AV機器ソニー「LinkBuds S」の魅力はどこにある?

ソニー「LinkBuds S」の魅力はどこにある? イメージ

ソニー
LinkBuds S
実勢価格:2万6400円

重量:約4.8g×2
ドライバーユニット:5mm
型式:密閉、ダイナミック
通信方式:Bluetooth Ver. 5.2

ドーナツ型の完全ワイヤレスイヤホンとして注目を集めたソニー「LinkBuds」。発売からわずか4カ月で、早くも姉妹モデルとなるソニー「LinkBuds S」が登場しました。

ソニー「LinkBuds S」の魅力はどこにある? イメージ2

特徴だったドーナツ形状ではなくなり、同じソニー製の「WF-1000XM4」と同様のカナル型イヤホンに変わっていますが、はたしてその魅力はどこにあるのでしょうか。

ということで、雑誌『家電批評』では、ソニー「LinkBuds S」をプロと検証。前回は、前モデルのソニー「LinkBuds」やApple「AirPods Pro」と音質や使い勝手を比較し、その結果をお届けしました。

今回は、AV機器ジャーナリストの小寺さんに長期使用していただき、ソニー「LinkBuds S」の機能を評価してもらいました。

AV機器「Auto Play」の追加で音楽が生活の一部になった

まずはじめにお伝えしたいのは、ソニー「LinkBuds S」がノイズキャンセルに対応した、ただ音質のいいイヤホンではないということです。

連携アプリに「Auto Play」「Endel」が加わり、活動状況に合わせて集中力を高める、睡眠補助やリラクゼーションといった機能が搭載されました。

▼新しく加わった連携アプリはこちら

「Auto Play」の追加で音楽が生活の一部になった イメージ

Sony Corporation
Sony | Auto Play
実勢価格:無料

「Auto Play」の追加で音楽が生活の一部になった イメージ2

Endel Sound GmbH
Endel
実勢価格:580円/月〜(試用7日間)

小寺信良 氏
AV機器ジャーナリスト
小寺信良 氏 のコメント

聴覚によるサプリメントというコンセプトが追加された、イヤホンを超えるイヤホンです。

耳の機能を拡張するものに加え、聴覚によるサプリメントというコンセプトも追加されたことで、イヤホンを超えるもの、という立ち位置が明確になっています。 

「Auto Play」の追加で音楽が生活の一部になった イメージ3

特に睡眠補助は発展途上の注目分野です。本製品は「Endel」と連携することで、ジャイロセンサーがアクティブ状態から休憩状態になったと判断すると自動で曲調が変わり、自然と寝落ちできます。これは「Auto Play」と「Endel」の組み合わせならではの機能です。

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「スピーク・トゥ・チャット」を有効にしておくと自分の声に対応して音楽の再生が停止するので、急に声をかけられても音楽を自分で止める必要がありません。外音取り込みで相手の声もよく聞こえます。

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ただし、外音取り込みは、先のモデルに比べると自然に聞こえる感じはなくなりました。外音取り込み時にノイズを抑えて声を取り込む「ボイスフォーカス」を有効にして買い物へ行きましたが、やはり音楽再生中だと聞き取りにくいです。

外音取り込みは、あくまでマイクを通して取り込むため、耳で直接聞くのとは違います。会話の際には音楽を停止したほうがよさそうです。

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電話がかかってきたときには、AIによる話者音声フィルタリング機能があるマイクが、騒がしい場所でもしっかり集音してくれます。相手に自分の声がクリアに伝わるので、ビデオ会議の際にはマイクとしても活躍してくれます。

なお、複数のマイクを組み合わせて指向性を出す「高精度ボイスピックアップテクノロジー」も搭載されていますが、こちらはあまり効果を感じられませんでした。

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最後に、「360 Reality Audio」ですが、サウンドの広がりは既存の製品と同等です。

Apple「AirPods Pro」のように自社製品の組み合わせに限定したダイナミックヘッドトラッキングを実現できないのが、Androidを持つソニーの悩みどころ。機器しばりなしでどれだけ汎用性を広げられるか、今後に注目です。

加藤直樹
家電批評 編集部員
加藤直樹 のコメント

LinkBuds SをつけたままApple Storeに買い物に行きましたが、製品説明もしっかり聞きとれました。

再生モードの切り替えはアプリで設定できる

再生モードの切り替えはアプリで設定できる イメージ

「Headphones Connect」アプリを使うことで、「止まる・歩く・走る・電車」というシチュエーション別に、ノイズキャンセリングや外音取り込みといったモードを自動で変更できます。これにより、操作をしなくても最適なモードに切り替わります。

AV機器「LinkBuds S」と「AirPods Pro」はどっちがおすすめ?

カナル型イヤホンになり、マイクから外音から取り込む仕様になったソニー「LinkBuds S」。同じく、マイクによる外音取り込みを備えたアップル「AirPods Pro」と音質や使い勝手を比較してみました。

S評価ソニー「LinkBuds S」

ソニー「LinkBuds S」 イメージ
 
王冠アイコン

▼テスト結果

  • 音域:◎
  • 解像度:◎
  • ノイズキャンセリング:◎
  • 外音取り込み:◎
  • 装着感:◎
  • マイク:◎

ソニー「LinkBuds S」は、ミドルスペックのイヤホン同士では、文句なしの高評価です。

Apple「AirPods Pro」

Apple「AirPods Pro」 イメージ

▼テスト結果

  • 音域:○
  • 解像度:○
  • ノイズキャンセリング:◎
  • 外音取り込み:◎
  • 装着感:◎
  • マイク:◎

Apple「AirPods Pro」は音質でわずかに劣ったものの、まだまだ現役の性能です。

AV機器「LinkBuds S」が「AirPods Pro」よりおすすめな理由は?

「LinkBuds S」が「AirPods Pro」よりおすすめな理由は? イメージ

ということで、ソニー「LinkBuds S」の総合評価はSでベストバイとなりました。

「ドーナツ」を捨てた代わりにノイズキャンセリング機能を得て、音質はApple「AirPods Pro」を超えるほどに進化。ソニーの「WF-1000XM4」のようなハイエンドには負けますが、同一価格帯ではトップレベルです。

Apple「AirPods Pro」よりもソニー「LinkBuds S」がおすすめとなった決め手は以下の2つです。

決め手1:音楽が生活の一部になる連携サービス

【Auto Play】

【Auto Play】 イメージ

ユーザーの行動に応じて、自動的に音楽を流してくれる新アプリ。SpotifyとEndelに対応しています。

【Wear to Play】

【Wear to Play】 イメージ

イヤホンを装着したときに、自動で音楽を再生します。

【On the Move】

【On the Move】 イメージ

歩き始めると自動で音楽を再生。ワークアウト時のみの設定も可能です。

【After Call】

【After Call】 イメージ

通話が終了したときに、音楽を再生します。

決め手2:モードも音楽も自然に切り替わる

決め手2:モードも音楽も自然に切り替わる イメージ

自分の行動に応じて外音取り込みモードになったり、流れる音楽が変わったりと、操作しなくても生活のジャマにならないのが新鮮です。

小寺信良 氏
AV機器ジャーナリスト
小寺信良 氏 のコメント

従来のイヤホンの評価軸にこだわっていると、本機の本質を見失います。

「LinkBudsなのにドーナツがない」ことから、そのブランディングに疑問を抱かされたソニー「LinkBuds S」。しかし、日常生活のなかで使ってみると、「ながら聴き」のコンセプトはしっかり継承されていました

仕事中でも買い物中でも、ひとりのときは音楽を聴きながら集中、でも会話になれば相手の声がハッキリ聞こえる。切り替えは自動なので、操作することなく一日中つけっぱなしでも問題ありません。

朝起きてから寝るまで、生活のリズムに合わせて、いい音で音楽を聴いていたい、そんなユーザーには唯一無二の存在になります。

以上、ソニー「LinkBuds S」の検証レビューでした。

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