AV機器新製品 VS『MONOQLO』ベストバイ!

新製品 VS『MONOQLO』ベストバイ! ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

「新製品」という言葉に、なんともいえない魅惑の響きを感じませんか?

まだ見ぬ機能、まだ見ぬデザイン。それらの“新たな要素”が我々の「欲求」を駆り立てます。どうせ買うならやっぱり最新製品でしょう、という方も多いのでは?

でも、その新要素って本当に必要でしょうか? おしゃれになったり、新機能がいくらついたりしても、大事なのは「それがいいかどうか」のはず。

そこで雑誌『MONOQLO』が、新製品と、過去にMONOQLOでテストをしてベストバイになった製品定番品をガチで比較します。

今回は、高級ワイヤレスNCイヤホン。過去ベストのテクニクス「EAH-AZ80」は最新技術を導入した他製品に勝てるのでしょうか?

AV機器高級ワイヤレスNCイヤホン対決! その背景は?

高級ワイヤレスNCイヤホン対決! その背景は? ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

高級ワイヤレスNCイヤホンは、現在最も売れているカテゴリー。このため、各メーカーとも開発に力を入れており、最新技術が惜しみなく導入されます。

そんなハイエンド完全ワイヤレスNCイヤホン市場に、過去ベストを獲得したテクニクスから大本命の新製品が登場。

さらなる高音質を目指して作られたハイエンド機の実力を、過去ベストライバル機とともに、さっそく検証します!

【過去ベスト】テクニクス「EAH-AZ80」

【過去ベスト】テクニクス「EAH-AZ80」 ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

テクニクス
EAH-AZ80

雑誌『MONOQLO』で過去に検証してベストバイとなったのが、2023年6月発売のテクニクス「EAH-AZ80」。繊細な音から迫力の低音までカバーできるバランスのいい高音質が、ベストバイ獲得の決め手でした。

【新製品1】JBL「Tour Pro 3」

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JBL
Tour Pro 3

新製品の1つ目は、2024年10月発売のJBL「Tour Pro 3」。 JBLも初のデュアルドライバーを採用しています。

【新製品2】テクニクス「EAH-AZ100」

【新製品2】テクニクス「EAH-AZ100」 ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

テクニクス
EAH-AZ100

新製品の2つ目は、2025年1月発売のテクニクス「EAH-AZ100」です。こちらは、磁性流体という変態的な新技術が際立っています。

検証項目と方法は?

検証項目と方法は? ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

今回の高級ワイヤレスNCイヤホンの検証では、音の専門家が聴き比べて、次の8項目でテストしました。

音質

【音の傾向】迫力系は活発さ、繊細系は微細な音のニュアンスを重視。

【音場感】ワイドだと音が広がって臨場感が増し、タイトだと音が特定の場所にあるように感じます。

【高音域】1000Hz以上の周波数帯域を指し、高音域で空間を感じられます。

【中音域】200〜1000Hzの周波数帯で、ボーカルや多くの楽器が属します。

【低音域】200Hz以下の周波数帯で重低音が肝となる楽曲には必須です。

ダイナミクス

音の大小や強さの変化のこと。楽曲の変化がリアルになり、興奮や感動につながります。

解像度

高いほど微細なニュアンスや変化を鮮明に聞き取れ、逆に低いとボヤケて聞こえます。

ノイキャン

周囲の音と逆位相の音を重ねてノイズを相殺するノイキャン機能の効果を確認しました。

外音取込

マイクで取り込んだ周囲の音が、音楽と重なってもしっかり聞こえるかを確認しました。

マイク性能

実際にイヤホンでスマホと通話し、相手側に声がクリアに聞こえるかを確認しました。

装着感

圧迫感がないか、逆に隙間がないかなど、耳への収まりの良さを体感で評価しました。

アプリ機能

音を自分好みにカスタマイズできるイコライザー機能を中心に、設定可能な項目やアプリ自体の使い勝手を評価しました。

アプリ機能 ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

イコライザーの効果を中心に評価。

それでは、3製品を比較した結果をおすすめ順に紹介します!

AV機器高級ワイヤレスNCイヤホンのおすすめは?

A+評価テクニクス「EAH-AZ100」

  • パナソニックTechnics EAH-AZ100
  • 実勢価格: ¥35,228

総合評価: 4.20

 
高音域
 5.00
中音域
 4.00
低音域
 5.00
ダイナミクス
 5.00
解像度
 4.00
ノイズキャンセリング
 4.00
外音取込
 5.00
マイク性能
 3.00
装着感
 4.00
アプリ機能
 3.00

過去ベストの前モデルからさらに進化した超「化け物」音質!

テクニクス「EAH-AZ100」は、過去ベストであるテクニクス製イヤホンの最新モデル。

完全ワイヤレスイヤホン業界初となる「磁性流体ドライバー」という技術が導入されました。

これは通常のドライバー内に磁性を帯びた液体(磁性流体)を入れることにより、振動板を正確に制御してノイズを軽減。よりクリアな音を実現するというもの。

さらに、振動板のエッジを薄くできるため、低音の表現力もアップしています。

豊かな低音と音のクリアさは、まさに新次元といえる進化。これまでも素晴らしいバランスで成り立っていた音質を、さらなる高みへと引き上げました。

重量
5.9g(約、片耳)
対応コーデック
LDAC/SBC/AAC/LC3
ドライバーユニット
磁性流体ドライバー
再生時間
10時間(約)
マルチポイント
3台
型番
EAH-AZ100-S

音質・音の量:◎+

音質・音の量:◎+ ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

テクニクス「EAH-AZ100」の音の傾向はやや迫力寄りで、音の広がりを感じます。高音域は解像度が上がり、女性ボーカルのニュアンスがよく出ています。音像定位も向上した印象。

中音域はタイトでくっきりする傾向。低音域は輪郭が引き締まって曖昧さがなくなり、よりくっきり聞こえます。

ダイナミクス:◎+

大音量も出せますが小音量が得意になり、ダイナミックレンジがより広がりました。

解像度:◎

磁性流体の効果で、音の解像度が上がったことをはっきり実感できます。

ノイズキャンセリング:◎

前モデルでも効果的でしたが、新モデルでも変わらず効果的で高性能です。

外音取込:◎+

ノイズが軽減され、人の声がよく聞き取れます。アプリで調整できるのも便利。

マイク性能 :◯

声は近く感じますが、高い音が若干キンキン気味。聞き取りにくくはありません。

装着感:◎

独自のコンチャフィット形状で、装着感は前モデルと変わらず快適です。

アプリ機能:◯

アプリ機能:◯ ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

イコライザーは5バンドで、プリセットもやや極端なので若干使いにくい印象。カスタムだとバンド数が多いので、こだわるならカスタムが最適です。

ベストの理由:とにかく音がよくて高域も低域もダイナミクスも満点!

音質:◎+
音質:◎+ ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ
音質:◎+ ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ2

イヤホンの中に磁性流体が入っています。これによって正確に制御するだけでなく、振動板のエッジを薄くできるため、低音の表現力が上がっています。

ゴン川野 氏
オーディオライター
ゴン川野 氏 のコメント

「EAH-AZ80」から確実に進化して、音の輪郭がシャープになりました。

ノイキャンも外音も使いやすい

ノイキャン:◎/ 外音取込:◎+
ノイキャン:◎/ 外音取込:◎+ ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

ノイキャンも外音取込も前モデルと同様に効果的。特に外音取込は優秀で、人の声がよく聞き取れます。

装着感はそのままに小さくなった

装着感はそのままに小さくなった ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

耳のくぼみ(コンチャ)にフィットする形状は、前モデルから継承。装着感に大差はありませんが、より小さく、より軽くなりました。

A+評価テクニクス「EAH-AZ80」

  • パナソニックTechnics EAH-AZ80
  • 実勢価格: ¥29,900

総合評価: 4.00

 
高音域
 4.00
中音域
 4.00
低音域
 4.00
ダイナミクス
 5.00
解像度
 4.00
ノイズキャンセリング
 4.00
外音取込
 5.00
マイク性能
 3.00
装着感
 4.00
アプリ機能
 3.00

音楽のニュアンスも伝わる良バランス!

テクニクス「EAH-AZ80」は、雑誌『MONOQLO』2023年10月号でベストバイを獲得したテクニクスの前モデル。クセがないバランスの良い音が決め手でした。

重量
7g(片側)
再生時間
7時間(約)
対応コーデック
SBC、AAC、LDAC
ワイヤレス充電
空間オーディオ
型番
EAH-AZ80-S

音質・音の量:◎+

音質・音の量:◎+ ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

テクニクス「EAH-AZ80」の音の傾向はフラットで、音の広がりを感じます。高音域は響きをきれいに再現し、中音域は輪郭がハッキリしていて男性ボーカルの歌詞が聞き取りやすいです。

低音域は量感が出ていますが、やや過剰気味。ただし、中高域を邪魔するような悪影響はありません。

ダイナミクス:◎+

ダイナミックレンジは広め。細かい音の再現により、ニュアンスまで伝わります。

解像度:◎

解像度は強調されていませんが、輪郭がシャープで細かい部分まで再生されます。

ノイズキャンセリング:◎

ノイキャンは非常に効果的。無段階で調整ができるのも使い勝手がいいです。

外音取込:◎+

ノイズが少なく、人の声をしっかり聞き取れます。ノイキャン以上に優秀です。

マイク性能:◯

声は近く感じますが、近すぎてクリアさが落ちている印象。若干キンキンもします。

装着感:◎

独自のコンチャフィット形状で快適ですが、ややサイズが大きい感はあります。

アプリ機能:◯

アプリ機能:◯ ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

専用アプリは新製品の「EAH-AZ100」と共通。イコライザーのプリセットがやや極端で使いにくさはあります。使わずに聞いても不満はありません。

A評価JBL「Tour Pro 3」

  • JBLJBL Tour Pro 3
  • 実勢価格: ¥33,127

総合評価: 3.50

 
高音域
 4.00
中音域
 3.00
低音域
 5.00
ダイナミクス
 4.00
解像度
 3.00
ノイズキャンセリング
 3.00
外音取込
 3.00
マイク性能
 4.00
装着感
 3.00
アプリ機能
 3.00

バランスと音のつながりが優秀

JBL「Tour Pro 3」は初のデュアルドライバー搭載ですが、効果はあまり感じられず。ただし、音のバランスとつながりは非常に良いです。

重量
5.6g(各)
対応コーデック
SBC、AAC、LDAC、LC3(対応予定)
型番
TOUR PRO 3 LATTE

音質・音の量:◎

音質・音の量:◎ ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

JBL「Tour Pro 3」はJBLのイヤホンで最も低音域が強化されたモデルで音は迫力系。音場はややタイト寄りです。

高音域は低音に負けない力強さで、歪みがなくヌケもいい。中音域は厚みがあり、低音域とのつながりも良好。イヤホンとは思えない量感の低音域は、最低域で振動すら思わせます。

ダイナミクス:◎

ドスドスとした低音のパワーがすごいので、ダイナミックな感じが出ています。

解像度:◯

高音域に強いバランスドアーマチュアドライバー併用の割には繊細さが不足気味。

ノイズキャンセリング:◯

特定の帯域しか抑えられていない印象で、効果を100%にしてもやや物足りません。

外音取込:◯

外音は聞き取れますが、ややノイズが乗っています。いま一歩な印象です。

マイク性能:◎

声は聞き取りやすい。少しこもっていて遠い印象ですが、音量で調節可能です。

装着感:◯

公式サイトでも装着感にほとんど触れていませんが、可もなく不可もなくで普通。

アプリ機能:◯

アプリ機能:◯ ノイキャンイヤホンおすすめ イメージ

アプリの使い勝手も、可もなく不可もなくな印象。アプリ以外にケースのタッチ画面でも操作できます。トランスミッター機能がユニークです。

AV機器まとめ:テクニクス新モデルがさらに進化の「化け物」音質で新ベストバイに!

今回の比較検証で特に際立っていたのが、テクニクスの新製品「EAH-AZ100」です。

「磁性流体ドライバー」という完全ワイヤレスイヤホン業界初となる技術を導入。過去ベストの前モデル、テクニクス「EAH-AZ80」と聴き比べてみても、確実に音が進化しています。

解像度も音像定位も向上しており、ボーカルはニュアンスまで伝わります。低音も輪郭が引き締まり、確実にこれまでの「高音質」の上をいっていました。

新技術導入で音質は上がっていますが、価格は抑えめなのもうれしいポイントです!

以上、高級ワイヤレスNCイヤホン3製品の検証でした。

イヤホンの音質は年々向上していますが、新技術の導入で高音質の限界を突破したテクニクス「EAH-AZ100」がベストバイ。より音にこだわりたい方におすすめの一台です。

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