おすすめ1:「オッペンハイマー」
※画像はAmazonより
オッペンハイマー
監督:アリ・アッバシ
ピューリッツァー賞を受賞した同名タイトルを原作とした、実在する人物を描いた伝記映画。
第二次大戦下、優秀な科学者たちとともに世界初となる原子爆弾の開発に成功した「J・ロバート・オッペンハイマー」。後に「原爆の父」と呼ばれる主人公は、実戦で投下された原爆の惨状に深く苦悩するようになる。
米ソが核兵器で脅し合う冷戦のさなか、アメリカで広がる反共思想が過激化し、「赤狩り」と呼ばれる事態にまでエスカレートするなか、オッペンハイマーもそれに巻き込まれていく。
世界を変えてしまった男の栄光、苦悩、没落を描く第96回アカデミー賞作品賞を含む7部門を受賞した作品。
「原爆の父」で知られる男の生涯を描く
先日発表されたアカデミー賞ですが、去年の受賞作は『オッペンハイマー』。実は、一回観たものの途中で止めたんですよね、面白くなくて。でも、今回原稿を書くことになったので最後まで観たのですが、やっぱり面白くないんですよね。
というのもこの映画、原爆製造の指導的役割を果たしたオッペンハイマーの人生が淡々と3時間も描かれているだけで、興味を維持し続けるのは無理ゲーなのですね。
『ミッション:インポッシブル』のような映画は、随所にインパクトのある映像やどんでん返しを入れることで、飽きない工夫がされているのですが、本作は科学者の自伝映画なので、殴り合いやカーチェイスもなし。科学を連想させるキラキラとしたCGや、主人公がグラスを投げて苦悩するとか、どうでもいいシーンで音と時間を使っているだけで、面白いものを見たとは思わないわけです。
さらに作中で時系列が前後するタイミングで映像がモノクロになったりするので映像的な刺激もないし、オッペンハイマーの過去を振り返るシーン以外は、周辺人物の証言のシーンばかりなので、観ていて眠くなるのですね。
睡眠導入にもってこい。興味の持続困難な3時間
もっといえば、オッペンハイマーが原爆を発案後、スパイの疑惑をかけられて聴聞会にかけられた際の結果も、彼の半生をうっすらと知っていたりするとドキドキワクワクもないのですね。もちろん、一般では知られていない驚きの事実が出てくることもないですし。
「オッペンハイマーの人物像に興味がある」という人なら、その人生を追うのは楽しいのかもですが、僕は彼の人生に興味はないし、映画を観るほとんどの人がそうだと思うのです。原爆がどうして作られたかを知るだけなら3時間かけなくてもウィキペディアで十分。
歴史を学ぶ子ども向けの学習マンガとかがありますけど、あれがマンガ作品として面白くないのと似たような感覚を覚えてしまうのです。
まだ、原爆を作るための困難や工学的プロセスの難しさや、あの時代に放射線が出まくる原爆をどうやって安全に作ったのか? を描いていれば、モノづくり動画として楽しめるのですが、残念ながらそういった描写もありません。
そんな作品がアカデミー賞を受賞できたのは……きっとアメリカが世界最強の国になっていく過程が描かれているのと、役者勢が豪華だったからってことだと思うのです。
ほら、『インデペンデンス・デイ』が年間興行成績1位になっていたりする国ですからね、アメリカって。
おすすめ度:★★
★5:お勧めTOP100レベル/★4:人によって面白く感じなくても、どこが面白いのか説得できる/★3:人によって評価が分かれる/★2:面白くないか失望したか/★1:いまだ現れず……
おすすめ2:「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」
※画像はAmazonより
アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方
監督: アリ・アッバシ
気弱かつ繊細な青年だったドナルド・トランプは、どのように現在の「世界中で最もヤバい大統領」と呼ばれるようになったのか。本作ではそんなトランプが悪名高い辣腕弁護士「ロイ・コーン」によって現在の姿へと導かれていく道のりが描かれている。
初々しいトランプが成り上がるまでの道のり
もう一本は、世界中を困惑させているトランプ大統領の若き日を描いた映画『アプレンティス』。サブタイトルに「ドナルド・トランプの創り方」とある通り、今のトランプ大統領の行動指針とリンクする内容です。
そのきっかけとなるのが、本作のもう一人の主人公である悪名高き弁護士ロイ・コーン。
20代の青年実業家トランプは、勝つためには手段を選ばないロイ・コーンと出会い、「攻撃、攻撃、攻撃」「非を絶対に認めるな」「勝利を主張し続けろ」という勝利の3か条を伝授されるのですが、刑事裁判で負けても裁判結果を否定する現在のトランプ大統領の姿を見ていると、この出会いが影響を与えているのだなと感じるのですね。
例えば、トランプは生業としている不動産取引でロイ・コーンと共謀し、バレないよう関係者を脅迫。手掛けているホテルの免税措置を勝ち取り、利益率を上げていきます。
そもそも不動産業は才能のある人がボロ儲けできるようなビジネスではありません。ホテル業が儲かると知れわたれば、すぐに似たようなホテルが乱立するし、ホテルを買収しようとしても、売り手がホテルの価値を知れば価格を上げてくるので、利益は減ってしまう。
だからこそ、法のギリギリを攻めて特権を得るやり方を選んだり「法に触れてでもバレなければ問題ない」という発想で、抜け道を見つけたりして利益を最大化する。
トランプが「取引(ディール)が得意」と自称するのは、こうした相手の弱みにつけ込んででも有利な条件を引き出すテクニックを使うからだと思うし、「取引は芸術である」というのも納得。
トランプのいうディールは、100円のものを105円で売るとか、95円で仕入れるとかいう微調整のビジネスとは全く違う次元なのです。
トランプ大統領再選は「理屈より勝利」
もちろん、あくまで映画なので、すべてが真実かはわかりません。
ただ、描かれている姿を見ると、公正や正義、持続可能性にコンプライアンスなどなど周囲から疑問視されるやり方は、今に通じる部分もあります。オルタナティブファクトや、事実を有利に捻じ曲げて解釈する姿勢とかもそれですしね。
そんな取引手法や考え方を持つトランプが大統領になったわけですが、トランプは過去にタレント活動をしてきたので、アメリカ人たちはトランプがどんな人かは既にわかっているはずです。それでもアメリカ人たちはトランプを大統領に選んだ。
つまり、アメリカ人は細かくまどろっこしいことよりも、アメリカを勝たせる人を選んだということ。そんなアメリカっぽさを感じられる作品でした。
おすすめ度:★★★
★5:お勧めTOP100レベル/★4:人によって面白く感じなくても、どこが面白いのか説得できる/★3:人によって評価が分かれる/★2:面白くないか失望したか/★1:いまだ現れず……
以上、ひろゆきさんに『MONOQLO』が、アメリカ映画2作品、「オッペンハイマー」と「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」をおすすめしてみました。
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【おいらの結論…】アメリカが強くなっていく様は、アメリカ人の大好物ってことかと。