パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」
パナソニック
LUMIX S5 Ⅱ
実勢価格:ボディ/¥248,520、ズームレンズキット/¥281,160、ダブルズームキット/¥299,970
サイズ:約W134.3×D90.1×H102.3mm・約740g
イメージセンサー:フルサイズ
画素数:約2420万画素
連写速度:最高約30コマ/秒
USB充電:対応
パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」は、初代からイメージセンサーと映像エンジンを刷新し、動体に対して高いAF追従性を期待できる「像面位相差AF」をLUMIXで初採用した注目モデルです。
※焦点距離 20mm/シャッタースピード 1/320秒/ISO感度 400/絞り F6.3/レンズ LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6で撮影(撮影者:豊田慶記
パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」はどこが進化した?
パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」の進化したポイントは以下。
▼進化したポイント
- AFシステムが新しくなり、性能アップ
- 静止画や動画の表現が豊かになった
- 動画撮影機能が強化された
手ブレ補正がさらに向上
動画撮影用の手ブレ補正として新開発のアクティブ I.S.を搭載。歩き撮り時の手ブレなどを効果的に補正してくれます。
イメージセンサーが新しく!
裏面照射型の約2420万画素フルサイズセンサーを搭載。映像エンジンも新しくなって画質やAF性能が向上しました。
テスト結果
ここからは、テスト項目ごとにプロのカメラマンによる、それぞれの評価を紹介します。
総合評価【95/100点】
画質【20/20点】
2400万画素クラスでは最高レベルなので満点。静止画、動画ともに高い性能なのはめずらしい。リアルタイムLUTなどの新機能もいいです。
機能【18/20点】
1/8000秒より高速なシャッタースピードを電子シャッターで切れないこと、AFC性能に少し不満があるため、それぞれ減点しました。
使い勝手【19/20点】
ボタン配置など、操作性は高評価。数年前の機種では搭載できていたSSWF(超音波振動によるセンサーゴミ取り)が非搭載なため減点としました。
サイズ・重量【19/20点】
フルサイズ機としては相当にコンパクトとはいえ、一般的にはまだまだ大きなカメラなので1ポイント減点。これは仕方ありません。
コスパ【19/20点】
2023年5月14日まで、最大2万円のキャッシュバックキャンペーンを実施中。その適用価格なら満点。通常価格でも19点の高得点です。
それでは、検証をふまえてパナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」の特に注目すべきところを解説します。
【AF性能】新世代エンジンでAF性能向上
LUMIX初、ついに像面位相差AFを搭載しました。
新たに搭載した像面位相差AF(779点測距)と従来のコントラストAF(315点測距)をカメラ側で自動選択。パナソニック「LUMIX S5」で好評だった「リアルタイム認識AF」はさらに磨きがかかり、人物や動物へのピント合わせが優秀です。
特に瞳認識の精度の高さに驚かされました。
人物撮影のテストでは、今までよりモデルさんに大きく動いてもらいましたが、撮影中はほぼ瞳にピントが合っていました。
動物認識も強化されている
鳥、オオカミなどを含むイヌ科、ライオンやトラなどのネコ科に対応しており、ペットの撮影や動物園でさまざまな生き物の撮影に活躍してくれます。中でも鳥の認識精度が高く、ピント合わせがラクでした。
折り重なった被写体も思いどおり
植物などの静物撮影でも高いAF性能を実感できます。
ここは残念
暗いシーンではやや気になる点も……
低照度の撮影でもAF性能の高さは実感でき、初代のパナソニック「LUMIX S5」よりは改善されているものの、同クラスのソニー「α7Ⅳ」やキヤノン「EOS R6 Mark II」と比べると劣ると感じます。
明るさによって追尾AFがうまく機能しないシーンもあり、ピント合わせで苦労することもありました。
スポーツなど、高速で動く被写体は苦手かも
動体テストとして鉄道模型を撮影。ピントが追いつかないシーンもあり、あまりよい結果にはなりませんでした。スポーツ撮影には不向きでしょう。
【手ブレ補正】夜景も手持ちでキレイに撮れる
パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」には、公称で5段(対応レンズとあわせて6.5段)分の効果があるボディ内手ブレ補正が採用されています。特に動画の手ブレ補正は強力で、歩き撮りでも大きくブレることなく安定した映像が撮れました。
また、一般的に三脚が必要な暗がりや夜景などでも手持ち撮影が可能。こちらはカメラマンの園部さんが今回のテストで撮った写真です。
シャッタースピードは1/8秒。しっかりとカメラをホールドして自ら手ブレ対策をする必要はありますが、撮影の自由度はかなり高いです。
手ブレ補正の強力さで知られる「OM SYSTEMS」のミラーレスに近い印象。手持ちでもISO感度を抑えた高画質で撮影できます。
とはいえ、補正を信頼しすぎない
手ブレ補正が強力だとはいえ、しっかりとカメラをホールドしなければブレてしまうので注意しましょう。
【絵作り】色みにこだわる!
パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」は絵作りのための新機能としてリアルタイムLUT(色み補正のプリセット)を搭載。JPEG画像にあらかじめ明るさや色みが調整されたデータを反映できる機能で、自分で作成することも可能。撮影時にLUTの効果を確認できます。
▼スタンダードで撮影
▼Sengoで撮影
▼Desertで撮影
リアルタイムLUTのSengoとDesertで撮影した写真。スタンダードと比べてフィルムライクなイメージです。
AF性能は高いがキヤノン「EOS R6 MarkⅡ」には一歩及ばず。コスパは一番!
▼キヤノン「EOS R6 MarkⅡ」
キヤノン
EOS R6 MarkⅡ
実勢価格:¥361,125
▼ソニー「α7 Ⅳ」
ソニー
α7 Ⅳ
実勢価格:¥302,456
▼ ニコン「Z6 Ⅱ」
ニコン
Z6 Ⅱ
実勢価格:¥246,490
パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」のAF性能は優秀ですが、ライバルのフルサイズ機と比較するとAF性能はやや劣ります。ただし、性能と価格のバランスがとれており、コスパは最高です。
パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」レビューまとめ
パナソニック
LUMIX S5 Ⅱ
実勢価格:ボディ/¥248,520、ズームレンズキット/¥281,160、ダブルズームキット/¥299,970
サイズ:約W134.3×D90.1×H102.3mm・約740g
イメージセンサー:フルサイズ
画素数:約2420万画素
連写速度:最高約30コマ/秒
USB充電:対応
総合評価: 4.8点 / 5点
▼こんな人にオススメ
- コスパを重視している
- 動画も写真も欲張りたい
- 初めてフルサイズを購入する
▼こんな人は見送り
- 動画撮影がメイン
- タフな使用を想定している
- フルオートでなんでも撮りたい
検証レビューの結果、パナソニック「LUMIX S5 Ⅱ」は20万円クラスのミラーレスカメラのベストバイとなりました。
AF性能・手ブレ補正の向上だけでなく、リアルタイムLUT(色み補正のプリセット)の搭載や、動画が時間無制限で撮影可能になったなど、見逃せない新機能が盛り込まれています。
パナソニックの本気が見えた「LUMIX S5 Ⅱ」は、コスパ・性能ともに初めてフルサイズのミラーレスカメラを持つ人におすすめの一台です。
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20万円台で購入できる性能を考えると、高いコストパフォーマンス。