キヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」
キヤノン
EOS R6 Mark Ⅱ
実勢価格:ボディ/¥362,678、RF24-105L ISUM レンズキット/¥494,333
サイズ:W138.4×D88.4×H98.4mm・約670g
イメージセンサー:フルサイズ
画素数:約2420万画素
連写速度:最高約40コマ/秒
USB充電:対応
イメージセンサーを刷新し、前モデルから解像度を2420万画素へと増やしつつ、電子シャッターではEOS史上最速の最高40コマ/秒の連写を実現するなど、前機種から大幅な進化を遂げたフルサイズミラーレスが、キヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」です。
※EOS R6 MarkⅡ+ RF100-400mm F5.6-8 IS USM 1/320s F8 ISO1250で撮影(撮影者:豊田慶記)
進化したポイントは?
キヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」が進化したポイントは、以下の4つです。
▼進化ポイント
- 持ちやすさ・ボタン操作が優秀
- EOS史上最速の最高40コマ/秒
- RAWデータを高速連写する「RAWバースト」搭載
- AF性能の大幅向上
テスト結果
今回のテストで、40万円クラスのミラーレス一眼カメラのベストバイとなったキヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」。ここからは、テスト項目ごとにプロのカメラマンによるそれぞれの評価を紹介します。
総合評価【88/100点】
画質【18/20点】
2420万画素の標準画素としては、必要十分な解像性能と高感度画質、データ量などトータルバランスに優れています。
機能【19/20点】
AF性能は圧倒的で、誰でも高度な撮影が楽しめます。バッファも潤沢でこの撮影性能なら40万円近い価格を出す価値があります。
使い勝手【20/20点】
大口径望遠レンズを組み合わせても過不足のないサイズ。強力な手ブレ補正やのぞき心地のよいEVFなど、使い勝手は非常に優秀です。
サイズ・重量【18/20点】
センサーが小さい機種と比べると大きく、重さを感じますが、フルサイズ機としては、これだけの性能を詰め込んでこのサイズ感は驚異的です。
コスパ【13/20点】
性能は妥当ですが、ボディの仕立ては本当に40万円? と言いたくなります。仕事用としてはコスパが高いですが、趣味用としてはやや高価です。
それでは、以上の検証結果をふまえてキヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」の特に注目すべきところを解説します。
AFの性能が優秀
最大の特徴はAFの優秀さ。被写体の検出の速さ、正確さはもちろん、追従もかなりの進化を実感しました。検出できる被写体の対象も大幅に増え、動物では馬、乗り物では鉄道や飛行機にも対応しています。
加えて新搭載された「スポット検出」を使えば、鉄道では運転席部分、飛行機ではコックピット部分、モータースポーツシーンではドライバーのヘルメット部分を検出してAFを行えるようになりました。もう決定的な瞬間を逃すことはなくなるでしょう。
オートフォーカスの追従がスゴい
オートフォーカス(AF)は検出できる被写体が強化されています。例えば乗り物優先モードでは、従来機で検出できたのは「モータースポーツの四輪車/二輪車」のみで、飛行機にカメラを向けても、なんとなく形状を検知するだけでした。
しかし、キヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」は飛行機に対応し、検出が迅速かつ正確です。
▼キヤノン「EOS R6」
従来機と比較。キヤノン「EOS R6」は垂直尾翼にフォーカスされてしまっています。
特徴的な形状にフォーカスしがち。
▼キヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」
対して、キヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」は新搭載されたスポット検出で撮影すると、コックピット付近をしっかり検知。安定してコックピット付近を追従してくれます。
スポット不能時はボディにフォーカス。
AF機能がここまでアシストするので、撮影時は構図に集中できます。
被写体認識AFもかなり進化
AFエリア全域に設定して動物園で撮影したところ、検出の挙動がとても安定しており、ビシッと一発で動物の瞳にフォーカスしてくれました。テストした限り誤検出はなく、前機種からの進化を実感します。
野鳥撮影ではピントが合わないこともある
AF追従の精度が高いので、難度の高い野鳥撮影にも挑戦。こちらも基本的に良好に検知するものの、被写体を検出し、AF枠は画面内で追尾しているにもかかわらず背景にピントが抜けてしまうことが何度も発生してしまいました。
もちろん、上の作例のように成功するときもありましたが、検知が結果に必ずしも直結するわけではありませんでした。
解像度はいうほどではない
キヤノンは「3040万画素のEOS 5D MarkⅣを凌ぐ解像感」とアピールをしていますが、あくまで2400万画素相応の解像度であり、同じフルサイズで2400万画素機のニコンZ6ⅡやパナソニックのLUMIX S5と比べても同程度です。
2022年の基準でいえば、本機の解像度は業界標準の枠内にとどまっています。実際に撮影してみても、解像感のUPを実感できません。40万円ほどの金額を考慮すると、3000万画素は欲しかったところです。
スペックでは見えない使い勝手が優秀
使い勝手の面ではとにかく細かい配慮が感じられました。
ボタンの高さを分け誤操作を防ぐなど細部まで練られた操作性で、カメラの性能を撮影者が引き出しやすくサポートしてくれます。
グリップに指を引っかけるだけでカメラが持ち上がります。非常に疲れにくいグリップで、縦持ちも快適。
ただ、ボタンなどの細かい部分のポイントが高いぶん、ボディ全体の質感のチープさに苦言を呈したくなる点は惜しかったです。
キヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」レビューのまとめ
キヤノン
EOS R6 Mark Ⅱ
実勢価格:ボディ/¥362,678、RF24-105L ISUM レンズキット/¥494,333
サイズ:W138.4×D88.4×H98.4mm・約670g
イメージセンサー:フルサイズ
画素数:約2420万画素
連写速度:最高約40コマ/秒
USB充電:対応
以上、キヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」の検証レビューでした。
ちょっと残念な質感を差し引いても、使い勝手・性能面が突出しているので使って満足することは間違いありません。高性能なフルサイズミラーレス機の購入を検討している人にオススメです。
ミドルクラスに「R8」が登場
キヤノン
EOS R8
実勢価格:ボディ/¥256,270、RF24-50 IS STMレンズキット/¥302,000
フルサイズを使ってみたい人向けに、キヤノンのラインナップに今までなかった「8」の数字を掲げたキヤノン「EOS R8」が発表されました。
ボディのサイズが約461gとキヤノン「EOS R6」の約670gと比べて200g以上も軽い本製品。性能面の実力も気になるので、『家電批評』でこちらも検証レビューを行う予定です。
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