アウトドアで便利なシングルバーナーとは?
キャンプの調理には、焚き火やツーバーナー、薪ストーブなどさまざまなものが使えますが、ぜひともおすすめなのが、今回ご紹介する「シングルバーナー」。
登山では「マストアイテム」とされていますが、軽量・コンパクト性に優れ調理も手軽。携行性が良く、キャンプでも超便利なアイテムです。
しかもツーバーナーに比べて半分以下の重量。ソロキャンプはもちろん、大人数でもシングルを数個用意したほうが荷物も少なくなります。
今回はソロキャンプや電車移動などで荷物を減らしたい場合や冬キャンプを想定してのシングルバーナーを検証しました。
シングルバーナーは軽いものなら100g程度で、折り畳むと手のひらサイズになるものも。
ただし軽量・コンパクト性能と調理のしやすさは反比例するため、キャンプで使用するなら軽量さだけでなく、五徳の安定性といった調理面も考えて購入するのがいいでしょう。
今回はアウトドアムックの監修者として有名で、登山やキャンプの道具に精通する義村貞純氏に監修を依頼。数あるシングルバーナーの中から、初心者におすすめの製品をランキング化してもらいました。
シングルバーナー選びにまつわる基礎知識はもちろん、ネット通販で買える人気製品のランキングも発表します!
さっそくですが結果発表!1位は「EPI(イーピーアイ)」でした
EPI(イーピーアイ)
REVO-3700ストーブ
実勢価格:1万200円
使用サイズ:86H×152mm(径)
収納サイズ:89H×52D×52mmW
重量:111g
出力:3700kcal(230R使用時)
第1位はEPI(イーピーアイ) のREVO-3700ストーブでした。調理のしやすさ、軽量性、コンパクト性など、トータルバランスに優れたバーナーで、登山やキャンプで重宝します。耐久性にも優れているので、長く使うことが可能です。
とはいえ、シングルバーナーに何を求めるかはユーザーによって違いますので、2位以下の製品が購入候補に上がる可能性もあります。
ということでランキングをチェックする前に、シングルバーナーの基礎知識から見ていきましょう。
燃料となるガスとガソリン!それぞれのメリットは?
シングルバーナーの燃料は、ガスを使用するものが多いですが、その他にガソリンもあります。選ぶときに迷ってしまいますよね。
一体、どう違うのでしょうか?
[燃料1:ガス]扱いやすいが気温が低いと使えないものもある
ガスを燃料とするシングルバーナーの最大のメリットは手軽さ。ガスカートリッジを装着すれば、あとは家庭用のガスコンロのように使えるところが便利です。
ただしガスの特性上、気温が低い場所では火力が落ちてしまう点がデメリットになります。
[燃料2:ガソリン]扱いにくいが気温が低くても使える
ガソリンを精製したホワイトガソリンを燃料とするバーナーは、着火する前にタンク内の圧力を高めるため、ポンプを何度も押し引きするポンピングという作業が必要となります。
そういった面倒な作業が必要な反面、気温に火力が左右されにくいといったメリットがあります。
初心者にはガスがおすすめ!シングルバーナーのタイプって?
ガスかガソリンかというと、初心者におすすめなのは手軽さの点でやっぱりガス。
シングルバーナーの場合、ガスは「OD缶タイプ」と「CB缶タイプ」の2種類があります。もう少し詳しく見てみましょう。
[タイプ1]アウトドア専用のOD缶
OD缶は、アウトドア用として流通している規格です。気温に火力が左右されにくい、さらにCB缶に比べてコンパクトだというメリットがあります。
ただ、このあと紹介するCB缶に比べて価格が高いのと、売っているお店はアウトドアショップが中心でやや入手しにくい点がデメリットといえます。
通販を利用すれば入手のしにくさは解決します。ただ、送料分割高だったり、製造年月日が古いガスカートリッジが送られてきたりといったことも。またアウトドアショップやホームセンターが在庫を切らしてしまう場合もあります。そうしたデメリットを理解しておけば、OD缶をうまく使いこなすことができるでしょう。
[タイプ2]家の卓上コンロでも使えるCB缶
CB缶(カセットガス)は家庭で鍋をするときの卓上コンロにも使われ、コンビニや100均でも手軽に入手が可能。価格も安く済むのが大きなメリットですが、OD缶に比べて、火力が気温に左右されやすいというデメリットがあります。
ただしアウトドアの際は、持ち物はできるだけ共通にして荷物を減らすのが基本のテクニック。燃料も共通にしたほうが便利です。たとえばランタンの燃料がOD缶なら、バーナーもOD缶にするほうがコンパクトさの面ではオススメです。
メーカーのPL保険(生産物賠償責任保険)の適応を受けるならば、バーナーのメーカーとボンベは揃えて使用しなければなりません。しかし実際は、CB缶では、規格が揃っているので使用できないわけではありません。これは阪神大震災の時に企画がバラバラだったので使えなかったのを教訓にして改正されたとか。なおOD缶CD缶を両方使えるようなアダプターやCD缶からOD缶に詰め替えるアダプターなども販売されていますが、それらを使う場合はあくまでも自己責任で。
シングルバーナー15製品を4つの視点で検証しました
シングルバーナーにはいろいろな種類があり、お店やネットではたくさんの商品が売られています。どれを選んだらいいのか、まだ迷ってしまいますよね……。
そこで今回はまず選りすぐりの15製品をピックアップ。それらをプロが重要視する4つの視点で採点評価しました。
[選びのポイント1:調理のしやすさ]五徳が安定しているか?
登山で使用するなら、軽量クッカーくらいしか載せませんが、キャンプで使うなら、フライパンや鍋など様々な調理器具を使って調理します。
その際に重要なのが“五徳の大きさ”と“安定性”。五徳が大きければ、それだけ大きな調理器具も使えます。
(配点:30点)
[選びのポイント2:軽量・コンパクト性] 重量や収納サイズは?
キャンプではできるだけ荷物を減らしたいもの。じゃまにならない収納サイズか、重さはどのくらいかなど、軽量性&コンパクト性をチェックしました。
(配点:30点)
採点では商品自体の重量や収納サイズ以外に、使う燃料がOD缶かCB缶かも重視しました。そのため今回は「コンパクト性」という意味で、CB缶が比較的下位にきていると思います。ただCB缶にも入手しやすい、価格が安いというメリットがあるので、最終的にどちらを選ぶかは、キャンプスタイルによって考える必要があると思います。
[選びのポイント3:機能性] 最大火力や各種機能は?
最大火力はもちろん高いほうがいいし、点火のしやすさも重要です。また防風性能や火力を安定させる工夫なども含め機能性全般を評価しました。
(配点:30点)
今回はキャンプだけでなく、山登りでも使えるかどうかの視点も加えてみました。山登りで使えるものは防風性や火力の安定性などに優れているため、寒い季節の冬キャンプでも威力を発揮してくれます。
[選びのポイント3:コスパ] 総合的な機能性と価格のバランスは?
シングルバーナーの値段はピンキリ。安いものでは2千円を切るものから、高いものは2万円を超えるものまでと価格帯が広いのも特徴のひとつ。ここではキャンプで使用するためのシングルバーナーとしての機能性と価格のバランスをコスパとして検証しました。
(配点:10点)
今回は上記の4点を評価ポイントとして採点し、ランキングにしました。
シングルバーナーを使用する際の注意点は?
義村氏はシングルバーナーを購入したあとでも気をつける点があると指摘します。
数年前、冬山登山にシングルバーナーを持参した際、1日目の夜まったくガスが出なくて火がつけられませんでした。冬山登山でガスが使えないと水も作れませんから、疲労困憊で2日目にして撤退。落胆し帰宅後にメーカーのサイトを調べたら、ガスカートリッジにリコールが出ていました。早速連絡したところ無料で交換してくれました。国内のきちんとしたメーカーだと、そういった情報がメーカーサイトに出ているので、購入後も使用前にチェックするようにしたいものです。
それでは、ガスバーナー15製品のランキングをご覧ください!
トータルバランスに優れた EPI「REVO-3700」
ユニバーサルトレーディング
EPI(イーピーアイ)
REVO-3700ストーブ
実勢価格:1万200円
使用サイズ:86H×152mm(径)
収納サイズ:89H×52D×52mmW
重量:111g
出力:3700kcal(230R使用時)
燃料:OD缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 30/30点
- 軽量・コンパクト性: 28/30点
- 機能性: 29/30点
- コスパ: 9/10点
- 合計総合評価: 96/100点
1位はEPI(イーピーアイ) のREVO-3700ストーブ。軽量性、五徳の大きさ、火力の安定性などトータルバランスに優れたシングルバーナーです。
収納サイズがコンパクトで重量も比較的軽量。シンプルな構造で展開してすぐに使えるので非常に便利。OD缶使用タイプで、五徳が風防の役割を果たします。
五徳は面積が大きく大きめの鍋を置いても安定感があります。火力も十分で調理もしやすく、何より丈夫で長く使える点が高評価につながりました。
非の打ちどころのないバーナーだと思います。最大の特長は火力で、500mlの水を2分ぐらいで沸かすことが可能。ちょっとベーコンを炒めて一品作るとか、ご飯を炊くとか、チャーハンを炒めるとか、調理全般も得意としています。多少マニアックですが火が出る部分の視認性が高く、日中の屋外でも火が付いているかどうか確認できるのも便利。ただあえて欠点を探せと言われれば、チャッカマン(点火装置)の取り外しがしにくいというところでしょうか。点火装置はあれば便利ですが、どんな商品でも壊れやすかったり、着火しない時があったりするので、喫煙者でなくてもアウトドアではライターは必須装備。そのため点火装置はあまり重要ではないと考えています。
高い防風機能を備えた SOTO「アミカス」
bバーナー
ソト(SOTO)
アミカス コンパクトストーブ SOD-320
実勢価格:5280円
使用サイズ:幅7.6×奥行10×高さ8.6cm(使用時本体のみ)
収納サイズ:幅4×奥行4.3×高さ7.5cm
重量:81g
発熱量:3.0kW(2600kcal/h)
燃料:OD缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 28/30点
- 軽量・コンパクト性: 29/30点
- 機能性: 28/30点
- コスパ: 10/10点
- 合計総合評価: 95/100点
2位はSOTO「アミカス コンパクトストーブ SOD-320」。1位商品よりも30gほど軽いコンパクトなバーナーです。バーナーヘッドがすり鉢状になっており、高い防風機能を備えています。
横からの風を受けにくく、強風の中でもしっかりと加熱調理をすることができます。五徳は1位商品と同じく4本で、鍋をしっかり支えることが可能です。
1位商品に比べると、やや防風性能の高さが上。五徳も4つで僕の好みです。五徳が3つだと小さいコッヘルやシェラカップなどでは不安定で料理をこぼしてしまうことが多いように感じます。ただ1位商品と比べると、大きい鍋での使用に難ありなのと、火力がやや弱いのがデメリット。500mlの水をおよそ3分で沸騰させられますが、大人数のキャンプでお湯を沸かすときには時間がかかってしまいます。
あっという間にお湯が沸く JETBOIL「フラッシュ」
ジェットボイル(JETBOIL)
JETBOIL フラッシュ
実勢価格:1万5877円
サイズ:直径104mm×高さ180mm(収納時)
重量:約371g (付属スタビライザー27g、ゴトク35g除く)
火力:2269kcal/h
燃料:OD缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 27/30点
- 軽量・コンパクト性: 27/30点
- 機能性: 30/30点
- コスパ: 8/10点
- 合計総合評価: 93/100点
3位は登山者に大人気のJETBOIL「フラッシュ」。専用クッカーとバーナーの一体型で、少ない燃料ですぐにお湯を沸かすことができます。
火力とエネルギー効率に優れており、0.5Lの水なら約1分40秒で沸騰。沸騰を色の変化で知らせるインジケータも付いていて非常に便利です。
自動点火装置やグローブのままでも扱いやすい大型のガス調節つまみなど細部にもこだわりが見られます。すべてのパーツはクッカー本体内に収納が可能。コンパクトでひっかかり所の無い形状なので、バックパックなどに収納する際にも便利です。
もしシングルバーナーの役割が「お湯を沸かす」だけならこのバーナーは超おすすめ。火力こそ2269kcalですが、500mlの水をおよそ100秒で沸かせられます。1位商品と比較すると40秒、2位商品なら80秒の節約に。「わずか40秒か……」と思う人もいるかもしれませんが、冬山登山やサバイバル的なキャンプではこの差は大きいものです。さらに一酸化炭素中毒のリスクも低く、少ない燃料を効率よく使用しているので、ガスの節約ひいては、軽量化になります。また周りが熱くならず吊るして使えるのも便利。
4位: ポケットに入るコンパクトさ!スノーピーク「ギガパワーストーブ 地」
スノーピーク(snow peak)
ギガパワーストーブ 地
実勢価格:4950円
使用サイズ:φ106×67.5mm
収納サイズ:44×35×82(h)mm
重量:75g
出力:2500kcal/h
燃料:OD缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 27/30点
- 軽量・コンパクト性: 30/30点
- 機能性: 26/30点
- コスパ: 9/10点
- 総合評価 : 92/100点
第4位はスノーピーク(snow peak) ギガパワーストーブ 地。重量はわずか75gで、ポケットに入る収納サイズです。これだけのコンパクトさながら、火力は2500kcal/hと他のバーナーに負けていません。
五徳は内側に折込む形になっており安定感も抜群。重量のあるフライパンや鍋でも載せることができます。
そんな優れたバーナーですが、弱点としては防風性の低さが挙げられます。火口が風にさらされやすい構造になっているので、強い風の場合モロに影響を受けてしまいます。
*写真は現行品の前のモデルです
防風性では劣りますが、コンパクト性は抜群ですね。また原則としてバーナーと燃料缶は同じメーカーのものを使わなければならないのですが、スノーピークには人気のリトルランプなどコンパクトなガスランタンもあるので、ガスランタンを使いたい人にはおすすめ。1998年登場の信頼のモデルで、専用の風防とか自動着火装置とかがオプションで販売されています。 シングルバーナーのOリングは消耗品ですので、長期使用するためには交換が必要です。息の長いロングセラー製品だと、交換部品が入手できなくならないのもいいと思います。旧モデルだと、Oリングが2つの構造でガス漏れを防いでいたのが個人的には安心できて良かったのだけれど…。なお便利なプラスチック製のケースがつきます。
5位: 3600kcal/hのハイパワー!プリムス「P-153 ウルトラバーナー」
岩谷産業
プリムス
P-153 ウルトラバーナー
実勢価格:8910円
ゴトク径:最大148mm/最小90mm
収納サイズ:7.5×8.8×3.0cm
重量:110g
火力:3600kcal/h
燃料:OD缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 28/30点
- 軽量・コンパクト性: 28/30点
- 機能性: 27/30点
- コスパ: 8/10点
- 総合評価: 91/100点
第6位のプリムス「P-153 ウルトラバーナー」はシングルバーナーの代名詞といっても過言ではないほど定番アイテムです。
重量は110gと超軽量で、登山シーンでも活躍。さらに、火力は3600kcal/hとパワーも十分。あっという間にお湯を沸かすことができます。
4位商品のスノーピーク「ギガパワーストーブ 地」と比べると、五徳が風防をある程度兼ねている形状になっていて、風に強い構造でよほどの風でないかぎりは、火が消えてガスが出っぱなしという事態は少ないはず。また、シェラカップやただのコップのような小さなものも使いやすい五徳形状です。使う前にしっかりと拡げましょう。 プリムスもEPIと並ぶ老舗でOリングや点火装置などのスペアパーツをしっかり用意しています。ランタンとかツーバーナーとか別製品のラインナップを考えずに、登山メインのシングルバーナー単体で評価すれば、1位でもよいかもしれません。プリムスのガスカートリッジは、北海道や沖縄、屋久島などに飛行機利用する場合、空港のそばにあるニッポンレンタカーで売っていたりするので確認してみましょう。
5位: 最軽量で出力も抜群 スノーピーク「マイクロマックス」
スノーピーク(snow peak)
ギガパワー マイクロマックス ウルトラライト GST-120R
実勢価格:7590円
使用サイズ:ゴトク径φ125/90×81mm
収納サイズ:67×34×80mm
重量:56g
出力:2800kcal
燃料:OD缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 27/30点
- 軽量・コンパクト性: 30/30点
- 機能性: 27/30点
- コスパ: 8/10点
- 総合評価 : 91/100点
同点5位はスノーピーク「ギガパワー マイクロマックス ウルトラライト」。軽量56gは今回のランキングでもトップクラスの軽さ。それでも2800kcal/hの高出力は立派です。3枚の板状ゴトクは風防も兼ねながらクッカーを支えます。
ハンドルを本体の下に折りたたんでコンパクトに収納できます。ソロキャンプなどギリギリまでギアの重量の軽量化を図りたい人におすすめ。またワイヤーハンドルで微妙な火力調節ができるのも便利。
軽いです。とにかく軽いのが好きという人にはおすすめ。ただ、プリムスの五徳と形状は似てはいますが、本数は3つ。54gほど重くなりますが、個人的にはプリムスの4本五徳のほうが安定性がよく使い勝手がよいと思います。
7位: ガスでもガソリンでもOK!SOTO「ストームブレイカー」
新富士バーナー
ソト(SOTO)
ストームブレイカー SOD-372
実勢価格:2万3100円
使用サイズ:φ17×H9.5cm
収納サイズ:φ7×H9.5cm
重量:205g
火力:3000kcal/h
燃料:OD缶他
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 28/30点
- 軽量・コンパクト性: 27/30点
- 機能性: 29/30点
- コスパ: 7/10点
- 総合評価: 90/100点
7位になったのは、SOTOの「ストームブレイカー SOD-372」でした。
この製品の特徴は何と言ってもガスとガソリンの両方が使えるハイブリッドストーブだということ。通常は手軽に使えるガス、気温の低い時は安定した火力のガソリンで、といった使い方もできます。
ガス缶を逆さに設置することで、液体のガスをダイレクトに送り込むことができ、ガスを燃料とした時も寒さに強い強火力を発生させることができます。
せり上がったバーナーヘッドの形状により、優れた耐風性を発揮。炎口の数は300もあり、短時間でお湯を沸騰させる火力で、燃料の節約にもなります。
これまでの製品は、メイン火力とは別にサブで使う場合や、登山で使う場合などを想定してきましたが、このモデルはシングルバーナーでありながらメインの調理器具としても活躍できます。ガソリンを燃料にできるので、オートバイを使ったバイクキャンプの際には重宝すると思いますし、海外での燃料調達もできます。ガソリン仕様の割に、似た形状のMSRなどに比べて火力が微妙に調整できるのが本当に素晴らしいです! OD缶使用の場合逆さまで使用する液出し仕様なので、最後まで使い切れるのもよいですね。そのぶん軽量コンパクト性はやや犠牲になっています。
7位: 安定した火力を維持する SOTO「FUSION Trek」
新富士バーナー
ソト(SOTO)
レギュレーターストーブ FUSION Trek(フュージョントレック) SOD-330
実勢価格:9900円
使用サイズ:幅430 ×奥行140×高さ100mm
収納サイズ:幅110×奥行60×高さ100mm
重量:182g
出力:2800kcal/h
燃料:OD缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 27/30点
- 軽量・コンパクト性: 27/30点
- 機能性: 28/30点
- コスパ: 8/10点
- 総合評価 : 90/100点
同点7位はSOTOの「フュージョンTrek」。分離型で、マイクロレギュレーターを搭載していることが最大の特徴です。
マイクロレギュレーターにより、連続使用時や低温時のボンベ内の圧力低下にも影響されにくく、安定した火力を維持することができます。また3つのノズルからガスを噴射することでいかなる状況でも安定した燃焼を続けることが可能です。
同じSOTO製の前出・SOD-372の半分の値段で買える商品です。その代わりガソリンは使えません。同じSOTO製のレギュレーターストーブFUSION(フュージョン)ST-330と比べると、コンパクト、軽量化している点が良いですね。五徳がしっかりしていて調理しやすいバーナーだと思います。ガス缶は寒いところでは表面が凍ってしまうぐらい冷えてしまうのですが、分離型なら、手やぬるま湯で温めながら使えるのがよいですね。ただ上位商品と比べるとパッキングがしにくく、どうしてもコンパクトさでは劣ります。
9位: 五徳の大きさと安定性はピカイチ!「キャプテンスタッグ」の“大型五徳“
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)
大型五徳ガスバーナーコンロ
実勢価格:1万3500円
使用サイズ:約380×207×H232mm
収納サイズ:約240×207×H85mm
重量:約940g
火力:3000kcal/h
燃料:レギュラーガスカートリッジ
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 30/30点
- 軽量・コンパクト性: 23/30点
- 機能性: 28/30点
- コスパ: 8/10点
- 総合評価: 89/100点
9位はを獲得したのは、キャプテンスタッグの「大型五徳ガスバーナーコンロ」です。
こちらはシングルバーナーながらツーバーナー並みの五徳の大きさを確保した調理機能に特化したアイテム。これならある程度大型の鍋類も安定してのせることができます。
超小型のシングルバーナーほど軽量コンパクトではないものの、重量1kg以下で、脚を畳めばスリムに収納できるなど、ツーバーナーに比べれば圧倒的に軽量かつコンパクトです。
キャンプに荷物はあまり持って行きたくないけれど、料理は妥協したくないという人におすすめのアイテムとなっています。
シングルバーナーの中でも、約240×207cmと五徳の大きさでは抜けた存在。フライパンや鍋も安定してのせられるので、調理の幅も広がります。
オーソドックスな十字五徳で、風防を兼ねています。何よりもコストが安い。また、住んでいる地域によるかと思いますが、キャプテンスタッグのガスカートリッジはホームセンターでの取り扱いが多いかと。入手しやすいのがいいですね。OD缶の底を地面などに着けずに使用できるので、コッヘルなどにガスカートリッジを収納させても、衛生的によいかもしれません。
10位: 安さと性能で大人気のキャプテンスタッグ「オーリック」
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)
オーリック小型ガスバーナーコンロ
実勢価格:4381円
使用サイズ:125×125×H82mm
収納サイズ:117×105×H65mm
重量:約300g
火力:2700Kcal
燃料:OD缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 27/30点
- 軽量・コンパクト性: 26/30点
- 機能性: 27/30点
- コスパ: 8/10点
- 総合評価: 88/100点
10位は、キャプテンスタッグの「オーリック小型ガスバーナーコンロ」です。Amazonでも900件以上のレビューが付いている超人気商品。五徳の安定性にも優れ、ちょっとした調理はお手のもの。これなら3つ購入しても1万円とちょっと、ツーバーナーを越えるスリーバーナー体制も手軽にできます。
重量は約300gと、登山用のシングルバーナーに比べると見劣りしますが、キャンプで使用するならまったく問題ありません。専用ケースに収納すれば持ち運びにも便利。この安さなので、サブとして持っておくのも悪くないと思わされてしまう抜群のコスパ力です。
プリムスの2243バーナーに似ているような……。2243バーナーのように、五徳の中心部がXで繋がっていたら、もっと防風性も上がってよいのにと思います。ガスの吹き出し部分の微小な穴が露出しているので扱いには注意が必要ですが、詰まった時のメンテナンスは逆に簡単です。先の製品同様、キャプテンスタッグはOD缶がホームセンターで入手しやすく、比較的安く買えるのもいいですね。
11位: カンタン点火で初心者におすすめ!コールマン「アウトランダー」
コールマンジャパン
コールマン
アウトランダー マイクロストーブPZ
実勢価格:6500円
使用サイズ:約11×9.5×H9.5cm
収納サイズ:10×5.5×H9.5cm
重量:約200g
火力:約3000kcal/h
燃料:OD缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 28/30点
- 軽量・コンパクト性: 26/30点
- 機能性: 26/30点
- コスパ: 7/10点
- 総合評価: 87/100点
11位のコールマン「アウトランダー マイクロストーブPZ」は、五徳の安定感が高く、鉄製のスキレットなども安心してのせられます。点火ボタンも押しやすく、初心者でも安心して使えるのが魅力の製品です。
重量は約200g、火力は約3000kcal/hと優秀。これからキャンプを始める人に特にオススメできるアイテムです。
コールマンのガス式のツーバーナーとかランタンを持っているか、もしくは購入予定があるならば、この製品をバックアップに持っていってもいいかもしれません。ただプラスチック部品を多用しているので、10年とか20年とかの使用に耐えるのかが心配。
12位: CB缶でも高出力な火力を実現!SOTO「レギュレーターストーブ」
新富士バーナー
ソト(SOTO)
レギュレーターストーブ ST-310
実勢価格:6380円
使用サイズ:170×150×H110mm
重量:350g
火力:2500kcal/h
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 27/30点
- 軽量・コンパクト性: 26/30点
- 機能性: 26/30点
- コスパ: 7/10点
- 総合評価: 86/100点
第12位にはSOTOの「レギュレーターストーブ ST-310」が入りました。こちらもAmazonでは1800件以上のレビューが付くなど、大人気アイテムとなっています。
この製品はガスでもCB缶が使え、しかもCB缶の火力の弱さを補うマイクロレギュレーター搭載というのが最大の魅力です。
ただしレビューでは五徳の熱が脚に伝わって熱くなる、とデメリットを指摘するものが多く見られました。脚にシリコンパイプを着けてそれを解消している人も多いようです。
評価基準のコンパクト性がCB缶使用のモデルのため、ランキングこそ下位ですが、ソロキャンプなどには非常にいい製品だと思います。なおST310専用の「アルミ遮熱テーブル」がSOTOから発売されています
新富士バーナー
ソト(SOTO)
ST310 アルミ遮熱テーブル 堅牢モデル シングルバーナー用
実勢価格:4980円
ST310専用の「アルミ遮熱テーブル」を使えば鉄板焼きも可能なので、料理のバラエティを広げることができます。
※画像はAmazonより
「焚き火の調理は面倒くさい」とか「焚き火は眺めているだけでいい」なんていうキャンパーや「鉄板で厚切りステーキを焼きたい」なんて要望に応えた商品です。
13位: 厚さ2mmになる SOTO 「Gストーブ ST-320]
新富士バーナー
ソト(SOTO)
Gストーブ ST-320
実勢価格:9400円
使用サイズ:幅153×奥行195×高さ77mm
収納時サイズ:幅142×奥行78×高さ225mm
本体重量:380g
出力:1800kcal/h
燃料:CB缶
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 27/30点
- 軽量・コンパクト性: 24/30点
- 機能性: 26/30点
- コスパ: 7/10点
- 総合評価 : 85/100点
13位はSOTO「Gストーブ ST-320」。左右の板版を折り込んで収納時には厚さ25mmという薄さになるシングルバーナー。左右の板版はバーナー部を保護する役目も果たし、遮熱効果と防風効果に威力を発揮します。また作りが頑丈でパッキングもしやすいメリットもあります。
12位商品と比べると、この320は五徳が風防を兼ねるという意欲的なデザインになっています。しかも折り畳むと平べったくなるというギミック。個人的には嫌いじゃありませんが、多少慣れが必要です。どちらのモデルもキャンプ場ならば難儀しないと思いますが、設置するのに結構広い平らな面が必要になります。地面ならばいいのですが、テーブルだと思いの外場所を取るのでテーブルサイズも要チェックです。
13位: CB缶で定番の IWATANI「ジュニアコンパクトバーナー」
岩谷産業
IWATANI
ジュニアコンパクトバーナー
実勢価格:5980円
使用サイズ:155×155×H127mm
収納サイズ:82×68×H109mm
重量:約274g
火力:2300kcal/h
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 26/30点
- 軽量・コンパクト性: 27/30点
- 機能性: 25/30点
- コスパ: 7/10点
- 総合評価: 85/100点
同点13位はシングルバーナーの定番、IWATANIの「ジュニアコンパクトバーナー」。CB缶を使用するガスバーナーといえばコレ、というくらい長年愛されてきている製品です。
CB缶を使用するタイプの中でもコンパクトなため、山登りで使用することもできます。5千円台と価格も比較的手頃です。
IWATANIのガスカートリッジならばコンビニエンスストアで入手ができることが多いかと。その点場所を選ばず使える商品だと言えますね。
15位: 価格が2千円を切る feilequan「シングルバーナー」
feilequan
シングルバーナー
実勢価格:1980円
使用サイズ:175×175×86mm
収納サイズ:76×84mm
重量:400g
出力:3500W
▼検証結果
- 調理のしやすさ: 25/30点
- 軽量・コンパクト性: 24/30点
- 機能性: 25/30点
- コスパ: 6/10点
- 総合評価 : 80/100点
15位は2千円以下と格安なfeilequanのシングルバーナー。
OD/CB缶対応で非常に便利。バーナー風防や電子点火など基本的性能を備えています。またハイエンド防塵キャップが付いているのも高評価。95×92mmのキューブ型ケースが付いていますが、重量は結構重めです。
中華製で、なんとOD缶もCB缶も両方使える! アメリカブランドのMSRのウインドバーナーが、国内正規発売まで2年ぐらいかかったのに、これ売っていいの? と思ったりもします。正直、使うならばソロキャンプで完ソロか隣まで十分なスペースがある場合に限定してほしいちょっと怪しい商品です。テストしている限りでは異常燃焼などはしませんでしたが、片時も目が離せないので、リラックスしにキャンプにきている場合にはおすすめしません。20年近く愛用しているSIGGのファイヤージェットに似た五徳のギミックがとてもいいのですが……。
【おわりに】安全性に関して知っておきたいこと
最後に義村氏に、シングルバーナーの安全性に関する知識を解説してもらいます。
シングルバーナーの使用でとくに気をつけたいのが以下の4点です。メーカーはどうしても「〇〇してはいけない」といったNO! の喚起になりがちなので、ここではあえて「やろう」=DO! の姿勢で注意喚起とコツをお伝えします。
1:一酸化炭素中毒に気をつけよう
屋外専用なのは分かっていても、冬のキャンプだったり、雨がザーザー降ったりしていると、どうしても室内で使いたくなってしまいます。
その場合、使用時の換気はもちろんのこと、できればCOチェッカーなどを使ってもらいたいのですが、そうもいかないならば、換気と併用して極力短時間で済ます、点火中はしっかりと監視するといった注意が大切です。
2:ガス缶が熱くならないように気をつけよう
実際に、夏の海岸で鉄板の下でシングルバーナーを並べて使用し爆発したのを見たことがあります。大きな音とともに鉄板が空中に飛んでいました。ケガ人がいなかったのが幸いでしたが……。
メーカーは「40度以上にならないように」と謳っています。そのため夏の自動車内や砂浜なども要注意です。使用時には手で触って確認することができますが、ガマンできない温度だったら、すぐに使用を中止しましょう。
メーカーは炭火おこしや鉄板は使わないようにと謳っていますが、ダッチオーブンやスキレット、小さい鉄板などの場合も注意が必要です。使用中はときどきガスカートリッジを触って温度を確認することが大事です。
とくにダッチオーブンやスキレットなど重量がある器具を乗せる場合は「蓄熱」するので、頻繁にカートリッジに触れチェックするクセをつけるとよいと思います。
3:着脱時にガスに引火しないよう気をつけよう
キャンプサイトで見かけたことがあるのが、着脱時に漏れるガスにランタンなどから引火したケース。このときは悲惨なことにタープが溶けていました。
そのため、器具の着脱は近くに火が無いところで行いましょう。またハンドルがオープンになっている状態で収納されている場合があるので、器具とガスカートリッジを着けるときには必ずハンドルを締めてから行うようにしましょう。
4:器具の劣化や破損に気をつけよう
ガス缶の劣化を発見するために、セットして着火する前に臭いがしないか、チェックするクセをつけましょう。とくにOD缶は、コッヘルなどに収納するケースが多いかと思います。
コッヘルを完全に乾燥させて清潔にしておけばよいのですが、OD缶を直接、地面に設置する場合も多いでしょう。その場合OD缶の底が錆びたり劣化したりする場合があるので、底はなるべくきれいにしてから収納するようにしましょう。
購入時に付属するキャップをつけて、キャップ面が底にあたるように収納しておくとサビにくいかと思います。ガス自体はずっと劣化しないとされていますが、缶はOD缶でもCD缶でも最長7年で交換することになっています。
さらに詳しく安全使用に関して知りたい方は下記のサイトか取扱説明書を確認しましょう。 ▼日本ガス石油機器工業会HP https://www.jgka.or.jp/gasusekiyu_riyou/anzen/gasu_okugai/index.html
以上、シングルバーナーのオススメ15製品のご紹介でした。気になったアイテムは、ぜひチェックしてみてくださいね!
飛行機の移動が無く1週間以内のキャンプならば、国内ではガスでいいのではないでしょうか? ガスの場合、冬山登山や冬キャンプでの低温での火力低下はたしかにありますが、手で温めるなどの工夫でなんとかなります。私も貧乏学生時代は、ガソリンや灯油を愛用していましたが、火力調整の便利さなどで、大人になった今では国内ならば、ほぼガス一択です。