AV機器ソニー「LinkBuds S」の魅力はどこにある?

ソニー「LinkBuds S」の魅力はどこにある? イメージ

ソニー
LinkBuds S
実勢価格:2万6400円

重量:約4.8g×2
ドライバーユニット:5mm
型式:密閉、ダイナミック
通信方式:Bluetooth Ver. 5.2

ドーナツ型の完全ワイヤレスイヤホンとして注目を集めたソニー「LinkBuds」。その発売からわずか4カ月で、早くも姉妹モデルとなるソニー「LinkBuds S」が登場しました。

さっそくテストをするためケースから取り出してみると、特徴だったドーナツ形状ではなくなり、同じソニー製の「WF-1000XM4」と同様のカナル型イヤホンに変わっているではありませんか。

そんな、ソニー「LinkBuds S」は以下の2つをウリにしています。

ウリ1:一日中つけていても痛くなりにくい

ウリ1:一日中つけていても痛くなりにくい イメージ

イヤホンは耳に収まるコンパクトさで、一日中つけていても痛くなりにくいとうたっています。

ウリ2:ノイズキャンセリングに対応

ウリ2:ノイズキャンセリングに対応 イメージ

ノイズキャンセリングに対応し、外音はマイクから取り込むようになりました。

「ドーナツ型」はソニーのアイデンティティ?

実はソニーのドーナツ型イヤホンは、「LinkBuds」で3製品目。より高音質、小型・軽量に進化していただけに、ドーナツ型を捨てた新型にはモヤモヤが残ります。その歴史を簡単に見ておきましょう。

2018年「Xperia Ear Duo」

2018年「Xperia Ear Duo」 イメージ

ソニー「Xperia Ear Duo」はドライバーから管でドーナツ型の部分に音を伝達します。

2019年「SBH82D」

2019年「SBH82D」 イメージ

ソニー「SBH82D」は「Xperia Ear Duo」から派生した、軽いつけ心地のモデルです。

2022年「LinkBuds」

2022年「LinkBuds」 イメージ

この後紹介しますが、ソニー「LinkBuds」はドライバーそのものがドーナツ型になっています。

AV機器先代のソニー「LinkBuds」ってどんなイヤホン?

先代のソニー「LinkBuds」ってどんなイヤホン? イメージ

ソニー
LinkBuds
実勢価格:2万3100円

重量:約4.1g×2
ドライバーユニット:12mm
型式:開放、 ダイナミック
通信方式:Bluetooth Ver. 5.2

前モデルのソニー「LinkBuds」は、オンラインとリアルをつなぐ」をコンセプトに、2022年2月に発売された耳をふさがないイヤホン。ドーナツ型の部分から話し声が自然に聞こえるため、一日中つけっぱなしで音楽を楽しめます。

先代のソニー「LinkBuds」ってどんなイヤホン? イメージ2

ソニー「LinkBuds」は音楽を楽しみつつも、ドーナツの穴から周囲の音を取り込めることが最大の特徴でした。対するソニー「LinkBuds S」は、マイクから外音を取り込むモデル。これはApple「AirPods Pro」と同様です。

▼Apple「AirPods Pro」

▼Apple「AirPods Pro」 イメージ

Apple
AirPods Pro
実勢価格:3万580円

ということで、本音の家電ガイド『家電批評』では、ソニー「LinkBuds」とApple「AirPods Pro」をライバルとして、ソニー「LinkBuds S」の魅力はどこにあるのか検証を実施。

今回は、AV評論家の折原一也さんと一緒に音質や使い勝手、装着感を比較しました。

AV機器【音質】外音取り込みではトップクラスの音質

【音質】外音取り込みではトップクラスの音質 イメージ

ソニー「LinkBuds」は、ドライバーをドーナツ型にして周囲の音が自然に聞こえることに注力した結果、音質面ではApple「AirPods Pro」に及びませんでした。

では、ドーナツがなくなったソニー「LinkBuds S」の音質はどう変化したのでしょうか。

中音域の質が圧倒的に優位

AV評論家の折原さんは、ライバル2製品と比べて「“圧倒的”に優位なのは中音域の質」とコメント。情報量や解像度が高いことがその理由です。

また、低音は「クラブ系のズンズンした音も鳴る」、高音は「情報がしっかり出ていて優秀」と評価。解像感はナチュラルで細かな音まで聞こえ、ボーカルの歌声はやさしく聞こえると、質のよさに感心しきりでした。

ノイズキャンセリングはキャンセル力が強い

ソニー「LinkBuds S」のもうひとつの特徴であるノイズキャンセリングについては、AV機器ジャーナリストの小寺さんが「かなりキャンセル力が強い」と評価。

装着するとすぐに動作するApple「AirPods Pro」に対して、装着をするとジワジワとチューニングされていくことと、苦手な周波数がないのが大きな違いといえます。

それでは、各製品の基本スペックとあわせてそれぞれの評価をみていきましょう。

ソニー「LinkBuds S」のテスト結果

ソニー「LinkBuds S」のテスト結果 イメージ

▼基本スペック

イヤホン重量 ケースサイズ 充電方式 連続再生 急速充電 防水・防塵 イコライザ スピーク・トゥ・チャット
約4.8g(片側) 約W58×D27×H43mm(実測値)・約35g USB-C 最大9時間(NCオフ) 5分充電で60分再生 IPX4相当 プリセット/8種、カスタム/+10〜−10 対応

▼音質評価

合計 低音域 中音域 高音域 解像感 ボーカル表現 マイク性能 ノイズキャンセリング 外音取り込み 装着感
81/90点 10/10点 10/10点 9/10点 8/10点 9/10点 8/10点 9/10点 9/10点 9/10点

ソニー「LinkBuds S」は、音質・ノイキャン・外音・装着感のすべてで高い評価を得ました。

ノイズキャンセリング

かなりキャンセル力が強く、装着後にチューニングされてきます。

外音取り込み

自然な取り込み音ですが、若干声の帯域に寄せている感があります。

装着感

小型で耳からはみ出す感じがなく、すっぽりと収まりました。

折原一也 氏
オーディオ&ビジュアルライター
折原一也 氏 のコメント

極端なメリハリではなく、音情報は全体にナチュラルに出ます。

Apple「AirPods Pro」のテスト結果

Apple「AirPods Pro」のテスト結果 イメージ

▼基本スペック

イヤホン重量 ケースサイズ 充電方式 連続再生 急速充電 防水・防塵 イコライザ スピーク・トゥ・チャット
約5.4g(片側) W60.6×D21.7×H45.2mm・45.6g Lightning/MagSafe/Qi 最大5.5時間 5分充電で60分再生 IPX4相当 プリセット/8種、カスタム/+10〜−10 -

▼音質評価

合計 低音域 中音域 高音域 解像感 ボーカル表現 マイク性能 ノイズキャンセリング 外音取り込み 装着感
75/90点 7/10点 8/10点 8/10点 7/10点 7/10点 10/10点 9/10点 9/10点 10/10点

Apple「AirPods Pro」は、低音域や解像感で評価を下げたものの、全体に高い評価です。

ノイズキャンセリング

装着するとすぐ動作するのが秀逸。高音域のノイズには弱いです。

外音取り込み

取り込み音に変なクセがなく、全域をキレイに取り込んでいます。

装着感

ボディ本体は小型のため、耳の凹みに収まりがいいです。

ソニー「LinkBuds」のテスト結果

ソニー「LinkBuds」のテスト結果 イメージ

▼基本スペック

イヤホン重量 ケースサイズ 充電方式 連続再生 急速充電 防水・防塵 イコライザ スピーク・トゥ・チャット
約4.1g(片側) W48.5×D41.4×H30.9mm・34g USB-C 最大5時間(NCオフ) 10分充電で90分再生 IPX4相当 プリセット/8種、カスタム/+10〜−10 対応

▼音質評価

合計 低音域 中音域 高音域 解像感 ボーカル表現 マイク性能 ノイズキャンセリング 外音取り込み 装着感
55/90点 6/10点 5/10点 7/10点 6/10点 6/10点 8/10点 0/10点 10/10点 7/10点

ソニー「LinkBuds」は、コンセプト的に音質にこだわるイヤホンではありません。

ノイズキャンセリング

非対応というだけでなく、遮音性もないので周囲の音は丸聞こえです。

外音取り込み

耳穴をふさいでいないので、外音がほぼそのまま聞こえます。

装着感

装着部にクッション性がないため、装着感には賛否があります。

AV機器【形状】姉妹機の「LinkBuds」と比較

続いては、ソニー「LinkBuds S」の形状がどう変化したのか、姉妹機のソニー「LinkBuds」と比較してみました。

形状は密閉感のあるカナル型に

▼ソニー「LinkBuds S」

形状は密閉感のあるカナル型に イメージ

耳にしっかりはまるカナル型。装着感のいいイヤーピースは4サイズが付属します。

▼ソニー「LinkBuds」

形状は密閉感のあるカナル型に イメージ2

耳に入れるドーナツ部はキャップもなく硬め。密閉感はまったくありません。

人によって評価が分かれた装着感が変化

▼ソニー「LinkBuds S」

人によって評価が分かれた装着感が変化 イメージ

【評価:○】

耳の小さな人でも快適に装着できるサイズ感。耳の接触面が増えて安定します。

▼ソニー「LinkBuds」

人によって評価が分かれた装着感が変化 イメージ2

【評価:△】

ドーナツ部の硬さと固定用のサポーターで、痛いという人もいました。

マイクでの外音取り込みは若干クセあり

▼ソニー「LinkBuds S」

マイクでの外音取り込みは若干クセあり イメージ

【評価:○】

外音はマイクから取り込みます。外側にメッシュを配置して風ノイズを抑えています。

▼ソニー「LinkBuds」

マイクでの外音取り込みは若干クセあり イメージ2

【評価:◎】

ドライバーに物理的に穴が空いているため、常に外音が耳に入ってきます。

AV機器ターゲットはライトに音楽を楽しみたい層

ターゲットはライトに音楽を楽しみたい層 イメージ

ソニー「LinkBuds S」は、ほどよい没入感と外音取り込みによる自然な臨場感があり、いい音でながら聴きを楽しみたい人にオススメ。ハイエンドではないですが、雑音をシャットアウトして上質な音が楽しむことができる、想像以上に上質なイヤホンです。

以上、ソニー「LinkBuds S」とライバル機2製品との比較結果でした。

次回は、AV機器ジャーナリストの小寺さんに長期間使用してもらい、機能を評価しました。また、Apple「AirPods Pro」とどっちが魅力があるのか、その結論を紹介します!

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