カメラパナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」とソニー「FX30」を比較

パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」

パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」 イメージ
パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」 イメージ2

パナソニック
LUMIX S5 Ⅱ
実勢価格:ボディ/¥248,520、ズームレンズキット/¥281,160、ダブルズームキット/¥299,970

サイズ:約W134.3×D90.1×H102.3mm・約740g
イメージセンサー:フルサイズ
画素数:約2420万画素
連写速度:最高約30コマ/秒
USB充電:対応

パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」はコスパ・性能ともに初めてのフルサイズにおすめなミラーレスカメラ。初代からイメージセンサーと映像エンジンを刷新し、動体に対して高いAF追従性を期待できる「像面位相差AF」をLUMIXで初採用した注目モデルです。

パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」の進化したポイントは以下。

▼進化したポイント

  • AFシステムが新しくなり、性能アップ
  • 静止画や動画の表現が豊かになった
  • 動画撮影機能が強化された

手ブレ補正がさらに向上

手ブレ補正がさらに向上 イメージ

動画撮影用の手ブレ補正として新開発のアクティブ I.S.を搭載。歩き撮り時の手ブレなどを効果的に補正してくれます。

実際に歩き撮りで試した結果、大きくブレることなく安定した映像が撮れました。

イメージセンサーが新しく!

イメージセンサーが新しく! イメージ

裏面照射型の約2420万画素フルサイズセンサーを搭載。映像エンジンも新しくなって画質やAF性能が向上しました。

AF性能が優秀

AF性能が優秀 イメージ

特にスゴさを感じたのは瞳AFの精度。瞳を認識して瞬時にピントが合います。

低照度での撮影はソニーやキヤノンの同クラスより劣る、高速で動く被写体は苦手という弱点もありますが、鳥をはじめ動物の認識も高く、植物の枝のような折り重なった被写体も高いAF性能で思い通りに撮れます。

手ブレ補正も強化されています。特に動画の手ブレ補正は強力で、歩き撮りでも大きくブレることなく安定した映像が撮れました。

そのほか、リアルタイムLUT(色味補正のプリセット)の搭載や、動画が時間無制限で撮影可能になったなど、見逃せない新機能が盛り込まれています。

検証の結果、パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」写真も動画も高画質で、フルサイズの魅力をコンパクトに凝縮したおすすめのカメラということがわかりました。

そこで今回は、パナソニック「LUMIX S5 II」の動画機能に注目し、徹底レビューします。ソニーの動画専用カメラ「FX30」と比較検証し、実力をチェックしました。

ソニー「FX30」

ソニー「FX30」 イメージ

ソニー
FX30
実勢価格:¥252,773

ソニー「FX30」は、ソニーが映像制作用としてラインナップしている「Cinema Line」に属する動画専用カメラ。

ソニー「FX30」 イメージ2

同シリーズではじめてAPS-Cサイズのセンサーを採用したモデルです。

それでは、検証結果をご覧ください。

カメラパナソニック「LUMIX S5 II」は4K/60p撮影でも記録時間は無制限に

パナソニック「LUMIX S5 II」は4K/60p撮影でも記録時間は無制限に イメージ

連続撮影時間の無制限は、舞台や運動会などで長時間撮影をする人にとってうれしい強化でしょう。

パナソニック「LUMIX S5」では4K/60pで30分の縛りがありましたが、パナソニック「LUMIX S5 II」では記録メディアいっぱいまで録画できるようになりました。

パナソニックによれば、熱対策を徹底したことで、時間無制限が可能になったとのこと。

排気口を新設

排気口を新設 イメージ

排気口と吸気口が新設され、排気口は一眼レフでいうペンタ部分横に配置。

吸気口を新設

吸気口を新設 イメージ

吸気口はLUMIXロゴの真下に備えられています。

長時間撮影も安心

長時間撮影も安心 イメージ

テスト時期が冬ということもありますが、4K/60pでの長時間の撮影でボディが熱くなるどころか、温まる感じすらありませんでした。

暖房の効いた室内でも同じ感触だったので、熱対策がしっかりとしているのが実感できます。これなら、夏の炎天下でも熱による強制終了はないのでは? と期待できます。

なお、6K/30pと5.9K/30pでは、連続撮影時間が30分を超えると記録が停まります。

ソニー「FX30」の場合は事実上無制限

いっぽう、動画専用機であるソニー「FX30」の4K/60pでの連続撮影時間は、最大で13時間。これって無制限と同じですね。

カメラパナソニック「LUMIX S5 II」は動画の歩き撮りに最適な新機能がスゴい!

パナソニック「LUMIX S5 II」は動画の歩き撮りに最適な新機能がスゴい! イメージ

撮影:豊田慶記

パナソニック「LUMIX S5 II」は新たに動画用の手ブレ補正「アクティブI.S.」が搭載されました。

補正効果は初代のパナソニック「LUMIX S5」と比べて200%とメーカーはアピールしています。補正は「電子手ブレ補正」と「手ブレ補正ブースト」の2種類から選べます。

実際にテストしてみると、どちらもかなり高い補正効果を体感できました。

パナソニック「LUMIX S5 II」は動画の歩き撮りに最適な新機能がスゴい! イメージ2

撮影:豊田慶記

「手ブレ補正ブースト」での歩き撮りでは、ジンバルはいらないかも……と思うほど揺れません。試しに小走りでもテストしましたが、撮影した動画を確認してもどこで走っているのかわからないほどでした。

ただし、全く揺れないわけではなく、わずかな揺れはあります。また、電子手ブレ補正特有の画面が歪むシーンもあり、補正に対する過度の期待は禁物です。なお、ソニーやキヤノンと比較しても動画の手ブレ補正効果は高めです。

ソニー「FX30」の場合はけっこう手ブレした

ソニー「FX30」の場合はけっこう手ブレした イメージ

「光学式5軸手ブレ補正」を搭載するソニー「FX30」ですが、今回のテストでは補正効果があまり感じられませんでした。

大きくブレてしまうシーンもあり、本当に手ブレ補正が効いている? と疑う状態。電子手ブレ補正を入れるとブレは少なくなりましたが、手ブレ補正はパナソニック「LUMIX S5 II」の圧勝です。

カメラパナソニック「LUMIX S5 II」は動画のAFがかなり強力になった

写真同様に動画撮影でもピント精度はとても大事です。今回、人物や動物のほか、電車などの比較的高速で動くものをテストしました。認識AFや追従AFの精度は高く、完璧ではないものの総じて満足いく結果です。

特に前後に被写体が移動するシーンなどでピントの合いが高速になっています。VLOGやペットの撮影など、日常撮影に適したカメラが欲しい人にベストでおすすめな一台です。

パナソニック「LUMIX S5 II」は動画のAFがかなり強力になった イメージ

「瞳AF」は一度被写体を捉えると、真横を向いてもピントをキープ。動物の認識率も向上し、「瞳AF」が使えました。特に被写体がカメラに近い場合のAF精度がアップしていて、初代のパナソニック「LUMIX S5」より強化されたと感じます。

気になったのは「追従AF」で、一度被写体からピントが外れると、再度ピントが合うまで時間がかかること。

ソニーやキヤノンも同様にピントを外した際に復帰まで若干時間がかかりますが、パナソニック「LUMIX S5 II」はそれよりも長く感じました。また、たまに被写体認識が迷いますが、これは許容範囲です。

園部大輔 氏
山岳写真家/イラストレーター
園部大輔 氏 のコメント

「認識AF」はたまに迷うことがありましたが、精度はかなり高いです。ペット撮影にちょうどいいと感じました。

奥から手前にピントが速い

奥から手前にピントが速い イメージ

梅の花を渡り歩くようにピント位置を前後に動かしても、即座にピントが合いました。商品説明で顔の前に小物を持ってくるシーンでも重宝しそうです。

奥から手前にピントが速い イメージ2

暗いシーンはたまにAFを外してしまいますが、歩留まりはいい感じ。電車にもしっかりとピントが合い、追従しています。

ソニー「FX30」のAF性能はほぼ完璧

ソニー「FX30」のAF性能はほぼ完璧 イメージ

パナソニック「LUMIX S5 II」と同じ条件でテストをしました。AF性能のすべてのテストでソニー「FX30」のほうがパナソニック「LUMIX S5 II」を上回る結果でした

カメラ「LUMIX S5 II」の録音は機能性は高くないが音質は結構いい

「LUMIX S5 II」の録音は機能性は高くないが音質は結構いい イメージ

録音のテストで繁華街をレポートしながら歩き撮りをしましたが、雑踏の中でもレポーターの音声がとてもよく拾えています。小さなマイクなのに、輪郭のはっきりとした明瞭な音声で録音できたのは意外でした。

雑踏の中でも音声をしっかり録音できる

雑踏の中でも音声をしっかり録音できる イメージ

ファインダー上部にある小さな穴がマイク。テストの日は風が吹いていましたが、風切音の設定などしなくてもボーボーという風の音で音声が消されることなく録音できました。

ソニー「FX30」で録音するなら外部マイクがおすすめ

ソニー「FX30」で録音するなら外部マイクがおすすめ イメージ

内蔵マイクの音質は正直いいとはいえず。外部マイクならクリアに録音できるので、使用をオススメします。

カメラ「LUMIX S5 II」はキットレンズの20-60mmがめちゃ使えておすすめ

「LUMIX S5 II」はキットレンズの20-60mmがめちゃ使えておすすめ イメージ

「LUMIX S5 II」に使うレンズは「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」がおすすめです。20mmスタートの広角ズームなのに、スリムでコンパクト。広角から標準域の焦点距離なので、風景から人物撮影まで楽しめます。

画角が動画撮影にちょうどよく、ペットや日常を撮影するのに最適。接写能力が高いのも魅力で、20~31mmの焦点距離ならレンズフード先端のギリギリまで被写体に寄れます。

「LUMIX S5 II」はキットレンズの20-60mmがめちゃ使えておすすめ イメージ2

ペットの犬を接写しました。レンズ前から3cmぐらいでもピントが合います。

ダブルレンズキットなら50mm単焦点レンズも付いておすすめ

ダブルレンズキットなら50mm単焦点レンズも付いておすすめ イメージ

背景を大きくぼかして撮影したいなら、単焦点レンズが付くダブルズームキットがオススメです。

カメラ【6K撮影】緻密な映像が撮れるけど高性能マシンが必要

【6K撮影】緻密な映像が撮れるけど高性能マシンが必要 イメージ

現状の最大記録サイズといえる6Kで撮影できます。こちらの画像も6Kで撮っていますが、とても緻密で解像感が高いと感じます。

大自然を緻密な映像で楽しめるほか、動画ズームなどといわれる、動画編集時に部分拡大して擬似的にズーム感を表現する編集方法にも6Kは適しています。

ただし、6Kをパソコンで編集するには高性能なマシンが必要。般的なパソコンで編集するなら4K/30pが適当です。それを考えると4K/30pで撮るのがいいでしょう。

ソニー「FX30」の場合は6Kで撮れない

残念ながらFX30は6Kでは撮れないのでこの点はパナソニック「LUMIX S5 II」の勝利。しかし、4K/120pで撮れるので同点です。

カメラパナソニック「LUMIX S5 II」の動画機能の検証まとめ

パナソニック「LUMIX S5 II」の動画機能の検証まとめ イメージ

パナソニック
LUMIX S5 Ⅱ
実勢価格:ボディ/¥248,520、ズームレンズキット/¥281,160、ダブルズームキット/¥299,970

サイズ:約W134.3×D90.1×H102.3mm・約740g
イメージセンサー:フルサイズ
画素数:約2420万画素
連写速度:最高約30コマ/秒
USB充電:対応

以上、最新ミラーレスカメラのパナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」をソニー「FX30」と動画機能を比較検証したレビューでした。

パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」は手頃な大きさでフルサイズ機のうえ、手堅いAFや強力な手ブレ補正も搭載。そんな写真も動画も両方をバランスよく楽しめるカメラはそう多くありません。

それでいて、ボディ単体で25万円クラス、ダブルレンズキットでも30万円弱で購入可能。

手軽に高画質な動画を撮るなら最高の一台なので、これからカメラを始めたい人にピッタリなのでおすすめです!

ただし、自主映画や記録映像などの本格的な撮影をしたいという人は、動画専用機であるソニー「FX30」がおすすめです。

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