シュアの小型マイク一本でどんな録音もこなせる?
動画やラジオ配信が人気を集める今、スマホ1台だけで収録から配信までこなす人が増えてきました。とくに最近では「映像よりも音質が重要」と語る配信者も多く、音のクオリティを左右するマイク選びが注目されています。
その流れを受けて、各メーカーが手軽に使えるピンマイクを続々と発売。市場は活況を呈しています。
そんな中、マイクで知られるSHURE(シュア)が投入したのが、ピンマイクではなく、Bluetooth対応のコンデンサー型小型マイク「MoveMic 88+」です。
スマホと直接ペアリングできる手軽さに加え、人の声、楽器演奏、自然の環境音までしっかり収音できる多用途さが特徴。
今回はこの注目マイクをさまざまな収録シーンで実際にテストし、その音質・使い勝手・接続の安定性を徹底検証します!
シュア「MoveMic 88+」は、どんな製品?
スマホと直接Bluetooth接続できるし、受信機を使えばカメラなどと連携可能です。
アプリでスマホと連動
マイクをBluetoothで簡単にスマホと接続できます。録音や設定の変更などの操作はアプリに集約されています。
一つのマイクで4つの収音方式を採用
1. ステレオ
指向性の角度は60〜135°まで調整可能。楽器演奏など、音の広がりや立体感を表現したいとき向けです。
2. モノカーディオイド
正面の音声をより強く、周囲の音を抑え、特定の音源を強調します。インタビューなどに最適です。
3. モノ双指向性
マイク左右の音を拾うモード。ASMRや対談方式のインタビューなどに適しています。
4. Rawミッドサイド
前・左右のマイク信号を別々で録音するモード。録音後のステレオイメージを調整する上級者向けです。
音響のプロがテストしました
動画やポッドキャスト配信に向いているかテスト
音質は室内・外で録音した音源を、音響のプロである原田さんが実際に聴いて採点・評価しています。
操作しやすさは、編集部で長期間使用してチェックしました。
シュア「MoveMic 88+」の実力は?
シュア「MoveMic 88+」
- シュアMoveMic 88+
- 実勢価格: ¥48,091〜
- 総合評価
- おすすめポイント
-
- スマホ接続がカンタン
- 聞き取りやすい声質
- がっかりポイント
-
- 風切り音をキャンセルできない
- 使いこなしにスキルが必要
- 幅
- 28mm
- 奥行
- 28mm
- 高さ
- 89mm
- 重量
- 99g
- 型番
- MV88+W-J-Z6
マイクとしての実力を徹底検証
<チェック1>【音質】Bluetooth接続でも良好な音質
受信機経由時:良好
中高域の伸びがより豊かになり、Bluetooth接続時より明らかに音質がよくなりました。
アプリにはイコライザー機能があり、自分好みの音にカスタマイズが可能。なお、今回は全てフラットの設定で検証しています。
Bluetooth接続:合格
高音はやや抜けが足りない印象。ただし、キンキンとうるさくなく、低音もきれいにカットされていて声は聞きやすいです。
動画やポットキャスト配信の用途では十分な声質です。
録音するのに最適な距離は1メートル
5センチ、30センチ、1メートルとマイクと話者の距離を変えて録音したところ、声質は1メートルが最もよかったです。
喋り手との距離は1m以内を推奨。それ以上遠いと周囲の環境音が大きく入り込みます。
<チェック2>【ノイズリダクション】風の音がかなり干渉。外での録音は要注意
微妙
ノイズリダクションのテストでは人物が話している間、後ろで「ゴーゴー」と風の音が干渉してしまいます。外ロケでは別売りのウィンドジャマーが必須アイテムです。
ノイズリダクションをオフでゲインを下げた方が自然な音です
ゲインを22dB以下、ハイパスフィルターを150Hz、ノイズ低減をオフの設定で周囲の音は残るものの、風切り音は自然にできます。
ウィンドジャマーでは風切り音が取りきれません。緩和するために細かく設定を変えるのは手間です。
<チェック3>【アプリ】接続はカンタン! アプリも直感で操作できる
良好
本体の電源ボタン長押しで、Bluetooth接続は完了しました。また、録音開始はアプリから簡単に行えます。
受信機は日本語非対応
受信機は全て英語表示で、日本語非対応。なんとなく単語で意味はわかるけど、やっぱり言語は変更したいところです。
<チェック4>【機能性】録音したいものに合わせたモードが便利
良好
スピーチ・歌唱・フラット・アコースティック・バンドなど録音に合わせて5つのモードを完備。チューニングと指向性を自動で調整してくれます。
録音した音源は、アプリで簡単に編集できます。ポットキャストの配信などはスマホで完結できて便利です。
録音開始も音源の編集もアプリで直感的にできました。素人にも優しい設計です。
受信機で用途が広がる!
シュア「oveMic Receiver」
- シュアoveMic Receiver
- 実勢価格: ¥30,400〜
- 型番
- MV-R-J-Z6
受信機があれば、カメラなどとも連携できます。
まとめ:室内での配信や楽器録音向け!
以上、シュア「MoveMic 88+」の紹介でした。
テストの結果は、Bluetoothで接続しても十分配信に耐える音質で、さすがでした。しかし、その利点がかすむほど、ノイズリダクションの効果が残念。
外の録音では風の音が声にかなり干渉してしまい、正直使い物になりません。
一長一短の結果でしたが、室内なら風の干渉がありません。また、環境音の収音用途であれば、音の立体感の再現が高く、金額以上の満足感を得られるはずです。
楽器演奏の録音にも適しているでしょう。決して万能ではありませんが、室内録音を中心に用途が決まっている人におすすめです。
気になる方は、チェックしてみてください。
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録音した人の声質が自然かどうかを中心にテストを行いました。