おすすめ1:安達裕哉「頭のいい人が話す前に考えていること」
- 安達裕哉頭のいい人が話す前に考えていること
- 最安価格: ¥1,485〜
思考の質を高めることをテーマとする大ベストセラー
コンサルティングやWebメディアの運営支援などを行う著者による、コミュニケーションや思考の質を高める法則が知れる本。
話し方のスキルだけでなく、思考の質を高めることこそが「頭のいい人」への近道であるというテーマで、それが7つのマインドと5つの思考法にまとめられている点がウケているようです。
88万部突破の大ベストセラーだけあり、Amazonのレビューも大量についています。
- 出版社
- ダイヤモンド社
他人を説得するには根拠が必要
今回は、ビジネス書レビューです。
まずは、安達裕哉『頭のいい人が話す前に考えていること』なのですが、42ページまで読んで、これ以上は読む必要はないと思ってしまった書籍でした。
本書は、著者が22年前に外資系コンサル会社で働いているときのエピソードから始まるのですが、そこにはこうあります。
“クライアント先の社長にこう言われました。『安達さん、大丈夫?』これは、コンサル失格を意味する言葉です。(中略)相談にのる立場なのに、逆に心配させてしまった。”
その後は著者が企業の社長や優秀な先輩や上司から得た知見をまとめたらしいのですが、42ページにこう出てくるのです。
“問題1:ヤクザ映画『アウトレイジ』で殺されてしまう人の特徴とは?
答えは〝感情的な人〟です。(中略)私はこの映画から、感情的になったら、その時点で負けというメッセージを受け取りました。そして、それは私がコンサルで学んだ「最重要事項」のひとつでもあります。”
他人を説得するには根拠が必要です。他者の説得に統計やアンケートを使うことはありますが、「n=1」と言われる一人が主張していることは説得材料として使えないという共通認識があります。実際のエピソードであれば多少説得力もありますが、それも極端だと弱い。
仮に少数意見を多数意見のように巧く伝えたとしても、本当に仕事のできる頭のいい人はエピソードに騙されないので説得できません。
加えて、仕事のできる人ほど、短い時間で判断するので無意味な情報を伝えられることを嫌ったり、統計や論文やアンケートなどの客観情報などを期待する傾向もあります。
書名の“頭がいい”って、狡猾ってことですか?
根拠のない主観情報は無意味な情報でしかない。仮に仕事で「ホラー映画で殺されてしまう人の特徴は? 集団から離れたカップルです!」「恋愛感情を持たないことがコンサルとして最重要だと思いました」とか言う人がいたらヤバイと感じるわけです。
なのに、安達さんはコンサルとして相手を安心させることは必要と書きつつ、根拠のない主観情報をコンサルで学んだ最重要項目のひとつとしている。
もちろん、読ませるために後から前提をひっくり返すテクニックや構成もあるのですが、26ページに〝本書は、読み返すことを想定していません〟と「前述をひっくり返さない」ことを著者が断言している。
そもそも本当に頭のいい人は、こんな話で他人を説得しようとしません。なので、本書は、頭のいい人に憧れる頭の悪い人が、頭のいい人のフリをするための書籍に見えるのです。
もっといえば、本書でいう「頭のいい人」は「口の上手い人=狡猾」なのですね。
まぁ、狡猾も頭が良いという意味ではあるのですが、その意味で本書を出しているとしたら、「著者の安達さん、大丈夫?」というのが感想になってしまうのですよ。
おすすめ2:両@リベ大学長「【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学」
- 両@リベ大学長【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学
- 最安価格: ¥1,441〜
お金に困らない5つの力を非常にわかりやすく解説
一生、お金に困らないための5つの力があるとして、わかりやすい筆致やイラストで解説しているシリーズです。
お金を貯める、稼ぐ、増やすなど5つの力を維持するために、最新の金融制度や時勢にあったネタが満載。知っているけど理解しきれないことを、忖度なしに紹介してくれます。
広く浅いネタが紹介されているという意見もある一方で、老後のリスク、最新の副業なども掲載されており、パラパラ読むにも、急場がやってきたときにでも、手元に持っておくだけで安心な一冊です。
- 出版社
- 朝日新聞出版
「わかった気になる」を「わかった」にする良著
「わかった」と「わかった気になる」は結構違います。でも、「わかった気になっている人」は、自分はわかったと思っていたりするもの。
例えば、授業を聞いてわかった気になっていても、テストをするとわかっていなかったことが明確になったりしますが、そうやって人は賢くなっていきます。人間は「わかった気になる」を積み重ねた結果、ようやく「わかった」になるわけですね。
これは意外と多くの人が陥っていることでもあります。例えば、運転免許を持っていたら道路標識の意味をだいたい説明できると思いますが、「『通行止め』と『車両通行止め』の二つの規制標識を描いてください」と言われたら描き分けられる人は少ないし、そもそも規制標識の違いをわかっている人も多くないと思います。
そんな感じで、知っているけど、きちんと理解できていない話を、お金というジャンルでまとめたのが、140万部の大ベストセラー、両@リベ大学長『本当の自由を手に入れる お金の大学』です。
業界に忖度せず書いていることにも好感
「格安SIMで良いよね」「民間保険は最低限で良くない?」など、当たり前だけど理解不足なことを、イラストを使ってわかりやすく説明しています。
「表面的な話が多くて、ネットで調べれば出てくるような話ばかり」って声もあるようですが、知っていることに関しては読まなくていいのです。
本書は、「賃貸住宅の退去費用は安くできる」「事業所得の副業バレを防ぐ」とかジャンルが多岐にわたっているのでパラパラと見て、何処かしら最低限理解していない知識があったら学べて儲けものという書籍。立ち読みでもいいので目を通す価値はあると思うのです。
さらに好感を得るのが、「学資保険は要らない」「ペット保険は不要」など、物議を醸したり関係者が怒りそうなことを忖度なしに書いているのです。
新聞やテレビみたいに、広告主である保険業界を敵に回さないよう「個人で考えて保険を選びましょう」とか有耶無耶な表現をすることもない。
住宅に関しても、「庶民がマイホームを買うと、リセールバリューの低い家になるので勧めない」と、不動産業界に忖度せずに書いている。
そんな情報が初心者向けに書かれているのですから、売れるのも当然ですよね……。
以上、ひろゆきさんによる、安達裕哉「頭のいい人が話す前に考えていること」と両@リベ大学長「【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学」のビジネス書レビューでした。
次回も選りすぐりのアイテムやコンテンツを、本音でレビューしてもらいます!
電子書籍リーダーの売れ筋ランキングもチェック
電子書籍リーダーののAmazon・楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。
【おいらの結論…】同じベストセラーであっても、読者を「騙すor助ける」の差があるのですね。