発売3日で即完売の「グラフィット」って?
運動不足解消や三密の回避のために、自転車通勤しているという方も増えてきているようです。
さわやかに自転車出勤もいいなあと思うのですが、毎朝ふつうの自転車で30分以上漕ぐとなるとそれはそれで疲れそうで、ちょっと躊躇しませんか?
そこで今回ご紹介するのが、見た目は自転車、中身はEV原付という「ハイブリットなバイク」なんです。
和歌山の乗り物メーカー「glafit」が、2017年にクラウドファンディングサイト「マクアケ」で1億円超えの支援金を獲得し、発売した折りたたみ式電動バイク「グラフィット」。この第1世代は発売から3日も経たずに即完売したというすごい製品です。
そして3年後、フルモデルチェンジをして発表されたのが、第2世代「GFR-02」のこちら。
glafit
GFR-02
実勢価格:19万8000円
サイズ:全幅600×全長1250×全高950mm(展開時)、全幅450×全長650×全高600mm(折りたたみ時)
最高速度:約30km/h(※)
フル充電時の走行距離:約25km(※)
タイヤサイズ:14×2.125
バッテリー:リチウムイオンバッテリー
充電時間:約3.5時間
※運転者の体重、斜度、走行状況や使用状況により異なります
2021年2月の先行予約で500台がすべて受付終了となったというこの「GFR-02」。2021年夏メドに、glafitのバイクに後付けすることでバイクと普通自転車の切り替えを可能にする新機構「モビチェン」(モビリティカテゴリーチェンジャー)の販売が始まる予定です。※モビチェンを後付けしなければ法律上の区分では原付であるため、車道しか走ることができません。
今回は折りたたみ式電動バイクとして編集部員(女性)が実際に通勤に使ってみました。
▼前編:「「GFR-02」の機能紹介はコチラ
後編の今回は、使ってみてわかったおすすめポイントや惜しかったポイントなどをご紹介します。
優秀ポイント1:まったく疲れない
日ごろは車移動が多い編集部員が一週間グラフィットで通勤してみました。まず感動するのは、会社に着くまでの30分の道のりが、まったく疲れないということ。
アクセルを使えば一度も漕がずに目的地にスイ~ッと到着。あくまでも乗り心地は自転車なのでちょっと不思議な感覚ですが、風がとにかく気持ちいいんです……!
ガソリンの原付と比べると速度はゆっくりですが、走り心地はラクチン。
たまにUber Eatsの自転車に追い越されることもありましたが、必死に漕いで坂を上る自転車を横目に汗ひとつかかずに上ることができるのはうれしいです。
優秀ポイント2:充電がかなり持つ
途中で充電が切れたら……というのが心配になりますが、今回の検証では問題ナシ。
走る距離にもよりますが、車で約20分程度なら電池残量のメモリは1つも減らず、「こんなに減らないものか!」と驚くほど持ちがよかったです。
坂道で一瞬減ったかのような表示になるのですが、平らな道に戻ると残量は復活。フル充電で電気代は約10円なので、0.4円/リットルと考えればとってもお得です。
今回は、毎日30分の距離を往復×1週間でしたが、週2~3回の充電で安心して使えました。
優秀ポイント3:指紋認証ロック&アプリ連動
事前に登録した指紋でロック解除ができるのが超便利。バイクの鍵を無くしてあわてる心配はありません。
▼自転車のようにロック
▼指をかざせばロック解除
また、発売時にはアプリとの連動が可能になり、使い勝手も倍増。よく通る道や走り方を学習して電池消費を防ぎ、燃費もアップします。
続いて、使ってわかった惜しいポイントをご紹介します。
惜しいポイント1:交通量の多い道だとちょっとコワい
今回はオフィスのある東京都内を走りましたが、交通量が多い道を通るときは注意が必要でした。
最高速度が30km/hなため、車に追い抜かれる際は大型トラックと急接近することも。原付として車道を走る半面、体を守るものがない生身の状態なので、けっこう怖く感じることもありました。
車線変更や追い越しのときはよく注意。
路駐している車を追い越す瞬間、車と急接近(汗)……!
ウインカーは見やすいですが戻し忘れに注意
右左折するときのウィンカーは左右に動かして操作。
右左折した後にウインカーを消す必要がありますが、カチカチ音が鳴らないため、消えたかどうか見て確認することが多くありました。
ミラーが好きな角度にできるのは◎
ミラーはどんな角度にも合わせやすく、使いやすかったです。
惜しいポイント2:坂道ではスピードダウン
歩くとハアハア言いそうな急な上り坂だと、速度は約10kmしか出ません。ただしそこまで急でない坂であれば20kmぐらいは出たので許容範囲といえるでしょう。
ペダルを漕げばモーターが駆動し、スムーズに上れます。
モードの切り替えは毎回必須です
電源を入れるとアクセルが使えない自転車モードがONになるので、原付モードにするにはボタンをもう1~2回押す必要があります。
▼まず自転車モード
▼1回押しで10㎞モード
▼2回押しで30㎞モード
急斜面の道は避けるのがベターかもしれません。
惜しいポイント3:一番コンパクトにすると再調整が面倒
実際に走ってみると、ゴツゴツ道や石畳、マンホール上などでは、思ったよりも体にも振動が伝わってきたり、ハンドルが低すぎると手が伸びきって疲れやすい場合もありました。
そのため、サドルとハンドルの高さのバランス調整が重要。身長や手足の長さで、自分のベストポジションに設定することをおすすめします。
ここでややネックなのが、一番小さく折りたたんだ状態にすると、サドルとハンドルも縮めるため、再度使うときはまたベストポジションに調整する必要があります。
折りたためるのは便利ですが、この点はちょっとだけメンドウでした。
まとめ:走るエリアによっては即買いOKです!
思った以上にラクに運転できて楽しいハイブリッドバイクでしたが、今回は都心での検証でしたので、即買いを迷うポイントがありました。
ただし、交通量の多い道や車のスピードが出やすい道を避けられるのであれば、断然オススメ。編集部員も即購入を決めていたのは間違いありません。
自転車メインという考えでなく、原付におまけで自転車がついていると考えれば、ガソリン代や維持費の節約を考えてもお得感は十分。走るエリアや地形に適するかよく吟味しつつ検討することをおすすめします。
以上、「グラフィット」のご紹介でした。ゆったり走れるエリアなら即買いもアリ。未来のハイブリットバイクはかなり面白いです!
▼格安だけどちゃんとしてる折りたたみ自転車は?
原付の気持ち良さとラクさは健在! 春~秋は特に最高です。