新製品 VS『MONOQLO』ベストバイ!
「新製品」という言葉に、なんともいえない魅惑の響きを感じませんか?
まだ見ぬ機能、まだ見ぬデザイン。それらの“新たな要素”が我々の「欲求」を駆り立てます。どうせ買うならやっぱり最新製品でしょう、という方も多いのでは?
でも、その新要素って本当に必要でしょうか? おしゃれになったり、新機能がいくらついたりしても、大事なのは「それがいいかどうか」のはず。
そこで雑誌『MONOQLO』が、新製品と、過去にMONOQLOでテストをしてベストバイになった製品や定番品をガチで比較します。
今回は、2万円以下のワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン。過去ベストと新製品2製品の全3製品で比較しました!
2万円以下のワイヤレスノイキャンイヤホン対決! その背景は?
高級機と格安イヤホンの狭間となる2万円以下のワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンは、残念ながらあまり人気がないのが現状。新製品の数も少ない価格帯です。
悪くいえば「中途半端」ということが要因なのでしょうが、実はこの価格帯は狙い目!
コストパフォーマンスがよく、高級機の新技術が順次採用されてくるため、音質も機能も充実しているんです。そして、2万円以下の製品が続々とLDACに対応してきています。
そこで雑誌『MONOQLO』は、手を出しやすい価格で満足できる製品を探して、2万円以下のワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンの検証でベストバイになった製品と、新製品を検証しました。
【過去ベスト】ソニー「WF-C700N」
ソニー
WF-C700N
2万円以下のワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンの過去ベストは、2023年4月発売のソニー「WF-C700N」。LDAC非対応ですが解像度に不満はなく、全域で厚みのある音を聴かせてくれます。
【新製品1】JBL「Live Beam 3」
JBL
Live Beam 3
今回検証するのは、同時期に発売されたよく似た2台の新製品。 LDACに対応し、より現代的にブラッシュアップされたJBLの双子機です。
1つ目は、2024年6月発売のJBL「Live Beam 3」です。
【新製品2】JBL「Live Buds 3」
JBL
Live Buds 3
新製品の2つ目は、2024年7月発売のJBL「Live Buds 3」です。先にあげた「Live Beam 3」と同じく、LDACに対応の製品です。
検証項目は?
今回は以上の3製品を音の専門家が聴き比べて、次の8項目でテストしました。
音質
【音の傾向】迫力系は活発さ、繊細系は微細な音のニュアンスを重視。
【音場感】ワイドだと音が広がって臨場感が増し、タイトだと音が特定の場所にあるように感じます。
【高音域】1000Hz以上の周波数帯域を指し、高音域で空間を感じられます。
【中音域】200〜1000Hzの周波数帯で、ボーカルや多くの楽器が属します。
【低音域】200Hz以下の周波数帯で重低音が肝となる楽曲には必須です。
ダイナミクス
音の大小や強さの変化のこと。楽曲の変化がリアルになり、興奮や感動につながります。
解像度
高いほど微細なニュアンスや変化を鮮明に聞き取れ、逆に低いとボヤケて聞こえます。
ノイキャン
周囲の音と逆位相の音を重ねてノイズを相殺するノイズキャンセリング機能の効果を確認しました。
外音取込
マイクで取り込んだ周囲の音が、音楽と重なってもしっかり聞こえるかを確認しました。
マイク性能
実際にイヤホンでスマホと通話し、相手側に声がクリアに聞こえるかを確認しました。
装着感
圧迫感がないか、逆に隙間がないかなど、耳への収まりの良さを体感で評価しました。
アプリ機能
音を自分好みにカスタマイズできるイコライザー機能を中心に、設定可能な項目やアプリ自体の使い勝手を評価しました。
イコライザーを中心にアプリをチェック。
それでは、3製品を比較した結果とともに、高評価となったおすすめ順に紹介します!
2万円以下のワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンのおすすめは?
JBL「Live Beam 3」
- JBLJBL Live Beam 3
- 実勢価格: ¥16,680〜
- 高音域
- 中音域
- 低音域
- ダイナミクス
- 解像度
- ノイズキャンセリング
- 外音取込
- マイク性能
- 装着感
- アプリ機能
- 重量
- 5g(イヤホン片側)、72g(ケース)
- 対応コーデック
- AAC/LDAC/LC3(対応予定)
- 型番
- JBLLIVEBEAM3BLU
ベストの理由:JBLらしさを生かした音質!
音質:◎
音色はウォームで、中低域に厚みがあるピラミッド型。アプリで耳の形状に合わせたパーソナライズも可能です。
ノイキャン性能はそこそこ
ノイキャン:◯
ノイキャンは特定の帯域にしか効いていない感じで、効果はやや薄め。細かく調整はできますが、双子機の「Live Buds 3」の方が優秀でした。
ケースの画面で操作が可能
アプリ機能:◯
ケースに搭載された画面で多くの操作が可能。毎回スマホを出してアプリを立ち上げなくてもよいのが便利です。
音質・音の量:◎
JBL「Live Beam 3」の音の傾向はやや迫力寄りで、フラットな音場。高音域は歪みもなくヌケのいい音で、女性ボーカルもくっきり聞こえます。
ややウォームな中音域により、男性ボーカルも心地よく聞くことができます。低音域には厚みがありますが、このあと紹介するソニー「WF-C700N」ほどのダブつきは感じられず、このさじ加減がさすがJBLといった印象。
音質は「Live Buds 3」よりも上です。
ダイナミクス:◎+
小音量でも音が痩せることなく、密度が高いのが特徴。大音量でも音が歪むことはなく、ダイナミックレンジは広いです。
解像度:◎
解像度は低くはないものの、情報量はさほど多いと感じません。全帯域で音に歪みがない点は、非常に優秀です。
ノイズキャンセリング:◯
特定の帯域のノイズにしか効いていない感じで、他の製品と比べるとノイキャンの効きはやや弱く感じます。
外音取込:◯
ノイズがあるものの、外音は聞くことができます。調整機能で環境音レベルを下げると、ノイズは少なくなります。
マイク性能 :◎
声は近くも遠くもなく適度に聞こえ、会話はクリアに聞こえます。声に違和感も感じられず、自然な会話ができます。
装着感:◯
装着感は特別いいわけではありませんが、悪くもなく普通。本体の重量も重く感じることはありません。
アプリ機能:◯
イコライザーのプリセットが6種類用意されていますが、効果がかなり極端で、ちょっと使いづらく感じます。カスタムでは10バンドの設定が可能です。
JBL「Live Buds 3」
- 高音域
- 中音域
- 低音域
- ダイナミクス
- 解像度
- ノイズキャンセリング
- 外音取込
- マイク性能
- 装着感
- アプリ機能
- 型番
- LIVE BEAM 3 BLUE
音質・音の量:◎
JBL「Live Buds 3」の音の傾向はやや迫力寄りで、音場はフラットです。
高音域は「Live Beam 3」の方が透明感があって心地いいのですが、比べないとわからない程度の差。「Live Beam 3」よりも解像度がやや低い印象で、多少音の歪みも感じます。
中音域は「Live Beam 3」と同様にややウォームで、男性ボーカル向き。低音域もほぼ「Live Beam 3」と同等で、厚みがありつつもダブつきは感じません。
ダイナミクス:◎
細かな音が低域に邪魔されている感はありますが、ダイナミックレンジはそこそこで、ある程度は聞こえます。
解像度:◯
高音域はやや強調されているものの、情報量としてはさほど多くもなく、特筆すべきこともないといった印象です。
ノイズキャンセリング:◎
ノイキャンの効果はなかなか優秀で、「Live Beam 3」よりも効果的に感じます。ノイキャン重視なら、こちらの方がいいかも。
外音取込:◎
取り込んだ外音はよく聞こえます。「Live Beam 3」のようにノイズが気になることもなく、自然に聞くことができます。
マイク性能:◯
悪くはないものの、小声でしゃべるとやや声がこもっており、遠く感じるのでボリュームを上げたくなります。
装着感:◎
片耳5gの「Live Beam 3」に対し、こちらは片耳4.6gと軽く、実際に着けていても本体の軽さを感じることができます。
アプリ機能:◯
専用アプリは「Live Beam 3」と共通。 イコライザーはやや使いづらいのですが、 イヤーチップが耳に合っているかをチェ ックできる機能は便利です。
ソニー「WF-C700N」
- ソニーWF-C700N
- 実勢価格: ¥6,000〜
- 高音域
- 中音域
- 低音域
- ダイナミクス
- 解像度
- ノイズキャンセリング
- 外音取込
- マイク性能
- 装着感
- アプリ機能
- 重量(片耳)
- 4.6g(約)
- 再生時間(イヤホン単体/ANC OFF)
- 10時間(最大)
- Bluetooth
- 5.2
- コーデック
- SBC、AAC
- 防水性能
- IPX4
- イヤーピース
- SS、M、LL
- 型番
- WF-C700N(V)
音質・音の量:◎
ソニー「WF-C700N」の音の傾向はやや迫力寄りで、音場はフラット。粒立ちより滑らかさを重視した高音域で、女性ボーカルが耳に心地いい音になっています。
中音域も滑らかでウォームな音色で耳に優しく、低音域は解像度が低くなりますが、量感のある低音を再生できます。
しかし、やや低音が多いバランスでボコボコした低域が中高域にかぶり、解像度が落ちている印象です。
ダイナミクス:◎
低音がボコボコしているのでダイナミックな感じは出ていますが、細かい音をかき消している感があります。
解像度:◯
低音域の量感がありすぎて他の帯域がマスクされてしまっているため、全体的に解像度が下がって聞こえます。
ノイズキャンセリング:◎+
ノイキャンの効果はかなり高く、検証でトップの性能。ここらへんはさすがソニーといった印象です。
外音取込:◯
暗騒音(常に存在する環境音や雑音)のノイズが乗ってしまいますが、人の声はよく聞こえます。
マイク性能:◎
マイクの性能はなかなか優秀で、イヤホンを通して話している感じはしません。人の声が違和感なく聞こえます。
装着感:◯
装着感は特別良くもありませんが、悪くもありません。ノイキャンを効かせるには、耳にねじ込む必要があります。
アプリ機能:◎
専用アプリの機能はかなり豊富ですが、使いやすいとはいえないところ。このため、アプリの多機能さがかえって面倒くさいと感じることもありました。
まとめ:JBLの双子機は「Live Beam 3」が音は上!
雑誌『MONOQLO』の2023年10月号でベストバイだったのは、当時高い音質評価を得たソニー「WF-C700N」です。それに対し、今回の比較で注目を集めたのは、2024年同時期に発売されたJBLの双子機。名前も価格も似ている2機種です。
検証の結果、ベストバイとなったのはJBL「Live Beam 3」。僅差ではありますが、こちらの方が音質が良く、解像度もダイナミクスも検証した製品中でトップとなりました。
しかしノイキャンがやや弱めで、JBL「Live Buds 3」の方がノイキャンが強いという違いが出ました。
今回の検証でわかったことは、ソニー以外の製品はいずれもLDACへの対応により、音の歪みが解消されています。レンジの狭さよりも歪みが気になる人は、LDAC対応製品がよさそうです。
ただし、通信環境によっては歪みが増えたり、途切れたりと通信安定性は今一歩といった印象です。
2万円以下のイヤホンをお探しなら、ぜひ本記事を参考にして、自分に合ったものを選んでみてください!
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「LDACに対応して歪みがなくなったのが素晴らしいです。