人気の管理釣り場では専用のロッドが必要です!
今、若い世代を中心に大人気の「エリアトラウト(=管理釣り場での鱒釣り)」。
トラウトやイワナ、アマゴなどさまざまな魚が狙えるのが魅力です。ただしエリアトラウトでは専用のロッドを使わないと、思うように釣果が伸びません。
そこで今回は釣り歴30年のプロアングラーにロッドの選び方を解説してもらいました。さらにおすすめ商品を実際にテストし、その結果を元にランキング形式で紹介します。
そもそも管理釣り場ってどんな場所?何が釣れる?
ロッドについて説明する前に、まずは「管理釣り場」とはどんな施設か簡単に説明したいと思います。
管理釣り場ってどんなところ?
管理釣り場は人工的に作った川や池、自然の川を仕切って作った場所に定期的に魚が放流されています。
そして、管理釣り場のような施設(エリア)で鱒類(トラウト)を釣るのが「エリアトラウト」です。
ロッドやリールのレンタルができるので、道具を持っていない人でも手ぶらで行けます。そして、休憩所やトイレなどが完備されているので、快適な環境で釣りが楽しめます。
釣り方はルアー釣りが人気ですが、フライフィッシングやテンカラ、エサ釣りなども行うことができます。
管理釣り場ではどんな魚が釣れる?
管理釣り場ではニジマスを筆頭に、ヤマメやイワナなどさまざまな魚を釣ることができます。
1:ニジマス
(C) PaylessImages/123RF.COM
サケ科に属する食用魚で、一般的には40cm前後、大きいものは80cm~1mにまで成長します。
2:ヤマメ
(C)teraken0925/123RF.COM
九州から北海道までの川の上流に生息するサケ科の魚です。美しい斑紋模様が特徴的です。
3:イワナ
貪欲な肉食性の魚で渓流釣りの対象魚として人気。焼いたイワナに熱燗を浸した骨酒は絶品です。こちらもサケ科に属します。
他にもイトウやブルックトラウト、ブラウントラウトなどさまざまな魚が放流されています。
エリアトラウトに適したロッドってどんなもの?
冒頭でエリアトラウトでは専用のロッドを使わないと思うように釣果が伸びないとお伝えしましたが、ここからは「専用のロッド=トラウトロッド」について詳しく解説したいと思います。
トラウトロッドはエリアトラウトのほか、渓流や湖などでの釣りに使用。繊細な穂先を持ち、大きく曲がるのが特徴です。
これは「スプーン」や「プラグ」といった軽量のルアーを使用するためです。ロッドは柔らかくて、反発力に優れたものでなければなりません。
トラウトロッドにはどんな種類がある?
トラウトロッドは主に「エリアトラウト向け」「渓流向け」「大型魚向け」の3種類に分かれています。
中でもエリアトラウト用と渓流トラウト用の区別はぜひ覚えておいてください。この2種類の一番の違いは「長さ」にあります。
渓流では頭上に木が生い茂っている場合が多く、長いロッドではキャストしづらくなってしまいます。そのため、渓流トラウトロッドはエリアトラウトロッドよりも短く作られています。
「エリアトラウトロッド」の一例
メジャークラフト(Major Craft)
ロッド トラウティーノ エリア 2PC602UL
実勢価格:9680円
サイズ:約183cm
自重:非表示
ルアーウェイト:0.9~7g
継数:2本
こちらはメジャークラフトのエリアトラウト用のロッド。2本継ぎで全長が183cm。0.9から7gまでのルアーが使えます。
「渓流トラウトロッド」の一例
グローブライド
ダイワ(Daiwa)
ワイズストリーム49L3
実勢価格:2万196円
こちらは渓流用のロッド。全長はわずか145cm。携帯性が重視されており3本継ぎになっています。適合ルアーは2~9gです。
エリアトラウトロッドは渓流や河川でも使える?
答えは「イエス」です。比較的周りに木がない場所や広い河川などであれば、エリアトラウトロッドも十分に使用可能です。ただし、渓流用に比べて持ち歩きしづらく、多少キャストしにくいというデメリットがあるので、その点はご注意ください。
エリアトラウトロッドの基本的な選び方のポイント
エリアトラウトでは具体的にどんなロッドを選べばいいのか? 山口さんに基礎的な選び方ポイントを解説してもらいました。
選び方のポイント1:長さ
6フィート前後の長さがおすすめです。1フィートは30.48㎝なので、約182㎝になります。この長さなら扱いやすく軽いルアーを遠投することもできます。
※後ほどご紹介するエリアトラウトロッドのおすすめ順ランキングの製品ラインナップは、初心者でも扱いやすいということで、6フィート前後のロッドで統一しています。
選び方のポイント2:硬さ
軽いルアーを扱うため、柔らかいロッドがおすすめです。
商品名の後に「UL(ウルトラライト)」「SUL(スーパーウルトラライト)」「XUL(エクストラウルトラライト)」と付いているロッドを選ぶとよいでしょう。これらはすべてロッドの柔らかさを示しています。
選び方のポイント3:継数(つぎすう)
エリアトラウトロッドは2本継ぎのものがおすすめです。ただし、コンパクトに持ち歩きたい場合は継数が多いものや、下記の製品のような「振り出し式」を選ぶとよいでしょう。
グローブライド
ダイワ(Daiwa)
ワイズストリーム 56TL
実勢価格:1万6569円
継数が多いとコンパクトに持ち歩けますが、逆にセッティングが面倒だというデメリットがあります。その点も考慮してロッドを選びましょう。
選び方のポイント4:素材
釣り竿に使用されている素材は、カーボンをはじめ、バンブー素材、グラス素材、ボロン素材などの種類があります。現在主流となっているのはカーボン素材を使用した竿。軽くて感度に優れているのが特徴です。
感度や重さ、価格が大きく変わってくるので、素材にも注目して選びましょう。
エリアトラウトロッド9製品をプロが本気でテスト!
おさえておくべきエリアトラウトロッドの基礎知識は上記の通りなのですが、いざ、購入しようとすると種類が多すぎて迷ってしまいますよね。
そこで、人気のエリアトラウトロッド9製品を集めて比較テストを行い、おすすめ順ランキングを作成。プロに実際に使ってもらい、購入する際に重視すべき「扱いやすさ」「作り」「価格」の3点を評価してもらいました。
※9製品は初心者でも扱いやすい6フィート前後のもので統一。価格も比較的入手しやすい1万5000円以下となっています。
テスト項目1:扱いやすさはどうか(35点満点)
扱いやすいかどうかは「重さ」が大きく関係してきます。ルアー釣りはキャストの回数が多いため、重いロッドでは手が疲れてしまいます。そのため、できるだけ軽量のものを選ぶ必要があります。
という訳で、今回の検証ではロッドの重さを重点的にチェックしています。また、ルアーを飛ばしやすいかどうかも併せて検証しています。
テスト項目2:作りはしっかりしているか(35点満点)
ルアーウェイトの範囲は広いか? ガイドや穂先はしっかり作られているか? リールシート(リールを取り付ける部分)はどうか?……など細部まで作りをチェックして評価しました。
テスト項目3:コスパはどうか(30点満点)
今回は初心者向けに1万円以下で買えるロッドをセレクトしていますが、値段に対して性能はどうか? コスパに優れているか? をチェックしました。
それではいよいよランキングスタートです!
軽くて操作性バツグン!ダイワ「トラウトX 60UL」
グローブライド
ダイワ(Daiwa)
トラウトX 60UL
実勢価格:1万1632円
サイズ:183cm、仕舞寸法80cm
自重:80g
ルアーウェイト:0.8~7g
継数:2
▼テスト結果
- 扱いやすさ: 33/35点
- 作り: 34/35点
- コスパ: 28/30点
- 合計: 95/100点
堂々の第1位はダイワの「トラウトX 60UL 」。ネジレを抑えるXテープ(BRADING X)を採用した本格エリアトラウトモデルです。
最大の特徴は適合ルアーの範囲
0.8~7gと他と比べてもダントツに幅広く、さまざまなルアーが使えます!
重さは80gと軽量で、操作性もバツグン! 魚が掛かったときの曲がり具合もかなりよい感じでした。
価格は他と比べてやや高めですが、性能を考えればコスパに優れた商品だと言えます。使えるルアーの範囲が広いので、さまざまな状況にうまく対応できます。作りも悪くないですね。
超軽量化でレベルアップしたシマノ「S60SUL」
シマノ(SHIMANO)
19 トラウトライズ各種
実勢価格:9030円(S60SUL)
サイズ:183cm、仕舞寸法93.9cm
自重:77g
ルアーウェイト:0.6~6g
継数:2
▼テスト結果
- 扱いやすさ: 33/35点
- 作り: 32/35点
- コスパ: 29/30点
- 合計: 94/100点
2位はシマノの「19 トラウトライズ S60SUL」。自重は77gとランキング内でも最軽量。大幅な軽量化で扱いやすさも抜群です。
管理釣り場のエリアトラウトから、渓流域でのネイティブトラウトにまで対応するモデルです。
エントリークラスながら上位グレードにせまるシマノオリジナル軽量リールシートを採用。セパレートグリップで操作性もバッチリ。優れたトラウトロッドと言えます。
細部がじつによく作られていて感心します。適合ルアーの幅が広いのもよいですね。グリップはハーフコルクで握りやすくなっています。ただ、2019年モデルで価格は比較的高め。その点がネックとなって2位となってしまいました。
初心者の1本目におすすめ! ダイワ「ルアーニスト 56UL」
グローブライド
ダイワ(Daiwa)
ルアーニスト 56UL
実勢価格:5220円
サイズ:168cm、仕舞寸法88cm
自重:96g
ルアーウェイト:1~6g
継数:2
▼テスト結果
- 扱いやすさ: 33/35点
- 作り: 32/35点
- コスパ: 28/30点
- 合計: 93/100点
3位はダイワの「ルアーニスト 56UL」。ルアーフィッシング入門ロッドとして最適なモデルです。リールシートは握りやすいダイワオリジナル。シンプルながら高級感のあるロッドです。長さが短いので渓流用として使うこともできます。
ルアーウェイトの幅も広くさまざまな状況に対応できるロッドです。ただし自重が96gと重めなのが欠点です。いずれにしろ価格がかなり安いので初心者におすすめです。
4位: 初心者でも使いやすいト「ラウティーノ」
メジャークラフト(Major Craft)
ロッド トラウティーノ エリア 2PC602UL
実勢価格:9680円
サイズ:約183cm
自重:非表示
ルアーウェイト:0.9~7g
継数:2本
▼テスト結果
- 扱いやすさ: 30/35点
- 作り: 30/35点
- コスパ: 29/30点
- 合計: 89/100点
4位はメジャークラフトの「トラウティーノ」。ティップとベリーにこだわったプラッキングロッド(=プラグ用のロッド)です。
ソフトに設定したティップはや柔らかめで低速から高速域のミノーでのラインスラッグを使った緩めのトゥィッチング(=リールを巻きながらロッドを小刻みにしゃくってルアーに不規則な動きを加えるテクニック)などに向いています。
さらに高速トゥィッチといったテクニカルな攻め方にも対応。
何かに特化するわけではない、もっとも一般的なロッドと言えます。作りや扱いやすさも問題ないので、最初の1本としておすすめできます。ただ価格が1万円前後なのでコスパの点で、今回はやや順位を下げさせて頂きました。
5位: スプーンに特化した中級者向けモデル「ソリッドティップモデルS5102UL」
メジャークラフト(Major Craft)
トラウティーノ エリア 2PC ソリッドティップモデルS5102UL
実勢価格:1万459円
サイズ:約155cm
自重:表示なし
ルアーウェイト:0.6~3g
継数:2本
▼テスト結果
- 扱いやすさ: 29/35点
- 作り: 30/35点
- コスパ: 28/30点
- 合計: 87/100点
第5位もメジャークラフト。「トラウティーノ エリア 2PC ソリッドティップモデルS5102UL」は、「スプーンで遊ぶ、スプーンを極める用のソリッドティップモデル」 です。
1g未満のスプーンでも飛距離を稼ぐことができます。またマイクロスプーンを使ったボトム系にも使用可能。ソリッドティップなので、ほんの一瞬だけ開くトラウトの口にフックを絡み込ませることができます。
ソリッドティップで、スプーンに特化したロッドになっています。そのためスプーンをメインにする人にはおすすめですが、一方プラグなどを使うとティップが柔らかすぎるので、若干使いづらいかとは思います。
6位: 汎用性が高い「ルアーマチック」
シマノ(SHIMANO)
スピニングロッド ルアーマチック 2本継ぎ S70UL
実勢価格:5729円
サイズ:約213cm
自重:83g
ルアーウェイト:0.8~10g
継数:2本
▼テスト結果
- 扱いやすさ: 28/35点
- 作り: 30/35点
- コスパ: 28/30点
- 合計: 86/100点
6位のシマノ「スピニングロッド ルアーマチック」は、こちらは対象魚がトラウト以外にメバル、アジ、ブラックバスと汎用性が高いモデルです。
やや長めでテッィプも硬めですが、さまざまな釣りを体験したい人におすすめです。
7フィートと他と比べて長めのロッドです。またルアーウエイトが10gまで使えるなど若干硬めなので、その辺が好みではないという人もいるかもしれません。魚の活性が低い時などは弾いてしまう可能性があります。反面、使えるルアーの幅が広いのは良いと思います。
7位: コンパクトに持ち運べる「トラパラ」
メジャークラフト(Major Craft)
NEW トラパラエリアモデルTXAT-604SUL
実勢価格:8720円
サイズ:約183cm
ルアーウェイト:0.5~4g
継数:4本(振出し竿)
▼テスト結果
- 扱いやすさ: 28/35点
- 作り: 29/35点
- コスパ: 28/30点
- 合計: 85/100点
第7位はメジャークラフトの振出し竿「NEW トラパラエリアモデルTXAT-604SUL」。電車での釣行などに便利なコンパクトロッドです。
パワフルなブランクを備え、振出ロッドと思えないカーブを実現しています。
握りやすいコルク製セパレートグリップを備えています。スプーン全般だけでなくタイニープラグも使いこなすことができる汎用性に優れたモデルです。
コンパクトロッドなので電車などで移動するときは非常に便利です。MAXウエイトが4gぐらいまでで、管理釣り場で使う分には問題ありません。ただ振出なので若干重くなっているところが弱点だと思います。ロッドは重ければ重いほど握りが強くなってしまい、アタリが取りづらくなってしまいます。感度重視の人はできるだけ軽いロッドを選ぶと良いでしょう。
8位: 5千円以下!コスパに優れた「ゴクスぺ」
ピュアテック
ゴクスペ(Gokuspe)
FRIDAY TROUT(フライデートラウト) SPIN 602UL
実勢価格:3869円
サイズ:183cm
仕舞寸法:94.5cm
自重:92g
ルアーウェイト:0.8~5g
継数:2
▼テスト結果
- 扱いやすさ: 28/35点
- 作り: 28/35点
- コスパ: 28/30点
- 合計: 84/100点
第8位は5千円を切るコスパ抜群のゴクスぺ「FRIDAY TROUT」。
ウルトラライトアクションで、エリアトラウトの入門用として、初心者にも使いやすいモデルとなっています。
軽量ロッドで、グリップ周りはコルク素材とウッド調。軽量樹脂のリールシートを採用しています。センターカット2ペースで持ち運びも便利。
海釣りのロッドが多いメーカーから発売された製品です。値段的にかなり格安ですが、性能的には問題ないと思います。若干重いかなという感じですが、価格も安いので初心者にはおすすめです。
9位: 低価格で作りはまずまず オージーケー「562UL」
大阪漁具
オージーケー(OGK)
トラウトゲーム 562UL
実勢価格:4342円
サイズ:170.6cm、仕舞寸法88cm
自重:82g
ルアーウェイト:1~5g
継数:2
▼テスト結果
- 扱いやすさ: 27/35点
- 作り: 26/35点
- コスパ: 29/30点
- 合計: 83/100点
10位はオージーケーの「トラウトゲーム 562UL」。5000円を切るコスパに優れたロッドです。エリアフィッシングはもちろん、さまざまなフィールドに対応。長さは5.6ft以外に6.0ftがあり、ULとLアクションの計4種類のラインナップがあります。
ルアーウェイトは1~5gとまずまずで、初心者の1本目にもおすすめです。なお、同シリーズのLアクションはやや硬めで、ルアーウェイトが2~10gになるので、あまりおすすめしません。
迷ったら適合ルアーの範囲が広くて軽量のものを!
以上、エリアトラウトロッドのおすすめランキングでした。
実際に商品を手に取ってみることができないネットショップでロッドを購入する際は、ぜひ下記の点に注目してみてください。
飛距離を出したり、さまざまなルアーを使ったりするために、ロッドはできるだけ適合ルアーの範囲が広いものを選ぶことが大切です。適合ルアーの範囲はスペック表で確認できます。また複数の候補がある場合はより軽いものを選びましょう。
中には渓流でも使いやすいモデルもあるので、エリアトラウト以外にも挑戦してみたいという方は、その辺も考慮してチョイスしてみてください。
エリアトラウトロッドの汎用性ですが、トラウトの他にメバリングやアジングで使用するアングラーがいます。興味のある方はぜひそうしたソルトルアーでも使用してみましょう。
一番売れているのは「UL(ウルトラライト)」です。こちらは柔らかいわりに汎用性も高く、初心者にもおすすめです。「XUL(エクストラウルトラライト)」は非常に柔らかいのですが、投げられるルアーが限定されてしまうデメリットがあります。