大阪から東京へ! セカンドステージの開幕
── 今回の「上半期かけ込みヒット賞」はガクテンソクのおふたりに決定しました。おめでとうございます!
奥田修二(以下、奥):ありがとうございます!
よじょう(以下、よ): うれしいですねぇ。
── 昨年に東京進出してからご活躍されていますが、もう東京には慣れました?
奥:よじょうが狩猟免許を持っているんですね。その用事で小金井に行くときに「近くの駅じゃなく、ちょっと歩いて総武線の駅まで出たほうがいいんじゃない」というアドバイスがスッと出てきたとき、「東京に慣れてる!」と(笑)。
よ: 東京の路線図はエグイから、僕はいまだにわかりません。
奥:いや、よじょうさんは国分寺に住んでるからです。
よ: そこしかなかったから仕方ない。
奥:そんなわけないからな。
東京新生活は以外に順調?
── 国分寺はもう慣れました?
よ: 僕は繁華街ではなく自然が多い南口に住んでいるんですけど、開拓するのは引っ越し後の2週間で終わりました。
奥:なんもないからな。でも、国分寺の猟友会に入って大歓迎されたんやろ。
よ: そう。年配の方が多いので若手は久しぶりやと。
奥:しかも、最初の猟で鹿を一発で仕留めたり。
── それはすごいですね。
よ: 普通、鹿は人間が数十メートルの範囲に入ると逃げるらしいんですが、僕がかなり近づいても逃げなかったんです。
奥:鹿と目が合っても逃げなかったみたいで。シシ神とアシタカみたいになっとるやん。
よ: 師匠もこんなん見たことないとびっくりしていて。鹿に僕が死んでると思われてるかもしれんと。
奥:すごいというか異常やけどもな。
── よじょうさんらしいというか(笑)。奥田さんは最近ご自宅がバレて。
奥:ああ、今ちゃん(今田耕司さん)が『ワイドナショー』でしゃべってくれまして。
── もう目黒は開拓されました?
奥:大阪のときは1人でよう飲みに行ってたんですけど、東京に来てからはやめてるんです。なのでボチボチですね。
── なぜやめたんですか?
奥:大阪のときは朝一のワンステージ目の記憶がないくらい深酒していて、それはやばいと。
よ: たしかに。朝一は酒と漫才をしてるんかいな、というくらいやった。
奥:ツーステもほぼ死んでて、最後の舞台だけ元気にやる。それで夕方くらいに元気になって飲みに行くという。
よ: ロケでもオープニングは全然元気なくて、エンディングにめっちゃ元気なのもあったし(苦笑)。
ドラム一発買い✕金のエアコン
── ちなみに東京に引っ越して家電は買いました?
よ: いきなりですね。
── 家電雑誌なもので……。
奥:前に「au PAYマーケット」の漫才大会で優勝したとき、副賞としてそのECサイトで好きなものを30万円買えると。それで15万円ずつ分けて買うところを撮影したんですよ。
よ: 僕は最初に「洗濯機を買う」と宣言して、自腹で6万円足してシャープのドラム式を即買いしました。
奥:こいつ、マジで一発で買いよったんです。普通は悩んだり、いくつかの商品を買っていかないと尺が足りなくなるのに。
よ: めっちゃ音が静かで、しかもプラズマクラスターもついていて。いい買い物でしたね。
── 番組を成立させるためには、もう奥田さんに頼るしかない(笑)。
奥:僕も欲しいものがあったんですけどあきらめて。ただエアコンは欲しくて探したら、アイリスオーヤマが高すぎずに手ごろだった。しかも、カラー展開がゴールドとブラウンの2色のみ。白やないんかいと。それだけでおもろすぎるし、やっぱり買うならゴールドやろと。
── かなり尖ったラインナップです。
奥:なので、寝室にはゴールドのエアコンがあります。
よ: あと高級炊飯器もマジでほしかったな。
奥:あれは俺も買うか迷った。
── 高級炊飯器ランキングは『家電批評』の毎年恒例の企画なんです。おそらく今年もやる予定かと。
よ: それはめっちゃ楽しそうですね。
奥:「THE SECOND」で優勝したらぜひ呼んでください。
── ぜひ! その「THE SECOND」(ザ・セカンド)ですが、今年はファイナリストに残りましたね。
(※編集部注:本インタビューはTHE SECOND決勝前に実施しました)
奥:去年はノックアウトステージの「32→16」でマシンガンズさんにぶちくらわされて。
よ: 今年も準決勝で当たりましたけど、順番が最高で。僕らは最後でしたけど、会場が温まりきってから登場したのがよかったですね。
奥:そやな。最初はお客さんも緊張してる印象があって、それが対戦相手で先行だったマシンガンズさんのときに完全に解けて、僕らですから。
── 前回から対策していたり?
奥:「THE SECOND」はマシンガンズさんのように”幅”があるものが受け入れられるんだなと思いました。僕らは台本がカチッと決まった漫才ですが、何かが起こったときのために余白を作るようにして。何を言ってもいい余白をわざと作るようにしたのが功を奏した部分はあります。
── ファイナルで意識している芸人さんはいます?
奥:僕はザ・パンチさんかな。最近のウケが尋常じゃないんで。
よ: たしかにウケてますね。ファイナルが決まってから仕事でよく一緒になるけど、ホンマに肩に力が入っていないというか。
奥:ただ、ザ・パンチさんはファイナル1試合目の順番が7種類の漫才を観終わったあとの一番最後なんです。そこまでにいろんな流れがあって、それがどう影響するのか。仮に受け入れられて、僕らが勝ち上がったら決勝はザ・パンチさんやなと。
── しっかりとシミュレーションするんですね。
よ: ただ、まずはラフ次元さんを考えとかんと。正直、当たりたくなかったくらい強いですから。同じ舞台で一緒にやっているのも見ているので。
── ファイナル進出が決まったあとの周囲の反応は?
奥:いろいろな方に「おめでとう」って言われて、今が一番楽しいんですよ。ただ、19日※には何かしらの魔法が解けているはずだから。
(※編集部注:2024年5月19日。「THE SECOND~漫才トーナメント~2024」の翌日)
── さらに魔法がかかるかも?
奥:それだとうれしいけど、ゼロになるかも。人によっちゃ「惜しかったよな~」とか慰めてくれそうだけど。
よ: そうそう。「俺はめっちゃおもろかったけど」とか(笑)。
── 7月に単独ライブ「ふるべのかむわざ」が開催されますが、チケットの一般販売日が決勝戦の放送日なんですね。
奥:単独が決まったのは準決勝の前なので、ヒヤヒヤでした。東京と大阪でやりますが、東京は「ルミネtheよしもと」という大舞台ですから、準決勝は負けられへんぞと。
よ: ファイナルに残れてひとまず安心やった。
── 優勝したら待遇がさらに変わるかも?
奥:追加公演が決まったりしたら最高ですね。NGK(なんばグランド花月)や福岡の劇場とか。
── 全国ツアーが決まったり?
よ: それはやりたいですね。
何者かになるまで漫才を続けたい
── おふたりは正統派の漫才師と評価されていますが、今後も漫才を主軸にしていくのですか?
奥:正統派でもないですよ。どう考えてもツッコミがしゃべりすぎてるし(苦笑)。
よ: 周りが変すぎて、僕らの変が目立たんだけです。
奥:それでも、芸人になったきっかけが漫才です。ただ、M-1に出るための手段が漫才だったので、ラストイヤーのときには目標が見えなくて解散の話も出たくらい。
よ: ふたりで大げんかしてね。
奥:そこで「漫才」で何者かになるという目標を立ててコンビを継続しました。そこから2020年のラストイヤーではもめることもなく。
よ: そうそう。
奥:多分、手段だった漫才が僕らの中で変わったんだと思います。M-1が終わって、さてどんな漫才にしようという気持ちになったんだろうと。
── コントもこなしますが、根っこは漫才なんですね。
奥:ネタを思索するときは、やっぱり漫才だけ考えているんで。ずっと漫才は続けていきたいですね。
よ: 何者かになるまでは。
ガクテンソク プロフィール
奥田修二(おくだしゅうじ)
(写真右)
1982年3月3日生まれ。兵庫県宝塚出身。造園業の社員を経て、2005年に学天即(現ガクテンソク)を結成。アイドル好きを公言し、仕事でも数多くの推しグループと共演が実現した。
よじょう
(写真左)
1981年7月30日生まれ。兵庫県宝塚出身。関西大学卒業。相方の奥田氏とは中学からの同級生。ラジオ番組をきっかけに「Hey! Say! JUMP」のファンクラブに入会。狩猟免許を所有。