アップル「AirPods」ってなに?
アップルの定番イヤホンである「AirPods Pro 2」はノイキャンや外音取り込みの性能は大変素晴らしいのが特徴。しかし、カナル型のため長時間使用すると耳が疲れたり、夏場は蒸れてしまうこともあります。
また、アップルのアクティブノイズキャンセリング(以下、ANC)は閉塞感があり苦手という人も多いでしょう。
一方イヤホン業界では、ここ数年耳を塞がない「ながら聴き」が耳の負担が少なく大盛況。そんな中、アップルが繰り出してきたのがアップル「AirPods 4」です。
耳の穴を完全には塞がないインナーイヤータイプにノイキャンや外音取り込みを盛り込むというアプローチで、耳の疲労度や蒸れを大幅に下げる一方で、ノイキャンの効果で「うるさいところでは実用性が下がる」というながら聴きタイプの弱点も解消できそうです。
今回、アップル「AirPods 4」の実力は前モデルと比較してどのぐらい上がったのか、「家電批評」編集部とプロが徹底レビューします!
Q.前モデルやAirPods Proとの違いは?
実はアップル「AirPods 4」にはANCやワイヤレス充電、探す機能を省き低価格化した“無印”のアップル「AirPods 4」も存在します。機能面は前モデル「AirPods 3」とほぼ同じです。
一方、「AirPods Pro 2」とアップル「AirPods 4」(ANCモデル)の間の機能差は小さくなっています。
音質も着用感も格段に向上した「AirPods」
アップル「AirPods 4」アクティブノイズキャンセリング搭載
- Appleアクティブノイズキャンセリング搭載 AirPods 4
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- 音質
- 装着感
- 外音取り込み
- ノイズキャンセリング
- マイク性能
- アプリ
- おすすめポイント
-
- 明確に向上した音質
- インナーイヤーとは思えないノイキャン性能
- 向上したマイク性能
- がっかりポイント
-
- 落ちそうになる装着感
- 騒音が大きな場所ではANC性能に不足がある
- 充電はMagSafe非対応
- 幅(充電ケース)
- 46.2mm
- 高さ(充電ケース)
- 50.1mm
- 奥行き
- 21.2mm
- 重量(片側)
- 4.3 g
- 連続再生時間
- 最大4時間(NCオン)
- 防水
- IP54
- 型番
- MXP93J/A
チェック1:従来モデルと外観が違う!
前モデルよりドライバーの開口部(⚪︎部分)が細くなりました。また、アップル「AirPods 4」(ANCモデル)はUSB-Cに加えワイヤレス充電も可能になっています。
一方従来あったリセットボタンがなくなり、ケースの前面をダブルタップしてリセットなどを行う方式に。以前のボタンの方がわかりやすかったです……。
チェック2:操作性は従来通り良好
つまんで一時停止、長めにつまむとノイキャンや外音取り込みというAirPods伝統の操作性は今回も変わりません。
ただし、「AirPods Pro 2」で可能な、ステムをなぞる音量調節には非対応です。なお、iOS18の新機能として従来モデルも含め首を振って着信拒否、頷いて応答といった「頭のジェスチャ」が追加されています。
チェック3:音質は前モデルより明らかに良い!
過去の「AirPods 第3世代」と「AirPods Pro 2」と比較して各製品の評価を音質(70点)、解像度(20点)、クリアさ(10点)、音域のバランス(20点)、音像定位(10点)、ダイナミクス(10点)で採点しました。
AirPods 4(ANCモデル)
音質(70点)…62.4点
情報量が増えて緻密に音楽を描けるようになった。
解像度(20点)…18.3点
余分な残響を排除した印象でS/N比が改善している。
クリアさ(10点)…8点
極めてクリアというわけではないが尖りすぎす心地いい。
音域のバランス(20点)…18.8点
各楽器のサウンドが伸びやか。低音の量感もある。
音像定位(10点)…8.8点
ヘッドホン的な音の広がり、楽器の位置関係も良好。
ダイナミクス(10点)…8.5点
弱音の表現が良く小音量でも音が痩せにくい。
AirPods 第3世代
音質(70点)…55.1点
「AirPods Pro 2」よりも音の輪郭重視。ANCがない分、S/N比は低下。
解像度(20点)…16.8点
高音域がやや硬めで、細かい響きは整理されてしまう。
クリアさ(10点)…6.5点
ややガサついた印象。女性の声は実際よりソフト。
音域のバランス(20点)…16.8点
中低域が薄く全体的に音の厚みが不足。
音像定位(10点)…7.5点
音場は全体的に狭くボーカルの音像はやや大きい。
ダイナミクス(10点)…7.5点
広くはない。低音の量感に乏しく音が細く感じられる。
AirPods Pro 2
音質(70点)…56.1点
やや甘めの音作りだが、楽器や声の表現力はある。
解像度(20点)…15.8点
ボーカルの再現が弱い一方、弦楽器の質感は良好。
クリアさ(10点)…7.3点
エッジが立つほどではないが輪郭はしっかりしている。
音域のバランス(20点)…17.5点
中低域に厚みがあり上下は自然に減衰する。
音像定位(10点)…7.5点
打ち込み系では音の分離がやや甘い。
ダイナミクス(10点)…8.0点
十分広く、楽器ごとのレンジの変化を感じられた。
「AirPods Pro 2」を超える音質
視聴はANCつきモデルはANCをオンにして実施。
まず、ANCもなく音が外に漏れる「AirPods 第3世代」は低域や中低域が痩せてしまい、それを補うためか「低音域で楽器の輪郭が強調される」(飯田さん)という傾向でしたが、「AirPods 4」ではそれを見事に克服。
「AirPods Pro 2よりYOASOBIのボーカルニュアンスが再現できている」(川野さん)など「AirPods Pro 2」を超える音質が視聴では確認できました。
「AirPods 4」の音域バランスはシリーズでベスト。「AirPods 第3世代」の音が痩せたり少し歪む課題を克服しています!
チェック4:地下鉄でも効果的。不利な構造なのに騒音を明確に減らせる
ノイズキャンセリング:カナル型の“弱めのノイキャン”くらいの効果がある!
カナル型の「AirPods Pro 2」と比べると、さすがにANCは半分くらいの効き目です。とはいえ、オンとオフでは雲泥の差。「AirPods 第3世代」はANCがないため地下鉄の騒音が気になりますが、「AirPods 4」であれば十分実用的だと判断しました。
外音取り込み:「AirPods Pro 2」と同レベルでより圧迫感は少ない
「AirPods Pro 2」同様に距離感、方向性が自然な外音取り込みです。「AirPods Pro 2」より閉塞感がない分、より自然に感じられる場面もありました。
マイク性能:「AirPods」シリーズでは一番良好でクリア!
「AirPods Pro 2」より歪みが少なくくっきりとした声を捉えられていました。声のボリュームも「AirPods Pro 2」よりやや大きい。通話性能は明確に向上しています。
会話検知:自動で音楽がフェードアウトするので会話しやすい
会話検知をオンにすると自分が声を発した瞬間、音楽のボリュームが急減少してモードも外音取り込みに移行します。イヤホンを外さずにスムーズな会話が可能です。
大進化を遂げた、もっとも快適な「AirPods」
アップル「AirPods 4」は従来のモデルと異なり、耳の穴を完全に塞がないインナーイヤータイプにノイキャンや外音取り込みを盛り込むというアプローチで耳への不快感を軽減しています。
ノイキャンの効果は、幹線道路の歩道で聴き比べ、「AirPods Pro 2」でほぼ消えるエンジン音が「AirPods 4」だと「小さくなる」感覚ですが、地下鉄や喫茶店などのシーンで試したところ、じわじわと「インナーイヤーなのにこんなに効くの!?」という驚きもうまれてきました。
また、使用していくうちに実感するのが、耳が疲れず、閉塞感も和らぐことによる快適さ。専門家の視聴では明確な音質の向上も確認できていました。
強くはないものの効果をはっきり感じられるノイキャンです。
また、使用していくうちに実感するのが、耳が疲れず、閉塞感も和らぐことによる快適さ。専門家の視聴では明確な音質の向上も確認できていました。
音質だけ、ノイキャンだけならテクニクスやボーズなどに、もっといい選択肢ははたくさんありますが、それらと「疲れない」や「蒸れない」という特性は両立し得ません。
現状「つけっぱなし」という観点では最強のイヤホンであり「AirPods 4」のポイントです。ぜひ、大進化を遂げた「AirPods 4」を試してみてくださいね!
「AirPods 第3世代」より音場が狭く残響感も乏しく感じましたが、逆に引き締まった音とも言えますね!