追尾するオートフォーカスは撮影していて気持ちがいいほど。
前モデルの「α6000」も連写速度は同じですが、比較してみると「α6100」は被写体の移動速度が変化したときの追従性が改善していました。
ただ、上位機種と比べると高速連写を維持できる時間は短め。数秒間連写すると連写速度が低下するので、連写するタイミングを見極めたり、連写速度を遅くする工夫が必要です。
連写枚数は「Hi+(11コマ)」「Hi (8コマ)」「Mid(6コマ)」「Lo(3コマ)」から選べます。Hi+とそれ以外ではEVFやモニターの見え方が異なり、見やすさを優先するならHi以下に設定しましょう。
ポイント2:動物の顔認識・瞳認識も可能
人間はもちろん、顔認識や瞳認識が動物にも対応しているのもポイント。タッチシャッター等もよく機能するので様々なシーンで失敗なく撮影をすることができます。
ポイント3:“のぞきながらのタッチ操作”が快適
EVFをのぞきながらタッチ操作でAFエリア(ピントを合わせる場所)を選べる「タッチパッド機能」。「EOS Kiss M」などと異なり「α6100」はEVFがボディ左側にあるので、タッチパッド操作の際に指が鼻にぶつかりにくく快適に操作できます。
▼「α6100」
左目でのぞいてもタッチ操作ができました。
▼「EOS Kiss M」
左目でのぞくと鼻が邪魔でタッチできません。
ポイント4:オートフォーカスを生かす望遠レンズが多数
ソニーEマウントには高画質でAFも素早い望遠レンズが揃ってきています。望遠レンズの豊富さはキヤノンや富士フイルムに対するアドバンテージです。
ソニー(Sony)
E 70-350mm
F4.5-6.3 G OSS
実勢価格:8万7950円
ソニー(Sony)
FE 70-300mm
F4.5-5.6 G OSS
実勢価格:14万4610円
タムロン(TAMRON)
70-180mm
F/2.8 Di III VXD
実勢価格:12万3750円
ポイント5:10万円以下では画質トップクラス
クリアさと濃厚さを両立した発色はキヤノンやソニーの特長です。クリエイティブスタイルでビビットや風景を選ぶと特に濃厚に仕上がります。
※シャッター速度:1/160 秒、絞り:F4、ISO:100
画質評価は今回テストした入門機では最高の結果です。低感度はもちろんISO6400でも精細感を保ちながらノイズの少ない描写を実現しています。
感度ISO6400でキヤノンの最新機種「EOS M200」と比べてみました。
「α6100」のほうが明るく写る傾向がある上、毛糸の1本1本をしっかり描写できています。
また、「α6100」に手ブレ補正はありませんが、暗いシーンでは積極的に感度を上げて撮影できます。“何でも撮れるカメラが欲しい”という人に特におすすめできるカメラです。
ライバル機「EOS Kiss M」&「X-T200」と比較!
▼比較1:キヤノン「EOS Kiss M」
キヤノン(Canon)
EOS Kiss M
実勢価格:7万3980円
(EF-M15-45 IS STMレンズキット)
連写重視ならソニー、簡単さはキヤノンといえます。スマホライクな使いやすさを求めるならこちらのキヤノン「EOS Kiss M」が優れています。
▼比較2:富士フイルム「X-T200」
富士フイルム
X-T200
実勢価格:9万3536円
富士フイルム「X-T200」は、EVF搭載や高速連写というスペックは似ていますがソニーのほうが優秀です。
5軸手ブレ補正搭載!オリンパス「OM-D E-M10 MarkIII」
オリンパス(OLYMPUS)
OM-D
E-M10 MarkIII
実勢価格:6万2500円(EZダブルズームキット)
4万7609円(ボディ)
サイズ:W121.5×H83.6mm×D49.5mm
重量:約410g
マウ ント:マイクロフォーサーズ
手ブレ補正:5軸ボディ内手ブレ補正(4 段)
EVF:約236万ドット
モニター:約104万ドット(チルト式)
カラー:ブラック、シルバー
発売年:2017年9月
センサー:フォーサーズ
画素数 :1605万
連写速度:4.8コマ/秒
USB充電:非対応
▼検証結果
- 画質: 14点
- オートフォーカス: 15.5点
- 機能: 15.5点
- モニター/EVF: 15点
- 操作性: 17点
- 合計: 77/100点
画質:センサーサイズからどうしても画素数が少なく、高感度撮影で不利に。低感度ではとても綺麗です。
オートフォーカス:動体追尾AFは弱いもののシングルAFの速さやタッチAFの使い勝手が抜群によいのが特徴。スナップに強いです。
機能:ミラーレス一眼の入門機でボディ内手ブレ補正を備えるのはオリンパスだけ。USB充電非対応が残念ポイントです。
モニター/EVF:価格帯から考えれば十分な性能のEVFと液晶モニターでファインダーでも快適な撮影をおこなうことが可能です。
操作性:価格帯随一の操作性はこの機種の一番の特徴。上位機種を使っているユーザーでも納得できます。
操作性抜群。撮る人のことをちゃんと思いやって設計されたカメラですね。
2位となったのは、一眼レフスタイルのデザインが特徴のオリンパス「OM-D E-M10 MarkIII」です。アンダー10万円で唯一「5軸手ブレ補正」を搭載しており、ブレないまじめさが取り柄。
また、ボタンやダイヤルの押し心地、配置を妥協する入門機が多い中、回しやすい前後ダイヤルや押しやすい十字ボタン、レスポンスのよいタッチパネルを装備され、素早く確実に設定変更ができます。この操作性のよさで2位にランクインしました。
ポイント1:“ブレがちな撮影”も強力な手ブレ補正で安心
接写は手ブレを防ぐのが難しい撮影のひとつ。マイクロフォーサーズセンサーはサイズが小さくボケの大きさや暗所撮影では不利です。
ただ「OM-D」の強力な手ブレ補正や豊富に揃ったレンズラインナップでその弱点をある程度カバーすることが可能。オリンパスはどの機種も手ブレ補正が強力なこともあり、夜景なども安心して撮影することができます。
また、隠れた長所としてレンズ交換時にイメージセンサーに付着する埃を除去するダストリダクション機能を搭載。他社に比べて高性能なので屋外でも躊躇せずにレンズ交換が可能。レンズも小型軽量で低価格なものが揃っているので、レンズを楽しむには最適なカメラです。
下の写真は1/13秒のシャッター速度ですが手ブレ補正がなければ1/60秒くらいまでシャッター速度を上げる必要があり、感度も上げなくてはいけません。手ブレ補正のおかげで低感度で綺麗に撮れるのです。
※シャッター速度:1/13秒、絞り:F5.6、ISO:200
▼撮影で使用したレンズはこちら
オリンパス(OLYMPUS)
M.ZUIKO DIGITAL
ED 30mm F3.5 Macro
実勢価格:2万5000円
一般的なマクロレンズよりも写る範囲が広いので料理の撮影にもってこいです。
ポイント2:花火撮影も得意!
「ライブコンポジット」という機能を使うと難しい花火の撮影も簡単にできます。
ポイント3:静止した被写体に強い
測距点は121点と少ないですが、静止した被写体向けのシングルAFは爆速で高精度です。
ポイント4:使いやすいダイヤル
ボディからはみ出すほどの大きさを確保している前後ダイヤル。指かかりもよく他の入門機とは一線を画しています。
本格感のあるたたずまいも魅力です。
ライバル機「EOS Kiss M」&「PEN E-PL10」と比較!
キヤノン(Canon)
EOS Kiss M
実勢価格:7万3980円
(EF-M15-45 IS STMレンズキット)
スマホ連携はキヤノン「EOS Kiss M」が優秀です。「OM-D」にはできない撮影時の自動転送がキヤノンなら可能となっています。
オリンパス(OLYMPUS)
PEN E-PL10
実勢価格:8万4873円
(EZレンズキット)
同じオリンパスの「PEN E-PL10」と比較すると性能では「OM-D」が大きくリード。「PEN E-PL10」のメリットは自撮りができることくらいです。
入門機のレベルを引き上げる名機!キヤノン「EOS Kiss M」
キヤノン(Canon)
EOS Kiss M
実勢価格:7万3980円(EF-M15-45 IS STMレンズキット)
6万2999円(ボディ)
8万7500円(ダブルズームキット)
9万9800円(EF-M18-150 IS STMレンズキット)
8万3540円(ダブルレンズキット)
サイズ:W116.3×H88.1mm×D58.7mm
重量:約387g(ブラック)
マウント:EF-M
手ブレ補正:非搭載
EVF:約236万ドット
モニター:約104万ドット(バリアングル式)
カラー:ブラック、シルバー
発売年:2018年3月
センサー:APS-C
画素数:2410万
連写速度:7.4コマ/秒
USB充電:非対応
▼検証結果
- 画質: 15点
- オートフォーカス: 15点
- 機能: 15点
- モニター/EVF: 15点
- 操作性: 15点
- 合計: 75/100点
画質:デジタル一眼として基準となるような画質と表現力でスマホとは全く違うレベルの撮影が楽しめます。
オートフォーカス:フルオートでも安定感の高いAF性能で安心して撮影することができます。運動会撮影でも通用するレベル。
機能:扱いやすいWi-Fi機能やタッチ操作に4K動画などほしい機能は大抵入っています。USB充電に非対応なのがザンネン。
モニター/EVF:EVF、モニターともに連写時にも見づらくならないしっかりとした映り。このクラスであれば必要十分な性能です。
操作性:一眼レフ的に使うともの足りないですがスマホライクに扱うなら群を抜いた使い勝手。総合すると合格ラインです。
3位となったのは、Kissブランドの確かな実力をもつキヤノン「EOS Kiss M」。キヤノンが満を持して「EOS Kiss」のブランドで発売しただけあって、カメラを使ったことがない人にとっても優しいカメラです。
連写も比較的速く、オートフォーカスの速度や精度も合格点。暗所でもしっかりとピントを合わせてくれるのは心強く「誰もが使える」を目指したのが感じられます。
ポイント1:“サーボAF”で被写体をしっかり捕らえられる
※シャッター速度:1/1600 秒、絞り:F6.3、ISO:1250
シロクマは展示スペースも氷や雪のイメージで白く作られているのでオートフォーカスが迷いやすい被写体といえますが、「サーボAF」でピントをバッチリ合わせることができました。簡単なようで、こういうシーンでピントが合わないカメラもあるんです。
▼撮影に使用したレンズはこちら
キヤノン(Canon)
EF70-300mm
F4-5.6 IS II USM
実勢価格:5万4000円
一眼レフ用の望遠ズームです。マウントアダプターで装着しました。
キヤノン「EOS Kiss M」の交換レンズは少ないですが、マウントアダプターを介することで豊富な一眼レフ用レンズ群を装着可能。その動作もスムーズです。キヤノンの一眼レフユーザーはボディとマウントアダプターだけ買うのもアリでしょう。
ポイント2:撮影後の自動転送可能
キヤノンのWi-Fi機能は他社と比べても扱いやすくこなれているので転送も楽々です。
ポイント3:スマホと同じように操作可能
スマホ感覚で凝った撮影ができるタッチ操作のインターフェイスが秀逸。スマホのインターフェイスをよく研究している印象で扱いやすいです。自撮りやSNSで好まれる派手めの写真もバッチリ撮影できます。
ただし、頻繁に使う十字ボタンが小さすぎて、押し間違えしやすいなど操作性には弱点もあります。
また、EVF搭載なのでのぞいて撮るスタイルにもしっかり対応しますが、EVFを左目でのぞくとタッチ操作がしづらいので注意してください。
ライバル機「EOS M200」&「Z50」と比較
▼比較1:キヤノン「EOS M200」
キヤノン(Canon)
EOS M200
実勢価格:7万9750円
(EF-M15-45 IS STMレンズキット)
同じキヤノンの「M200」と比べると、速い連写とEVFが必要なら「Kiss M」、手軽さを優先するなら「M200」です。
▼比較2:ニコン「Z50」
ニコン(Nikon)
Z50
実勢価格:11万7120円
(16-50 VRレンズキット)
キヤノン最大のライバルといえばニコンですが、フルサイズ機に将来ステップアップをするならニコン(またはソニー)がおすすめです。
2年前の機種ですが性能は最新機種とも張り合えます!
Kiss Mより“つくり”は上のキヤノン「EOS M5」
キヤノン(Canon)
EOS M5
実勢価格:8万5427円(18-150 IS STMレンズキット)ほか
サイズ:W115.6mm×H89.2mm×D60.6mm
重量:427g
マウント:EF-M
手ブレ補正:非搭載
EVF:約236万ドット/約162万ドット(チルト式)
カラー:ブラック
発売年:2016年11月
センサー:APS-C
画素数:2420万
連写速度:7コマ/秒
USB充電:非対応
▼検証結果
- 画質: 15点
- オートフォーカス: 14.5点
- 機能: 14.5点
- モニター/EVF: 15点
- 操作性: 16点
- 合計: 75/100点
画質:標準的な画質だけど撮って出しの見栄えはよいです。
オートフォーカス:普段使いでは問題ありませんが追尾性能がやや弱いです。
機能:基本的な機能は概ねそろっていて問題ありません。
モニター/EVF:視認性は良好。タッチパネルの反応も問題なしです。
操作性:前後のダイヤルに加え露出補正ダイヤルも装備されています。
同じく3位は2016年発売のベテラン、キヤノン「EOS M5」。質感やボタン、ダイヤル類のつくりはしっかりしていて撮影がしやすい機種ですが、 新しい機種と比較するとAFが弱いのが残念です。キヤノン派で操作性重視の人向けといえます。
EVFがあるので眩しい夕陽の撮影もしやすいです。
5位: M5の性能を踏襲した兄弟機!キヤノン「EOS M6」
キヤノン(Canon)
EOS M6
実勢価格:7万1407円
(18-150 IS STMレンズキット)ほか
サイズ:W112 ×H68mm×D44.5mm
重量:390g
マウント:EF-M
手ブレ補正:非搭載
EVF:別売で外付け可能
モニター:約104 万ドット(チルト式)
カラー:ブラック、シルバー
発売年:2017年4月
センサー:APS-C
画素数:2420万
連写速度:7コマ/秒
USB充電:非対応
▼検証結果
- 画質: 15点
- オートフォーカス: 14.5点
- 機能: 14.5点
- モニター/EVF: 14.5点
- 操作性: 16点
- 合計: 74.5/100点
画質:見栄えはよいです。M5もM6も高感度ではノイジーです。
オートフォーカス:M5と同様の傾向。M5もM6も瞳AFには非対応でした。
機能:M5同様に基本的な機能はほぼそろっています。
モニター/EVF:外付けEVFも用意されていますが発色が派手すぎる印象です。
操作性:M5同様に露出補正ダイヤルを備え使いやすいです。
5位のキヤノン「EOS M6」は、M5の性能を踏襲しつつEVFを外付けにしてコンパクトでスタイリッシュにしたモデルで基本的な性能は3位の「EOS M5」とほぼ同じ。後継機登場で型落ち化しています。
緑の美しさなどは、さすがキヤノン。しかし、EVFを内蔵しないため減点となりました。
6位: 一眼の歴史上最高の手軽さ!キヤノン「EOS M 200」
キヤノン(Canon)
EOS M 200
実勢価格:7万9750円(1EF-M15-45 IS STMンズキット)
6万3250円(ボディ)
8万 6000円(ダブルズームキット)
8万7500円(ダブルレンズキット)
サイズ:W108.2×H67.1.mm×D35.1mm
重量:299g
マウント:EF-M
手ブレ補正:非搭載
EVF:非搭載
モニター:約104万ドット(チルト式)
カラー:ブラック、ホワイト、リミテッドゴールド
発売年:2019年10月
センサー:APS-C
画素数:2410万
連写速度:4コマ/秒
USB充電:非対応
▼検証結果
- 画質: 15点
- オートフォーカス: 15.5点
- 機能: 14点
- モニター/EVF: 14点
- 操作性: 15.5点
- 合計: 74/100点
画質:画質は標準的で「EOS Kiss M」によく似た傾向でした。
オートフォーカス:追尾もシングルもよいですが連写はやや遅いです。
機能:モードダイヤルすら省略するなどシンプル。
モニター/EVF:EVFは非搭載。タッチ操作は快適で自撮りも可能。
操作性:この小ささを考えればよくできた操作性です。
6位のキヤノン「EOS M 200」は、フルオートでのAF性能が非常に優秀で連写速度は遅いものの動きのあるものもしっかり撮れます。誰もが簡単に綺麗に撮影できるを本当に実現したように感じました。小型化を優先しているため機能が少なく点数は伸び悩みましたが「簡単・綺麗」という視点ではNo.1の完成度です。
※シャッター速度:1/1250秒、絞り:F1.4、ISO:100
また、前モデルの不満点も改善していて、カードスロット部の改善で三脚に据えたままSDカードの入れ替えが可能になりました。小型三脚とセットで動画撮影に使うと便利です。
シンプルさで6位になりましたが、こんなに使えるフルオートは初めて! これは名機ですよ。
6位: 風景撮影にオススメ!富士フイルム「X-T200」
富士フイルム
X-T200
実勢価格:9万3536円(レンズキット)
11万8290円(ダブルズームキット)
サイズ:W121×H83.7mm×D55.1mm
重量:370g
マウント:X
手ブレ補正:非搭載
EVF:約236万ドット
モニター:約276万ドット(チルト式)
カラー:ブラック、シルバー
発売年:2020年3月
センサー:APS-C
画素数:2424万
連写速度:8コマ/秒
USB充電:対応
▼検証結果
- 画質: 15.5点
- オートフォーカス: 14点
- 機能: 15点
- モニター/EVF: 15.5点
- 操作性: 14点
- 合計: 74/100点
画質:特に発色がよく、見栄えのいい仕上がりです。
オートフォーカス:最近のモデルとしては心もとない性能です。
機能:可動式モニターやスマホ連携など概ね揃っています。
モニター/EVF:視認性は素晴らしいです。モニターで自撮りが可能です。
操作性:ボタンと操作画面がわかりづらいのが残念でした。
6位の富士フイルム「X-T200」は、入門機のなかでは高画質。風景やポートレートの色再現は大変素晴らしいです。
※シャッター速度:1/900秒、絞り:F8、ISO:200
花びらの質感が実に見事に再現されています。
しかし、AFが迷う場面が他機種より多く、連写は速いものの連写中にピンボケを起こしやすいという弱点を抱えています。そのため、高度なAFを要求しない風景や旅行写真用途でEVF搭載のエントリーモデルを探している人向けといえます。
8位: 視認性の高いEVF!富士フイルム「X-T100」
富士フイルム
X-T100
実勢価格:6万98円
発売月:2018年6月
センサー:APS-C
▼検証結果
- 画質: 15.5点
- オートフォーカス: 13点
- 機能: 15点
- モニター/EVF: 15.5点
- 操作性: 14点
- 合計: 73/100点
8位の富士フイルム「X-T100」は、珍しいシャンパンゴールドの存在。視認性の高いEVFが特徴です。オートフォーカスは、6位の「X-T200」同様に迷いやすいのが惜しいポイントでした。
9位: ハイコスパ&高速連写!ソニー「α6000」
ソニー(Sony)
α6000
実勢価格:6万3800円
発売月:2014年3月
センサー:APS-C
▼検証結果
- 画質: 15点
- オートフォーカス: 14点
- 機能: 15点
- モニター/EVF: 14点
- 操作性: 15点
- 合計: 73/100点
9位のソニー「α6000」は、6万円台で11コマ/秒の高速連写で撮影できるハイコスパ機。タッチ操作は非対応で、瞳AFや顔認識の精度が低めです。
10位: ボケを楽しめるパナソニック「LUMIXGF10/90」
パナソニック(Panasonic)
LUMIX GF10/90
実勢価格:6万7200円(ダブルレンズキット)
発売月:2018年2月
センサー:フォーサーズ
▼検証結果
- 画質: 13点
- オートフォーカス: 15.5点
- 機能: 14点
- モニター/EVF: 14点
- 操作性: 16点
- 合計: 72.5/100点
10位のパナソニック「LUMIXGF10/90」は、ズームレンズに加えて単焦点レンズが付属されています。超小型ボディながら、綺麗に背景をボカして印象的に撮ることができます。ただし、他のマイクロフォーサーズセンサー搭載機より高感度画質が劣っていました。
11位: タッチAFやスナップ性能が高いオリンパス「PEN E-PL9」
オリンパス(OLYMPUS)
PEN E-PL9
実勢価格:5万2780円
発売月:2018年3月
センサー:フォーサーズ
▼検証結果
- 画質: 14点
- オートフォーカス: 15点
- 機能: 15点
- モニター/EVF: 14点
- 操作性: 14点
- 合計: 72/100点
11位のオリンパス「PEN E-PL9」は、タッチAFやスナップ性能が高く、手ブレ補正も優秀な機種。連写速度の遅さ、わかりづらいメニューまわりなどが残念なポイントでした。
12位: 連写速度の遅さが惜しいオリンパス「PEN E-PL10」
オリンパス(OLYMPUS)
PEN E-PL10
実勢価格:8万4873円
発売月:2019年11月
センサー:フォーサーズ
▼検証結果
- 画質: 14点
- オートフォーカス: 14点
- 機能: 15.5点
- モニター/EVF: 14点
- 操作性: 14点
- 合計: 71.5/100点
12位のオリンパス「PEN E-PL10」は、新製品なのに実写すると追尾AFで前モデルより撮りづらくなっています。また、最新機種なのにUSB充電非対応で、連写速度が遅かったです。
13位: 画質は同クラスでは高水準!富士フイルム「X-A7」
※画像はAmazonより
富士フイルム
X-A7
実勢価格:7万680円
発売月:2019年10月
センサー:APS-C
▼検証結果
- 画質: 15.5点
- オートフォーカス: 13.5点
- 機能: 14点
- モニター/EVF: 14点
- 操作性: 14点
- 合計: 71/100点
13位の富士フイルム「X-A7」は、同クラスでは高水準の画質で高感度画質も良好。しかし、富士フイルムの入門機に共通するAFの迷いやすさがありました。
14位: 超小型ボディ!キヤノン「EOS M100」
キヤノン(Canon)
EOS M100
実勢価格:4万9799円
発売月:2017年10月
センサー:APS-C
▼検証結果
- 画質: 15点
- オートフォーカス: 14.5点
- 機能: 14点
- モニター/EVF: 14点
- 操作性: 13点
- 合計: 70.5/100点
14位のキヤノン「EOS M100」は、「EOS M200」同様の超小型ボディ。瞳AF非対応で、カードスロットの位置が特殊です。
15位: タッチ操作で自撮りができる!ソニー「α5100」
ソニー(Sony)
α5100
実勢価格:5万5000円
発売月:2014年9月
センサー:APS-C
▼検証結果
- 画質: 15点
- オートフォーカス: 14点
- 機能: 14点
- モニター/EVF: 13点
- 操作性: 14点
- 合計: 70/100点
15位のソニー「α5100」は、自撮りができる、タッチ操作に対応しています。ただ、設定変更が面倒で、瞳AFや顔認識の精度が低いです。
以上、10万円以下のミラーレス一眼15製品のランキングでした。
2020年のいまは10万円位以下の入門機が買い!
ランキング上位機種は入門機といえど侮れない性能のモデルばかりでした。上位の顔ぶれはハイスペックな(=なんでも撮れる)ソニー、性能はベストではないですが使い勝手に優れるキヤノンとオリンパス。キヤノンは初心者向き、オリンパスはカメラ好き向けの使い勝手です。カメラを始めたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。
そして実は、2020年のいまは10万円以下の入門機が買いなんです。最後は、その理由をご紹介します。
理由1:入門機の新製品が多数デビューしている
一眼カメラはモデルチェンジの期間が伸びていて、3、4年販売され続ける機種も珍しくありません。しかし、この半年ほど各社からレンズキットで実売10万円以下の新製品が発売され、入門機にも新風が吹いています。
2019年10月以降に発売された機種の一例はこちら。
▼2019年10月発売
ソニー「α6100」
▼2019年11月発売
オリンパス「PEN E-PL10」
▼2019年10月発売
キヤノン「EOS M200」
▼2020年2月発売
富士フイルム「X-T200」
理由2:「入門機」の底上げが進んでいる
入門機はどうしても低性能というイメージがありますが、スマホに負けないように連写やオートフォーカスを中心にスペックアップを図るメーカーが増えています。たとえば、キヤノンの場合はこんな感じです。
▼EOS M100(2017年)
・AFエリア:49
・フルHD動画
▼EOS M200(2019年)
・AFエリア:143
・4K動画
高性能なほどフルオート撮影が快適になるので嬉しいトレンドです。
値下がりで「お買い得」モデルも!
最新モデルの高性能かが進む一方で、販売期間が長くなったり、型落ち化した結果「お買い得!」と言える機種も多数あります。ランキングの上位ではオリンパスのOM-DやキヤノンのEOS Mシリーズなどです。
こちらは、オリンパス「OM-D E-M10 MarkIII」。価格.comの最安価格はダブルズームキットで発売時の10万7886円から5万7108円へと半額近く値下がりしています。
気になる製品がある人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
また、今回ご紹介したモデルは、どれもコンパクトなので手元に置いて庭の花々やペット、料理写真など日常生活を気軽に撮ることができるので、カメラを通すと見慣れた光景もまた違って見えてきますよ。好みの一台を見つけて、スマホとは違ったカメラライフを楽しみましょう!
画質のよさとオートフォーカスの精度の高さは同クラスでトップでした。さすがです!