音楽も外の音も聞き取れる ソニー「LinkBuds」
ソニー
LinkBuds
実勢価格:2万3100円
重量:約4.7g(片側)
Bluetooth:Ver.5.2
対応コーデック:SBC、 AAC(LDAC非対応)
昨今はテレワークも増え、家庭内で常時音楽を聴けるようになったり、リモート会議も増加したりするなど、イヤホンの装着時間が長くなりがちです。
こうした状況の変化に合わせて登場したのがソニー「LinkBuds」。スピーカー部の真ん中をくり抜き、周囲の音が自然に聞こえることに注力した完全ワイヤレスイヤホンです。
詳しくは、レビューの第1回をご覧ください
【テスト1:装着感】軽いけど装着には慣れが必要
「LinkBuds」は2つの円が団子のようにくっついている独特の形状です。一体どうつけるのだろう? と思いますよね。
装着方法は、まずリング状のドライバーをしっかり耳の穴にいれます。これだけだとイヤホンがぐらついて落ちてしまうので、半球状のハウジング(筐体)を耳のくぼみに入れ、最後にサポーターもくぼみに押し込みます。
ハウジングやサポーターをいれる際に回すように入れると、固定しやすく感じました。
購入前に装着感は要チェック
ソニーのWebサイトには「イヤホンを耳穴に差し込まない構造により、耳が覆われているような圧迫感がなく、長時間使用した場合も耳穴も蒸れにくくて快適」と書かれています。確かに圧迫感は少なく春先の気候では蒸れる感じもしません。
ただ、耳の中に入る部分が固いので、検証では耳が痛くなるという人もいました。
装着感ですが、僕は全く問題ありませんでした。
最初は気にならないのですが、30分程度できつくなります。
骨伝導イヤホンに比べて音楽再生中の違和感がない
“耳を塞がず、外の音と音楽を同時に聴ける”という「LinkBuds」の特徴は骨伝導イヤホンとも共通です。骨伝導の弱点は音量を上げると骨への振動で不快感が生じること。その点「LinkBuds」は音量上げても違和感がありません。
また、骨伝導イヤホンのアームはマスクの紐に絡まったりメガネのつると干渉しがちですが、「LinkBuds」はメガネ装着者でも快適です。
【テスト2:外の音の聴きやすさ】外音と音楽が自然に混ざる
注目のドライバーは、イヤホンで多用されるダイナミック型ドライバーの設計を応用したもの。振動板中央のキャップ部分をなくし、磁石部分も真ん中を広くくり抜いて、中心部を打ち抜いたような作りになっているようです。
「LinkBuds」は、真ん中がないぶん、振動板面積は小さくなります。そこで懸念されるのが音量と低音です。AV機器ジャーナリストの小寺さんは「音量という点では、最大音量にしても、聴いていられないほどの大音量にはならない。一般的なイヤホンよりも、音量は上がらないということになる。
ただ、周囲の音が聞こえるということがウリの製品であることから、周囲の音をマスクしてしまうほどの大音量で音を出すことは、自己矛盾してしまう。その点では、この音量が妥当」と分析します。
低音の出方としては、昨今のイヤホンとしては控えめ。周波数特性としては低音までだせるものの、量感が足りません。ただし、ソニーのイヤホン・ヘッドホンは、専用アプリ「Headphones Connect」でイコライザの設定が可能。これで低音を強めることはできます。
とはいえ、このイヤホンは音楽を真剣に聴くためのツールというよりは、日常に音楽を混ぜ込んでいく製品です。製品の目的を考えると十分な音質を備えていると言えます。
実際に装着して外に出ると環境音と音楽が自然にミックスされる。
【テスト3】同価格帯のAirPods(第3世代)とも比較しました
▼LinkBudsとAirPodsの音質の比較結果
評価 | 低音域 | 中音域 | 高音域 | 解像感 | ボーカル表現 | 装着感 | マイク性能 | |
LinkBuds | 46/70点 | 6/10点 | 5/10点 | 7/10点 | 6/10点 | 6/10点 | 8/10点 | 8/10点 |
AirPods(第3世代) | 57/70点 | 9/10点 | 6/10点 | 9/10点 | 6/10点 | 8/10点 | 9/10点 | 10/10点 |
完全ワイヤレスイヤホンの代名詞的存在「AIrPods」との違いが気になる人もいるでしょう。そこで、AVライターの折原さんにもチェックをお願いしました。同価格帯のAirPods(第3世代)との音質を比較すると、どちらも中音域の解像感が弱いのが弱点。ただし、耳の中に入れる形状のAirPodsのほうが低音がしっかり響きます。
LinkBudsのサウンドの良いところ/惜しいところ
- 【良いところ】軽やかなサウンドでボーカルの聞こえ方はナチュラル系。低音もそれなりに鳴ってる。当然ながら周囲の音が聞こえる所もメリット
- 【惜しいところ】中域の音の解像感が足りなくてボーカルもしっかり聞くと汚い。低音は低音を出しづらい構造を考えるとうまく演出はしているが……
AirPods(第3世代)のサウンドの良いところ/惜しいところ
- 【良いところ】軽やかで特に高域までの伸びが綺麗に聴ける。重低音は作為的だが、かなりズンズンと響かせてくれるので独特の気持ちよさがある。
- 【惜しいところ】中域の解像感はやや弱め(抜け気味)で厚みがたりない。カナル型ではないため周囲の音が入り込んでしまうことも音質では不利に働いている。集中して音を聞くと解像感の不足が気になってしまう
「LinkBuds」は正直言って「高音質」ではありませんね。
比較した「AirPods(第3世代)」はこちら
Apple
AirPods(第3世代)
実勢価格:2万3800円
以上、「LinkBuds」の装着感と音質のテスト結果でした。
次回は、使い勝手のテスト結果と、本製品が買いなのかその結論をお届けします。ぜひ、チェックしてみてください。
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装着後5分ぐらいで耳が痛くなってしまいました。