ながら聴きイヤホン 5製品を比較!
イヤホンといえば、外界と断絶してひとりで音楽に没入するためのアイテムですよね。
対して、ながら聴きイヤホンは現実世界のなかに音楽を取り入れるためのアイテムです。
オフィスでも学校でも、音楽を聴きながらも声をかけられればすぐに会話することが可能。
イヤホンなのに耳をふさがないというコンセプトがウケ、数年前の完全ワイヤレスイヤホンのように急速に進化してきました。
タイパが重視される時代、ふたつのことを同時にできることが受け入れられたのか、新製品も増えてきています。
そこで今回、雑誌『MONOQLO』はながら聴きイヤホン5つを比較。
音の専門家と聴き比べておすすめを探しました!
ながら聴きイヤホンの選び方は?
おすすめ商品を紹介する前に、まずは「ながら聴きイヤホン」の選び方のポイントをお伝えします。
選び方1:種類で選ぶ
骨伝導型
骨伝導型は、鼓膜を経由せず骨の振動で音を伝えるタイプのイヤホンです。
耳への負担が少なく、長時間着用しても疲れにくいというメリットがあります。
空気伝導型
空気伝導型は、空気を伝って鼓膜に音を伝えるタイプのイヤホン。通常のワイヤレスイヤホンは、この空気電動型に分類されます。
骨伝導型に比べると使用時の違和感が少なく、音質に優れたものが多いのが特徴です。
選び方2:装着方法で選ぶ
オープンイヤー型
耳を塞がないオープンイヤー型にはさまざまなタイプがあります。スポーツやランニングで使用するなら落ちにくい耳掛け型がおすすめ。
イヤリングのように耳に挟むイヤーカフ型は、装着しやすさが魅力。耳から落とす不安がある人は、ネックバンド型をチェックしてみてください。
インナーイヤー型
インナーイヤー型のイヤホンは、耳の入口に引っ掛けるように装着します。カナル型と違って完全に耳を塞がないので、周囲の音も聞き取りやすいです。
つけ心地は軽く、手軽に装着できる反面、外れやすい点には要注意。音楽鑑賞向きなので、通勤・通学時に音楽を楽しみたい人におすすめです。
選び方3:そのほかの機能もチェック
テレワークでの会議や通話でも使用したいならマイク機能が搭載されているBluetooth対応モデルが便利です。
ほかにも防水機能があれば、汗を気にせずにイヤホンを付けたままスポーツに集中できます。
装着位置調整の可否で印象が変わる
ながら聴きイヤホンには、装着位置を調整できる製品とできない製品があります。
前者は取り付け位置によって外音を取り入れる量や、音の聴こえ方を調整できます。
ただ、位置によってはしっかり固定されず不安定になることもあります。
ながら聴きイヤホンの比較方法は?
音質
- 音の傾向:迫力系は活発で、繊細系は微細な音のニュアンスを重視します。
- 音場感:ワイドだと音が広がって臨場感が増し、タイトだと音が特定の場所にあるように感じます。
- 高音域:1000Hz以上の周波数帯域を指します。高音が鳴ると楽曲に空間を感じられるようになります。
- 中音域:200〜1000Hzの周波数帯域を指します。男女ボーカルや多くの楽器が属します。高・低に比べて該当する音の種類が多いです。
- 低音域:200Hz以下の周波数帯域を指します。重低音が肝となる楽曲には必須ですが、量が多いとほかの帯域が聞こえなくなることも。
ダイナミクス
音の大小や強さの変化を指します。
楽曲の変化がリアルになり、興奮や感動につながります。
解像度
解像度が高いほど微細なニュアンスや変化を鮮明に聞き取れます。
逆に低いとボヤケて聞こえます。
音漏れ
大きめの音量で複数の楽曲を再生している隣に座り、どのくらい音漏れしているか確認します。
ながら装着感
耳への装着感と、50%の音量で音楽再生した際に周囲の音がどう聞こえるかを、総合的に評価。
マイク性能
スマホに接続して実際に通話し、通話相手に声がクリアに聞こえるかを確認してもらいます。
アプリ機能
音を自分好みにカスタマイズできるイコライザー機能について、設定内容や使い勝手を比較しています。
ながら聴きイヤホンのおすすめは?
プロと一緒に実際に使ってみた、ながら聴きイヤホンのおすすめランキングです。それぞれの項目を緑のボタンで並べ替えられるので、商品選びの参考にしてみてくださいね。
商品 | ||||||||||
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NTT ソノリティnwm DOTS
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8.0g(約、片耳、テールチップ除く) |
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XROUNDTREK
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アンカーSoundcore AeroFit Pro
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12.2g(約)(イヤホン片耳)、88.7g(約)(充電ケース含む) |
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Nothing TechnologyEar(open)
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8.1g(片耳) |
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ShokzOPENFIT 2
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【1位】NTTソノリティ「nwm DOTS」
- 音質
- ダイナミクス
- 解像度
- 音漏れ
- ながら装着感
- マイク性能
- アプリ機能
- おすすめポイント
-
- 驚くほど音が漏れない!
- バランスのいい超高音質
- 周囲の声も聞こえる
- 重量
- 8.0g(約、片耳、テールチップ除く)
- 対応コーデック
- SBC、AAC、LC3、CVSD、mSBC
- 電池持続時間(音楽再生時)
- 8時間(約、本体のみ)、32時間(最大、充電ケース込み)
- 型番
- MBE002YA
気鋭の「nwm」がながら聴き戦国時代を本気で終わらせにきた
音量を上げて聴いても驚くほど音が漏れない!
耳をふさがないのに静かな部屋でも隣にいないと音漏れに気づかないほど。
人混みのなかなど雑音がしていればほとんどわかりません。
ボールのサイズと位置で装着感をカスタム可能
耳をふさがない「ながら聴き」
イヤホンが耳と離れた位置にあるため、50%の音量で音楽を聴いていても周囲の話し声が耳に入ります。
オープンイヤーなのに超高音質
低・中・高音域の量がフラットで、バランスよし。
メリハリはしっかり出ていて、楽曲が立体的に聴こえます。
音質
解像度と低音の量感をうまくバランスさせていて、迫力と繊細のどちらのニーズも満足させられます。
音像定位は明確で、広がり感もあり。
高音はやわらかくてなめらかな音質で、女性ボーカルは透明感があります。
中音域は歯切れがよくボーカルの歌詞がはっきり聞き取れ、低音の量感も出ています。
全体に強調感がなく、フラットな音です。
ダイナミクス
音量を下げてもメリハリがあり、楽曲が平面的になりません。
解像度
際立って解像度は高くありませんが、特に不足も感じません。
音漏れ
大音量で再生中でも、静かな場所じゃなければ気にならないレベルです。
ながら装着感
装着位置は調整可能。
耳はまったくふさがず、話し声もよく聞こえます。
マイク性能
わずかに声がボヤケたよう聞こえることもありますが、許容範囲です。
アプリ機能
パラメトリックイコライザーを使えば、5バンドの幅・帯域の位置を自由に編集できます。
プリセットは中低音に効果的です。
【2位】XROUND「TREK」
- XROUNDTREK
- 実勢価格: ¥21,690〜
- 音質
- ダイナミクス
- 解像度
- 音漏れ
- ながら装着感
- マイク性能
- アプリ機能
- おすすめポイント
-
- ながら装着の度合を調整可能
- 迫力のある中低音
- 型番
- TREK
音質
中低音域に厚みがあるので、音量を上げていくほど迫力が出ます。
音場はややワイド。
ボーカルのセンター定位が明確で、自然な広がり感です。
中低音域は歯切れがよく、中音域では男性ボーカルがハッキリ粒立ちよく再生されます。
低音はスピード感があります。
高音は明快な音で、歪みがなくニュアンスが出ました。
音量はかなり大きくできます。
ダイナミクス
メリハリがあり、小音量でもダイナミックレンジの広さが感じられました。
解像度
ながら聴きタイプとしては解像度は高く、こまかい音まで再現されます。
音漏れ
ドライバを耳に近づけた状態でも、楽曲がわかるくらい音漏れします。
ながら装着感
位置調整ができるので、外の音をどれくらい聞きたいかによって使い分け可能です。
マイク性能
声がこもって聞こえたり、ノイズが乗ることも多く聞き取りにくいです。
アプリ機能
ハイキングやトレッキングなどプリセットが独特です。
左右それぞれの聴力に合わせて補正できるパーソナライズ機能も備えます。
【3位】アンカー・ジャパン「Soundcore AeroFit Pro」
- アンカーSoundcore AeroFit Pro
- 実勢価格: ¥16,990〜
- 音質
- ダイナミクス
- 解像度
- 音漏れ
- ながら装着感
- マイク性能
- アプリ機能
- おすすめポイント
-
- エッジ感ある音質
- クリアでノイズのないマイク
- 重量
- 12.2g(約)(イヤホン片耳)、88.7g(約)(充電ケース含む)
- 再生時間
- 14時間(最大)(充電ケース使用時最大46時間)
- 型番
- AEROFIT PRO MIDNIGHT BLACK
音質
中低音域に厚みがある迫力系です。
ワイドな音場で、高音が少なくなっています。
高音での女性ボーカルの透明感や抜けのよさはあまり感じられず、中低音域に厚みがあるため男性ボーカルのほうが相性よし。
LDACに対応していますが取り立てて解像度を強調することはなく、ほどよくエッジの感じられる音づくりになっています。
ダイナミクス
ドライバを2個搭載している割に、ダイナミックレンジは広くないです。
解像度
それほど高くなく、LDACで接続しているメリットはあまり感じられません。
音漏れ
耳をふさがないため、1mほど離れた場所でも歌詞が聞き取れます。
ながら装着感
装着していて違和感なし。
耳をふさぐ感じはなく外音も聞こえます。
マイク性能
声がとてもクリアに聞こえます。
ノイズもなく、実用的です。
アプリ機能
プリセットが大量に用意されているので、自分の好みを見つけられます。
8バンドのEQで調整することもできます。
【4位】NOTHING「Ear(open)」
- Nothing TechnologyEar(open)
- 実勢価格: ¥24,800〜
- 音質
- ダイナミクス
- 解像度
- 音漏れ
- ながら装着感
- マイク性能
- アプリ機能
- 重量
- 8.1g(片耳)
- 型番
- EAR (OPEN)
音質
低音がやや盛り上がっていて、迫力より。
音は左右に広がりがありますが、ボーカルのセンター定位は優秀です。
高音はなめらかで女性ボーカルが心地よく、低音は小音量でも量感があります。
ただ、総合的には「以前からある普通のながら聴きイヤホンの音質」(ゴン川野さん)で、新鮮さはありません。
音量が小さめなのも気になります。
ダイナミクス
最大音量があまり大きくないため、ダイナミクスの面では不利です。
解像度
音量が大きくならないため、こまかい音が聞き取れません。
音漏れ
最大音量が小さめなためか、音漏れは比較的気になりません。
ながら装着感
装着中は耳の裏側にやや違和感があります。
耳をふさがず外音も聞き取れます。
マイク性能
声がハッキリと聞こえるので、通話での利用にも問題ありません。
アプリ機能
8バンドのパラメトリックイコライザーが使用できるので、かなり詳細な調整が叶います。
簡易モードだと4種類のEQから選択できます。
【5位】SHOKZ「OPENFIT 2」
- ShokzOPENFIT 2
- 実勢価格: ¥23,960〜
- 音質
- ダイナミクス
- 解像度
- 音漏れ
- ながら装着感
- マイク性能
- アプリ機能
- 型番
- OPENFIT 2 BEIGE
音質
やや中低音域に厚みがあるバランスで、どんな楽曲でも聴きやすい傾向です。
音数は多くないですが、広がり感のある音場が再現されています。
高域の伸びはイマイチだが歪は少なく、心地よく聴けました。
中域はやや輪郭が甘く、もっとクリアな男性ボーカルが聴きたかったところ。
量感のある低域ですが、やや解像度が低く歯切れはイマイチです。
ダイナミクス
かなり大音量も出せますが、ダイナミクスはさほど感じられません。
解像度
あまりこまかい音は再生されません。
ごく普通の解像感です。
音漏れ
雑音の聞こえるオフィス内でもハッキリわかるくらい音が漏れます。
ながら装着感
ベストな位置に付けてもやや違和感があります。
50%では外音はあまり聞こえません。
マイク性能
ノイズがまったくなく、声が近くからかなりクリアに聞こえます。
アプリ機能
5種類のプリセットがありますが、効果は極端で使いづらいです。
5バンドのEQを使って、オリジナルの特性を保存するのが◎。
まとめ:NTTソノリティ「nwm DOTS」はこれまでのながら聴きイヤホンを過去にする!
過去ベストから1年で、音漏れ解消と音質にすぐれた製品が登場したことから、各社がながら聴きイヤホンの開発に力を入れていることがわかります。
これも、需要の高まりといえるでしょう。
過去ベストのアンカー・ジャパン「SoundcoreAeroFitPro」も十分に音楽を楽しめる音質を実現していました。
一方で、最大の弱点だった音漏れは、その構造上解消されないままでしたが、NTTの独自技術により対策を施したNTTソノリティ「nwmDOTS」がついに解決。
テスト中の識者がなにを聴いているかわからないことに、思わず感動しました。
EQでの調整範囲が広く、自分の音を追求したい人にもおすすめです。
音のバランスもよく、文句なしのベストバイです。
今後もどのように進化するのか楽しみです。
ながら聴きイヤホンのおすすめ
NTTソノリティ
nwm DOTS
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ボールで固定する装着感は独特です。